戦後80年の終戦の日と歴史認識の再検証~石破氏続投?余談を許さぬ政局と参政党国会議員に問われる覚悟~
- 松田学
- 2 時間前
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終戦の日の8月15日、靖國神社は例年に比べても多数の参拝者で溢れていました。戦後80周年だからか、国民の意識に変化が起きているからか、参政党がそれを喚起したからか…?自国は戦犯国家だとの自虐史観のもと、英霊には哀悼と感謝の意は捧げても、当時、英霊たちが命を捧げた日本の国家が目指したものは何であったのかに思いをいたし、その意思を引き継ぐ決意を捧げる国民は日本人の間でも決して多くないかもしれません。
それは八紘一宇の共存共栄の世界秩序であり、人種差別も植民地支配もなき平等で平和な世界の実現でした。そうした決意をもって参拝するのは「世界の大調和」を基本理念とする政党である参政党の立場…かつて衆議院議員だった頃は超党派の議連でこの日に参拝したものですが、今年は参政党の全国会議員18名と地方議員団から70名の計88名の集団で正式参拝いたしました。
その後、武道館での全国戦没者追悼式に出席。戦後80年を経て戦争の記憶を風化させてはいけないという思いが強いとされる天皇陛下のお言葉である「深い反省の上に立って」は、上皇さまの「深い反省とともに」を言い換えられたものと言われています。石破総理の式辞でも「反省」という言葉が使われていたことが注目されました。
これは、この先の世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはいけない」と語った安倍元総理の戦後70年談話を意識したものとされています。戦争を知らない人が大多数になったからこそ「反省と教訓」の継承が改めて必要だ、と。この式辞での「反省」との文言は2012年以来だそうで、その石破氏が戦後80年メッセージを出すことについては、ようやく安倍総理談話で到達した地点が逆戻りしてしまうことを多くの保守系論者が恐れています。
それはさておき、歴史認識が確定するにはおよそ百年を要するとされています。
戦後80年を経たいま、大事なことは、この年を、先の戦争についての正しい歴史認識形成への客観的な検証に向けた節目の年とすることではないかと思います。およそ戦争というものは、当事国のいずれかが全面的に悪いといった単純な視点では真実を語れない場合が多いのではないでしょうか。
●公平で客観的な歴史認識へ…日米合同での史実の検証こそが恒久平和に向けた第一歩
日米の戦争についていえば、確かに日本が無謀な戦争に突入したこと自体は反省して然るべきでしょうが、当時の米国ルーズベルト政権が日本を意図的に戦争へと駆り立てた面も大きいことが、米側での情報公開からも明らかになっています。
フーバー前大統領はこの点を鋭く指摘していましたし、公開されたヴェノナ文書は、ルーズベルト政権に膨大な数のソ連のスパイが入り込んでいたこと、そのソ連は日米戦争を仕掛けていたことなどを示しているそうです。
そのもとで、日米戦争を回避しようとの日本の外交努力も空しく、日本はハルノートを突き付けられ、自国の存亡を賭けた開戦へと踏み切ることに追い込まれた…。
もちろん、戦争は仕掛けた側が悪いといえばそれまでですが、そこには仕掛けさせた側がおり、それがどんな意図をもってそうしたのかを検証することで初めて、二度と戦争の惨禍を起こさないためにはどうすべきかという人類共通の「反省」へと到達するのではないかと思います。これは未だに戦火がやまないウクライナ戦争についても同様でしょう。
無辜の民を大量虐殺した広島長崎への原爆投下、東京大空襲など、本来は戦争犯罪とされるべきものを、好戦的で残虐な日本人やファシズムを退治するためには仕方なかったとのナラティブで正当化するために、戦犯国家との烙印を日本が押され続けてきたという戦後の構図のままでは、真の恒久平和は人類に訪れないのではないでしょうか。
歴史を振り返ると、少なくとも大航海時代以降、戦争を引き起こした真の原因は、それぞれの時代のグローバリズムだったと言われます。20世紀の二つの世界大戦も、当時の植民地主義というグローバリズムの帰結であり、これに異を唱えていたのが日本でした。
その日本で参政党が台頭し、欧米でも反グローバリズムが新たな政治の潮流になっている現在は、正しい歴史認識の形成に向けたチャンスの時かもしれません。
米国は反グローバリズムの立場に立つトランプ大統領です。そろそろ日米共同で冷静に歴史認識の再構築を図り、平和の真の敵は何なのかの共通認識を形成すべき時ではないか…。これは「歴史修正主義」でもなんでもありません。
●予断を許さない政局と石破総理続投の可能性
8月15日はこの追悼式のあと、参政党では先般の参院選で当選した全議員が集まっての研修会。議員会館がガランとしているお盆の時期であるにも関わらず、参政党は倦まず弛まず、次の臨時国会に向けて戦力を磨いています。
今回は、新人議員が予算委員会で対総理で質疑に立つ模擬質疑。皆さん、用意した質問をぶつけ、梅村委員長?の仕切りで、前半は安藤総理?後半は松田総理?が答弁する形で予行演習。私にとっては総理大臣の予行演習になった?というのは冗談ですが、いずれ政権入りを目指す新興政党の意気込みここにありでした。
ただ、政権入り?と言っても、政局のほうは予断を許しません。8月8日の自民党両院議員総会で、総裁選を実施するかどうかを8月末までに決めることが決まり、実際に総裁選となる可能性も高いそうですが、だからと言って石破総理が辞任、他の総裁が選出、その直後の秋の臨時国会で衆院解散、総選挙となるとは限らないようです。
そうなれば、現在の勢いでは参政党は衆議院で30議席を獲得、連立政権入りというシナリオも想定されますが、総裁選になっても石破氏が再選、その後は維新との連立か、野田氏率いる立憲民主党との「隠れ大連立」(閣僚は出さなくても政府自民党の提出法案には賛成することで、立民が与党を掌の上に乗せる?)との悪夢のシナリオまで囁かれています。
総裁選で高市氏に勝ち目が全くないとまでは言い切れないようですが、高市シンパの自民党保守系議員の多くが昨年の総選挙と今回の参院選で議席を失うという憂き目に遭っています。石破氏が見せるしたたかな粘り腰が奏功するかもしれません。
そうなると、参政党の躍進から日が浅い時点での解散は自民党には決して有利ではありませんから、そのほとぼりがさめる来年以降に解散総選挙は先送り…?
●参政党国会議員に問われる覚悟
こうして、もし総選挙が先延ばしとなれば、現体制での国会情勢が続くことになります。せっかく「日本人ファースト」の参政党ブームが引き起こしている日本の政治の構造変化を一過性のものに終わらせないために、これからは国会での勝負。参院選で示された民意を具体的な政策の動きにどこまで反映させられるかが参政党の国会議員たちに問われます。
研修の中のひとコマの講師を受け持った私は新人議員たちにこう述べました。
「候補者や党員の皆さんが、消費税の廃止や国民負担率の10ポイント引下げなどの極端な公約を掲げ、消費税や財政についての必ずしも正しくないネット著名人たちの主張を街頭などで繰り返すようになり、それはいかがなものかと、かねてから神谷代表には申し上げていたが、『いまは票をとるのが優先』というのが答えだった。それによって得た票で当選した皆さんは、これから国会議員として重い十字架を背負うことになることを覚悟してください。」と。
もちろん、松田プランが答にはなるのですが、そうであればこそ、私も重い十字架を背負ったという覚悟で、これからの国会活動に取り組んでまいります。
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