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  • 執筆者の写真松田学

総裁選と代表選、どの候補にも欠けている世界政治の新潮流という視座~抜本的な救国救民策へ骨太の議論を~

出てきた出てきた…元総理の息子と元総理!それで日本の政治は変わる?出ていないのは日本の本当の選択肢ではないでしょうか。いま話題の自民総裁選と立民代表選では、世界で起きている事象を踏まえた本質的な論点を、自らの考え抜かれた哲学や思想で語り得ている候補者はどうも見当たりません。世界的潮流である反グローバリズムという概念すらそこにはない。戦後最大の日本の危機にあって日本の政界は大丈夫か?と感じます。


最も総理の椅子に近いと囁かれる小泉氏の場合、その話しぶりをみると、国民の人気で郵政民営化の過ちをおかしたお父さんとそっくりです。あのとき、同じ話しぶりが郵政解散で国民を沸き立たせ、解散総選挙で自民党を大勝させましたが、私は財務省にいた当時から、この政策は完璧な間違いだと思っていました。いま、それが明らかになっています。


小泉総理は構造改革で日本の売国を本格化させた総理でした。「自民党をぶっ壊す」ではなく、「日本をぶっ壊す」をしてしまった。選挙の顔のポピュリズムで、ご子息も日本を壊すような総理になる?日本を軸とする哲学をもって深く経済を勉強してほしいものです。


この総裁選は「操り人形」の「操り人形」をまた総理にする場になる?JCUの饗庭議長によると、近年の歴代民主党大統領はいずれもトランプ氏の言う「DS」の操り人形。それに操られてきたのが岸田総理ですが、自民党自体が米国利権のエージェントですから、自立国益派の安倍路線は潰されました。特に小泉氏は簡単に操り人形になりそうで…。


そんな構造の自民党ですから、日本の真の自立という結党の理念よりも「利益分配の集票マシン」が自己目的化する中で、限りなく海外勢や左翼の利権に支配される党に堕してしまった…。政治とカネの問題も淵源がそこにあるので、いくら候補者たちが「党が生まれ変わる」などと唱えても無理でしょう。国民のために本当にそう考えるなら、党のつくりそのものが他党とは決定的に異なる参政党を伸ばすことに協力しては?とすら思います。


国民の真の敵は誰か…米国でも欧州でも、それに気づいた諸国民が政治の流れを変え始めています。台頭しているのは「ポピュリズム」でも「極右」でもなく、真っ当な「愛国国民派」。日本にだけそれがありません。このままでは国際社会の潮流を映じた総選挙にはならない。グローバリズムの餌食になる以外の国民選択ができる総選挙にしたいものです。


総裁選ではこのところ、保守の期待の星である高市氏が急浮上しており、大胆な積極財政による投資を掲げていますが、誰が総理になっても自民党の総裁であっては、前記の党の構造そのものからして、日本が自ら自国の将来を拓くことは困難でしょう。あの安倍元総理ですら、7年8か月の長期政権をもってしても、その流れは安倍派とともに葬り去られました。この構造を打破するためには、別の政治勢力が国民運動を興すしかありません。


内政面でも、総裁選ではどの候補からも出てくるのはチマチマした「改革」提案ばかりです。いま国民が求めている骨太の救国救民策は?コメ不足など食料安全保障も激甚災害への対応も少子化対策も、問われる抜本政策はいずれも巨額の財源を要します。恐らく、財政規律の制約が政治家たちから大胆な発想力を奪い続けてきたのではないでしょうか。


これでは財政あって国民無しの本末転倒でしょう。農業は国家の基。かつて、コメを生産者から高く買って消費者に安く売り、差額を税金で賄ってきた食糧管理制度は、金食い虫との財政の論理で廃止されていますが、多くの国で営まれている制度です。日本は最も農業が保護されていない国。その中で食料自給率は先進国として信じられない低さ。日本も必要な財源を投入して、食料を国家安全保障の中軸に据える覚悟を決めねばなりません。


福島も今般の能登半島もそうですが、あのような避難所では関連死で亡くなる方々が多発。イタリアでも台湾でも見られたように、世界には難民や被災者に最低限の面積や家族のプライバシーを守る等の「スフィア基準」がある。日本国民の命は先進国一、安いのか。


