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  • 執筆者の写真松田学

米国でも「LGBT差別禁止」はマジョリティにあらず~来たる衆院選では「真実を知ろう国民運動」を~

今通常国会中に岸田総理は衆院解散に打って出るとして永田町は総選挙モードに入っています。ただ、実際にどうなるかは不透明です。先日の統一地方選で不調だった公明党が7月選挙には猛反対。学会として選挙疲れを癒す期間が必要なようですし、東京での自公の対立も、公明党からの早期選挙ボイコットに遠因がありそうです。


自民党とて、先の国政補選は辛勝だったことに加え、5月21日の足立区区議選では、最大勢力の自民党が候補者の3分の1にあたる7人を落とし(参政党は一議席を獲得)、区議会第1党を候補者全員が当選した公明党が担うことに。これは大きなショックだそうで、自民党内では秋口解散の動きもあるとか…。いずれにしても、いつ解散があってもおかしくないことを前提に、参政党も過日、第一次の衆院選公認予定者21名を発表しました。


他方で、岸田政権は異次元の少子化対策と言って、とりあえず3兆円規模、うち1兆円は医療保険料の引上げで賄う案も想定されているそうです。国会では防衛財源の議論が参議院に移り、神谷議員には参政党が掲げる「投資国債」を提起したもらったところです。


同時に、43兆円の防衛財源が必要なら、増税の前に、現在の医療費を増大させるインセンティブ構造となっている日本の医療システムを、健康な人を増やすことで医療費を節約するシステムへと変革することをしなければならないのではないかという論点も提起しています。例えば、病床数の多い県ほど一人当たり医療費が多く、かつて病院が消滅した夕張市では、それにも関わらず死亡率は全く上がらなかったという事例が知られています。


日本の医療が病人と不幸な高齢者を創り出し、医療費を増大させている悪循環構造について、確か、経済学には「供給はそれ自ら需要をつくりだす」というセイの法則があったことを思い出します。病床で胃ろうを受けながら狭いベッドで身動き一つとれない日々を強いられる高齢者は果たして幸福なのか?そうした施設から出てきた方は皆さん元気になり、宣告された死期より長く生きて家族に囲まれながら幸せな死を迎える事例も多いとか。


医師法第一条に規定する医師の使命としての健康には、身体的健康以外に、精神的健康と社会的健康がある。その点からみても、コロナ対策は完全に間違っていたことが指摘されています。80兆円の財政出動はそのほとんどが無駄だったとも…。しかも、そのかなりの部分が業者に中抜きされたり、免疫力を低下させてかえって日本の感染を拡大させ、様々な事故や後遺症も現れているあのワクチンも、血税で海外製薬企業を潤しただけ。


医療のような、それ自体が国民負担を増大させる構造の現行システムを正すことで防衛も少子化対策も財源が出てくるはずですが、まず、こうした実態が有権者の間で知られていません。同じような問題が、今回の広島G7にも話題のLGBT法案にもあります。


前号のコラムでも論じたように、日本は戦争を激化させて無辜の民の犠牲者を増やすことをリードするような国だったのか。核廃絶を言いながらロシアに核使用を促すことをやるのも本末転倒。広島G7にはそんな論点があるはずです。


「力による現状変更は許さない」も洗脳のキーワード。戦争のときには必ずなされるプロパガンダであることに気付いてほしいもの。それが中国の軍事侵攻を抑止するかといえば、逆でしょう。ゼレンスキーへの軍事支援の強化→ウ戦争の長期化→中国パワーの一層の強化&米国の極東での軍事力の低下→台湾有事の誘発など日本の安全保障上のリスク増大…が考えられます。経済もそうです。いまの経済にとって最大の不安はすべて、ウ戦争と経済制裁に起因するもの。


そんな流れをあえて強化することになったのが、バイデン従属の岸田政権。早期解散総選挙なら、このことを有権者が知った上での選挙にすべきではないでしょうか。物事の本質を有権者が見抜かねばならないのはLGBT法案も然り。法案に賛成する方々も、法案に反対する理由を知りたい方々も、少しは事実を押さえることをしてはいかがでしょうか。


