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  • 執筆者の写真松田学

買われる日本、政治と中国に吸われる国民負担~秋本議員事件の背後にある再エネ利権構造にこそ目を向けよ~

政局の状況が少し変わってきたかもしれません。前回は年内解散はほぼなくなったと書きましたが、10月衆院解散説がこのところ、急速に台頭しています。今週13日には内閣改造・党役員人事が行われますが、実は、政局の焦点はそこにはなく、茂木氏(茂木派)、麻生氏(麻生派)の留任で岸田派と併せ政権の安定を図った上で、岸田氏は次を考えている。


聞くところでは、自民党の最近の調査で比較的良い結果が出たようで、維新の台頭を阻止するためにはできるだけ早い総選挙が得策という戦略が再浮上し、10月下旬に補正予算をあげたあとという説もありますが、臨時国会冒頭解散という線も濃厚になってきたようです。つまり、立憲民主党などが次の国会は木原問題だとしている一方で、岸田総理は今般のG20サミットに木原氏を同行させたように、同氏をいったん外す選択はしないことを決めた。ならば、木原問題が国会審議で追及される前に「木原隠し解散」?


文春が書き立てる木原氏の疑惑が実際にどうなのかはわかりません。事件への警察捜査のストップも木原氏が圧力をかけたのか、警察のほうで忖度をしたのか、後者もあり得ますし、週刊誌報道がいかにフェイクが多いか、私自身が経験しています。もちろん、深い闇が実際にある可能性も否定できません。ただ、それより大事なことがあります。


この問題をトッププライオリティに掲げる立民も立民なら、こんなことで数百億の税金を使って解散という最大の政局が創られてしまう。戦後未曽有の日本の危機にあって政治はいったい何をやっているのか…。こんな党利党略優先の政治だから有権者は既成政党を見放し、低投票率が続き、最大の勢力は無党派層という状況になったのでは?参政党はそのような政治を国民の立場から変革するためにできた政党でもあります。


この10月解散も、国民負担増の前に国民の信を問うのならまだ大義がありますが、そんな根性が果たして岸田政権にあるのか。昨年の参院選では、選挙前は一言も言わなかった増税を、自民党が勝ったら岸田政権はかならずやるだろうと私は街頭で申しておりましたが、防衛増税でその通りになりました。子ども関係予算の倍増?社会保険料や消費税率を引上げねばつじつまが合いませんが、常に与党は財源論を避けています。


もし、宏池会の大先輩、大平正芳総理のように、国民負担増の選択を選挙で迫るだけの根性があるなら、負担増を潰す戦いをするだけでしょう。財政効果がほとんどない「身を切る改革」などとは言いません。利権による中抜きだらけの財政支出を、国民起点で制度の仕組みから抜本的に変えること。利権を潤す構造の財政支出のために負担増は許されないはずでしょう。現在、すでに五公五民に迫る国民負担率を六公四民にしないための仕組みづくりが先決。そのために不可欠なのは利権切り。自民党にできるとは思えません。


各分野の制度の組み換えには膨大な時間を要するとすれば、やはり松田プランが必要。ブロックチェーン共通基盤を創り、財政と通貨の仕組みを変えること自体は、数年でできることです。そろそろ参政党が政権選択のメニューに入ってきてもおかしくないはずです。


さて、日本の危機よりもスキャンダル対応を優先するような政治のだらしなさは、参政党が先の通常国会で提出した国の守りに関する数々の質問主意書に対して政府政権が悉く「質問の意味がわからないからお答えできない」と答弁した事実が如実に示した通りです。中国勢による日本の土地の爆買いなどが国民の不安を高めていますが、日本はWTO協定に「留保」をつけなかった例外的な国の一つ。中国人は日本の土地をあれだけ買っているのに日本人は買えないのは相互主義にも反しますが、この留保や相互主義について何度、問い質しても、上記の答弁を繰り返す政府からは日本を守ろうとする姿勢が見えません。


