top of page
  • 執筆者の写真松田学

解散総選挙はいつか、大事なのは日本の国まもり~中国による土地買収は日本民族の「血の希薄化」への道?~

先週から通常国会が始まっていますが、今年の永田町の話題はどうも、岸田政権の内閣支持率が低迷するなかで、いつ解散総選挙があるかということのようです。


その支持率ですが、1月27~28日実施の日経の世論調査では39%と前月比4ポイント増。やや改善を示していますが、これはコロナの5類への分類引下げが影響しているようです。


このコロナモードチェンジは5月8日からですが、一昨年秋からのオミクロン株への変異で新型コロナの病態が喉風邪へと変わって重症化率が低下し、諸外国が次々とマスク着用をやめたのと比して、日本はかなり遅きに失しました。しかもまだ3か月以上も現状が続くのですから、環境変化への柔軟な対応力を著しく欠いたことが近年の日本経済停滞の一因だったのと同じことが繰り返されているように思います。私たちは一昨年からチェンジを訴えていました。注意すべきは、mRNAワクチンの無料接種が今後も続くこと。


その間も、免疫力の低下に伴う疾病の拡大、後遺症リスクを抱える人口の増大が続くのですから、私たちのモードチェンジ啓発活動は今後もしばらく続けなければなりません。いずれにしても、コロナについて正しい主張をしてきた国政政党は参政党だけであることが次々と明らかになっていくでしょう。早速、あの河野太郎氏が予防線を張り始めました。


コロナの状況によって左右されてきた支持率ですが、では、解散を打てるまでに回復するまで上昇するのか。少なくとも多くの世論調査では「増税の前に衆院解散を」との民意が示されています。そもそも議会制民主政治が英国で生まれた契機は増税問題でした。今年6月の骨太方針で2024年以降のどの時期に防衛増税を実施するかを決めた際には、その時期の前に国民の信を問うのは政治の常道。24年度からの増税なら今年中です。


ただ、この増税問題、私が参院選前から街頭でも訴えていたように、果たして岸田政権が民主主義を踏まえた合意形成に誠実に務めようとする政権なのか、大いに疑問です。


私は参政党の代表として先日の記者会見でも、岸田総理「国民負担増三点セット」と表現しました。三点セットとは、①防衛増税、②子育て予算倍増に伴う社会保険料アップ、➂GX経済移行債の償還財源のことを意味します。


①は、「現在の世代の責任で」などと言う岸田総理の国家観の欠如を示すもの。はるか祖先から受け継いだ日本国家を子々孫々に向けて永続させるのが国防です。ならば少なくとも建設公債の原則、超長期国債、永久国債の対象。最終的には「松田プラン」でしょう。


そもそも5年間の防衛費43兆円は岸田総理が言い切っているように「要するに戦闘機とミサイルを買うこと」ではないでしょう。日本国民の血税で米国の軍産共同体を喜ばせるのか?日米首脳会談で、グローバル利権側のバイデン大統領は大喜びでした。ちなみに、新安保戦略について、安倍元総理は自主防衛で別の組み立てを考えていたそうです。


②については、そもそも国会の議決が不要で政府が政令で決められる社会保険料は、消費税のように国会審議などで国民に注目されることがない「ステルス国民負担増」。財政民主主義の観点から問題であるばかりでなく、日本の租税負担率はここ30年、あまり上がっていないのに対し、社会保険料負担率は一貫して上昇し、こちらの方が個人消費を抑制してきたとも言えます。しかも、社会保険料だけでは恐らく、子ども予算倍増には届かず、増税を自らの使命だと考える岸田氏にとっては防衛増税1兆円では達成感がない?こともあって、結局、これは消費増税に道を拓く可能性が高いでしょう。


➂は、脱炭素に10年間で150兆円との考え方のもとに導入されていますが、これは年間15兆円ですから、GDP比で3%。防衛費の2%よりも多い金額が結局、国民負担に回ってくることになります。20兆円のGX経済移行債の償還財源はカーボンプライシングだとされますが、これは欧州では失敗続きの仕組みです。脱炭素は結局は巨額の国民負担増に結び付きます。グローバル利権が進める「グリーン」という言葉に騙されてはいけません。