台風10号は国内での活動を数日にわたり停止させるほどの猛威をふるいました。交通も都市も線状降水帯に耐えられるインフラ投資を!少子化対策には第三子に1,000万円を給付するぐらいの財政援助を!欧州では税率20%の付加価値税が賄っている政策も、日本では増税は政治的にタブー。だから、いくら立派な言葉を並べても財源がないから、政策論はスローガンに終わってきました。ここは、日銀保有国債をデジタル円で償還して流通させる松田プランの出番。こうした新たな財源案を競うぐらいの論戦をしてほしいものです。


日本は世界最大の対外純資産を誇る債権大国ですが、これは国内で必要な財政投資が不足している結果、国内よりも海外への運用に国民の大切な貯蓄が回っている姿でもあります。国民のおカネは国民のために。それが不足しているため、専らグローバル勢力が肥え太り、国民経済との間に分断が起きている。日本にも納税者たる国民の立場に立った「ジャパンファースト」が必要でしょう。この「自国ファースト」こそが世界の新潮流です。


そもそも「グローバル」という言葉が使われるようになったのは、90年代の米国一極支配以降のこと。かつては、それぞれの独自の国家を前提に、それら主権国家の間をつなぐ「国際」(インターナショナル)という言葉が使われていました。アメリカファーストも日本ファーストも当たり前のこと。これが、今後の世界秩序が向かう方向でしょう。


現状の日本の政治に決定的に欠けているのが世界の潮流という視座です。今回は、これを考える上で、最近、松田政策研究所chに登場した三人の論者の発言をご紹介します。一人は米国大統領選について、日本では共和党と最も近い人物とされる前述の饗庭浩明氏、もう一人は米国内の経済格差と民主党について論じた経済安全保障の専門家である平井宏冶氏、そしてもう一人は、欧米の政治潮流を論じて頂いた経済産業研究所の藤和彦氏です。


●ハリスが大統領選に勝てない3つの理由とは

まずは、これもいま話題の米大統領選ですが、どうも、メディアが伝えるハリスの旋風は作られたもののようです。裏側はボロボロ、米国の実態をみると、トランプが今でもやはりかなり優勢。饗庭氏によると…「ハリスの旋風。トランプを追い越してとスゴイ勢いのイメージだが、バイデンが退いたところを盛り返しているご祝儀相場が一つ。それ以上に、張りぼての創られた扇風機という情報が入っている。ハリス陣営の関係者が『やってられるか、あんなバカな女のもとで勝てるわけがない』と。」


「ハリス旋風で勢いがありますよという状況を創った上で、実際はトランプが相当優勢。今回も民主党は不正選挙をやろうとしているので、ちゃんと勝ったのだといえるだけの演出をしようとしている。出ている世論調査はほとんど民主党系だ。まともな共和党系の調査会社ではトランプが10%以上上回っている。普通ならハリスは勝てない。」


「その理由は3つ。一つ目、選挙の一番の争点は、米国民にとっての一番の争点は、経済。個別政策だと、一番が経済。このテーマではトランプの支持率が9~10%上回っている。過去の大統領選では主要争点に強い候補が85%勝っている。株価が上がっても、失業率は3.5から4.3%に、インフレもバイデンの政策を引き継ぐのかと問われ、維持すると言うとトランプの勝ち。変えるというと大混乱だろう。」


「ハリスは副大統領として支持率は低く、バイデンからも愚痴が出るほどの無能さ、なのに引っ張り出された。9/10に討論会。ここで原稿なしでさらされ、張りぼてがで崩れる。」


「二つ目、正統性の問題。民主主義国家であるはずの国で、予備選挙もなく、選挙人をバイデンからもぎ取った。ここも突かれたら弱い。」


「三つ目。共和党を中心に保守の革命が起きている。イーロン・マスクがトランプ支持を表明。元は民主党寄りの人だった。暗殺未遂事件を契機に、言論の自由を守るために。民主主義の担い手が民主党だったのにそうでなくなったので、Xを買収した経緯がある。」


「彼のトランプ支持はIT業界にも衝撃を与えた。FB(メタ)のザッカーバーグが下院に報告書。2020年の選挙でバイデン政権に脅されて、新型コロナワクチンについて言論を削除するよう弾圧を受けた、やらされたと。全米で大きな話題になっている。」


「今回は、たとえハリス陣営から圧力が来ても屈しないと。寄付もしないと。ザッカーバーグもあの暗殺事件は許しがたいと。言論の自由を守るプラットフォームとして。彼も風を読んでいる。トランプになることを考えて中立と言った。」


