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  • 執筆者の写真松田学

岸田氏不出馬は米国からの指令?混迷する総裁選でうごめく力学~高市氏潰しが示す自民党の反保守の構造~

メディア報道での今の旬の話題といえば、やはり自民党の総裁選でしょう。岸田政権のもとで低迷した支持率を引き上げて政権を維持するためには、次々と我こそはと候補者が名乗りを上げてはTVが取り上げることで国民の注目を惹き、お祭り騒ぎを続けるしかない…テレビ報道が政治を決めている現実を踏まえた、この自民党の巧妙な策略が奏功しているのか、先週末のANN世論調査では自民党の支持率はほぼ4割にまで上昇しています。


そして、9月27日には新総裁が決まり、10月初めの臨時国会では首班指名と組閣、この勢いの中で所信表明演説と代表質問が終われば直ちに衆院解散、投開票日は11月初め頃…すでにそんな日程が確定したかのように流れています。確かに、これまで内閣支持率は総理就任直後がピークで、そこから更に上がった事例はなく、この日程しか選択肢はないようです。その意味で、自民党は次の衆院選を、もう本格的に開始しているといえます。


しかし、国民はこの策略に騙されてはいけない…今回はまず、総裁選に関して私が最近、街頭演説で訴えている内容からいくつか、ご紹介したいと思います。野党も解散に向けて正念場のはずですが、問題は、政権選択の場となる総選挙で、自民党政治に代わる選択肢が示されるかどうか。少なくとも11人?の党内での戦いの中からは日本の選択肢は見えてこないでしょう。新しい政治の流れだなどと言って、メディアが創った国民的人気の顔をもって総選挙に臨んでもらうような余裕は日本にはありません。以下、私の演説から…。


・「もし私が総裁選に出たら?キャッチでなく仕組みを提案します!」:11人が12人になったようですが、もう一人、13人目が出ます。私です。もちろん冗談ですが、私なら1年で日本を再興いたします。ただ、自民党の総裁になったところで、国益を軸とした本格的な政治はできないでしょう。そんな党ではありませんから。


・「カネの流れが創る今の政治を理念と国民が流れを創る政治に!」:自民党政治を動かすカネの大元はいまや海外勢力。それに対し、理念に賛同する党員の党費や、一般国民の浄財といった草の根からの流れで運営されている参政党は、旧来の日本の政党とは全く逆の性格の政党です。だから、世界で台頭する「愛国国民派」を日本で名乗っております。


・「岸田総理が残した国民負担の負の遺産は松田プランが解消します!」:防衛費43兆円も、子育て毎年度3.6兆円も、GX移行債20兆円との脱炭素の国債の償還負担も、岸田さんは財源の裏付けが不明確なまま色んな政策を残しました。ウクライナ支援も…今の仕組みのもとではいずれも将来の国民負担の増加になりますが、「松田プラン」が救います。


・「松田プランは国民参加が理念の参政党が担ってこそ意味がある!」:理解が難しいと言われながらも、わかる人はわかっているのが松田プラン。もし自民党にアイデアを盗られても、彼らにはできません。自律分散で国民が主役のブロックチェーン革命は、参加型の社会を理念とする政党が担うもの。グローバル利権に染まった政党には馴染まない。デジタル基盤の面でも、この点でトランプ氏率いる米国共和党と手を結びたいものです。


・「中身より党利党略でTV人気者を総裁に?日本は危機ですよ!」:戦後最大の危機を迎えた日本の総理に必要な資質は、有事の際に自衛隊の最高司令官ができる人であり、百戦錬磨のトランプ大統領に足元をみられないような、見識、政策、経験、安定感を備えた人物であること。あの12人の中では加藤勝信氏か…自分の政策を口だけでなく、紙に書けないような人ではダメでしょう(それで小泉氏が菅元総理から試されているとの噂も…)。ただ、「石丸現象」かぶれの傾向もある今の自民党では、小泉氏のほうが優先でしょう。


