闇に入った政局と参政党の立場~不安定な国債市場と松田プラン&ウ和平で世界はトランプ・プーチン枢軸へ~
- 松田学
- 6 日前
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政局が正に「一寸先は闇」の流動的な状況に突入しています。自民党で参院選の総括文書がまとめられ、9月2日に両院議員総会で報告され、来週の9月8日に、前倒し総裁選を実施せよとする党国会議員と各県連支部はその旨を党本部に「投票」、これが過半数に達すると総裁選実施が決まります。これがどうなるかが当面の政局の焦点となります。
石破政権を温存したい?党執行部としては、これを記名投票にすることで投票行動に圧力をかけましたが、こうした様々な画策がかえって反発を広げ、逆に、投票への決意を表明する議員が閣内の政務三役の中からも次々と現われ、どうも、過半数に達するのではないかという見方も…。記名投票にしたことで、逆に、投票しなかった議員が誰なのかも明らかになりますから、彼らは参院選で示された民意を無視する議員だとのレッテルが貼られるリスクを抱えることにもなります。いずれにしても、この「踏み絵」で自民党は分裂?
もし、総裁選前倒しが決まれば…石破総理(周辺?)は既に、それなら国民に信を問うとして、実施派議員たちにブラフをかけていますが、実際に急な解散総選挙になるのかとなると、微妙です。まず、解散の大義名分がありません。自らの延命のために国民に信を問う?また、現時点で石破総理のもとでの衆院選となると、4度目の自公大敗に…?複数の閣僚が、解散に必要な閣議決定につき署名を拒否するとも言われています。
石破氏を元気にしているとされるのが内閣支持率の上昇ですが、それはリベラル野党の支持者も含めた石破氏に対する支持率であり、判官びいきもあるでしょう。自民党の支持率は低迷したままですし、参院選で躍進した参政党の勢いがそのまま自公の票を奪うでしょう。公明党は既に解散には反対と表明しています。ただ、国民民主も参政党と共に勢いを増しているため野党間での選挙調整はできず、野党分裂で自公が漁夫の利を得て衆院で過半数を回復するとの見方もあるので、石破氏が勝負に出る可能性はゼロではありません。
解散総選挙を決断しない場合に石破氏が総理の座を守るためには総裁選に自ら出馬するしかありませんが、これはさすがに無理だろうとの見方が多いようです。推薦人20人を集めるのも困難だとか。石破氏抜きでも、総裁選になれば、これは9月いっぱいかかるでしょうから、日本の政治の停滞は長引きます。国会では野党が多数ですから、選出された総裁が首班指名で総理に選出されない可能性も。選出されれば10月にも新総理のもとで解散総選挙?そうなれば臨時国会の開催は遅れ、政治の混乱は更に長引くことになります。
もし、総裁選前倒しという結果にならなければ…石破氏は自民党から形の上では信任を受けたことにはなりますが、すでに党四役は辞意を表明し、石破総理の求心力は低下しています。少数与党のもとで頼りの野党との連携もままならず、与党が薄氷を踏む思いの国会運営は更に野党ペースとなり、麻生最高顧問が指摘するように「決められない政治」が再現するでしょう。政権運営はいずれ行き詰まり、石破政権は短命に終わる?
