top of page
  • 執筆者の写真松田学

現下の混迷する国際情勢と迷走する自民党総裁選~選挙対策の人気取りで一国の宰相を選べる局面ではない~

先週から今週にかけて一週間近くもの間、日本中が台風10号の「迷走」に振り回されました。日本の大動脈である東海道新幹線が4日間にもわたって使えない…都心でもいつゲリラ豪雨による水害で身動きが取れなくなるかわからない…温暖化による気候の変化で、こんな状態が今後も起こりうる日本は、ビジネスやイベントや観光の計画も立てにくい国になってしまったようです。東海道新幹線の場合、60年前からの急斜面での盛り土が線状降水帯に脆弱な体質を生んでいるそうで…相当な規模での国土強靭化が急がれるでしょう。


台風の迷走は自民党総裁選にも影響を与えたようです。名乗りを上げる先生方の出馬表明のリスケや地方巡業の中止などが相次ぎましたが、この総裁選自体も「迷走」状態…。出馬が取りざたされる12人のうち、現時点では7人が出馬表明したか、そのための記者会見を予定していますが(3日に林氏、4日に茂木氏、6日に小泉氏、9日に高市氏、10日に石破氏…)、加藤氏、上川氏、斎藤氏、野田氏たちは推薦人集めに躍起になっています。


派閥が解体し、若手が自らの意思で出馬する新しいスタイルの総裁選が今回の自民党の売り物のはずですが、この面でも迷走か…。そもそも岸田総理が出馬断念をしたのは、出れば敗けるとの情勢分析を踏まえ、ここで自ら退けば、のちのち元総理としてパワーを残せる、麻生氏は高齢、二階氏はもう引退、安倍氏もいない中でキングメーカーとしてのパワーを行使できる、総裁選で負けたらそんなことができない、という自己都合が理由だったとも言われます。早速、岸田氏が応援する林氏の推薦人に岸田派がズラリ。やはり派閥?


どうも、解散したはずの派閥が総裁選で復活しているようです。やはり、生まれ変われない自民党か…。我こそはと12人が名乗っても、河野氏は麻生氏?小泉氏は菅氏?岸田氏も総裁選に介入…やっぱり無理。そもそも自民党は、国民の信頼を取り戻せるまでに生まれ変わったら解体する政党です。ならば、日本のために本当に解体しては?小泉さんのお父さんも「ぶっ壊す」と言っていました。公約は守りましょう。河野氏の出馬会見を受けて、先週、街頭演説ではさらに次の2点も訴えました。


・「河野さん、経済が強くないと財政は強くなれません!だから松田プラン!」:出馬表明では、財政が強くないと経済は強くなれないとしていましたが、経済のマクロバランスでは日本の財政は弱くないです。問題は、国債がこれだけ多いと金利が上がったときに大変だということ。ならば、国債が政府発行デジタル円へと姿を変えて国債残高が減っていく松田プランがある。これぐらいのことを提案しましょう。デジタル大臣なのですから。


・「脱原発か原発活用かは対立軸ではない!技術が決める問題」:反原発だった河野氏が、今般、AIなどで莫大な電力が必要だからと、原発活用に立場を切り替えましたが、そもそも、技術で決まるエネルギー問題を思想的な二項対立で論じること自体がナンセンス。


誰もが原発に依存しない社会が望ましいと思っていますが、脱原発と言っているだけでは、現在の技術ではエネルギーの安定は無理。これは、核廃絶と言っているだけでは核兵器がなくならず、日本で二度と広島長崎の悲惨な事態を招かないためにも、今は抑止力を重視しなければならないのと同じ。脱原発が可能なまでのエネルギー体系へと技術開発を進める一方で、まだその技術に達していない現状では原発を活用するのが答えでしよう。


ただ、どうもこの河野氏の芽はなくなったようです。麻生派がこぞって同氏につくわけではなく、麻生氏の本音は高市氏にあるとの噂も…。確かに、安倍元総理が石破氏とともに絶対に総理にしたくないと言っていたのが河野氏。ここは麻生氏の見識が働くのか…一部には、総裁選は小泉vs高市の闘いになるとの期待もあります。前号のコラムでも指摘したように、党内全体の保守潰しの中で、高市氏がどこまで党内の支援を固められるか…。