今般、自民党の秋本衆議院議員が逮捕に至った風力発電も、一議員の汚職疑惑だけなら政局には響かないかもしれませんが、実は、この背後には、再エネ賦課金という国民負担をもって与党議員や中国を利する深い利権構造の闇があります。メディアもそちらの方にこそ迫るべきでしょう。とても与党が国民負担増を選択肢にできる状況にはありません。


今回は、中国による農地買収と秋本事件の構図、風力発電に見られる利権構造について、経済安全保障の専門家、平井宏冶氏が松田政策研究所CHで語った内容をご紹介します。


●無防備な日本、外国人による不動産取得規制を選挙公約に

安全保障の概念が希薄な日本は、中国による土地買収に対してあまりに無防備です。以前、愛媛県西条市の広大な農地の中国勢による買収について参政党が声をあげ、この日本らしい穏やかな田園地帯を中国にしてはいけないという地元の声が高まり、売却がストップするに至った話を紹介しました。たとえ10倍の値段で耕作地を買ってくれても、中国には売らない。これぞ大和魂であり、国民運動で国を守る参政党の精神の発露でもあります。


とはいえ、向こうは極めて巧みな手で、農地売買の認可にあたる農業委員会のウラをかいています。例えば「黄金株」。事実上、中国支配の企業が日本の土地の所有権を持つことになります。この手口は全国の農業委員会に知らせねばならないでしょう。


中国勢に広く農地を買われるのは、一国の領土の一部の「ウイグル化」につながるだけでなく、日本自身の食料安全保障をも危うくする大問題。諸外国は規制に乗り出していますが、日本政府の無策ぶりは目に余るものがあります。中国が平和裏に世界中で植民地化を進めている現実を直視し、国民も政治家も行政も日本を守る意識改革が迫られています。平井氏は「外国人による不動産取得規制をぜひ、選挙公約に」と求めています。


●外国人による制限なしの不動産取得と気骨を欠いた日本政府

1994年、世界貿易機関(WTO)で、GATS(サービスの貿易に関する一般協定)が締結され、日本は「外国人等による土地取引」について「制限なし」(農地も含む)で署名しました。日本と数カ国だけが「制限なし」で署名したもので、米国を始め多くの国が外国人による土地取得を「条件付きで可能」として署名しています。中国など「不可」とする国も多数あり、署名当時は中国を脅威と認識しなかったのでしょう。外務省の歴史に残る大失態です。


ただ、外国人による不動産取得を「条件付き」で認めるようにGATSを変更するためには30近い条約を改正する必要があるようです。相手国から見返りを求められ、国内産業との利害調整も膨大な作業量になります。国内には、中国資本を呼び込むチャンスだと考える人たちが実在し、規制に反対しています。そこで外務省は、現実的ではないと変更に前向きでなく、江戸幕府が結んだ不平等条約を改正した戦前の政府の気骨ある対応とは真逆の軟弱公務員集団だと平井宏冶氏は断じています。


●農地を外資に売却せよという圧力と中国資本による農地取得の実態

以下、平井氏によると…「農地は全地目の中で唯一、売買規制がある地目。2023年4月、構造改革特別区域法の改正により、限定的だった企業(外資含む)の農地所有について、その特例を希望した全国の自治体(市町村)に認めるという新制度が成立した。農地法等がほぼ骨抜きとなり、市町村と農業委員会の決定権が増し、委ねられるかっこうになった。」


「審査力に乏しい自治体は、形式審査しかできず、容認せざるを得なくなる。改正を推進したのは、政府規制改革推進会議(河野太郎規制改革担当大臣)だった。」


「中国による経済侵攻が活発になり、森林、農地、水源地、観光地、古都などの不動産買収が合法的に進行している。北海道や九州などの広大で、森林資源や水資源が豊富な土地が中国人に人気。農産物、畜産物、海洋・森林資源、地中の天然資源狙い。背景には、中国内の農地、牧畜用地、森林資源の汚染や海洋汚染の進行がある。特に、日本の水や森林資源が狙われている。わが国は無防備すぎる。」