●仕組まれた銃撃事件がバイデンを撤退へと追い込んだ

「先日の共和党大会に行った。トランプ銃撃については、共和党の仲間たちの話では、あれはあの青年による単独犯ではないと。のこのこ屋根に上がる青年をシークレットサービスが許すはずがないし、トランプを狙っているのを確認している。じーっと待っていた。ルールとしてあり得ない。仕組まれた暗殺事件だと。」


「トランプが向こうを向かなかったら確実にタマは当たっていた。暗殺部隊は失敗しないと言われていたが、それを上回る奇跡だった。犯人はライフルには相当、慣れていた。」


「共和党大会では、あの4日間で登壇者100人近く、みんな怒りに震えていた。怒りの決起大会になるはずだったが、トランプは、暗殺事件に話題を集中しないでくれ、米国の未来に集中してくれと注文していた。彼のカリスマ性が沸き上がった大会だった。トランプのもとでどんな米国を築いていくかという前向きの大会だった。」


「だからこそ、民主党はこの勢いを打ち消すため、2日後にバイデンを撤退へと追い込んだ。もとより民主党としてはバイデンを早く降ろさねばと考えていたが、本人とジル夫人が拒否していたので悩んでいた。そこで、討論会でぼろを出させた。オバマが今も動いている。ハリスの陣営もオバマのスタッフ。ずっとオバマ政権が続いているようなもの。オバマはミシェルオバマを出したかった、しかし、バイデンが最後の会見で後継はハリスと言って去った、オバマは怒り狂った。バイデンはオバマに一矢報いた。」


●銃撃事件の背景、トランプはなぜ平和をもたらす大統領になるのか

「トランプが副大統領候補にバンスを指名したのは大きな意味。7/15の共和党大会の最初に、開口一番、バンスを副大統領にと告知。これには背景がある。7/13が銃撃事件。その前の7/11が、5/30のNYでの裁判(ポルノ女優に支払った口止め料?の処理)の有罪評定についての量刑が出る日だった。あの程度の事件なら、本来なら、どんなに重くても罰金刑程度。それを禁固刑、保護観察となると、選挙活動ができない。」


「しかし、量刑の前に、量刑の言い渡しは大統領選を終えてからとなった。そこで7/13の銃撃事件に及んだ。そこまで足止めをしたかったのは、7/15の共和党大会での副大統領指名があったからだ。トランプがいなくなれば、トランプの意志を引き継ぐ人ではなく、かつてトランプと戦ったデサンティス・フロリダ州知事やニッキー・ヘイリー元国連大使の二人になる。この二人ならDSにとってもくみしやすい。共和党をからめ捕れた。」


「だから、7/15までだった。バンス指名は、トランプが自分の意志を引き継ぐ人間を指名できたことになる。自分の思想と価値観を受け継ぐ人。もしトランプに何かあれば、バンスが引き継ぐのがDSにとっては嫌だった。だから、共和党大会を開かせたくなかった。」


「もしトラ、で日本にとって大変なことになるなどと言われるが、トランプ大統領の四年間は戦争を起こさなかった稀に見る大統領だったことを忘れてはならない。ハリスなら戦争継続、ウクライナもガザも。終わらせると言っていても、バイデンにその力はなかった。むしろ拡大し、世界レベルの戦争の可能性。」


「トランプは事前抑止。ウクライナ支援をやめれば戦争は継続できなくなる。イスラエルとイランの代理戦争もそうだ。トランプ大統領はイランとイスラエルに対し、指導力をもって手を出させなかった。その影響力で紛争をやめさせる。」


「むしろ、アジアへの力の使い方が大事。余計なところではなく、対中国に注力するだろう。台湾有事も起きにくくなる。日本から手を引くというのは半分本音だが、半分はディールで譲歩を引き出すため。トランプは米軍の意見を聴く。アジアからの撤退は無理だと知っている。頭の悪い大統領にあれだけの成果はなしえない。」


「トランプがディールに強いのは、人が死ぬのは耐えられないというのが彼の一番の価値観だからだ。敬虔なクリスチャン、これは皆さん知らないこと。いちばん平和志向の大統領だ。その根本があるので、説得力が出てくる。」