他方で、政治評論家の田村重信氏との対談で印象的だったのは、多くの保守層が高市、小林、青山の各氏以外はいずれも「リベラルの屑」だと決めつけている中で、石破氏や小泉氏は安全保障も憲法観もしっかりしているとの指摘でした。「自衛隊明記」だけでは何も変わらず、「軍」の文字が憲法には必要ということは、お二人とも十分に踏まえている、と。


そして、派閥が崩れて最初の総裁選で最初に会見をした小林氏は、我こそはと名乗りを上げて推薦人を集める新しいスタイルに先鞭をつけた、これが自民党再生の道だと田村氏は評価しています。従来は派閥の中で汗をかいてポストが割り振られていく出世ルートが、今後は、総裁選に名乗り出てTVで注目され、総裁選に勝たなくても重要ポストが割り振られるようになるという新しい出世パターンに変化していく、そんな指摘をする同氏は、次の総理総裁はズバリ誰か?との質問に対し、小泉氏であると私との対談で断言しました。


しかし、私の周囲では、セクシー総理?そんな中身が空っぽな人では…云々と、小泉氏の評判はさんざんです。選挙対策で国民の人気が高い人を選ぶ、それこそポピュリズムであり党利党略であり、総裁選の「迷走」では?これはコバホークこと小林氏も同じ。少なくとも、日本を取り巻く国際情勢はそんな迷走を許すことができるほど甘くない…松田政策研究所CHでは、山岡鉄秀氏と西村幸祐氏が、このことを強く示唆する発言をしています。


今回は、前述の田村氏に加え、山岡、西村両氏の発言内容を以下、ご紹介いたします。


●高市、石破、小泉、河野、小林…それぞれどうか:自民党が変わりつつある

まずは、小泉派?の田村氏のご発言から…「従来は派閥の長が立候補した。総理総裁を目指す人が作るのが派閥で、推薦人20人は簡単だった。そうでないと大変だ。前回、河野氏も野田氏も大変だったし、高市氏は安倍氏がバック。だが、安倍派でも安倍氏が言うからと前回、高市氏を支持した議員が多く、その後の人間関係の作り方がうまくなかった。」


「石破氏の国民的人気が高いのは、メディアによく出るし、質問に丁寧に答えるからメディア受けが良いこと。野党寄りと言われるが、彼の親切心。そこが石破氏の真骨頂。」


「安全保障ではまさに国防族のドン。かつての自民党の憲法改正素案では9条につき、自衛隊を軍隊に、『自衛軍』に。谷垣氏のときに『国防軍』。しかし、安倍政権になっていよいよ改正かというときに『自衛隊明記』に。それでは憲法の解釈が変わらないから意味がない。米軍の下請けのままだ。石破氏は軍隊に、と、筋論の人だ。安倍氏が言ったから全部良いということではなく、それを超えていかないと。国民に説明したら理解してもらえる。石破氏が総理になって『軍』にしようと言えば、それで動く可能性がある。」


「小泉氏は立党の精神を大事にしている。当時、『独立体制の整備、自衛軍を整え、駐留外国軍の撤退に備える』とされたことを分かっている。自衛隊明記ではダメだと。これは諸外国の軍隊と同じような活動ができるようにしなければならないという話。どの国でもいちばん大事なのは自分の国をどう守るか。日本にそれがないのはおかしい。」


「小泉氏と『気配りが9割』の本を出したが、彼は周りの人に気を遣う。20人以上集まるのはそういう点。色々言う人がいるが、皆さん直接接していない。米国で苦労もしている。外交安全保障はなかなかなもの。プレゼンテーション力、話を聴く、基本がしっかりしている。応援に行き、おかげで当選したと。似ているのは中曽根康弘。演説で力をつけた。人の応援に行って当選させる。小泉氏はそんな中曽根氏に近いところがある。派閥解消の時代は中曽根スタイルが受ける。石破も小泉も保守系が懸念するようなことはない。」


