衆参3選挙で与党全敗、東京ではこの日曜日から都民に禁酒法まで適用?する3度目の緊急事態宣言。陽性者の数と内閣支持率が逆相関で連動する現状のもとでは、当面、解散総選挙どころではなく、政局運営は厳しさを増しているようです。ただ、いまのコロナ世論は感染症に対する国民の間違った認識によるもの。これもメディアが煽るコロナ脳が原因ですから、相変わらず日本の政局を決めているのはメディア報道ということになります。
だからこそ、新型コロナの真実を十分にご存知なら、国民世論に向けてモードチェンジを図らないと政権は行き詰まる…今年1月に私たちが官邸中枢の政権要路に建言していたとおりです。しかし、そうしたくてもメディア世論を前にすると無理。
陽性者を人間の力で抑制することなどそもそも不可能。この際、感染力の強い変異株が次々と出現する事態をもって、この事実に目を向けて、政権も国民も開き直ってみてはどうでしょうか。恐らく犠牲者がより少ないかたちで、収束が早まるでしょう。
収束の決め手として〇〇cineへの期待が強いようですが、これをSNSによる言論弾圧の対象にしていられる状況ではないようです。特に二度目のお注射は危ない…、医療現場から真摯な声が届いています。その意味でも、コロナに対する認識の抜本転換が不可欠。
今回は、コロナをめぐる日本国内からの様々な声をご紹介したいと思います。
●医療界の恥さらし?を続ける「専門家」たちの声
まず、菅総理の声。3度目の緊急事態宣言決定の際の記者会見で、極めてまともな質問が出ました。それは、諸外国に比して感染者が圧倒的に少ない日本で、病床逼迫が国民に行動制限を強いている状況は、医療界のコロナ対応が不十分だからではないかとの質問。政府は医療機関にお願いをするだけで、命令のようなことをする権限はない、落ち着いたら法整備などを考えたいとの趣旨のご答弁…菅総理から初めて聞いた心の叫びでした。現下の問題の本質を鋭く突いたやり取りだったと思います。
朝のモーニングショーからは毎日のように、コメンテーターたちのみならず、専門家の方々からもあまりに科学に無知な発言が堂々と出てくるのに辟易しております。ある朝、医療界の専門家から「病床は増やせない。だからアフリカでは徹底した行動制限をしている。」との声が…。えっ、日本の医療はアフリカ並み?…陽性者の増加→医療ひっ迫→国民の行動制限というのは、要するに、医療界全体としてのパフォーマンスが悪いからです。もちろん、コロナの現場で頑張っている医療人は立派ですし、応援しています。
八幡和郎氏が日頃、医療界を批判していることに対して医者の方々は皆さん、「言っていることはその通りだが、国民の医療に対する信頼だけは落とさないでくれ」と言っていると聞いたことがあります。でも、よく考えると、その専門家の発言は日本の医療に対する信頼を自ら落とすような発言では?人口当たり病床数世界一の日本で何をやっている?
●事態の本質に気付き始めた国民の声
おかげで今度のGWも、国民は旅行にも食事にも行けない…。都民はついに、禁酒法の弾圧下におかれます。かつて米国では、人間の本性に反した禁酒法のもと、酒類の闇取引で反社勢力であるマフィアを拡大させました。東京では今回、緊急事態宣言の初日でも結構、多くの人出があったとのこと。私も急に中止できない集まりのあと、上野のとんかつ名店で仲間の皆さんと昼食を楽しみましたが、店は満員でした。イベントも社会生活に必要なものなら観客を入れてもOKということならば、寄席も社会生活に必要…都内で通常通り興行された寄席があったとのこと。そもそも何が社会生活にとって必要ではない…?