「農地が外国資本の手に落ちる事態が続くと、外国が背後にいる農業生産法人が増加し、零細日本人農家との価格競争が起き、競争に負けた日本人農業従事者の小作人化が進み、食料の生産と供給が外国人に委ねられる。例えば、外国系が背後にいる農業生産法人が、国産農産物を外国への輸出に回し、国内流通を減らしたら、国民は深刻な食糧危機に直面しないか?わが国の農業は、わが国の国民がコントロールできるようにする必要がある。」


●豊かな水資源をもつ愛媛県西条市と黄金株(B種類株式)の問題

「北は瀬戸内海、南は石鎚山がそびえる西条市は、地下から湧き出る自噴水があちこちから出る『水の都』として知られる。『うちぬき』と呼ばれる鉄のパイプを15mから30mほど打ち込むだけで良質な地下水が湧き出てくる。市内にはこのうちぬきが約2,000本。西条市の水は、日本名水百選にも選ばれ、一日の自噴量は約9万㎥に及ぶといわれる。」


「愛媛県西条市では、株式会社イーキウイにより農地が取得されている。ニュージーランドのキウイフルーツの生産・販売会社であるゼスプリ・インターナショナル向けの『ゼスプリキウイ』を生産。農地の買収では、一部の市議会議員が熱心で、リベラル系市長も買収を円滑に進めるのに一役買ったらしい。地元で目下心配されているのが、キウイが大面積で栽培されることによる既存の井戸の水枯れ。」


「黄金株とは、株主総会決議事項または取締役会決議事項について拒否権をもつ株式のこと。どの決議事項について拒否権を持たせるかをあらかじめ定めることができ、取締役の選任や解任を始め、様々な決議事項について、拒否権を持つように設計することが可能。」


「黄金株(B種類株式)10株のうち過半数を持つと、普通株式990株の株主総会や取締役決定のすべての決定事項を『可決するか否決する』ことが可能になる。株式会社の意思決定力:黄金株10株>普通株式990株になる。」


「このことを西条市は知らないため、㈱イーキウィが香港(中国系)の傘下企業であるにも関わらず、これを西条市に本社を置く日本企業であると認識している。そして、イーキウィの株式に係る議決権について、そのうち490株が外国法人の持ち株であることから、外国法人の議決権が49.0%であり、適法と認識して農水省に報告している。普通株式と黄金株の区別ができず、証券の基礎知識が欠けた勉強不足がもたらす判断だ。」


「近年、大都市圏でも不動産価格は高騰し、これを制限なしで買うことができる外国人が取得し、多くのまじめに働く日本人には手が届かなくなったが、政府はこの状況を放置し、GATS協定の見直しに取り組む気がない。カナダでは、今年1月、外国人が投資目的で住宅用不動産を購入することを向こう2年間原則禁止とする新法が施行された。参政党の選挙公約に『外国人による不動産取得規制』を入れる必要があるのではないか。」


●秋本議員事件と浮体式洋上風力で始まった利権構造

次は秋本議員逮捕で露呈し始めた風力発電をめぐる再エネ利権ですが、こちらは前述のように日本の政治の在り方とも直接かかわる構造的な問題といえるでしょう。自民党に再エネ議連があり、自民党議員の4人に1人が入っているそうです。


では、再エネになぜ自民党議員が群がるのか。秋本議員の事件については、ことは2019年に事業者が海域を占有できる再エネ海域利用法が施行され、2040年まで最大4,500万キロワットとの巨大計画となったことから始まるようです。2020年11月に政府は秋田県沖と千葉県沖の計3カ所の洋上風力発電所建設の公募を開始、一回入札の上限価格は29円だったのが、入札の結果、三菱商事と中部電力系のコンソーシアムが11.99円~16.49円/キロワット時で3ケ所すべてを落札、日本風力開発が同じ海域で入札した価格は23円と22.3円/kWhでした。


そして、落ちた再エネ業者たちは再エネ議連にロビー活動を開始しました。ちなみに三菱はダンピングはしておらず、落札できなかった企業からは「粗利ベースで三割は抜けるはずだったのに」などの恨み節が出たとのことです。つまり、電気代を負担する電気利用者と再エネ発電業者との間には、取引価格をめぐる利益相反があります。