「河野氏は前回の総裁選では岸田氏と互角だったが、人気が落ちてきた。マイナンバーとか発言のこととか。中国利権?米国に行っていたから日米同盟の重要性はわかっている。かつて総裁選に出ていた人が派閥の長だった中で、若くて手を挙げたことが受けている。石丸さんのさきがけだったが、それが古くなったから…。」


「小林氏については、都知事選の影響。投票率が上がった。自民党の再生、若い人がと。全く無名の小林、最初に20名確保で会見。高市潰しとか、推薦しているのが反小泉とか色々あるが、自分で立候補して20人集めたのが派閥解消の効果。意志ある人が出て人が集まることを証明してくれた。自民党も変わりつつある。その先鞭をつけた。第一回投票は議員票と党員票とが同じ。党員に人気の人が有利。だから、それに強い石破、小泉が有利。」


●自民党の出世パターンが変わる…総理総裁は…総選挙の日程…自民党は今度は手ごわい

「これまでは派閥でそれなりの役をしていると派閥がポストをつけてくれたが、それがなくなると、大成するためには、総裁選に立候補することが大事になる。新しいキャリアパスに。出るというだけでテレビに出て、みんな名前を知る。今回は15日と選挙戦も長い。連日のPR。そこに出ただけで、総裁になれなくても、主要閣僚や役員に。」


「しかも、自民党で沢山出る、若い人も女性も、自民党は変わったと。総裁選が終わると解散総選挙が早い。支持率が一番高い時期だ。必ず選挙に。9月27日に新総裁が選ばれて、30日には党役員閣僚名簿、10月2日に首班指名、そして所信表明、代表質問、10月15日に衆院解散、公示は10月29日の大安、11月10日に投票…メモが永田町で駆け巡っている。選挙期間は12日が最長だったが、15日間に。衆議院の選挙運動期間のようなもの。」


「総裁になるのは小泉進次郎だ。新聞の書き方も違う。そうなると、自民党は総選挙でも強い。小泉氏は選挙の時に人が集まって勝利の実績がある。恩がある人がたくさんいる。それが表に出てくる。推薦人も多い。一つの派閥ぐらい。菅氏の力だけではない。地方に応援に行ったその効果だ。自民党は手ごわくなる。野党はバラバラ。」


●あるいは「小泉vsコバホーク」?大丈夫か?

次に山岡氏ですが、コバホークと櫻井よしこさんのHANADAでの対談を取り上げて…「小林鷹之はハーバードのケネディスクールを出た。そこはジャパンハンドラーが創ったもの。認知戦のプロ。将来がありそうな日本のエリートを入れて米国に都合のいい指導者を創るための洗脳をする。対談での小林氏の主張をみると…憲法改正で自衛隊の明記を主張。これでは現行の自衛隊を固定化し、現状追認で何も変わらない。戦力の保持を禁じている9条2項に手をつけない。これを残していたら意味がない。国防軍になれない。」


「トランプ氏への対応で、『伝統的な外交手法が通用しない、事前に切れるカードを用意、米国が中国に対して強硬に出てきた場合、米国と連携する必要のないところは線引きして中国のマーケットは確保』と主張。やはり二階派か。」…これについては、その後、先般の中国軍機の領空侵犯に対して自ら抗議するのではなく、二階訪中団から申し入れてもらうと発言したことが、一国の宰相候補としての資質が問われるとして批判の声が出ています。


「むしろ、トランプとはディールをする胆力が大事。交渉カードとして防衛装備品に触れている。米国では足りないから日本から買っている、と。パトリオットを米国に売却、と。だが、このライセンス生産は、米国の日本への依存ではない。ウ戦争で使い切っているだけ。防衛装備品のFMS調達も、高くて調達が遅い。実態は、不良在庫の処分であり、こちらを見直すことが大事。コバホークは進次郎の高学歴版だ。甘さを感じる。」


「小泉氏は、気候変動問題にクールでセクシーに取り組む、プラスチックの原料は石油なんですよとか、リモートでできる仕事ができたのはリモートワークのおかげだとか…中身は小林の方が上。コロンビア大学になぜ行ける?ジャパンハンドラーのかばん持ちだ。」