これがグローバルダイニングの長谷川社長に続け…ということなのか存じませんが、「人流」の抑制を理不尽と感じて抵抗する動きがそろそろ抑えられなくなるかもしれません。「不要不急」の外出をやめてくれというのも失礼なことです。これも何が不要不急なのかの定義はありません。いままで自分がやっていたことが社会には不要だと言うのか…。
現場の心ある医師の多くが、そして政権中枢も新型コロナの真実を知っているのに、メディアからしか情報を得られない国民のほとんどが知らされていない。しかし、日本国民は決して〇カではない。コロナ脳という異常事態の本質に多くの人が気付き始めています。
この度、YouTubeから発言の弾圧を受けてしまった井上正康・大阪市立大学名誉教授との共著で、「新型コロナが本当にこわくなくなる本」(方丈社)を上梓しました。SNSで正しい知識が「焚書坑儒」されるようなら、国民との知識共有を活字でも進めるしかない。5月6日頃には全国の書店に出回ると思いますので、ぜひ、ご購読ください。
過日、私と対談を発信した赤尾由美氏は「見廻り隊は文化大革命の紅衛兵か?」、「マスク会食は不潔です」。マスク着用が子どもの心身に及ぼす悪影響を真剣に心配する母親たちが増えています。せめて屋外ではマスクを外そう運動を赤尾さんは展開中。女性の声です。
●コロナを恐れる世論と緊急事態宣言こそがコロナを甘く見ている
それにしても、毎年のインフルエンザや風邪に比べて数字がゼロ2つは少ない陽性者や重症者の数に慌てふためく「コロナ脳」の方々は、新型コロナを甘くみていないでしょうか。人流や行動を制限しても、新型コロナはユビキタス。もはや、いつでもどこでも、人間と一緒に存在しています。人間が何を対策しようが、このウイルスと隔絶することなどできません。その意味で「コロナ脳」の世間こそ、コロナへの見方が甘い。
前回も前々回も、緊急事態宣言の前に陽性者数はピークアウトしていました。「感染」は増える時には勝手に増え、減る時には勝手に減ってきています。それなのに、またも緊急事態宣言?最も多いのは家庭内感染、次が高齢者施設や病院、飲食店は数%に過ぎません。昨年末のステイホームによる家庭内感染が、医療ひっ迫(そもそもこの日本でなぜ?)を懸念させ、緊急事態宣言に至ったことを、未だに教訓にできていないようです。
感染力が強い変異株のまん延と言われますが、いま起こっているのは、新型株への感染が広がると変異株が誕生し、これに感染することで新たな変異株が出現するということが繰り返されているもの。RNAウイルスの特性として新型コロナは変異をし続けます。このコロナ株と免疫適応とのイタチごっこは永遠に続く。それ自体が一種の「動的平衡」であり、これはインフルや風邪で私たちがいつも経験してきた状態です。人間はいつまでも変異を続けるウイルスとは共存し続けるほかないのに…。。いつになったら気付くのか…。
こうした感染症の基礎知識と、解明された新型コロナのメインの感染ルートを知っていれば、答はソーシャルディスタンスでもステイホームでもお店や施設の時短でも休業でもなく、これによって廃業者や自ら命を絶つ人や精神疾患者やうつ病を増やすことでもなく、外出やコミュニケーションやストレス解消などで免疫力を強化し(毎年の風邪の如く感染はするが、重症化しない)、トイレを徹底消毒し、予算を高齢者施設対策に重点化することであることは分かるはず。やっていることが逆。人類社会全体がメディアの煽りから逃れてこのことに気が付くまで、本物の収束はないということか…。
国民世論が「コロナ脳」である限り、コロナの真実が何であれ、自らの野心と政治的パフォーマンスを優先する都知事から要請されれば、菅政権としては分かっていても否応なしに、受けねばならない。さもなくば支持率が低下する。かつての派閥政治の時代とは異なり、いまや政権の基盤は世論調査での支持率。これが下がれば党内での求心力が低下し、政局に追い込まれるというのが現在の政治の構図です。だから、モードチェンジも無理。
●現場の医療人たちからの声…お注射は…
政局を左右するのは〇〇cineの接種状況だと言われます。マスメディアでは普通に使われているこの言葉、SNSの世界では、昨年の今頃は「新型コロナウイルス」が禁句となって皆が「流行り病」と表現していたように、ここでは「お注射」と表現しましょう。
この言論弾圧に関しては、「正論」5月1日発売号に私が寄稿を求められ、「特集 正義ヅラしたおかしな空気」のなかの記事として「ユーチューブによる『言論弾圧』を問う」が掲載されますので、ぜひ、ご購読ください。