しかし、そんな不安定政権だからこそ、ここぞとばかり立憲民主党との「隠れ大連立」が浮上し、奇妙な安定状態となってリベラル左派主導の政治が定着する可能性も。選択的夫婦別姓など日本の国柄を壊す政策が立憲民主党の思い通りに次々と実現し、石破氏の見方である国民世論の「右傾化」が収まる頃合いを見計らいながら、参政党ブームが去るのを待って解散総選挙、それは再来年になると断言する議員がいないことはありません。
いずれにしても、今年の秋の臨時国会で野党が対峙する総理は誰になるのかによって、参政党の出方も異ならざるを得ません。では、参政党はどうするのか。
●少数与党とのバーターで少しでも政策転換を実現…これも誰が総理になるかで決まる
もし石破総理のままなら、そして石破総理のもとで解散総選挙が近日中に行われ、先の参院選の勢いで30議席程度を確保すれば、参政党の政権与党入りが現実味を帯びるかもしれませんが、そもそもが石破批判票が参院選での参政党の躍進をもたらした要因の一つですから、それでは有権者を裏切ることになりかねません。政策の基本路線も積極財政派の参政党は石破政権とは相容れないものがあります。
最近、私は議員会館の自室で財務省の官僚たちと緊密に意見交換を重ねていますが、財政当局の目下の最優先課題は、少数与党のもとでいかに野党を抱き込んで予算を成立させるか。そのためには、予算への賛成とのバーターで賛成してくれるならと、その野党が重点を置く政策を飲んでもいいというのが彼らの本音です。これを先の通常国会でやったのが維新と国民民主でした。これは参政党にとってもチャンス。
もともと参政党は、国民負担率を46・2%から35%に引き下げるという無理難題を公約して参院選で躍進したのですから、期待して投票してくれた有権者に対しては、いずれ、そこに向けて一歩でも前進した姿を政府与党に実現させた姿を示さねば、公約倒れの人気取り政党に堕してしまうリスクを抱えています。かと言って、それが少しでも実現したとしても、石破政権の予算に賛成するということへの支持者の理解がどこまで得られるか…。
この点、もし総裁選が行われて積極財政派で保守系の高市早苗氏が総理総裁に選出されれば、こうした問題はクリアーされます。高市政権のもとでこの秋に解散総選挙となり、参政党が今の勢いをそこそこ維持してある程度の議席を獲得すれば、同党の連立入りもいよいよ現実的なものとなってくるでしょう。参政党の公約実現も視野に入ってきます。
これが選択的夫婦別姓を掲げ、グローバリズム側に立つ小泉氏が総理となれば、やや微妙かもしれません。選挙戦でも小泉氏には厳しい批判を浴びせてきたのが参政党です。
いずれにしても、参政党は現在、急増した新人議員たちの育成に加え、連立与党入りした場合にもそれに的確に対応できるよう、着々と党内体制の準備を進めているところです。
では、参院選で私に票を入れてくださった全国の多くの有権者の皆さまが期待する「松田プラン」の実現はどうなるのか。これは大掛かりな構想です。そうであればこそ、水面下で少しずつ慎重に動きを始めています。
今回は以下、この松田プランにしか積極財政の道はないと断言する及川幸久氏が私との対談で述べた内容をご紹介します。前半は松田プランについて、後半はウクライナ戦争終結に向けた最新の動きに触れつつ、新たな国際秩序を展望する内容となっています。
●国債マーケットでは日本初の世界恐慌?の声…松田プランがいよいよ不可欠になった
以下、及川氏によると…「参政党の躍進は海外ではそんなに悪く報道されていない。世界の潮流だから。なので一時的な人気ではない。」
「参院選は最初は減税が大きなテーマだったが、地に足の着いた減税と言っていたのは松田プランがある参政党だけ。既存の国債を松田プランで消していって、その代わりに国債を増発する。」
「世界的に国債が問題に。米国では金利が急上昇。国債の買い手がいなくなった。国債は出せば必ず売れるものではなくなった。米国債の入札が入らなくなり、金利上昇。」
「もっと問題なのが日本。金利の上がり方が急。特に20年~30年~40年もの。過去最高の金利に。買い手のメインは生保だが、買わなくなっている。国債の価格が危ない。
「保険会社が再保険、これが進み、リスクが大きくなった日本国債を買わなくなった。格付けもいずれ落ちる。ならば再保険で運用した方がベター。これは構造変化。」
「米国か日本か英国かどこかの市場で国債暴落、それが連鎖する。マーケットではそういう話になっている。海外メディアではだいぶ前から出ている。2025年の世界のリスクの一つに日本の国債が挙げられている。参院選で積極財政でさらにそうなる。国民の民意とマーケットは違う。」