「ハンチントンの文明の衝突。文明と文明との断層で紛争や戦争が起きる。最強だった西洋文明が瓦解。それは、断層線を国内に創ってしまったからだ。難民移民、1,000万人米国に入れた。統制できないボリュームの他文明を欧州も国内に入れた。そこに紛争のネタ。米国はこのまま内戦に?その中で、一国一文明の日本をどう維持するか。」


「日本は世界の主流勢力と手を組んできたが、もう、強いものに頼ることができない。依存すると宗主国がダメになったときに一緒にダメになる。日本は単独文明であると同時に世界最長の国。ローマ帝国とて1,000年で終わったが、それ以上。だが、これが永遠に続く保障はない。コバホークでも小泉でもダメ。歴史観、大局観で捉えないと。」


●パリ五輪開会式に仰天…ベルリン五輪より酷い政治利用、これは文化大革命

最後に西村幸祐氏の発言ですが、同氏が述べた先般のパリ五輪の模様は、まさに世界の「迷走」を象徴するものでしょう。同氏によると…「この開会式にはマクロンのパーソナリティもかなり出た。選挙で大敗して首相も決められない。国民連合が最も票をとったのに、口汚く罵る。極右のレッテル貼り。反グローバリズムを全部、その言葉で断罪。極右と言われる政党が与党であるイタリアがいちばん欧州で安定している。EUの中で存在感。フランスはマクロンがそんな状態で、国民連合を勝たせないために極左と手を組んだ。」


「グローバリズムの全体主義がパリ五輪に出た。フランス人も嫌だと思っているが、この点はメディアに出てこない。IOCも称賛、男女が初めて平等になった五輪だと。女性選手として認めない人が出てきてメダルをとった。イタリア人女性が危険に。イタリアのメローニ首相は寄り添った。日本のメディアは触れていない。触れると、メディアがバカだと日本国民が気づくからだ。NHKの総括記事では、いい五輪大会だったと礼賛。だが、酷い競技運営でフランス人のレベルが下がっている。五輪のフラグをメイン会場で上下さかさまにあげている。選手村が酷い。今でも抗議が続いている。」


「判定の酷さ。フランスが勝つように仕組まれていた。『DEIファシズム』。多様性、平等、包括性だ。それを打ち出した。それは特定のイデオロギーだ。1936年のナチスのベルリン五輪と同じ、それより酷い。ベルリン五輪は、ヒトラーによるナチスのプロパガンダだったが、スポーツへの敬意はあった。しかし今回は、LGBTのイデオロギーだけを前面に出すためにスポーツ使い、しかも貶めた。」


「クリエーターが自分の表現活動でやるならいい。最後の晩餐で、でぶったおかま。性器の露出もあった。マリー・アントワネットの生首、神社の横の見世物ならいいが、家族の時間帯に世界で放映。おぞましくて見るも陰惨なものを見せられた。」


「スポーツを利用して自分たちのイデオロギー。マリー・アントワネットはフランス革命のすばらしさを、好意的に解釈すれば、第五共和制ではあり得るのか。革命の伝統。しかし、あの表現でやるのか。生首が歌う。それがフランスを表すのだとすれば、フランスは滅びつつある。近代が崩壊。近代はフランス革命が創った。ロベスピエールを五輪でやるのはズレすぎている。1960年代のサルトルが先導していた毛沢東主義?」


「エレガントさ、フランスの美学。フォーレ、ドビュッシー、あのフランスの繊細さをぶち壊している。だから、文化大革命だ。いま文化大革命が世界で広がり、キャンセルカルチャーの流れに。それがバリ五輪だった。」


●海千山千の国際社会を相手に国益を実現できる宰相は?今回の自民党総裁選ではムリか

「日本人は馬鹿正直。軍隊も。北清事変のとき、世界中の軍が集まり、日本軍の規律に皆が驚いていた。それは、世界中の国は馬鹿正直ではないということ。悪意と危険に満ちている。五輪の開催国が自国に有利にする細工をやる。柔道で露骨に出た。フランスは柔道大国、どうしても一位になりたかった。それでおかしなくじ引きに。」


