最近、日本でも世界でも、選挙のたびに、これまでの常識を覆す事態が起きています。欧州議会選やドイツ地方選での「極右」?の台頭、都知事選での石丸現象、総選挙での自民党の惨敗、トランプ氏が大勝した米国大統領選、そして11月17日には兵庫県知事選で「パワハラ、おねだり」と叩かれて失職した斎藤元彦前知事が勝利を収めました。
ついに草の根SNSが大手マスコミに勝った!この知事選の結果は、政治を国民の手に取り戻す大きなきっかけになるのではと、注目しておりました。一昨年は、大手メディアによる無視を乗り超えてSNSが国民の間に「参政党現象」を起こしました。あの「石丸現象」もSNSがもたらしたものでしたし、米国大統領選でもトランプ氏を勝たせたのは、メディア報道のウソへの国民の気付きを広がらせたSNSの力による面が大でした。
マスコミは本当のことを報道していない…既得権益と大手メディアによる弾圧にもめげずに改革を貫こうとした斎藤氏に有権者の関心が高まり、前回より高い投票率で無党派層が同氏を当選へと押し上げました。一人一人の投票行動が政治を変えられる。今回の知事選のメッセージはこれではないでしょうか。他方で、自らが創作したストーリーとは反することには「報道しない自由」を行使して国民を洗脳し、偏向報道で政治を操ってきたマスメディアには深刻な反省が迫られていると思います。
なんと、マスコミ報道のストーリーに反する内容は言うな!とばかり、本来は真実を取材するのが役割であるはずのマスコミが、真実の隠ぺいのために取材源の兵庫県庁幹部に圧力をかけている…。そんな姿がSNSでリアルに暴露されたりしました。報道されざる事実をネットで知った兵庫県の有権者の間では「斎藤現象」ともいえる「頑張れ」の応援フィーバーが起きたわけですが、では、そもそも斎藤バッシングの真相は何だったのか…。
報道アナリストの新田哲史氏が松田政策研究所CHで語ったところによると、斎藤知事のパワハラで自死したとされる元県民局長が使っていた公用PCの中身は、メディアにとって不都合な内容でした。職員に対するパワハラとして報道されていた内容もそこまで騒ぐのかという不自然さがありましたし、県の特産品云々といっても、普通に行われていることの範囲を大きく逸脱することではなく、異常なバッシングだったといえます。
どうも、斎藤氏を追い落としたい人たちが噂話を中心に情報戦を仕掛けてマスコミが乗ったのではないか、そう思わせる材料が次々と出てきました。県政の改革に取り組んだ斎藤氏は天下りをやめさせ、県庁舎の建て替えを凍結。これは1,000億円の予算で、兵庫県の財政は潤沢ではなく、斎藤氏は事業よりも教育に予算をと考え、役所が得する予算の配分を見直し、若い県民に還元する方向に県政を進めました。これが気に食わない…。
公益通報制度についても、握りつぶしていたというより、最初の3月の段階では公益通報ではなく、真実相当性の怪しい怪文書だったそうです。その後の4月に公益通報となったもので、この複雑な制度を逆手にとってトップ追い落としが謀られたのではないか?