これら国民に問うべき論点を抱えた岸田総理は、では、いつ解散を打つのか…。


●岸田総理が衆院解散に踏み切るのはいつ?…今年中でなければ筋が通らない

来年24年9月には自民党総裁選があります。それ以降の解散では、岸田政権がよほど顕著な支持率上昇を実現していない限り、選挙に強い顔が総裁に選出される可能性があります。少なくとも、そこまでの先送りはできません。昨年の「参院選後は25年の参院選まで国政選挙はない」という「黄金の三年間」は、消えたと言っていいでしょう。


では、来年24年の通常国会で解散を打つのかといえば、前記の国民負担増がちょうど審議されるのがこの通常国会ですから、とても解散を打ちにくい。だとすると、遅くとも今年秋の臨時国会か、今の通常国会かということになり、5月の広島でのG7サミット終了後の6月以降は、支持率の動向をみながらいつ解散を打つかわからない局面になります。


ただ、以上は岸田総理が総選挙後も政権を続けたいと考えていることが前提。もし、来年の総裁選で任期が来たら辞めるつもりなら、話は違ってきます。この場合は、来年9月に誕生する新総裁のもとでの総選挙になることになります。


岸田氏には歴代の内閣や官僚たちが実現できなかった増税を実現することが、自らの総理大臣としての使命と心得ているフシがあります。それを決めれば、あとは国民的人気の高い新総理のもとで国民の信を問う?しかしそれでは、国民負担増という国民にとっては重大な論点がボケてしまいかねませんし、24年の通常国会で国会の意思としてそれを決めたあとの総選挙ということでは、財政民主主義の筋も通らないと思います。


なし崩し的に物事を決めて事後承認をとるのではなく、負担の問題は国民にきちんと相談してから決める。その基本を徹底するためにも、今年早期の総選挙が正しい。それが、「国民負担増三点セット」を打ち出している総理大臣としての国民に対する責任だと思います。


さて、今年の日本のテーマは、やはり「国まもり」でしょう。これは軍事的な防衛だけではなく、非軍事的な侵略、とりわけ中国からのSilent Invasionに対しても強く問われていること。今回は以下、松田政策研究所CHで中国勢による土地買収問題を取り上げた経済安全保障の第一人者である平井宏冶氏からの問題提起をご紹介したいと思います。


●なぜ日本では外国人による土地買収がこんなに進んでいるのか

1994年に世界貿易機関(WTO)で、GATS(サービスの貿易に関する一般協定)が締結され、日本は「外国人等による土地取引」について「制限なし」で署名(農地も含む)しました。日本と数カ国だけが「制限なし」で署名したもので、こんな国は世界では例外です。


米国を始めとする多くの国が外国人による土地取得を「条件付きで可能」としてGATSに署名しており、中国を始め「不可」とする国も多数あります。日本は海外からの投資を呼び込むために市場開放を優先し、経済安全保障の意識がなかったといえます。署名当時は、中国を脅威と認識していなかったのでしょう。


外国人による不動産取得を「条件付き」で認めるようにGATSを変更するためには、30近い条約を改正する必要があります。面倒くさいので外務省が嫌がっています。相手国から見返りを求められ、国内産業との利害調整も膨大な作業量になるからです。


国内には、中国資本を呼び込むチャンスだと考える人たちが実在し、規制に反対しているということもあります。中国資本による米軍や自衛隊周辺施設の購入により、防衛力を低下させたいという思想の者もいるようです。


外務省は、現実的ではないと変更に前向きではありません。かつて明治政府は不平等条約の改正に努力しましたが、その気概が日本の外務省には欠けています。


明治政府は江戸幕府が結んだ不平等条約の改正を行いました。一般に、法の適用の優先順位は、憲法>条約>国内法です。国内法の改正よりも条約が上位になっていますが、この際、憲法を改正し、外国人による不動産取得を規制するのも一案かもしれません。


少なくとも今のままでは、重要施設以外の不動産は「制限なし」で、外国人が取得することができます。平井氏は「参政党に頑張ってほしい」としています。


●中国資本による農地取得の実態

現状では、中国による経済侵攻が活発になり、森林、農地、水源地、観光地、古都などの不動産買収が「合法的」に進行しています。北海道や九州などの広大で、森林資源や水資源が豊富な土地が中国人に人気です。農産物、畜産物、海洋・森林資源、地中の天然資源が狙いのようです。中国の農地、牧畜用地、森林資源の汚染や海洋汚染が進行し、口に入れることができません。そこで特に、日本の水や森林資源が狙われています。


日本側の事情をいえば、空港や鉄道駅、幹線道路から遠い土地は人気がなく、土地が売れません。中国側としては、交通アクセスが悪くても、きれいな水が湧き、空気が澄んでいれば取得することになります。