そして、2022年2月、一般社団法人日本風力発電協会(代表理事:加藤仁)は、経済産業省と国土交通省に対し、入札ルールの変更を申し入れました。応札した企業の計画の審査で、稼働時期の早さをより重視するように要求したわけです。加藤仁氏は、日本風力開発の副会長を務めていました。日本風力発電協会の副代表理事の祓川清氏は「(前回と次の公募の)累積で例えば三割に制限してはどうか」。と言い、企業が権益を分け合う総取り防止条項の導入を迫ったそうで、同氏は日本風力開発の関係会社であるイオスエンジニアリング&サービス株式会社の最高顧問。平井氏によると…、


浮体式洋上風力は通常、36円と高く、メガソーラーよりも結構高いから群がる。秋本議員は衆議院予算委員会分科会で、第一回公募では価格が重視されたが、運転開始時期も考慮すべきと、加藤氏と同じことを主張した。そして、既に募集が始まっていた第二回公募から評価の仕方を見直すように萩生田光一経済産業相(当時)に求めた。萩生田氏は秋本議員に対し『去年の12月にスタートしちゃってますので、試合のルールを決めて公示しちゃって、そこに参加している人たちがいらっしゃる以上は、やはり途中でルールを変えるというのはどうかなと私は思っているんです』と否定的な答弁。常識的な答弁だった。」


●再エネ議連、怒りのヒアリング…入札ルールを変更させた議員たち

「自民党の再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(会長・柴山昌彦衆議院議員)は、洋上風力発電プロジェクトに関して、三菱商事に対してヒアリングし、柴山会長によると、三菱商事は入札価格について、2019年に買収したオランダのエネルギー大手Enecoの持つ洋上風力事業の知見を基に適切なコストを精査して積み上げていった結果だったと説明した。理にかなった説明だが、キックバック狙いの人たちには不足だった。」


「再エネ議連では、今回のヒアリングを踏まえ、洋上風力の入札制度における評価方法などに関して提言をまとめるかどうかを検討することとなった。河野太郎氏が柴山、秋本のファインプレーだと激励。再エネ加速を、と。ルールを変更させようとした議員たちだ。河野氏は、『様々なプレーヤーにチャンスを与え』などともツィートしていた。結果として、経産省が再エネ議連に折れた。」


「そこで、入札方式が大きく3点で変更された。1)発電所を早期に運転開始する計画を提示した事業者に対してインセンティブをつける。2)複数区域で同時公募が行われた際の落札制限とし、事業者が『総取り』するような事態を避けるための規定を設けた。3)ゼロプレミアム水準を導入し、市場価格(非公開)を下回る入札金額を一律120点として評価。これは例えば、三菱商事が11.99円、日本風力開発が23.00円で入札したとすると、新入札ルールでは、最高評価点価格(非公開)を設定し、それ以下は満点(120点)とする。最高評価点価格が30円の場合、三菱商事も日本風力開発も120点の評価となる。このルール変更は、入札に負けた再エネ企業の主張を反映している。」


「結局、業界の言い分の完全な丸のみになった。これは我々に返ってくる。400億円ぐらい高くなる。すべて再エネ賦課金だ。利用者から業者への贈与が400億円増える。その会社からみれば、パーティー券も大量購入するし、政治献金もするだろう。馬も?2番手3番手も落札できるようにして、そこからキックバックできるようにした。消費者の負担で。」


「第二回目の入札をこの変更ルールでやろうとしている、それをとめるべきだ。事件になったのだから。秋本議員一人で洋上風力発電のルールを変更ができるとは考えにくい。他の再エネ議連議員にも同様の贈収賄が起きていないか。今年8月5日現在の自民党の国会議員は衆参あわせて380名。再エネ議連には自民党の国会議員100名以上が参加。自民党所属の国会議員の四分の一以上が、再エネ賦課金チューチュースキームに関わっており、我々の払う高い電気代から利得を得ている。」


