あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。2025年の新年を迎え、本年最初の今号のコラムでは、以下、私の年頭所感を述べたいと思います。
まず申し上げたいのは、今年は大きな変動が起きる年だということです。文明法則史学では、21世紀は東西文明が交代し、世界が流動化する世紀であり、この文明交代期中の最激変期が2025~2050年頃の四半世紀だそうです。この時期にいよいよ本年から突入します。
東洋日本思想家の林英臣氏は、この間、激しい気象異変、エネルギー危機、食糧危機、民族移動などが起き、今まで栄えていた旧文明が終わり、新しい文明に移行する、日本はこの文明交代期を乗り超えられる新しい社会秩序を建設しなければならないとしています。その最初の年にふさわしい動きを興すのが、参政党の使命だと心得ております。
干支でみると、2025年の干支は「乙巳(きのと・み)」で、「伸び切った枝葉を糧にして、業火が起こる年」になるとされています。今年の干支「乙巳」は、2024年の干支「甲辰(きのえ・たつ)」を導火線として、大きな変化が起きることを示唆しているそうです。
2024年を振り返ると、それは、今まで隠されてきた事柄や、さまざまな本質が露呈した年でした。成長しきって次の新たな生命を生み出す準備が整った年が今年であり、一気に変化が起きる。歴史をみても、645年、「乙巳の変」を契機に大化の改新は始まりました。
乙巳は、政争・政変の開始や終結、社会変革のきっかけなど、それまでの硬直化していた現状を打破する何かが起こってきた年。つまり、2024年に白日の下に晒された様々な事柄が2025年に一気に動き出すことを示唆しています。鬱積したパワーが一度に解き放たれた奔流が襲ってくる年、つまり、「乙巳」は変化の年といえます。
以下、この干支が示唆する24年→25年という軸で世界や日本の政治を展望してみたいと思いますが、さまざまな事象には一定の共通項があることがみえてきます。
まずは世界情勢ですが、昨年24年まで米国では、グローバリズムとバイデン大統領の下での不法移民の大量流入、インフレ、高金利、言論弾圧、トランプ叩きのための「司法の武器化」とメディアの横暴が続き、これらに米国民が気づき、色々なことがイーロン・マスク氏のツイッター買収によって誕生したXで明らかになりました。草の根SNSの力で長年鬱積したものが、トランプ氏の再選を導いたのが24年でした。
今年25年は米国建国以来の大革命の年になるとされています。マスクとケネディJrの活躍も加わり、長年のDS支配秩序をトランプ政権が組み換える最初の年になるでしょう。
欧州では、24年は所謂「極右」の台頭が本格化した年でした。6月の欧州議会選挙でAfD(ドイツのための選択肢)が躍進、ドイツでは第一党になる州も現れました。フランスでは総選挙の第一回投票でルペン氏のRN(国民連合)が第一党となり、これを封殺しようとしたマクロン政権が行き詰まっています。欧州国民の意識は明らかに変化し、愛国国民主義が台頭しました。いまや「極右」?を無視して政治の安定はなくなりました。
25年は、まずドイツで総選挙が2月に行われますが、欧州で、この愛国国民主義が「極右」ではなくなり、政治の主流になっていくことが予想されます。
戦争については、多くの日本人が米国のプロパガンダを信じていましたが、24年にはウクライナの劣勢が明らかになり、グローバリズムが起こした戦争がもたらした矛盾が次々と露呈しました。中東では、米国という国家を使って紛争を招いてきたイスラエルがガザ地区での「ジェノサイド」で国際社会から非難され、行き着く所まで行き着いたようです。
25年は、トランプ大統領得意のディールにより、ウクライナの停戦と中東和平が開始され、戦争がいったん終結するという変化が起こりそうです。
●激変を開始する国際秩序と通貨システム
国際秩序面では、24年はウクライナ戦争が加速したBRICS秩序の拡大が顕著でした。次々と大国がBRICS参加へと向かい、G7とは異なる秩序が台頭、経済制裁に参加しない、多くが反米のグローバルサウス諸国が国際社会の中軸に躍り出ました。
25年は、これが世界秩序の再編へと本格的に向かう可能性があります。トランプ氏もBRICSに接近し、G7秩序は衰退へ…。BRICS秩序の盟主としてのロシアが台頭し、中東を縦断する南北経済回廊でインドまでが一つの巨大経済圏に向かうかもしれません。
中国は昨年、習近平独裁体制の下で経済の停滞が深刻化しましたが、今年はついに本格的な債務問題爆発か…国内での混乱や離反する民心の関心を外に向けるはけ口として、台湾侵攻を巡り、あるいは日本周辺において、中国が覇権的な動きをどう示すか注目点です。
また、昨年はウクライナ戦争がもたらした中露北朝鮮のスクラムが強化され、金正恩が強気です。韓国では尹大統領が辞任に至り、かつてのような「従北」政権に回帰すれば、今年は日本にとって安全保障上の脅威が高まることになります。アメリカファーストのトランプ大統領の下で、日本に自立防衛が本格的に迫られる局面が出てくるでしょう。
エネルギー分野では、昨年はグローバル脱炭素原理主義の弊害が明らかになり、これによるドイツ経済の疲弊も顕著になりました。今年はこの分野でも現実主義が強まり、トランプ政権のもとで化石燃料への回帰が進むとともに、原発への回帰も本格化するでしょう。