松田政策研究所CHでは、いつも冷徹なリアリズムで経済安全保障に携わっている平井宏冶氏が、米国のファクトを調べて整理してくれました。同性愛を禁じるキリスト教のもとで、西洋ではLGBTへの理解が欠如してきた長い歴史があった。そういう社会でこそ「理解増進」が主張される必然性があるのであって、もともと歴史的に差別の少ない社会を営んできた日本は欧米とは状況が異なります。


現在でもキリスト教の影響の強い共和党系はLGBT差別禁止には猛反対で、米国も世論は二分しており、差別禁止は国際的な潮流でもなんでもない。むしろ、差別禁止という規範から転換しつつあるのが各国の潮流ですし、もとよりG7各国では、LGBTについて差別禁止を法制化している国はありません。カナダの就職での差別禁止のみです。


バイデン民主党は1,000万人を超えるLGBT人口を集票基盤としており、バイデン大統領は「親LGBT大統領」とのこと。エマニュエル大使はバイデンに気に入られようと、その立場を日本に対して代弁しているに過ぎない。日本は米国の特定党派の利害に振り回されているだけだということになります。


しかも、マイノリティーへの差別禁止が女性というマジョリティの権利を著しく侵害して欧米では大混乱を起こしているだけでなく、今般のLGBT法制化によって「公金チュウチュウ」左翼利権がはびこることにもなる。よく、理念法だからとか、差別禁止の前後の文言を修正したからと言う方がいますが、いったん法制度となると、それが現場にいけばいくほど過剰な反応を誘発し、さまざまな混乱や分断を生むことになることを、立法者はよく知るべきです。最近の国会議員は現場知らずの人が多いのでしょうか…。


LGBT問題の米国での実情についてはもう一人、山中泉氏とも対談。今回はこの山中氏と前記の平井氏の両人が提起してくれたLGBT問題の本質について、以下、ご紹介いたします。


●LGBT「差別禁止」で米国では何が起こっているのか

日本は後れている?米国は?まずは何十年もシカゴ在住の山中氏によると…「今回またたく間にどっかから日本に降ってきた。差別はいけないは日本の中では浸透しているし、歴史的文化的に女形も男装の麗人などもあるように、日本は差別して日陰者に扱う国ではない。米国で起きているのは、マルクス主義の一つの戦術。『差別』を利用しながら相手側の力を奪っていく典型的な民主党がずっとやっているやり方だ。ポリコレで相手を叩く。」


「クラスで1割ぐらいが男の子が女の子になる。自分は女の子だと言い始めた男の子に先生が間違えてSheではなくいHeと言ってしまうと、先生は懲罰会議にかけられ、解雇の対象になる事例が結構多い。実際に女の子ではないからと正論を言うと、解雇になる事例が多発している。欧米のような差別の歴史のある国から、なぜ同性愛を受け容れてきた日本の社会に性急に?」


「エマニュエル大使が各国駐日大使たちに働きかけてビデオまで作成。彼らの政治的思惑だ。米国でも嫌悪感が蔓延し、女性として困ったという人が多く、対立構造がみられる。」


「LGBTの中でも『T』がいちばん問題。男として生まれたけれど自分は女性だと思っている人。性器の切除とか。男性ホルモンを下げる薬。子どもたちがやりたいと言えば、親の了解がなくても性器の切除までできてしまうことが起きている。これをなんとか押しとどめようとしているのが共和党や保守派。」


「男は女に、女は男になれるということが小学校2年生のテキストに載っていることが知られていなかった。コロナで自宅学習となったことで、親たちがとんでもないことが起こっていることに気付き、お母さんたちが立ち上がって反対している。女性たちが、女性の権利をおかすとしている。薬を飲んで、女性の競技に出られる、そこで勝って、それでも女性選手が言いたいことが言えない。女性の権利が侵されていると殴り込みをかけている。LGBTの運動にはアンティファが加わっている。」


「米国ではエマニュエルは片方の意見に過ぎない。米国左派の意見で、米国全体を代表している意見ではない。正論を言っているのは日本ではいまや参政党だけではないか。」


●LGBTは民主党の集票基盤

次に、平井宏冶氏が発した論ですが、同氏が調べてくれたのは日本のメディアが伝えない米国の政治や社会の実態でした。以下、平井氏によると…「日本と欧米では社会環境が全然違う。米国も二つに分かれている。保守派とリベラル派の間で社会的倫理観や価値観を巡る戦いが行われており、LGBT問題はそのテーマの一つ。」