このお注射ですが、日本では最初は医療関係者から接種が始まり、第二回目の接種も進んでいるようです。新型コロナの真実をわかっているものの立場上言えない現場の医師や医療関係者たちから、こんな真摯な声が次々と届いています。
「第一回接種で48時間以内に6人の死亡が確認されている。48時間以内なら『お注射』を原因とする死亡とされるので、48時間1分後の死亡ということにしたりしている」。「医師は怖さをわかっているので、接種から逃げ回っている医師が多い。拒否している人もいるが、わざと人前で生理食塩水を打っている人も…」。
先週土曜日には私の勉強会に参加された某医療スタッフの方が、「先日、自分も第二回目を打ちましたら、発熱しました。第一回目でも『お注射』は結構つらいです。第二回目になると、多くの人が発熱したり、体調がなかなか回復しなかったり。これは本当に大変なことです。」と私にこっそり、告げに来られました。自然免疫と獲得免疫という「二重の神風」に恵まれた日本人の場合、一回目はまだしも、二回目となれば免疫物質過剰になって欧米人以上にリスクが大きいのではないか…、これはあくまで素人ながらの私の推察です。
欧米でお注射が進んでいることで何が進んでいるかといえば、これで日本の(免疫)状態に近づいているということ。英国や米国、イスラエルなどで接種が進んでいるといっても、マクロでみた感染状況は、未だ日本の水準にまで下がっていないようです。
これからも変異株は次々と発生しますから、そのたびにお注射を開発して打ち続ける?これは未確認情報ですが、このお注射の接種を世界中が続けていくと、いずれ世界の人口は3分の1ほど減少する…これではかつての欧州のペスト、人災による世界的災禍…。
●発症しないための免疫力強化しか道はない…GW中に気を付けるべきことは…
それは極論として横に置いたとしても、医療界の現場からのナマの声を無視していいのか。にも関わらず、世の中挙げてお注射推進、待ち望んでいる国民は政局を左右するほどの圧倒的多数…。こうなると、自分の命や健康は自分で守るしかないのかもしれません。
感染を完全には防げない風邪やインフルに対し、私たちが何を重視しているかといえば、たとえ感染しても発症には至らないこと。ウイルスに曝露した方々の一部が感染し、その一部が発症し、その一部が我慢しきれずお医者さんにかかる、その数はインフルエンザでは、毎年お注射を国民の半数が打っていても、年間1,000万人。ということは、毎年、数千万人がインフルに曝露したり感染していることになり、それによって集団免疫が達成されてすぐに収束しています。それでも毎年、変異株が登場し、新たなお注射の接種に。
東大医学部を出て某国立大学内科の臨床名医として知られる私の大学時代の同級生のA医師は、これまでインフル予防でお注射を打ったことは一度もないとのこと。今回のコロナ騒動を、国民がいつ気付くのかという類のバカ騒ぎと言い続けているA医師は、運動と食事とアミノ酸のサプリで免疫力を強化することでお注射不要とアドバイスしています。
新型コロナでも避けたいのが発症。これを回避したいなら、免疫力を強化する以外に道はない。5月11日(で終わるかどうかわからないと「専門家」は言っていますが)まで、外出も会食も友人との飲酒も何もできず、ストレスがたまって免疫力が低下して新型コロナに罹りませんよう、くれぐれもお気をつけいただくようお祈り申し上げる次第です。
●実業界からのナマの声…魔女狩りの対象となった飲食・宿泊・運輸…
さて、ここで実業界の現場からのナマの声をご紹介したいと思います。コロナ禍で最も被害を受けている業界といえば、飲食、宿泊、運輸。ご紹介するのは地方の観光業の経営者である岩崎芳太郎氏。同氏は私が長年、何かとご縁をいただいている鹿児島の経済人です。地元の観光コングロマリットの「いわさきグループ」を率いる岩崎産業代表取締役社長であり、鹿児島商工会議所会頭であり、その他様々な顕職に就く九州経済界の大物です。
緊急事態宣言で痛めつけられている当事者はどう考えているのか。かつて「地方を殺すのは誰か」を上梓されたことのある論客でもあり、今回のコロナ禍への政府対応についても政治家に提言書を持って回っておられます。松田政策研究所Chで対談いたしました。