自死で亡くなられた元県民局長については、実はパワハラよりも他に問題があったようです。愛人がおり、県庁の公用PCの中で元県民局長と女性との関係の話が入っていた…。百条委員会で公用PCについて、不倫の日記、「倫理上問題のある内容」と述べられていたそうですが、それ以上の究明は県議によって遮られたとのこと。プライバシーに関わる問題という理屈があったそうですが、県民の税金が使われている公用PCなのですから、個人の不倫問題では済まず、本来なら県議やメディアによる追及の対象でしょう。
今回、真相究明で大活躍したN国党の立花党首は、入手した情報を街頭演説で暴露しましたが、立花氏が各メディアに情報を送ったものの、とめられたそうです。大手メディアは知っていましたが、知事を降ろすことが優先されたとのこと。メディアが真実を報道しないことで困るのは、情報が来ない国民です。これは民主主義の危機でもあるといえます。
そもそも「パワハラ」も「おねだり」も問題の本質ではなく、あったとすれば、それはマネージメントの問題であって、それより重要なのは、前知事時代のひずみを斎藤氏が直そうとしたことで、何かの構図が動いた可能性があるという論点ではないでしょうか。これは既得権益に斬り込もうとする改革派の首長に共通につきまとう現象でもあります。
この知事選も、「草の根SNS」vs「マスコミ+ヤフーニュース」の闘いでした。そして、政治の最前線情報は、いまやXとYoutubeであることが今回、示されました。
もちろん、SNSには情報の信憑性という問題はあります。そうであればこそ、マスコミの役割は、様々な情報や論点をきちんと整理して示すことにあるはず。であるにも関わらず、自分たちの都合のいいことで切り貼りしているようでは、もはや既存メディアは終わったのかもしれません。騙されてきた国民は、メディアを突き上げていくべきでしょう。
さて、大手メディアの報道を通じてハリス優勢と信じ込まされてきた人々にとっては、米国でのトランプ大勝利は意外な結果でしたが、これも、イーロン・マスク氏がツィッターを買収したことで、それまで既得権益からの「検閲」を受けてきた米国のSNSに言論の自由が戻ったことが大きく影響しているようです。
今回は以下、この視点から大統領選に斬り込んだ、国際政治アナリストの及川幸久氏が松田政策研究所CHで語った内容をご紹介します。トランプ再選は米国をどのように変えていくのか、日本はどのような覚悟をもって来年1月に発足する米国の新政権に臨んでいかなければならないのか、世界はいま、歴史的転換点に直面しているようです。
●米国でトランプ再選をもたらしたのは草の根SNS
バイデンからハリスに代わるという前代未聞の大統領選では、ハリスにとって選挙戦は3か月しかありませんでした。その3か月で完全なメディア戦を民主党は目指したそうです。米国では街頭演説も街宣車も政見放送もなく、ラリーと言われる集会でも1万人。大きいのはテレビ報道とテレビスポット広告であり、これだけと言ってもいいようです。大統領選には莫大なおカネがかかりますが、ほとんどはテレビCM。及川氏によると…
「ハリス陣営は、10億ドルもの選挙資金を集めた。トランプ側は3.8億ドル。10億ドルはほとんどテレビに。CMというより、テレビ局にカネを出している。そこでテレビ局側は普通の報道番組も殆どハリスに充てた。報道のうち80%がハリスで、トランプは15%。圧倒的。普通に考えたらハリスの勝ち。」
「世論調査でハリスがトランプを抜いたが、これは決してマスコミが創った数字だとは言い切れない。実際に支持率は高かった。それを創ったのは報道時間の長さ。トランプは出さない。日本での参政党と似ている。やはり地上波の影響は大きい。」
「しかし、結果はトランプ圧勝。イーロン・マスクがツイッターを買収して、言論の自由のメディアになったことが大きい。四年前のツイッターは左翼メディアだった。保守は検閲された。それを2年前にマスクが買収して、保守系の人たちが発言できるようになり、がらりと変わった。米国のYouTubeも影響を受けた。日本のYoutubeはまだ言えないことが多いが、米国は変わった。保守系の人たちがXで言うことと同じことをYoutubeでも。」
「地上波対XとYoutube。どうもテレビでやっていることはウソなんだと。また、ハリスはまともにしゃべれない。私は黒人ですとしかいわない。それも黒人にはウソっぽい。アクセントも違う。自分を黒人と見せるウソ。」
「ハリスは自らを中流階級の出身だと。マクドナルドでのアルバイトもウソだった。経済政策や移民政策もあるが、政策よりもイメージや人柄が決めた。正直かウソツキかで。マスコミが創ったハリスのウソをマスクが暴いた。これが決め手だった。」