・「中露主導の世界秩序vs沈む米国G7!衆院選で日本の選択肢を」:いまや対ロ経済制裁に参加していないグローバルサウスが世界の主流に。この台頭する新たな秩序の頂点に立つ中露に加え、北朝鮮も…これに対し、もはや米国は日本が頼り切ることができるだけの軍事力すら怪しい状況。やはり、日本独自の足で立つしかない。そんな選択肢が示されない衆院選なら意味がありません。


・「日本は総理の辞任も米国が決める植民地?」:先日の松田政策研究所chで注目されている山口敬之氏の発言が物議を醸しているとか。岸田総理の辞任は自らの考えではなく、米国からの指令!たとえ、総裁再選を最優先に権謀術数を尽くしてきた「売国」?総理であっても、曲がりなりにも日本国民が民主主義を通じて選んだ総理。やっぱり米国は日本の宗主国?日本は主権国家ではないようです。


・「保守が総理になれない非保守政党12人の総裁選」:山口氏は党を挙げての高市潰しの話もされていました。海外勢と利権に支配され、左傾化してきた自民党を本来の保守政党の姿に戻そうとしたのが安倍氏の挑戦でしたが、その残滓も徹底的に潰す。この構図は、自民党がもはや保守政党たり得ないことの現れでしょう。


…総裁選で誰が次の総理になっても、米国でいずれが次の大統領になっても、日本は自国の世界史的な立ち位置を明確にし、いま世界的な潮流である愛国国民派の流れを日本でも興せる政治を創らねばならない、そんな選択肢を総選挙で示していきたいと思います。


さて、岸田総理の不出馬は本当に米国からの指令?上記の私の演説の中で引用されているこの山口敬之氏の発言が気になるところだと思います。今回は以下、その内容をご紹介いたします。自民党全体が高市氏潰しの構図となっていることには、山口氏ご自身も「自民党の反保守がそこまでシステム化されたものだったとは…」と驚いていました。自民党の権力闘争のナマナマしい実態を知る上でも、ぜひ、ご一読ください。


●岸田総理総裁選不出馬の背景は?自らの意思ではなく、米国からの指令か…

山口氏によると…「不出馬との結論は岸田氏本人がいちばん意外だった。それは自分の決断ではない。8月6日に発表された総裁選選挙管理委員会のメンバーには、岸田派がひとりもいない。21年の総裁選での高市氏の推薦人だった人たちが入っている。委員になった人は推薦人になれないルールがある。これは高市氏の出馬を妨害したものだった。」


「そこには他の派閥は全員入っている。普通は批判される。それを承知で入れなかったというのは、自分が総裁選に出る前提。それも20人ギリギリで厳しかった証拠。四苦八苦していた。このように、8/6までは自分が出馬するつもりだった。恥をさらしても…。」


「総裁選に出ないとのニュアンスは8月12日から出していた。その間に何かあった。しかし、国内で情勢変化は何もなかった。全精力を自らの続投に捧げていた彼に、総裁選に出ない内的な理由はない。外的な理由で、誰かにその間に引導を渡されたとしか言えない。」


「麻生さん?岸田降ろしに動いたのは事実。5月29日に茂木氏も入れてサシで交わした約束を岸田氏は一日半で破って、公明党の山口、維新の馬場と握った。麻生氏の部下が座長でまとめた案。10万円がギリギリの線だった。これ以上は無理と岸田に厳命した。」


「岸田はウソをついた。男と男の約束を破ったのは許さない人。自分の派閥の若手に総裁選に出るべきでないと言わせたり、茂木も同じことをした。ただ、麻生氏は岸田はそう簡単にあきらめないよと周囲に漏らしていた。8月6日には選挙管理委員会をあのようにした。麻生氏からの圧力をはねのけて出馬する意思が2か月半続いていた。悪あがき。」


「岸田降ろしは決定打にはならなかった。その後、8月9日までに追い込まれた。8/6~9の間に動きはない。そして、岸田氏は外遊を突然やめた。これは南海トラフでなく、不出馬の後処理が真相。急に決断した。政府専用機はエンジンが回っていた。8/9だ。自分の悩みなら、もっと早くに中止したはず。不出馬を強要されたからこそだ。外遊はモンゴルなど重要な4か国、全部やめた。自分の意思ならもう少しまともなやり方が外交上あった。」