「最初の緊急事態宣言は、収入が半分以下でもしょうがないと思って臨んだ。しかし、三週間が六週間になって…そして7月には第二波が来ますよと。県境を越えるなとか、帰省をするのかと言い出して。そのまま10~11月になると収まって、gotoトラベルもあって、ダメージから立ち直って、会社つぶさないようにと、GoToもいい形で収入増につながっていたが、急に第三波に…。日常生活で密になるのと旅行とは違うのに、逆に象徴のように魔女狩りになった。エビデンスもないのに。これがトドメになった。」
「大都市の感染者の拡大とは別のものだと、国は考えてくれていたのに、マスコミと医療関係者に悪い意味で啓蒙された世論からすると、政府も対抗しきれなくなって、こんにちに至っている。国民の基本動作のなかに、全員が無意識のうちに、旅行とか…と。日常空間での行動は気をつけねばならないということもひっくるめて、行為として旅行はダメだと。日常空間や施設での感染が多いのにも関わらず…。」
確かに、gotoによる感染拡大はエビデンスはないと菅総理も発言していたことでした。その後の感染研の研究でも同様のことが明らかにされています。
「製造業は絶対量は減っても一応輸出はされているし、生活必需品は皆購入しているし、それなりの数字が出ている。我々の業界がひとえにダメージを受けている。」
●業界生き残り策は…
たとえお注射の「接種がうまくいっても、昔と同じ環境で商売ができるような環境は2~3年はあり得ない。世間的には行動抑制がいつなくなるかだが、我々からみると、前と同じようになるのは、さらに先。お注射を打った方はマスクをしないでホテル内を歩いていいというような営業形態はない。バイキングで食事も出せない。」
「一番苦しいのが、我々がブラック業種のようになっていること。もともと人手不足で苦しんでいる。だからバイキングだと人手が少なくて助かる。その代わりお客様には、原材料費の率を上げて、よい食材のバイキングを提供している。そのビジネスモデルができない。フルサービスだと人手がすごく要る。部屋数が100なら、50で営業するしかない。」
「インバウンドを言う人は観光のことを分かっていない。日本人は毎年2,000万人近くが海外に行く。その代わり3,000万人が海外から来る。こうした人数ではなく、お金で換算してほしい。3,000万人で使うお金より、日本人が外で使うお金のほうが多い。」
「いまは旅行が反社会的行為になっているが、それは人間の本質的欲求。マスクつけて、ご飯食べる?人間はおいしいご飯を楽しく食べるために働いている。一年に一回旅行するために、若い女性は頑張っている。人間はそのために生きてる。その需要はなくならない。国内はどうでもいい、海外だとなっていたのが、外国に行けなくなって、国内に良いところはないか。日本人のほうがお金を使うし、行儀もいいし、競争のし甲斐がある。」
「改めて国内旅行を原点においてビジネスモデルとなると、50の客室でバイキングができないなら、どうやって料理を出すか。マスマーケットでやっていたところは苦しくなる。富裕層向けの旅館は有利でしょう。」
●政府への注文…苦しいのは資金繰り、長い目で政策のハンドリングを~
「このタイミングで、いちばん業界にとって厳しいのは資金繰り。政府系金融機関の危機対応資金が出て、信用保証協会の保証などセーフティネットだと…。しかし、最初だけ。2~3か月で済むはずが、一年我慢しろに。運輸、観光、飲食はキャッシュアウトしている。緊急融資では済まない額の赤字に。借金を増やしているが、自己資金を持っていればそれで払っているか、資産を売って払っているか。」
「年度資金を貸してくださいと銀行に話しているが、すぐにお金を出すわけではなく、決算書みせろ、コロナ禍ではとんでもない決算書になる、今年度の事業計画は?去年の赤字をカバーするものを出すと、嘘つけになり、審査部門ではこんなところには融資できないとなる。経営者は、風評被害があるので、自分のところの資金繰りは言わない。」
「政府は貸し渋り、貸しはがしをしないように銀行に言ってあると言うが、銀行とて、個別のリスクマネジメントをやらねばならない。だから、口だけ介入にすぎない。」
「国税を預かる財務省も、社会保険の会社負担に関係する厚労省も、固定資産税を預かる自治体を所管する総務省も、長い目で政策をハンドリングしていない。財務省は国税に任せている、厚労省は社会保険庁に任せている、総務省は自治体に任せている…と言う。」