●東京地検特捜部が捜査するに至った背景

「2021年、秋本真利・衆議院議員(前外務政務官)と日本風力開発の塚脇正幸社長は馬主仲間で、競走馬を保有する馬主組合『パープルパッチレーシング』を設立。出資割合は、秋本議員が45%、秋本議員氏の知人が10%、塚脇社長の知人が45%という。21年10月~23年6月、塚脇社長は秋本議員の求めに応じる形で、馬の購入代や餌代、厩舎代として、資金を組合口座に送金したほか、牧場などの取引先にも組合名義や社長名義で振り込んだ。秋本議員に現金で渡したこともあり、一連の社長の負担分が総額で約3千万円に。」


「この他、秋本議員が19年に個人馬主として日本中央競馬会に登録申請する際、塚脇社長から約3,000万円の提供を受けたと報道。塚脇社長は、経費を計約20回負担していたが、ほとんどが秋本議員の要求に応じて送金していたと報じられている。計6,000万円。」


「秋本議員は競走馬に興味があったとされ、検察幹部は『馬主になりたいという望みをかなえるための資金提供であれば賄賂になりうる』と発言。秋本議員が単独で、この馬主組合の全競走馬の減価償却をしていたとも報道されている。入札方法が変更された直後の10月下旬、秋本議員は議員会館で塚脇社長の関係者から現金約1,000万円を受け取り、大半を馬の購入費用に充てていたという。」


「これらの報道が事実ならば、秋本議員は競走馬を使う投資活動をしており、塚脇社長は競走馬を購入する資金(=賄賂)を提供していたとも考えられる。家宅捜査の前に、パープルパッチレーシングが所有していた競走馬は、すべて売却。」


その他にも、レノバ株式を巡る疑惑もあるそうですが、「秋本氏は河野太郎デジタル相の側近としても知られ、河野氏からは『自民党一の脱原発男』と呼ばれ、秋本氏も『再エネ族』を自任してきた。こうした政府の動きを受けて注目を集めたのが、秋田県で洋上風力発電事業を計画中だったレノバ。2017年に500円台だった株価は、2021年には6000円台に急騰。秋本氏がこのレノバ株を保有していた。」


「政策を通じて特定業界の市場規模を拡大することで、自身が保有する上場株式が値上がりし利益を得るのは、政治献金が適法かどうかとは別の問題。その政務に関わる業界の上場企業株を保有している国会議員を大臣・副大臣・政務官に任命する行為は適切なのか。」


●そもそも洋上風力発電は日本にはなじまない…日欧の自然条件の違い

さらに、そもそも風力発電が良いことなのかという問題もあります。欧州と日本とでは洋上風力には大きな違いがあります。近隣住民の反対によって欧州では陸上に風車を設置するのが難しくなり、陸地から遠く離れた洋上に風力発電所を設置するようになりました。しかし、大陸棚が広がり水深が浅い欧州の海と違って、日本は海底の地形が急峻。そのため住宅地に近い沿岸部や港湾での風力発電導入が進んでいます。


「東京大学公共政策大学院の研究では、日本の北海道、北東北の日本海沖に立地する洋上風力発電所の年間設備利用率は35.4%で、欧州の北海海域における年間設備利用率54.6%の65%程度にとどまるため、日本で欧州と同じIRR(内部収益率)を達成するためには8円/kWh程度高い買取価格が必要になる。夏場には利用率が20%台にまで落ち込むことから、出力低下を補う電源が必要。」


「日欧の採算性や発電コストの差は風況(自然条件)の差によって生じるものであり、技術開発や建設運転の習熟度では埋めることができない。風況に伴い、日本の洋上風力発電事業の収益性は欧州に比べてかなり低くなり、国民や産業は欧州に比べて7〜8円/kWh程度高い電気の買取価格を負担することに。これはかなり大きい。」


