top of page

波乱含みの今臨時国会と消費減税の欠陥法案にどう臨むか~NZと豪州への訪問でも反グローバリズムの潮流~

執筆者の写真: 松田学
松田学
2 日前
読了時間: 17分

国会では10月5日から会期末を12月12日までの69日間とする臨時国会が始まり、論戦も本格化しています。この国会、補正予算のない「異例の臨時国会」であるとともに、食品消費減税や衆院定数削減法案という与野党激突の2法案がメインとなる「波乱の臨時国会」でもあります。その舞台は野党が多数の参議院。いよいよ闘いが始まりました。


先の特別国会が終了してから2か月あまりの休会期間がありましたが、7月末のウィーン楽友協会でのチェロの本番演奏(前回メルマガでご報告)に加え、後述するNZと豪州への公式訪問などもあって多忙が続く間に、このメールマガジンもまた、2か月のブランクが生じてしまいました。その間、世界情勢も激動、松田政策研究所CHのほうも、その分析など話題が満載となり、今号でもご紹介するように番組配信も多岐にわたりました。


米国に勝ち目のないイラン戦争は長期化、ウクライナ戦争ではロシアの優勢と強硬姿勢が目立つ中で、トランプ大統領は東半球から撤退する「西半球ドクトリン」のもと、ロシアや中国への融和姿勢を強め、米中首脳会談では「米中同盟」まで飛び出しました。


どうもトランプ氏は戦後の国際秩序を壊し、米、中、露の3超大国間の安定的な関係を構築することで米国の国益を最優先する路線を歩もうとしているかのようです。この中で、法の支配と日米同盟を外交の軸とする日本は、米国によるICC制裁、中国とロシアによる対日圧力の強化などを前に、様々なジレンマに直面するようになっています。


正に戦後の対米依存構造から脱して自立への路線を突き付けられている日本ですが、その前提となるのが「強い日本」。そのために、他国に比べて投資が不足する状態から脱するべく370兆円の官民投資などの積極財政を掲げる高市政権の路線は正しいですが、今臨時国会冒頭の総理所信表明演説で気になるのは「市場」をやたらと気にしていることです。


確かに、パブロフの犬の条件反射の如く、市場は「積極財政=円安と長期金利上昇」で反応しているかに見えますし、イラン戦争もあって6,300兆円にまで達する米国債残高のもと、長期金利上昇の波及を避けたい米国はリフレ政策はやめろと日本に圧力をかけてきました。かつて財政に関する米国の対日内政干渉といえば歳出増圧力でしたが、今や逆の緊縮財政に向けた圧力?しかし、投機で動くグローバル金融市場や海外勢から一国の財政主権まで制約されるようでは、それこそ国民経済を圧迫するグローバリズムの弊害?


先日、あるパーティーの場で、現在は証券市場関係の団体におられる財務省の先輩に、「積極財政で経済成長を実現することは市場も評価するはずですね」と問いかけたところ、「その通り、だから、それでも日本の市場は安定している」と。高市総理や片山財務大臣に問われるのは、日本の正しい経済政策の王道をもって市場を納得させることでしょう。


国会では食品消費減税と就業者負担軽減支援金法案の審議が衆議院で始まっていますが、これを通すことが高市政権の至上命題。定数削減法案で参議院が荒れる前に、なんとか10月末までに衆議院を通して参議院に送りたい、そのギリギリのタイミングが簗前農水相の辞任の日でした。この簗さん問題、予算配分に与党国会議員が介入するのも、支持者に送迎バスを用意するのもごく当たり前のように行われてきたことで、明日は我が身かと戦々恐々の与党議員も多いのが実態ではないでしょうか。もとはといえば与党の驕りがもたらした事態であり、利益誘導が票に結び付く政治構造自体の問題でもあります。


「リケン」(利権)中心の政治から、参政党のような「リネン」(理念)への投票を軸とする政治へ…私も街頭などで訴えておりますが、それと逆行するのが、「民意の反映」とされる比例のみを削減する定数削減法案。参議院で野党が結束して潰すことになるでしょう。