「米国におけるLGBTの人口調査では、1,456万人で5.6%(ギャラップ社調査2021/3/24)、1,134万人で4.5%(UCLAウィリアムズ研究所2020/7)、1,200万人台?で5%(The 2019 American value Atlas)となっている。」


「つまり、1,100万人を越えるLGBT有権者の動向は、選挙結果を左右するだけの影響力がある。LGBTの政党支持率をみると、43%は無党派、民主党支持が40%、共和党支持が11%。LGBTは民主党の重要な支持基盤であることがわかる。」


●キリスト教の考えvsバイデン大統領は親LGBT大統領

では、共和党はなぜ、LGBTに否定的なのか…「ピューリサーチセンターは、2007年と2014年に米国全50州の35,000人以上のアメリカ人を対象に、宗教への所属、信念と実践、社会的および政治的見解について調査し、70.4%がキリスト教徒と発表。旧約聖書のレビ記では、同性愛の肉体関係は禁止されいる。醜態(恥ずべき者)として書かれている。新約聖書では、ローマへの手紙の中でパウロが『女は自然な姿を変え、不自然に変わった』と、また男は女性との自然な関係を捨て、男性同士で恥ずべき行動に出たと書かれ、やはり否定している。伝統的な聖書解釈によると、旧約聖書も新約聖書も一貫して同性愛を否定。」


「キリスト教の影響を受けた欧米諸国では伝統的に、同性愛は聖書において指弾される性的逸脱であり、宗教上の罪とされてきた。このように、西洋には差別の歴史があったが、日本では欧米のような差別は起きてこなかった。2015年、米国最高裁判所が『同性婚は合憲』判決を出し、2021年のギャラップ調査によると、同性婚支持率は70%に。」


「伝統的価値観に立つ共和党と二分されており、一枚岩ではない。LGBT法推進を掲げている日本の経済界もそれぐらいは知った上で意見を言うべき。米国ではむしろ、差別禁止を見直す流れ。その中でバイデン政権は…なのであり、バイデンはLGBT支持派の筆頭だ。」


「バイデン政権発足後、100日間に政府の様々な部門に起用された約1,500人の内訳を分析すると、LGBTQは14%を占める。(これは確かに、米国でのLGBT人口比率よりはるかに高い比率です)。ブティジェッジ運輸長官は初のLGBTの閣僚、レヴィン健康福祉次官補はトランスジェンダーで閣僚級の要職に就いた最初の人物で、男性から女性へ性転換。バイデン大統領は『LGBTQのプライド月間(Pride Month)』を定める大統領宣言に署名し、公式なものにすると宣言した。」


●二転三転する米軍

「2011年、オバマ大統領政権下で、米軍の同性愛者排除規定が撤廃された。そして、同性愛者約1万人が入隊した。これが2019年、トランプ大統領政権下で、国防総省は性転換手術を受けた人やこれから受ける意向の人の新規入隊を禁止し、ほとんどの兵士に出生時に決められた性に基づいて勤務するよう求める新方針を出した。オバマの方針を撤廃した。背景には、米軍内での性犯罪があるのでは…」


「それが2021年、今度はバイデン大統領が大統領令に署名し、『トランスジェンダーを含めて資格を満たす人の米軍や沿岸警備隊への入隊を認めることや、性自認にもとづく除隊などの差別的な扱いを直ちにやめることなど』を指示し、トランスジェンダーの米軍入隊禁止を撤回した。またひっくり返した。」


「つまり、LGBTに思い入れの強い大統領がバイデンであり、その人に派遣された駐日大使がエマニュエル氏だ。手柄を立てれば大統領の覚えはめでたくなる。」


●LGBT理解増進法案は「公金チュウチュウ」スキームに

「法案はLGBTをダシにした、新たな公金チュウチュウ・スキームではないか。LGBT法案第11条で、国や自治体に対し、国民が性自認の多様性に理解を深められるよう教育や学習の振興、広報活動などの施策に努めるように要求している。同条2項では事業主、同条3項で学校の設置者へ、従業員や生徒などの関係者が同様の理解を深めるよう研修や啓発など必要な措置を行うことをそれぞれ求めている。」