「米国エマニュエル大使が11月に離任と表明。そこから先は想像してほしい。今のところ、分析がきちんとできていない。バイデン撤退?2年前に安倍氏暗殺、以降、完全にバイデン政権に従属、LGBT、日韓関係、通貨スワップ、シャトル外交、なし崩し外交も岸田の自発的決断ではない。この二人が職位を離れることが決まったとたんに岸田は不出馬。」


●電撃訪朝、8月末衆院解散のシナリオはどうなった?

「電撃訪朝については、秋葉・国家安全保障局長がモンゴルに。岸田が降りても引き続き日朝交渉をと言いに行った。今も動いている。日朝交渉はモンゴルが仲介。謝りに行った。二人を北から連れ帰って、衆院解散を模索していた。モンゴルにお世話になっていた。」

「しかし、日本としては交渉を続け、いいところに行った交渉が頓挫しないようにする必要がある。岸田氏の場合、中身はどうでもよく、認定被害者を取り戻すというウソをついて解散のドライビングフォースにしようとしていただけ。」


「8月末解散説は、安倍型の改憲(臨時国会を8月に召集し、『自衛隊を置く』の改憲案を議論、そのまま衆院解散)と、電撃訪朝(支持率アップで解散)の二つの見方。行けそうとの感触があったのかもしれない。この説は岸田ルートでひそやかに流れた。ドーンと言うと羽交い絞めにあう。ごく限られた人に耳打ち。岸田らしい。ぞわぞわと流れた。」


「麻生や菅から外堀を埋められ、岸田は追い込まれていた。岸田降ろしをとめるには解散をちらつかせるしかなかった。解散だと集団飛び降り自殺になるので。岸田は権謀術数だけはスゴイが、政策は米国に言われるので、頭を使わなくていい。」


●麻生氏と菅氏の確執、今回それぞれ誰を?ダークホースは加藤氏?

「麻生と菅のコントロールが効いていないから11人に。この二人はそりが合わない。日本の貴族のような麻生vs東北のいちご農家の菅。決定的だったのは、軽減税率をめぐる対立。公明党は幅広くと。安倍政権内部では気に入らない。特に財務相の麻生氏。」


「しかし、公明党が改憲を妨害しないために、条件付きで軽減税率を飲まないと安倍を男にできない。菅は官房長官として公明党と直接、軽減税率を拡大する裏交渉をしていた。感づいた麻生氏は、税率は自分の所掌だと。麻生氏は自分(山口氏)に聞いた、『安倍と菅はグルなのか?』と。それが決定的な溝になる。菅氏の最近6月以降の発言は、麻生氏の逆鱗に触れている。総裁選はそんなところで動いている。メディア報道ではわからない。」


「麻生が河野の出馬を容認したのは事実だが、では麻生派が一枚岩かどうかは確定的でない。推薦人はそろえても、20人くれてもまだ30人いる。50人余り麻生派はいる。ただ、前回は黙認以下だった。今回は容認した。だから、河野で勝ちに行くだろう。」


「ただ、菅氏が小泉一本化かどうかはわからない。菅に近い人が未だに出ようとしている。今回は進次郎でいくから次を待てとは言っていない。加藤勝信だ。彼は茂木派だが、同派は空中分解。20人の推薦人を一人で集めるのは無理。加藤氏は菅と麻生の両方と話ができる。今回は一回休みだと菅から言われていない。」


「菅が親しいのはHKTと小石河の6人。その中で萩生田は無理。武田良太は総理を目指す人ではない。6/6の会合では、うち4人、HKTと小泉。あとの二人は眼中にない。あとは茂木氏。菅は石破と河野は捨てた。そして、斎藤が出てきた。」