「納税の猶予は今回は二年分払う?去年のはいいよ、となって、延滞税をその代わりまけてあげる、となる。今年の分を猶予するから延滞税は1%でいいと。しかし、来年の今頃、三年分払えということになるのか?誰もおかしいと言わない。税金を払ったら、今度は営業ができない。傷んだところには、税も分割で払っていいとするとかしないと…。納税資金分ぐらいを政府系金融機関が貸して、無利子で10年分割ぐらいで返していいというような徳政令をお願いしていきたい。」
「苦しいから税金をまけてもらいたいが、財政の健全化とかでハードルは高いでしょう。払いますよ。でも、10年払いぐらいにしてほしい。」
「政府に望むことは、まず、『外出』の中に旅行を入れて、都会の人が地方に行く旅行まで入れて、感染拡大と言う世間のムードを、マスコミも含めて変えてほしい。」
「次に資金繰り。この業種自体が…。この日本国では、鉄は国家なり、半導体は産業のコメであり、プラットフォームは国際競争力であり…で、我々はお呼びでないのか。『観光立国』について、観光で立国というのは間違っているという政治家がいた。口では言わなくても、観光、飲食はお呼びでない。もし、観光を重要な国際競争力と考えるなら、自助努力をしている人たちが生き残れるような最小限の戦略的な施策は打っていただきたい。」
●政治家への注文…総理は何について謝るべきなのか…
「政治家一人一人はわかっている人がいるとしても、民主主義の正義?米国のポリティカルコレクトネスではないが、資本主義なのに結果平等主義にすり替わっている。政治として正しい政策を打ってもらえる状況になってきていない。」
…コロナ禍というよりコロナ脳の中で、おかしな全体主義的風潮が拡大していますが、自由主義を守るためにも、岩崎さんには頑張ってほしいものです。
政府のコロナ対策を考えるならば、厳しい業種や中小零細にとって、いまの事態は金融の論理を超えた財政の論理の出番だろうと思います。金融だと、金利免除であっても、とても元本返済ができる状況ではないでしょう。元本返済が不要な資本性資金でデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)を講じる、あるいは、かつて日本の中小企業を銀行が支えていた時代に取られていたような、短期貸付を無期限にロールオーバーする手法(新自由主義的な構造改革路線のもとで採られなくなった手法)など、知恵はあるはずです。
今回もそうですが、緊急事態宣言の発動の度に一国の総理が「申し訳ない」と、国民に謝る姿には違和感を覚えます。「感染拡大」は政府の政策が奏功しなかったからではありませんし、国民の行動が招いているものではない。敵はそれを超えて、ユビキタスの如く遍在するに至ったウイルス。政府にとっても国民にとっても、敵は防ぎようのない強敵。
謝るなら、依然として緊急事態とか人流抑制などと誤った政策を繰り返している政府の非科学性についてであり、それで経済面を始めさまざま被害を被っている事業者や国民に対して、従来の論理を超えた長期の視点で有効な対策を打ち出せていない非戦略性についてでしょう。政策のパラダイムチェンジを新しい政治が主導すべき局面だと思います。
COVID19を含めてウイルスに効く薬剤はないので、免疫力を上げるしかないという論点はその通りだと思います。又、COVID19の直接的な治療のみに焦点を当てるのではなく、COVID19がもたらす社会経済活動への影響を観察し、バランスの良い施策を実行するのもその通りだと思います。ただ、日本は厳しいロックダウンをしなかったので、弱毒性のCOVID19株に晒され、免疫を獲得したとする上久保氏の仮説をあたかも真実として、後の論点を展開されているのは、もったいないと思っています。Globalな時代に感染症の広がるスピードは、非常に速いこと、イタリアや米国にも日本同様多くの中国人が往来していることを鑑みると、上久保氏の仮説には、検証できていない点が含まれています。もちろん、仮説が正しい可能性はあると思いますが、氏は疫学的でしか証明できないと言われていますが、そのためには、nの数や時間が限定されていると思います。感染源が、飛沫ではなく、糞便であるとされているのも、現時点では仮説だと考えます。仮説を仮説として扱うことで、感情的な反論を避けられると思います。そのことで、論点をあるべきところに持っていけると思います。因みに、日本の感染者数・重症者数が桁が2つも少ないにも拘らず、病床がひっ迫するという現状を一年以上も解決できない状態は本質的な課題だと思います。