●風力発電で問題となっている健康被害

「では、再エネ議連が日本に不向きな洋上風力発電をごり押しする理由は何なのか。欧州では日本よりも早く風力発電所が導入されてきたが、地域住民の反対によって計画中止になったケースも少なくない。反対する主な理由は、植物や動物など環境への影響、低周波音・超低周波音による健康影響、景観破壊や住宅の資産価値の下落。政府や投資家は、主に経済面に関心があり、自然を犠牲にする傾向が見られる。」


「風車から発生する低周波音が人体に及ぼす影響とは、人間によく聞こえる音は、周波数1000〜4000Hzで、周波数20Hz以下の超低周波音は聞こえにくいとされるが、周波数が低くても音が強ければ知覚でき、時計の秒針の音が気になって眠れないなど、音の感じ方には個人差が大きい。低周波音や超低周波音は波長が長いため、数キロメートル離れた場所でも確認でき、広範囲で健康被害を生じる可能性がある。低周波音や超低周波音による人体への影響として、心血管系(血圧、心拍数など)の変化や、集中力の欠如、めまい、倦怠感、睡眠障害、鼓膜の圧迫感、振動感などが報告されている。」


「日本は地形が急なので低周波が山に当たって返ってくる。健康被害が出た場合、FIT期間の20年我慢するか、引っ越すしかない。英国では160キロ陸地から離れているが、日本では青森など5キロも離れていない。丸ビルよりも100m高い巨大な風車が近くでぐるぐる回り、超低周波を。こうした日欧の違いが論じられていない。日本でもあちこちで反対運動があり、青森では参政党ががんばっている。」


●日本の消費者の負担で政治利権と中国を潤す仕組みはもうやめるべき

「住民説明会を主催する人たちの目的は、風力発電の推進。建設会社、金融機関、建設会社などがスポンサーになった大学の寄附講座、大学、研究機関、経産省、関連県部局などの選択肢は推進のみ。『推進』の結論ありきである主催者は風力発電の良いことだけを言う。中止になれば、建設会社は風力発電所建設による売上げと利益を得る機会を失い、金融機関は建設会社に融資して得る金利収入を失い、大学の寄付講座は建設会社からのスポンサーを失い、大学や研究機関は建設会社などからの寄付を失い、経産省や関連県部局は政策が進まないと再エネ議連から怒られる。」


「問題点を突くと『それは些細なこと』『必ずしも●●とはいえない』『将来の課題』と返事。また、風力発電業者の倒産で撤去されない風車もある。中国製風車などを使う業者が増えている。再エネ業者や風車メーカーが倒産し、風車の解体方法がわからないという問題も出た。特別目的会社や合同会社が行う場合、倒産した場合でも出資金の額しか責任を負わなくて済むので、地主や地元にとっては圧倒的に不利。倒産した場合、簡単に事業者側が撤退できる。撤去費用の供託などといった対策指導を事業者側が拒否する例も。」


「倒壊や火災も起きている。燃えると大変なことに。唐津でも起こった。山の中で起きたら消防車もいけないし、木に燃え移ったら山火事に。レーダーで国防にも問題。」


「風力発電の買取価格に再エネ賦課金、それが諸悪の根源、利権の原資だ。中国企業が運営していると我々が払った電気代が中国の日本法人が大儲け、配当で中国に。我々からの儲けは中国に流れるが、日本が中国ので儲けても持って帰れない。(相互主義でない)。」


…2050年に日本がカーボンゼロを達成できても、それによる地球上のCO2削減効果はわずか0.1%程度とか。米国や中国の対応いかんでは簡単にその効果はオフセットされてしまいます。日本で百兆円単位のコストがかかる再エネ化は人類史上、最もコスパの悪い政策とも言われます。国民負担で利権側や中国を儲けさせる再エネ賦課金はやめるべきだし、再エネも立ち止まって考え直すべきではないでしょうか。


今回の秋本議員の事件がこうした自民党政治の真相にまで迫るものとなれば、とても10月解散などやっていられないはずですが…そのエネルギーは国のまもりと、来たる様々な日本の危機対応にこそ投じるべきではないでしょうか。

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