「これら研修等を行う者や企業への補助金や報酬が払われ、これらのカネを目当てにLGBTを利用しようとする者が出てくる。ほとんどの人が額に汗して税金を納めている、その税金をチュウチュウしているのは左翼。差別はいけないはもっともだが、それをダシに金儲けをしたい人たちをどう排除するのか。」


「パチンコが儲からないからLGBTでという不埒な議員もいる。ここは利権とは無縁な参政党がぜひ、頑張ってほしいところ。学校教育では性自認の洗脳教育までなされている。もう準備をしている。小学校低学年から刷り込みをしようとしている。『理解を増進する』から、『LGBTは当たり前である』ところまで洗脳しようとしている。TikTokが性自認や自殺を奨励する動画、それで無理心中する子どもまで。」


…確かに、性同一障害で悩んでいる人には手を差し延べるとして、性自認で性的興奮を覚えるような人たちはむしろ、正してあげねばならないはずでしょう。


●LGBT法案の問題とこれを阻止しなければならない理由…「唯一、参政党に期待するのみ」

さらに平井氏はこのように付け加えています。「現在の米政権はLGBTに熱心である。米国のLGBT人口は1,000万人を超えており、民主党の支持基盤である。旧約聖書、新約聖書は同性愛を異端と考え、キリスト教信者に影響。共和党と民主党の間で価値観を巡る分断が起きている。わが国では、米国とは状況が違い、LGBT法案強行により社会が分断する。」


「岸田政権は、先の国政選挙でも地方選でも、LGBT法案についてその姿勢を旗幟鮮明にせず、自民党に投票した人達をだまし討ちにした。これは許せないこと。反日マスコミ、左翼の主張を取り入れ、わが国がおかしくなっている。」


「肉体が男の者が、銭湯、温泉、トイレ、スポーツジムの更衣室、海の家等に入ってきたら、恐怖心を抱く女性は多い。恐怖心をもったり、嫌悪感を抱いたりする女性の人権はどう扱われるのか。『出て行け』と言えば、『差別した』という理由で、訴えられることも。心が女性でも風呂やトイレを一緒になるのは嫌と言う人達の気持ちはどうなる。」


「少数者のためにジェンダーではない大多数のマジョリティの権利が侵害され、危険にさらされることをよしとするのか。ノイジーマイノリティの権利が強く主張されるようになると、何を言われるか予測できないので、関わりを持つことを避ける人が増える。」


…つまり、「差別」とは心の中の問題でもあり、自分は差別したつもりはなくても、相手が差別したと受け止めた場合は指弾されることになるとなれば、多くの人がLGBTと付き合うこと自体を避けるようになる可能性があります。結果として、LGBTの方々が社会で孤立化する恐れがあり、LGBTの方々にとっても、法制化は決して良いこととはいえません。


「だから、LGBTの人たちからも法案に反対意見。こんなに騒がないでくれと。理解するというのは日本では法律に書かなくても明らかなこと。それをわざわざ法律に書くと色んな問題が起きる。すでに欧米では揺り戻しが来ている。」


「LGBTを口実に、研修などで金儲けをしたい新たな公金チュウチュウ・スキームができ、それで潤った団体からの政治献金や政治資金パーティー券大量購入を期待する議連が存在する。パチンコからLGBTへ。」


「すでに倉敷市は子どもにバイアスのかかった性教育をしている。性教育をする時間があれば、漢字や数式を教えよ。一日は24時間しかない。ちなみに、中国ではLGBT団体を当局が禁止している。立民や共産党の親分である中国は彼らとは逆のことをしている。」


「いつ選挙があるかわからないが、参政党には、福井、大分、岐阜、埼玉に保守の受け皿となる候補を立ててほしい。保守の受け皿がほかにない。保守が我慢して受け容れられるものではない。自民党に保守の志ある議員がいても、自民党では実現できない。国会では自民党の外側で保守ががんばることが必要。保守野党にチャンスが来ている。」


…平井氏が挙げた「福井、大分、岐阜、埼玉」で、それぞれどの自民党議員を想定しているかは、ご想像にお任せします。いずれにしても、やはり今度の衆院選は、「真実を知ろう国民運動」を提起する選挙にならなければならないかもしれません。

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