消費減税法案の方は、食料品のみ2年間としたことでかなり無理があります。実際に食品価格がどこまで下がるか分からない政策のために様々な「政策のための政策」が必要となり、飲食店や農家への支援、たった2年間のために店や自治体などの現場で必要となる対応など、官民共にコストは甚大。高市氏が食品消費税率ゼロが「国の品格」とまで言ったからには恒久引下げでしょうし、物価対策や実質賃金引上げなら一律の引下げでしょう。それは、価格転嫁ができていない中小零細にとって賃金引上げの原資にもなります。


ここでも市場を意識して「特例公債に頼らず」との文言を法案に盛り込むことになりましたが、これは過去に例がありません。例がないといえば、特例公債という概念も、60年償還ルールも他国に例がありません。どの主要国も政府の借金を法律で原則禁止とはしておらず、国債費は利払費だけ(債務償還費はない)です。国際標準から外れた厳しい財政規律を課しているからこそ、積極財政が財政規律から乖離してみえる度合いも強くなり、「市場」の投機的な「売り」を誘う材料になっているということはないでしょうか。


将来の給付付き税額控除につなげるはずの支援金制度のほうも、数字が入っておらず、スカスカ。これで審議しろというのも野党からみれば国会軽視に映ります。数字はこれから国会で野党の要望も容れて、と、与党は本法案成立のために巧みな誘い水を仕掛けていますが、そんなことなら、高市氏の公約のための面倒なおためごかしの減税よりも、この際、全てを給付金で、ということにもなりそうです。本法案も無傷で成立するかどうか…。


なお、私が唱えてきた「松田プラン」、片山大臣には説明済みで、あとは日銀がどう考えるかだとの同大臣の判断を受けて日銀に投げられましたが、日銀からもさしたる反論はありません。これから世界的に普及するステーブルコインを政府が発行し、それで国債を償還、このコインを民間からの両替需要に応じてのみ発行すればインフレにはならず、国産ブロックチェーンエコシステムの形成にも寄与します。これによって市場やグローバリズムに左右されない、一国の民主主義に基づく国家主権による自立的な財政運営が可能に…。


実は、米国のMAGA、独でのAfDの伸長、仏での次期大統領はルペン氏との動きのみならず、反グローバリズムは世界の潮流です。このことは9月上旬のNZと豪州という2つの移民国家への出張でも確認されました。以下は、その両国への訪問記です。


●多民族国家でもNZ政治の中核には「NZファースト党」

今回の9/1~9/10日間にわたるニュージーランドとオーストラリアへの訪問は、関口参議院議長と各党の参議院会長(松山自民参院会長、斎藤立憲民主国対委員長、浅田維新参院会長、舟山国民民主参院会長、石川公明党参院幹事長、松田参政党参院会長)の計7名による両国議会への公式訪問でした。まずはニュージーランドから…


NZは多様な民族によって構成されている国であり(白人の人口比率は7割を切っている)、議員も人種のバラエティに富んでおり、元々は先住民族であるマオリ人のための「マオリ党」が選挙では別枠で投票されるなど優遇されています。マオリ語も公用語で、NZ国会を正式訪問した私ども参議院議長班に対する国会での歓迎式典もマオリ風でした。


その後、同国国会などを一通り視察し、ブラウンリー国会議長(NZは一院制)と面談、同議長主催の議員たちとの昼食会でも議員の方々と意見交換しましたが、多民族国家として世界の優等生である同国でも、共生社会を築くのは決して容易ではなかったようです。やはり白人第一の考え方は一部に根強く、同国では長年にわたり「NZファースト党」が連立の一角に入り、政界でのキャスティングボードを握っています。参政党と同様の反グローバリズムの潮流が同国でも確認されました。


NZといえばファイヴ・アイズのアングロサクソン連合の一員というイメージが強いですが、同国国会議員と話していると、最近ではむしろ、安倍元総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」の一員としてのアイデンティティの方が強いようです。