「10月末のニューヨークタイムズで、Youtubeに対する批判記事。検閲していないと。検閲するよりもYoutubeは儲かる。それで検閲をやめた。カネのために検閲しなくなったと。選挙の前はいろんな意見があっていいとYoutube側。がらりと変わった。それまでは反トランプだった。グローバリストが創ってきた世界が崩れた。」
●グローバリズム勢力の手口が逆効果に…米国有権者の間に起きている地殻変動
「これでもかこれでもかと、トランプをグローバリズムは追いこんだ。そこに合理性がなかったことが国民に知り渡った。やりすぎた。民主党の下手な手が逆効果に。それで反トランプの人たちがトランプ支持に変わった。マスクが良い例。7月の暗殺未遂、血を流しながらファイト、マスクがそれでトランプ支持になり、全てが変わった。」
「ポットキャストが米国ではYoutube以上に人気。トランプとハリスの両方に出演オファー。ライブで3~4時間話す。トランプは3.5時間話した。ハリスは、もたないから断った。トランプの述べた内容が良かった。3時間も話していると、良い人かどうかがわかる。ハリスには最大のダメージになった。メディアで創られたイメージが壊された。」
「共和党の不正選挙対策も効いた面がある。米国では党本部がない。政党はふわっとした集団。ワシントンには全国委員会があり、共和党のそれは、いつも選挙の時は何もやらず、前回も出てこなかったが、今回はチェアマンがトランプの次男の奥さん。民主党による不正を一個一個、潰していった。」
「トランプ勝利には米国民の保守化もあろう。基本的に米国は民主党支持者が多い国。保守は田舎にしかいない。しかし、バイデン政権の失策が続き、インフレ。民主党を支えていた中間層以下の人たちが嫌気。保守に向かったというより、民主党を見限った。日本で自民党が見限られたのと似ている。」
「民主党が支配的ないわゆるブルーステートでも、今回は結構、接戦だった。相当、トランプが取っている。有権者の間でも地殻変動が起きている。」
「米国はどういう方向に?当選して一週間の間にトランプ政権がものすごい速さで動いている。人事も外交も。今までのやり方ではダメ。根底から変える。250年前にワシントンたちが建国、もう一度、250年ぶりに作り直す。建国をやり直す。いったん死んだ民主主義を生き返らせる。」
●トランプの人事…忠誠度が基準
「8年前に当選したときは、トランプ氏は人事で失敗した。準備がなく、ニューヨークの人であってワシントンの人ではなかったため、推薦によって人事を決めたら、DS(ディブステート)の人たちだった。今は分かる。今回はずいぶん前から人事をやっていた。」
「国防長官はへグセス。FOXニュースの司会者。軍にはいたが、歩兵に過ぎず、司令官でない。国防長官としてこれは異例。番組でトランプと知り合った。一貫してトランプに忠誠。前回は忠誠を誓っていなかった人ばかりだった。今回は経験よりも人格で。前政権のときは4年間で国防長官5人、皆、トランプの言うことをきかなかった。」
「イーロン・マスク。政府効率化省。ラマスワミも。この二人が新しい省のトップ。米国の官僚組織を解体する。非効率性、無駄遣いをカット。企業家の視点で。全ての省庁を全部見直す。400もの組織を98に減らす。米国政府を作り直す。政府効率化の『マンハッタン計画』(原爆を創ったときの計画)。来年の7月までに案を提出させる。一気にやる。」
その省名はDOGE、ドージ。その名の仮想通貨がある。マスクがPRした通貨。柴犬のこと。ここでやる全ての活動を全部オンラインでガラス張りに。マスクの会社は社員数が少ない。ツイッターでも社員をバッサリ切った。EVにも無駄なものは入れない。日本や他国にも大きな影響を与えるだろう。」
「移民政策については国土安全保障省。ノームという女性を長官に。目が座っている。トランプのすごい支持者。最重要国内政策。この省も言うことをきかなかった。皆、DSだった。副長官はミラー。アメリカファーストのスピーチライター。側近中の側近。もう一人が全く無名のホーマン、元警官。強硬な不法移民国外追放派。3人とも強硬派、絶対に移民を入れない決意。1,000万人の不法移民を調べ尽くして史上最大の強制送還をする。」
●ウクライナ戦争とガザ戦争は終わらせる…中国には戦争をさせない
「ウ戦争は24時間以内に終わらせるとトランプは言ってきたが、今から3か月準備して、就任したらすぐに終わらせる。早速、ゼレンスキーと電話会談。マスクも。電気自動車のリチウムがウには豊富にある。スペースXの社長としては、ウは宇宙技術に優れている。」