「石破が20人集めても、昔のメンバー(斎藤)が牙を向くようではダメだよねとなった。菅は今でも『趣味は安倍晋三』。石破や河野なら、安倍氏の遺志に反してしまう。安倍氏の意思を継ぐなら、7人の中で最も安倍氏に近いのが加藤氏。安倍の強みは清和会の外にも広く人脈を持っていたこと。うち最も信頼していた人が加藤氏。」


●オール高市つぶしの構図、徹底的に保守をつぶす自民党…衆院解散は新総理誕生直後に

「保守層は高市フィーバーだが、自分はこれまで17回、自民党総裁選を取材してきた。前代未聞なのは、高市つぶし。誰かを総理にしようという前向きなエネルギーではなく、憎悪に支配されて動くのが総裁選の初盤。そこに斎藤氏が出てきた。石破氏の側の人。石破氏は20人そろえられるか?これは石破潰ししかない。」


「しかし、高市氏は、高市vsそれ以外という構図。高市氏は12人ぐらいががっちり。それ以外は全部が反高市。これは例を見たことがない。ここまで一人を他が集中的に潰している。初めて見た。岸田氏が21年の総裁選の時に高市氏の推薦人だった黄川田氏を選挙管理委員にし、岸田不出馬表明後も推薦人が抜かれ続けている。」


「党員票や国会議員票を奪っていく人が複数いる。コバホーク。しっかりした人。保守的な考え方。高く評価している。ただ、突然、ポスト岸田と言われる。突然出てくる人はご本人の能力とは無関係に担ぐ事情があるもの。彼が出てきたのは、メディアが持ち上げ始めた5月以降。出馬会見での同席議員は、本来は高市氏の推薦人が少なくとも5人いた。」


「コバホークを出す後ろ盾は反高市。現段階では彼は当て馬。保守的エッセンスを入れたメディアの持ち上げ方。だから、保守系が入りやすい。高市と青山以外は屑のリベラルだ。保守系はこの3人だけ。メディアがコバホークを持ち上げると、保守層の党員党友票は彼に。その票を集めるのは高市氏だったが、ホークが第一回投票の保守票を持って行く。」


「メディアは保守系を叩き続けてきたのに、なぜコバホークだけは持ち上げるのか。保守分裂をさせて高市を総裁にしない。高市vs全てだが、麻生氏は分からない。自民の落選者を減らすのなら高市だと。失業する仲間を減らすという真っ当な判断なら、高市という選択肢は麻生氏にはある。反高市ではないが、乗らなかったという意味で消極的支持。」


「メディアも総裁選の顔写真に高市を入れなかった。リストから外しているのはメディアも同じ動機。安倍氏暗殺、安倍派解体、保守政治にストップ。それ以外にない。」


「高市氏は清和会にいた。ただ、町村派になるときに安倍氏を領袖にと運動し、それでいさぎよく出て行った人。安倍氏の意思を継ぐ人とみなされている。安倍氏の銅像を決して建てようとしないのが自民党。米国のトランプ対他全部と構造は似ている。対立軸がどこにあるかが見える。」


「総理に就任してすぐが一番、内閣支持率が高い。そのあとに支持率が上がった事例はほぼない。就任時が一番高いということは、就任したところで解散。いま総理になりそうな人は、すぐに解散するでしょう。」

 

…この対談の中でも山口氏が明らかにしなかったのは、岸田氏に不出馬を「指令」した米国が、ではなぜ指令したのか、その背景についてでした。その後、山口氏と連絡をとったところ、そこには岸田総理の中央アジア訪問が絡んでいるようです。そのドタキャンがエマニュエル大使からの強い指示だった、そのことと、バイデン氏の撤退、エマニュエル大使の離任とがどう関連し、岸田氏を辞任へと追い込んだのか。山口氏によると、その点はまだ公言できないが、いずれ明らかにするそうです。


恐らく、その真相は、自民党政治や日米関係の深い闇とも関連するものではないでしょうか。自民党とは米国による日本支配のエージェントであった…そんな事実が浮かび上がってくるような気がしないでもありません。だからこそ、日本の国を軸に国家の在り方を再構築する政治が、もう一つの選択肢として不可欠なのではないかと思います。

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