面談したNZのピーターズ外務大臣は政界歴40年の重鎮で、81歳。自民党の麻生副総裁と親しく、訪日に際しては必ず麻生氏と面談しているとのこと。ピーターズ外相は1993年に「NZファースト党」を立ち上げて党首になった人物。


私から参政党のことをJapanese First Partyであり、「日本人ファースト」で伸びた政党である旨を伝えたところ、強い親近感。「新しい党は大変だろうが頑張ってください」とねぎらいの言葉。NZファースト党は右(国民党)、左(労働党)いずれが第一党になっても連立政権に加わっている政党です。このNZファースト党及び同党創設者が常に同国の連立政権の要の位置にあることは、参政党の将来をも予期させるものでもありました。


同国外交委員会との会議では、私から、米国とも中国とも緊密な関係があるNZが、「法の支配」が「力による支配」によって崩されていく中にあって、トランプ政権になってからの米国とどう向き合っていくのか、その中で日本との関係をどう位置づけているのか、といった外交の基本路線について質問。先方からは、同国も悩んでいる大変本質的な論点であるとして、今や日本との関係が同国にとって最重要となっている旨が表明されました。


分断へと向かう世界の中にあって、信頼度の高い日本が米国とも異なる独自の立場で主体的にリーダーシップをとることが、「自由で開かれたインド太平洋」の構成国の期待に応える上で重要であることが確認された次第です。


●酪農と脱炭素、第二次大戦の歴史認識、日本の価値観の唱導

NZの酪農の現場も視察しました。この農場では、牛のゲップがメタンを排出しているといった畜産に対する心無い政治的圧力と戦い、環境調和型の酪農イノベーションに務めており、NZの雄大な牧草地帯に牛の群れという、のどかな風景に接しつつ、脱炭素原理主義が人類の健全な食を脅かしてはいけないという思いを一層強めた次第です。


なお、NZの牧畜については、乳製品を赤道を超えて輸出するためには粉乳に加工する必要があり、最近では粉乳に対する中国マーケットからの需要に応えて、牛の牧畜へとNZは大きくシフトしているとのこと。NZの風景といえば羊の群れが想起されるところですが、実際にNZの牧草地帯を走っても羊の群れはあまり見かけず、牛ばかりが目立ったことが印象的でした。牛牧畜の促進のために窒素肥料が多用され、これが人体にいずれ影響を与えかねないが、経済的利益のために政治はこの問題を無視しているとの話もあり、農業にもグローバリズムの弊害が押し寄せていることを示す事例の一つかもしれません。


ニュージーランドには戦時中、ガダルカナル島など南洋諸島で捕らえられた日本人捕虜800人が収容され、48人の日本兵が亡くなったフェザーストン事件慰霊碑があり、我々一行は献花いたしました。地元の市長からの出迎えを受けましたが、戦後、日本が侵略国家であるとしてNZ国民から抱かれていた反日感情も、今やすっかり消え、日本が最重要国家であるという認識に変わっているとのこと。


近年では「インド太平洋」に自国のアイデンティティを求めるようになっている同国では、たとえ日本の旧敵国であっても、こうした過去の戦争の歴史認識からは脱却していることが確認されました。日本国民の「自虐史観」も過去のものとする必要があるでしょう。


首都ウェリントンのあるニュージーランドの北島から南島(NZの面積は北海道以外の日本列島と同じ広さ)にある人口40万のクライストチャーチにも訪れました。そこではカンタベリー補習授業校を視察、毎土曜日に、親が日本人など日本と繋がりのある現地の小学生から中学生の300人近い生徒たちに、大変な努力を重ねながら日本語や日本文化など日本の教育を施しています。授業を視察しましたが、子どもたちが日本を学ぼうとする熱心さには心打たれるものがあり、全生徒の前でねぎらいの言葉を述べました。


私からは、参政党はみんなで日本を学ぼうという政党であり、これからの世界では、和と調和といった、日本が何千年も営んできた価値が尊重される時代になる、自信をもって日本の素晴らしい国柄を学び、世界に伝える役割を担ってほしいといった内容を子供たちに伝え、参政党スピリットを広げた次第です。