「クーベルタン男爵。フランスが五輪を始めた。フランスの上流階級は自分たちが世界のスポーツを創ってきたという自負。東洋人がずっとチャンピオンなのは許されない。スキー、ノルディックで世界チャンピオンを日本が続けていたら、ルールを変えた。」


「ホンダが創ったターボエンジンは欧州のどのメーカーでも勝てない。そこで、モーターレースのレギュレーションを変えて、1989年にターボを禁止に。フランス人が主導。経済も、BIS規制で日本の銀行を抑えた。欧州の世界支配を崩したくない。1930年代から同じこと。白人の支配を維持。」


こうした国際社会の現実の中で自民党の総裁選は?…「米国が望む首相は誰かでは困る。石破が人気一位というのはメディアの誘導。自民党以外の人が投票するとそうなる。ずっと非主流派。保守層の敵のようなことを言うから『立憲共産党』から人気があるのでは。」


「コバホークを最初に書いたのは共同通信。怪しい。どこから出てきたのか。高市つぶしの候補だと皆が言う。岸田政権が高市つぶしの張本人。米国の意向かもしれない。」


「トランプ氏は明確に『安倍さんは彼らが暗殺した』と言っている。トランプ氏が再選されたらそうした真相解明をやりかねない。トランプ銃撃事件は不審点だらけで、安倍氏と似ている銃撃事件だった。その後、初めての屋外集会をやったが、防弾ガラスを張り巡らせた。信用できないからだ。トランプ狙撃はFBIが知っていた。撃てという命令が来ないから犯人を事前に撃たなかったとの証言がある。そのトランプ氏が再選されたら、渡り合える総理総裁は?いない。高市氏ぐらいか。会話ができる人物として。」


「今度の総理総裁に必要な資質とは、2026~27年にかけて台湾有事が必定。その時に自衛隊の最高指揮官になれるかどうか。その視点がメディア報道に全く欠けている。石破氏は防衛大臣をやったが、制服組からは総スカンだ。小泉氏当選なら、長老支配の中でのシナリオということになる。菅氏がついたことになるから。最後の一日前の夜に引きはがし合戦が起きる。派閥政治であろうとなかろうと同じだ。派閥がないだけ、かえって不透明になっている。最高司令官は小泉氏にはとてもできない。あまりに軽すぎる。」


●トランプ氏とハリス氏のいずれが米大統領でも日本は…

「どちらが大統領になっても、たじろがない日本でなければならない。それは、日本の世界史的立場を認識して、日本人自らの足で自立した国家を立てるという意識だ。それをもたないと、どっちが大統領になっても大変だ。ハリスなら米国の戦争に巻き込まれ、トランプなら、新しい人が政治に入らないと対等な同盟関係になれない。そのためにも、核保有を真剣に議論する必要がある。対米自立をするために。」


「英国と米国との関係は、仲がいいが、独立戦争のときに戦争をしている。英国は独自の核戦力。それで米英の同盟関係が機能している。日本は、大西洋での英国と同様の位置に太平洋で立たねばならない。英国の立場になれば、日本は本当に自立したといえる。インド太平洋も日本が主導できるようになる。」

 

…最新の報道によると、ドイツではいくつかの州議会選挙で「極右」が第一党になりました。世界の政治の潮流は明らかに大きな変化を示しています。近年、世界支配をますます強化してきたグローバリズムに対抗する「愛国国民派」が、先進国では政治の主流へと躍り出ています。新興国途上国では「グローバルサウス」の台頭が著しく、中露主導の「BRICs秩序」が、日本の政治が付き従ってきた「G7秩序」を脅かし始めています。


そのような中で日本の宰相に問われるのは、まさに日本独自の世界史的な立場に基づいた思想であり、国際社会に対する日本ならではの「価値提唱力」でしょう。現状では、これを担えるだけの内容の深さと経験や人間力を備えた人物が選出される見込みは極めて薄いようです。このまま総裁選が「迷走」のまま終わらないことを祈るものです。


閲覧数:45回

Comments


bottom of page