「ディールなので、言うことそのままではなく、意図を読むべき。どの総理総裁ならトランプに対応できる?未知数。大手メディアが持ち上げている候補なら、岸田総理以上にパペット、犬として使われるだろう。使われやすい人をメディアが持ち上げている。ハリスになると最悪。尖閣、沖縄、第三次世界大戦…いろんなことが起きるだろう。」


米民主党の変質と経済格差の拡大がもたらした新たな政治の対立軸は「上か下か」

饗庭氏も指摘している米国経済について、平井氏が興味深い指摘をしています。同氏によると…「データからみていくと、マスコミが隠しているものが見えてくる。報道では労働者の味方が民主党、わけのわからない野蛮人がトランプ。米国の左翼メディアの主張が日本国内で流れている。だが、見ていくと、もはや左右の対立ではなく、上下の対立だ。」


「米国の世帯資産分布:今年の第一四半期、誰がどれだけ米国の資産を持っているか。トップ0.1%の世帯が米国資産の14%を保有。次の層は37%、上位10%だと約7割。上位50%で98%を保有。全米の半分が2%しか持っていない。封建時代か。」


「08~24年の推移をみると、08年では1/3をボトム50%が保有していた。それが地を這ってきた一方で、上位50%の資産は3倍に。では、ボトム50はどこを支持しているか。トランプとヒラリーが闘った大統領選のときは、GDPに占める割合で、トランプ勝利の州が36:ヒラリー勝利の州が64。ヒラリーが勝った州は資産をたくさん持つ人々が住む地域。彼らが民主党を支持。次のトランプ対バイデンの選挙のときは、29:71と格差が拡大。大口献金も民主党に集まり、共和党は小口が多い。」


「民主党は労働者の政党だったのでは?共和党こそエスタブリッシュメントのイメージだったが、今や庶民の党に。1980年代に、共和党のレーガン大統領が家族や宗教を重視したので、白人労働者が共和党になびき、困った民主党は、クリントン政権の時代に、これからは産業構造が変わる、金融、IT、環境、軍産複合体が力を持つとして、それらとの結びつきを強めた。これらの企業の政党へと路線を転換。その下にいたのがオバマだった。」


「共和党に行った白人労働者に代わって、マイノリティ、移民、多文化政策、アイデンティティ政策に。バイデンが環境と言ったり、ウォール街からカネが流れたり、軍産複合体でバイデン政権下で戦争が起きたり…。このことをメディアは報道しない。」


「そのメディアが絶賛するオバマ政権は中間層を消滅させた。サブプライムローン問題、リーマンが潰れ、世界的な金融危機と不況に。当時のオバマは金融業界を擁護し、ウォール街から閣僚や高官を政権に入れ、民主党の支持基盤である金融業界を優先する政治に。サブプライムで苦しむ中間層の救済が必要だったが、それだと共和党の支持者を助けてしまい、金融業界にデメリット。積極的な救済策を講じなかった。」


「そこに出てきたのがトランプ。支持者をみると、米国の普通の国民が集まっている。経済格差が階級社会を作り、取り残された人たちが何とかしてほしいと。だからバンスが出てきたのは素晴らしいクリーンヒットだった。」


「米国の製造回帰主義。真っ当な選挙が維持できれば、トランプが再選される。トランプ-バンスの政権が誕生すると、米国でモノを作り、技術を開発しよう、米国民に雇用の場を、そこでのモノづくりへと変わっていく。だから、日本は米中対立が先鋭化する中で、米国をこ組み込んだ現地生産やサプライチェーンの強化を図らなければならない。」


「不平等を加速させる癒着やロビー活動や市場への影響力、これらを改めないと分断は治らない。格差を拡大させようとしている人たち、彼らにとっては米国の一般人が貧しくなっても構わない。富の偏在を修正しないと、米国の若者に共産主義へのあこがれが出ている。危険だ。課題は富裕層への課税云々ではなく、ボトム50の底上げをどう図るか。」


「民主党政権と共同歩調を続けて、日本を米国の状況に近づけようとしたのが岸田内閣。日本人の生活感が苦しくなった一方で、株価が4万円。だが、岸田は対日直投を2030年に80兆円から100兆円に拡大し、米国のハゲタカに日本を買わせようとしている。」


「これでは和製バイデンだ。どちらを向いているかの基本路線こそが総選挙で問われるべき。米国の状況をきちんと伝えると、気がつく日本人が出てくるから、マイノリティーやLGBTなどに目を向けて目くらましをしている。これは『上と下との戦い』だ。」