「ディールの人がトランプ。何かを与えて何かをとる。ウを納得させるために戦後復興。その辺りの話をゼレンスキーにしているようだ。ロシアに領土を渡す代わりに、領土以上のものを与える。戦後復興にマスクも関わってくる。」
「一期目のときに金正恩との会談でも、核開発の代わりに経済発展。北朝鮮は国民性も真面目だからと。トランプタワー。経済を発展させようという発想が強い。」
「ガザ地区。トランプはイスラエル支持者だが、戦争はイヤだ。ネタニヤフが訪米した時にトランプと会談。自分が大統領になったらすぐに戦争をやめろと迫った。ガザに経済復興、米国の資本を入れるので一緒にやってはどうかと。武器の供与はしないからと。着々とウとイスラエルの戦争をやめさせる。その材料は持っている。」
「中国については、バイデン政権は急に対中強硬派になったが、トランプは逆。台湾を守るか?との問いに、ノーと。半導体産業を米国から奪った台湾をなぜ守るのか、守ってほしいなら金を払え、と。東アジアで戦争を起こさせない。習近平に睨み。関税を上げると。習近平は気にしている。台湾に対するこの姿勢は、そのまま日本にも当てはまる。」
「ロシアに対しては、ウ東南部の4つの州をロシアに。国境線を非武装地帯にする。トランプが電話会談でもちかけた内容に対して、プーチンはすぐに、関心がある、真剣に受け止める、就任したらすぐに話をしたいと反応。」
●新型コロナワクチン政策の大転換…ファウチ氏を起訴
「ロバート・ケネディ・ジュニアには、ワクチンの部分だけやってくれと。医薬品関係を決めるトップに。NIHはファウチがやっていた。その職員を400人カット。審査の委員10人のうち9人がその後、製薬会社に就職。審査にもカネがかかる。その予算の65%が製薬会社から。ケネディは再就職できないようにする、と。」
「子ども用ワクチン70種類、ファウチのときに作ったのを全部やめさせる。お母さんたちが陳情。政府は相手にせず、ケネディが研究したら、闇があった。ファウチだった。米国が禁止したら日本は?政策転換でいちばん大きいのはここ。ファウチを絶対に起訴するとマスクもケネディも言っている。人類に対する罪だと。」
●グローバリズム勢力からの反撃は?日本はどうする?トランプとは「ディール」せよ
「グローバリズム勢力は決して黙っていない。来年1月20日の大統領就任まで、まだだいぶ日がある。不穏な動きが色々とある。バイデンを辞任させ、ハリス副大統領を昇格させ、米国初の女性大統領に。その後、トランプを暗殺。暗殺チームが米政府内に。FBI。」
「次期大統領が暗殺なら戒厳令。大統領はハリスのままで。FBIの内部告発によると、トランプの暗殺チームは3つある。トランプは『DS撲滅策』を唱え、CIAを解体すると言っている。過去に腐敗した官僚を洗い出す。大統領令だけでできる。そうなるとますますトランプを排除、となる。これからが本当の命をかけた闘いかもしれない。」
「トランプ政権には時間がない。2年後には次の中間選挙、政権与党は弱い。上下院のどちらかが過半数を落とす。後半の2年は力を発揮しづらい。実質2年、だから急いでいる。法律を通すためには前半の2年間で。その間は国内に集中。その間に中国が?」
「日本が米国に依存する時代は終わった。ウ戦争が終わったら、ロシアとの関係を再構築すべき。ゼレンスキーはディールに応じる。みんな梯子を外される。EUはもう考えている。掌を返して、ロシアからちゃんと天然ガスを買っていると。姿勢を早速、変えている。ロシアと対立しているわけにはいかない。」
「日本こそ国家戦略の中にロシアとの対話、エネルギー政策を。北海道の稚内は、少し前まではロシアの交流がさかんで、パイプラインを導入する話もあったが、それが途絶え、いまは再エネ、風車利権だ。風車は欧州と中国の企業、カネがそっちに。反対しているのは参政党の市議だけ。ロシアとの関係が良かったときは地元経済がロシアで潤っていた。」
「対北朝鮮対策のためにもロシアとの関係は大事。中国とロシアをくっつけたのがバイデン政権の失敗だとトランプは言っている。」
「米政権に対して日本は言うべきことを言うべし。受け身が一番悪い。日本はこうなんだと言った方が議論になる。日本の政治家は議論をしない。言われたら、ハイになる。それが最悪。トランプと議論する。交渉して、そこまで言ったら、と取引するのが米国。」
「安倍氏はトランプと会って、マールアラーゴに行って、会食とゴルフ、2日間、精神力として普通はもたない。そんな人が今こそ必要。トランプと同じ政策を掲げている参政党こそが日本のトランプ。世界の流れに即している。そのことをぜひ、自慢して下さい。」
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