通貨システムにも動きがあります。昨年は対露経済制裁を契機に、世界の「脱ドル化」が進みました。今年はトランプ政権によるDS叩きのもと、FRB叩きが始まり、通貨発行を中央銀行が独占するシステムが崩壊へと歩み出す可能性があります。そして、世界はブロックチェーン通貨の時代に入り、いよいよ松田プランの時代が来ると期待しています。
しかし、グローバリズム勢力がこのまま引き下がるわけではなく、相当なバックラッシュが今年も予想されます。例えば、新型コロナに続き、ワクチン利権が企図する次なる「プランデミック」で、日本国民がさらに餌食になる可能性があるでしょう。
●去年から今年へ、日本の政治と経済政策の変動…解散総選挙が不可避な「選挙の年」か
次に、日本に目を転じると、経済政策では、昨年は異次元金融緩和から政策転換し、ついに日銀が利上げに踏み切りました。デフレ脱却パラダイムからインフレ抑制パラダイムへと局面が変わったかのような見方も出てきました。他方で、株価はバブル越えの最高値をつけましたが、実質賃金は低下するという跛行性が顕著になり、グローバル経済と国民経済の分断が明確化した年だったともいえるでしょう。
今年は、日銀が利上げを続けると、金利上昇で国債が爆発し、経済が混乱しかねません。だからこそ、早く松田プランで国債に出口を創り、積極財政で国民にマネーを回していくべきです。そのためにもブロックチェーン共通基盤の拡大が必要ですが、今年は参政党地方議員の働きで、ブロックチェーン基盤上での地域通貨第一号が誕生しそうです。
政治面では、昨年は、従米、従グローバリズム政治が岸田政権の下で究極に達した年でした。自民党政治に対する不信も究極に達し、政治とカネ問題だけではなく、責任をとって辞めることをしない二人の総理大臣も国民の政治不信を助長しました。自民党総裁選では安倍派潰しの「左翼革命」が究極に達し、自公政権の親中ぶりも露骨になりました。
国民生活面でも、マネーが国内に回らない経済と実質賃金低下と物価高で生活苦が究極に達し、その中で、総選挙では「減税派」が躍進し、自公が少数与党に転落しました。
この動きを強めたもう一つの大きな流れが、草の根SNSが政治を動かした(石丸現象、斎藤現象など)ことです。一般国民にもマスメディアへの不信が広がりました。メディアが報じないパンデミック問題でも、ついに普通の国民が立ち上がり、数万人が集まるデモが都内で何度か繰り広げられました。色々なことが究極に向かった一年だったと思います。
今年は、まさに乙巳が意味するように、この昨年の流れが本格的に政治を変える年になると思います。6月の都議選、7月の参院選だけではありません。少数与党のもとで参院選を前に、いずれの野党もが内閣不信任案に賛成しないわけにはいかないとすれば、遅くともそれまでに解散総選挙…日本は今年こそ選挙イヤーになるのではないでしょうか。
その際の対立軸として浮上するのが、昨年の総選挙を決めた構図である「積極財政派vs減税拒否派」となり、前者が主流となることで、財政運営のあり方が転換するかもしれません。安倍氏暗殺以降潰されてきた保守現実派の本格蜂起もあり得ます。そして何よりも、国民運動が政治を動かす姿が顕著となり、いよいよ参政党の時代が来るかもしれません。国家存亡の危機にあって、この国をどうするかを軸に、政界再編への動きも予想されます。
●世界的な文明や価値観の転換…いよいよ日本の時代が到来か、新しい国づくりへの決意
さて、昨年はグローバリズムが転機を迎え、反グローバリズムが世界に行き渡った年でしたが、トランプ第二期政権が誕生する今年は、この流れがいよいよ具体的な政策へと結実していく年になるでしょう。同政権の価値観は、マスク氏の「侘び・寂び」が象徴するような「八紘一宇」…日本古来の価値観が重視される時代の始まりになるかもしれません。
これまでの集権システムから分散型へと世界秩序が多極化し、国民国家ファーストの時代への転換が始まる可能性があります。国境の存在を前提としない「グローバリゼーション」から、国家を前提とする「インターナショナリゼーション」へと回帰。主権国家の共存共栄によって参政党が掲げる「大調和」を目指す価値観へと国際社会が変わり始める…。
その方向へと今年から文明の転換が興り始め、これまでの個人の競争で豊かになる西洋文明から、協働で皆が共に豊かになる日本型文明へ…これからの数百年にわたる地球文明を先導する新たな日本がクローズアップされてくることを今年に期待したいと思います。
今年は昭和百年であるとともに、戦後80年でもあります。80年も続いた「戦後」パラダイムをそろそろ終焉させ、米国の戦争犯罪を覆い隠す東京裁判史観から日本国民が脱却する元年にしたいもの。正しい歴史認識あってこその真の自立です。まさにトランプ政権の4年間はそのチャンス。今年を、昭和百年の連続性を取り戻し、本来の日本らしい国づくりの出発点になる年としたいものです。
「大動乱」の中を生き抜く日本へ、そのために参政党も「大躍進」の年に、そう決意しつつ新年を迎えております。私自身も今年は参院選がありますが、皆さまと力を合わせて新しい国、新しい世界が生まれる年にしていきたいと思います。
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