中国は伝統的に、異民族の土地を支配する際、最初に水資源を押さえてきました。水資源の有無や地下水脈の有無が最重要視されます。まさに日本への侵略です。


水不足や水質汚染が深刻な中国にとっては、日本の水資源や地下水脈の土地を手に入れれば「一族が飲み続けられる水を確保した」ことになります。水さえあれば、どん欲に買い進めていくことになります。


●隔離された土地が狙われる

北海道では、農業生産法人が不便な山奥のへき地をほぼ集落ごと買収する事例が起きています。中国企業やダミー会社と中国共産党との関係を確認することが必要です


将来的に、日本人と中国人とが混血した子孫を増やすため、地域に拠点をつくることを優先しているとの見方もあります。チベットやウイグルもそうでした。「血の希薄化」です。


長期戦略に基づき、中国からの移住者が自己完結型に生活できる拠点を設けることを念頭に置いた広大な農地の買収や森林買収が増えています。独自の集落、自治区を作るため、太陽光発電は中国人集落で使用し、水源地や農地では農作物を栽培できることになります。


●豊かな水資源をもつ西条市で起こっている広大な農地の買収

愛媛県では、参政党のあさぬま和子・県会議員が、県下の西条市の農地150haが中国資本によって買収される動きに住民が脅威を感じていることを取り上げ、声を上げています。どうも、地元の行政とも癒着している可能性があり、参政党としても党をあげてこの問題に取り組んでいくこととしています。


この西条市は、地下から湧き出る自噴水があちこちから出る「水の都」として知られます。ここでは、「うちぬき」と呼ばれる鉄のパイプを15mから30mほど打ち込むだけで良質な地下水が湧き出てきます。市内にはこのうちぬきが約2,000本あると言われます。


西条市の水は日本名水百選にも選ばれた水で、一日の自噴量は約9万㎥に及ぶとされ、ルネサス西条工場(半導体)のほか、石鎚酒造などがあり有数の酒どころでもあります。


他の地域では、こうした土地買収が目立つのは北海道がダントツで、他には新潟、兵庫県などが多いようです。GATS条約があるため、外国人が合法的に土地を買うことを防げていません。


●農地法と農業委員会

そもそも農地は、唯一売買制限が課されている地目(農地法)です。地元の農業委員会がチェックして、農業生産法人として適格とされれば、日本人でも外国人でも購入可能です。全国の農業委員会の実態にはでこぼこがあり、機能不全な地域が狙われています。


農家が外国資本に農地を売りたい場合、規制できない制度に問題があります。外務省は「内外人無差別なので、外国人だけ不利益を被ることはできない」と主張していますが、農業委員会による外国人への農地売却審査に全国統一のガイドラインを設け、簡単に許可が出せない仕組みが必要です。平井氏は「これも参政党が提起すべき問題」としています。


●チャイナ商法に留意を

日本の多くの事業者が中国からのインバウンドに期待していますが、中国人の商法とは、中国人の間でカネをまわし、地元に落とさないものであることに留意すべきです。


例えば、中国から来日する観光客については、関西空港で中国人の違法白タクが観光客を京都まで運び、中国人が購入した民泊に宿泊させ、中国資本の経営する食堂で食事をさせ、中国資本の土産物屋で買い物させて、白タクが観光客を運び、中国に返す…。


中国企業は、日本の農家や研究所が汗を流して品種改良した種を手に入れ、栽培し、中国に輸出することになります。中国農場から輸出された日本産の高級農作物や高級果物などは、中国の輸入業者を通じ、中国人に販売されます。


中国の輸入業者は、日本に農場を持つ中国系農業法人へ中国に輸出された農作物などの代金を払うので、お金は中国人の間で循環し、日本にはお金が落ちません。


インバウンドもそうです。来日する中国人観光客に中国系資本が経営する宿泊施設や土産物店で物販するので、インバウンドで落ちるお金は、中国人の間を循環し、日本にはほとんど落ちることがありません。


●中国による農地買収が進むとどうなるか…食料安全保障の問題

農地が中国資本の手に落ちる事態が続くと、中国が背後にいる農業生産法人が増加します。日本人が開発したのに、日本にお金が落ちなくなります。資本の論理で、零細日本人農家との価格競争が起き、競争に負けた日本人農業従事者の小作人化が起きるでしょう。