「減税と積極財政をやらねばならないが、そのためには国債を増発しなければならない。その方法は、政府発行の暗号通貨を導入する松田プランしかない。「暗号通貨でも大きな変化。ステーブルコイン。トランプ政権の重要政策。法定通貨を担保にしているから安定。実用的。ドルが担保。米短期国債。ステーブルコインを買う人が増えれば米短期国債を買う人が増える。米財務省にとってありがたい。」
「ベッセント財務長官は策士。これでFRBの通貨発行権は奪えないが、銀行の力を弱め、それを支配しているFRBの力を抑えられる。今は40兆円、それがいずれ300兆円に。それに相当する短期国債が売れる。ドルへの信認が上がり、金利は下がる。トランプの思い通り。これが松田プランまで進めば完璧。」
「日本国債に対する格付けは米国債より低い。日本初の世界恐慌?マーケットの声が実際にそう。現実的な政治の力が減税には必要。それが参政党の松田プラン。」
●停戦でなく「和平」に向けトランプとプーチンは既に合意…ウクライナを元の中立国に
対談の後半はウクライナ戦争を巡ってでした。及川氏によると…「ウクライナ戦争については、8/15にアラスカ会談。18日にホワイトハウスにゼレンスキーと欧州首脳。停戦がキーワードだったが、トランプもそうだったが、アラスカでコロッと変わり、停戦ではなく終結に。これはプーチンが言っていたこと。トランプは欧州側からプーチン側についた。これを欧州首脳にトランプは言い渡している。」
「トランプとプーチンの電話40分の間、ゼレンスキーも欧州首脳も排除。これが今の姿。戦争を続けるための停戦。平和平和と言っていたが、実は戦争を続けることが平和。結論は、2022年4月のイスタンブール合意。」
「この合意を反故にしたのが当時のジョンソン英首相。本当ならその時に戦争は終わっていた。トランプ-プーチン会談は大きな前進。それが停戦ではなく『和平』合意。戦争を終わらせる方法について米ロが共通理解。根本原因の解決。原因とはNATOの東方拡大。要は、グローバリストが仕掛けた戦争。」
「ウをNATOに入れればロシアは目の前。それをプーチンは押しとどめようとしている。NATOの東方拡大はロシアに対する挑発行為。プロボーク。『挑発のあった戦争』となかった戦争で区別。挑発のあった戦争なら侵略戦争ではない。」
「日本では、先に手を出したロシアが悪い、挑発があったかもしれないが…という言い方。真珠湾攻撃には挑発があった。これは決定的。この概念が日本のメディアにも政界にもない。日本の歴史認識にも重大な影響。」
「イスタンブール合意ではウを中立国、非同盟でウも含め合意していた。そこに戻るべきだ。それが受け容れられるかどうかは、あとはウと欧州次第だとトランプは突き放した。何もしないよ、と。このままだとロシアの全面勝利になる。ウを中立国にが米ロの合意。」
「電話の前は安全の保証と領土の問題だった。集団安全保障でと。それだとNATOそのものだとしてプーチンは受け容れられないと。領土も現在支配している4つの州を受け容れる、それしかない。ゼレンスキーは受け容れないと言っているが、もう決着がついている。」
「限りなくプーチンの要求に近づいている。大きいのは戦況がロシア有利なこと。ウは近く敗ける。ロシアの主張を受け容れざるをえない。受け容れないならウを見捨てるしかない。それがトランプの姿勢。あとは欧州が考えろと。」
「ウはソ連から独立したときに中立国として発足。国づくりの出発点。そこに戻れとプーチンは言っているだけ。ウにとって決して悪くない。そうなったら米国はウの資源を一緒に発掘して経済的繁栄。」
●トランプ-プーチン枢軸が今後の世界を主導…日本の戦略は?
「トランプとプーチンが世界の新しい秩序を創り、欧州は没落。NATOもEUも欧州人から存在意義を問われる。グローバリズムの拠点の崩壊。早いかもしれない。そこにトランプ政権が攻め込んでいる。強い。」
「レアアース、まだ発掘できていなかったのがウとロシア。ウはもう米国が手をつけた。ロシアのは一緒にやろうと。日本はどうするのか。レアアースは日本も必要。」
「これからはトランプ-プーチン枢軸。ウ戦争後に変わる世界秩序は、この枢軸が創る。プーチンはスゴイ。ここまで世界中から批判されてついにトランプを説得。ロシアの経済発展に米国が一緒にやろうと。国際情勢はもはやプーチンが中心。この枢軸にどう食い込むかが日本のあるべき戦略。」
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