●米大統領選、ハリスは敗ける…高まる高齢化率のもとで株下落による金融所得減が響く

藤氏も、経済の側面からトランプの勝利を予測しています。同氏によると…「最後は経済。これまで良かった景気がソフトランディングするのか、底割れか。マーケットが雇用市場の数字を気にし始めている。米国の家計の金融資産収入が540兆円、日本は40兆円。株が下がって金融所得が減る。さすがに金融大国アメリカ。これは大打撃に。」


「米国には公的年金制度が無いので、株で老後の資金。米国も高齢化。高齢化率が15%を超え『高齢社会』に。去年は18%までに。シルバーデモクラシーは米国でも。報道では『Z世代』だが…。金融所得の面が見過ごされている。」


「かつてビル・クリントンは大統領選で『全ては経済』と言った。ブッシュ父の支持率は湾岸戦争で91%をつけたのに、大統領選では敗けた。当時のクレジットクランチによる経済不況が原因。コロナ不況が無ければ2020年もトランプが勝っていた。」


「高齢者が票を決める米国になり、ハリスは敗ける。若い人に意識変化。特に白人男性が右傾化。フェミニズムのもと、同世代の女性に勉強や就職で敗け、マイノリティー政策の恩恵に浴さない。トランプはマッチョリズムで受けた。逆差別。これがサイレントマジョリティーに。心の中で、なんで?と。」


「日本でも若い人の保守化にはそんな傾向がある。ハリスはマイノリティーの象徴、女性、アジア、黒人。ガラスの天井を突き破る救世主だが、若い男性黒人からも、これだけ許せない女性はいないと。4年前の大統領選以上に、選挙が終わると紛糾するだろう。シビルウォーの映画が話題になっている。民主と共和の立場が逆転。」


●欧州国民の意識変化と州議会選挙でのAfD第一党化…グローバルから「国際」へ

欧州政治にも同じ動きが起きています。藤氏によると…「ドイツで州議会選挙。AfDがチューリンゲン州で第一党に。当たり前。普通の国民からすれば、今の連立与党の政策は害ばかり。インフレ、ウクライナ支援でカネが自分たちに回ってこない、景気が悪くなると周囲に差別感情。移民につらく当たるのはどの国でも止められない。ドイツでも外国人比率が16%以上。シリア難民も100万人近く残っていて、半分がドイツ政府の福祉で生きている。労働力不足の解消がうまくいかず、犯罪が多発。移民への風当たりが強い。」


「今回は左派党も台頭した。BSWが12~15%。左派と右派とで違うが、移民支援への反対とウ支援への反対では一致。この二つが連立すると政権ができる。ショルツ首相は主要政党にAfDに協力するなと。フランスでも極右と極左が議会で多数に。」


「AfDはナチスと関係?チューリンゲン州の支部長がナチスのスローガンを言って罰金刑。ナチはドイツではタブー。リベラルなことしか言えない。本音がマグマになって国民の間に鬱積。AfDは環境規制を緩めるとか、国民の実感に即したことを言っていることでも票を集めた。だが、憲法擁護庁が過激団体に指定し、政党活動をできないようにする恐れがある。ドイツは一つの考え方でゴリゴリとやる国。その点が心配。」


「国民の意識変化。30年続いたグローバリゼーションの恩恵に浴さない大多数の国民。ウ侵攻によるインフレ、自分たちのことを考えてくれと。草の根的に、ティックトックを使って支持者のコミュニティー意識の醸成がうまい。『我が同志』で団結。イタリアもフランスもそうだ。そこには居場所があり、広がっている。」


「グローバリゼーションの恩恵はごく一部。トランプが大統領になったときに、波が起こり、欧州に広がった。またトランプ再選となれば、この波は本格化する。」


「『グローバル』ではなく、再び『インターナショナル』という言葉に。95年から政府の公式文書が『国際』から『グローバル』へと変わった。冷戦崩壊以降、米国が強くなってグローバルに言葉が変わったもの。これに対し、『国際』とは、国柄を尊重しながら協調しようという立場。今は移民ファースト。移民がクリティカルマスを超えれば、国民国家への回帰が当然、吹き出す。福祉国家だとそうなる。これからは『国際協調』の時代だ。」

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