また、これは食料の生産と供給が外国人に委ねられることを意味します。


例えば、中国系が背後にいる農業生産法人が、国産農産物を中国への輸出に回し、国内流通を減らした場合、日本国民が深刻な食糧危機に直面することにならないか。日本の農業は日本の国民がコントロールできるようにする必要があります。


食料安全保障の問題への対応策の第一歩としても、中国による農地買収問題への取り組みが喫緊の課題です。平井氏は「これも参政党に取り組んでほしい」としています。


ウクライナでの戦争は、世界の穀物供給を圧迫しています。インフレ、自然災害、サプライチェーンの不安定性などの脅威を加えると、食料安全保障にもっと注意を払う必要があります。


すでに中国系農業法人が、シャインマスカットやイチゴなどの日本人が苦労して品種改良した農産物を合法的に農地で栽培しています。これらの農作物は、中国に直接輸出されます。中国で販売された農作物の輸出代金は、中国系の農業法人へ支払われます。規模が大きくなった中国系農業法人が、規模の経済で、日本の零細農家を駆逐し、わが国の農業が、中国系農業法人により寡占化するでしょう。


ですから、中国系農業法人が農産物のほとんどを中国に輸出し、国内に回さないということになる。中国から農産物を求めて移民が来たらどうなることか…。


●中国の国防動員法の問題…安全保障あっての国家

2010年に中国で施行された国防動員法では、満18歳から満60歳の男性の中国国民と、満18歳から満55歳までの女性の中国国民は、国防義務を負担する(49条)ことになっています。外国居住者は49条の免除義務に含まれていないため、日本にいる中国人が有事(台湾有事、沖縄有事)の際、中国共産党人民解放軍に動員され、日本で破壊活動や軍事活動の要員になることになります。


2022年6月末の在留外国人のうち、中国人は744,551人。このうち、18歳以上の中国人男女が人民解放軍の戦闘員になるわけです。


観光業以外の農林水産業でも生計を立てられるように、国が予算を投じる必要があります。実際に人が住み生活していることが重要です。ロシアは、ソ連時代から北方領土に惜しみなく予算を投じてきました。海で守られてきた海洋国家の日本は緊張感を欠いてきたといえそうです。


日本では少子化・高齢化、人口の大都市集中と地方の過疎化が進み、地方では人が住まない土地が増加しており、事実上の移民政策とも呼べる、外国人労働者の受け入れも進んでいます。外国資本が買収した地域に大量の「移民」が住み着くようなことになれば、租借地のようになるでしょう。日本語が通じず、警察権も及ばない地域ができます。


国防の在り方について意識改革を行う必要があるでしょう。主権、領土、国民という国家の三要素があっての経済活動です。


●米国でも問題視される農地買収と安全保障上の土地取得規制

米国でも、農地に対する中国の所有権は、2010年の8,100万ドルから2020年には18億ドルへと10年間で20倍以上に急増しています。米国では農場の売却は、1978年の農業外国投資開示法(Afida)で開示されており、同法は、米国の農地への投資家に不動産購入をUSDAに報告することを義務付けていますが、データが不正確で問題になりました。


そこで、2022年農地安全法では、米国の農業への外国投資に関するすべてのデータを国務省に公開することになりました。農務長官を対米外国投資委員会に追加するべきとの意見も出ているようです。


米国では、外国投資リスク審査現代化法で、外国人による不動産取得の一部を対米投資委員会(CFIUS)の審査対象にしています。空港と海港、特定の軍事施設に近接した不動産を四つのグループに分類して外国人による土地取得を審査する仕組みです。


これは、①米国の軍事施設に近接にある不動産、②米国の軍事施設から一定の範囲内(1~10マイル)にある不動産、③特定の州にある空軍ミサイル基地の近くにある不動産、④沖合の一定の地理的地区にある不動産…これらの土地や建物について、外国資本による購入だけでなく、リースや土地使用権の取得もCFIUSの審査対象となっています。


日本もこれにならって、昨年には重要土地利用規制法が施行されましたが、これは法案作成の段階で公明党により骨抜き化され、本来の土地取得規制ではなく、あくまで利用規制にとどまっています。


参政党としては、以上の問題提起を受けて、日本を守るために、①GATS条約の改正、②農業委員会での農地売買の審査に国が統一基準をもって関与すること、➂重要土地利用規制法を本来の取得規制に戻すことを、国政の場で迫ってまいります。

閲覧数:117回
bottom of page