●移民国家の豪州でも反グローバリズム…インド太平洋が新たなアイデンティティ

次に訪れたのがオーストラリアでしたが、面積ではアラスカ州を除く米国に匹敵する豪州は、積極的に移民を受け入れることを活力の源としており(最近ではインド人の移民が多い)、その点は日本とは方向が異なります。結果として、人口増加率も経済成長も先進国の中ではきわ立っており、既に一人当たりGDPでは日本よりはるかに高く、いずれ人口は現在の1.5倍に、マーケットの規模も日本並みになるとの試算もあるようです。


ただ、同国の複数の議員との接触で得られた感触では、多文化共生社会の実現は決して容易でないというのが本音のようです。豪州では、現在の政権与党の労働党と保守連合の2つが政界の軸となってはいるものの、他方で、移民に対して抑制的な「ワン・ネーション」党が最近ではどんどん支持を伸ばしています。


私は自己紹介の都度、参政党を、日本ではこの党に立場が近いJapanese First Partyだと表現していましたが、それが先方から色々な反応を引き出すことにもなりました。


豪州は日本が石炭、LNG、鉄鉱石といった資源の輸入を大きく頼る国であるとともに、最近では安全保障上も準同盟国に近い重要な連携関係が強まっている国で、豪州にとっても、最近は同国が自国のアイデンティティの軸を「インド太平洋」へとシフトしていることもあって、日本を最重要国として位置付けています。


こうしたなかで、私ども「参院議長班」の今般の豪州訪問は、高市総理の同国訪問のすぐ後になされたものであり、過日のラインズ議長以下同国上院議員団の参議院への訪問を受けた公式訪問であったという意味で、同国国会議員と私ども参議院議員団との間の関係が緊密化した意義には大きかったと思います。


政府間外交を補完するものとしての議員外交の重要性が高まっているこんにち、その役割を担うのは任期の長い参議院議員であり、今回豪州国会議員との間でできたパイプを今後とも活かしていくことの重要性を実感させられた豪州訪問でした。


●豪州で示された移民と多文化共生社会の条件…日本は異なる道を

豪州の議員の方々との各種の会談に際して、私から議長や閣僚、有力議員に対していくつか質問をしましたが、先方からの答の中で最も印象に残ったのは移民政策についてでした。私が、参政党は外国人を排斥する党ではなく、共生を図る仕組みや準備が出来ていない状態での外国人の流入に反対していると述べたときに、担当大臣から、外国人を入れて多文化共生にするためには3つの条件が必要だ、との話がありました。


つまり、➀人間どうし(異民族間)の信頼関係の醸成、②政府に対する信頼、➂どの民族も平等に扱う(機会の平等)。その中で政府の役割は、教育の機会や公共サービスでの平等の確保、法のもとの平等、そして、外国人が自分もその国の国民だと感じることだ、と。


豪州の移民政策にはそれなりの哲学があることは理解できますが、日本の外国人政策の場合、この「平等」ということが、むしろ、日本国民に対する逆差別、外国人に対する優遇として国民に受け止められており、この3条件以前の問題として外国人受入れの最低条件が満たされていないと感じた次第です。


日本の場合、やはり日本国民の一人当たり生産性を上げてできるだけ外国人に頼らない国づくりという点で、豪州とは逆方向の政策を本気で考えねばならず、豪州も苦労していますが、仮に豪州が経済的成功事例となっても、それとは異なる社会モデルを創るのが日本の道であって、それには政治的な決意とコンセンサスづくりへの覚悟が要ると改めて感じる場となりました。


●日本とは異なる国会の本物の姿

私ども一行は、豪州連邦議会の上院及び下院のクエスチョンタイム(日本で言えばテレビ入りの予算委員会)も傍聴しました。そのQTですが、野党からの質問には事前通告がなく、いきなり首相や閣僚が答弁、進行もテンポが速く、議員同士が向き合って激しく議論を交わす場という点で、日本の国会とはかなり様相が異なります。


上院ではラインズ議長はじめ答弁に立つウォン外相も野党の代表も、女性議員の多さが目立ちましたが、騒然となると議長からのorder、order(静粛に)の声が。これでも私どもがいたから普段よりは静かだったとのこと。下院では、私どもの傍聴席にアルバジーニー首相を始め数多くの議員が挨拶に来ましたが、これは異例のことだそうであり、日本への期待の大きさの反映でもあります。


同国QTはテレビ入りなので、日本の予算委員会と同じく、ここぞと見せ場を作っている風景は似ていますが、大臣一人一人の知識や能力が不可欠な点で本物の政治主導を感じさせられます。先のNZ国会でも似たような光景が見られましたが、本来は議員同士が議論し合う場である国会へと、日本の国会改革の上でも参考にすべき姿であると思います。


ちなみに、会食で同席した豪州の経済官庁の政府職員から聴いたところでは、例えば、大臣の国会答弁準備や想定問答作成を官僚が行うことは全くないとのこと。


●侵略は過去のこと、日本は最も信頼できる国…世界に調和を

豪州でいま最も人気のある外国語は日本語です。日本語を豪州の若い生徒たちに教えるRadford Collegeを訪問し、同校校長以下幹部の方々と面談しました。


難しい日本語を習得させる上でどんな工夫をしているか私から尋ねたところ、「地方での様々な祭り、正月の行事、アニメなど、日本は人々の関心を惹く数々の文化的な素材に溢れた国」であり、これに興味を持つことが日本語学習に大いに寄与していることを強調。正に言語と文化は一体であり、今回の豪州訪問でも感じたのは、これからの地球文明をリードする日本への各国の期待の大きさでもありました。


豪州はNZとともに英国王を元首とする国です。その英国王の豪州における代理の立場にあるのが総督であり、日本の天皇と同様、国事行為に携わる国の象徴としての存在です。私ども「議長班」一行は安倍元総理の慰霊碑(自由で開かれたインド太平洋の提唱などの功績を残した故安倍氏を讃えるべく豪州政府が設置)への慰霊訪問のあと、現在のモスティン総督(女性)を訪ね、私から総督に、それぞれの国が自国の国柄や独自の伝統を大切にしながら世界に調和を生み出すことを目指すのが参政党の立場であり、日本は天皇を中心にまとまる国を営んできたことや、その日本と英連邦とが現在、TPPやインド太平洋など様々な面で緊密な関係を築いており、今後、世界の調和に向けて協力関係を深めていくことが大切である旨を申し上げ、共鳴を得ました。時の権力の上に象徴的な権威を戴く国どうしとしても、日豪間は親密な関係を築ける可能性があると感じます。


ちなみに、ここ豪州では、かつては日本を侵略国家とする反日感情が根強くあったものの、近年では、過去にこだわっていると何も進まないとの世論が高まり、今では日本を最も信頼できる国と位置付けるようになっていることも追記しておきます。


●中国の浸透工作に対する国民の自覚と警戒

さて、豪州は州の権限が非常に強く、連邦政府はその上に乗る形になっており、多くの政策において、州と州、及び州と連邦との間の調整が大きな課題となっています。最近では、イラン情勢を受けて一部の週でLNGの輸出制限による国内確保策が提唱され、日本の関係者にも不安を与えていますが、これも一部の州の主張であり、意見が異なる州もあります。私たち議員団としては、シドニーを州都とし、豪州の中でも最有力州であるニューサウスウェールズ州の上院議員の方々との懇談で、本件について日本への配慮をするよう強く申し入れました。


他方で、同州の某下院議員に対して私が特に関心をぶつけたのは、豪州のビクトリア州がかつて、連邦政府の承諾なく中国の一帯一路に参加調印し、あわてた連邦政府がこれを取り消させたように、州レベルで進行してきたサイレントインベージョンの様相についてでした。ニューサウスウェールズ州も、政治への中国による浸透工作には著しいものがあることで知られています。


この点については、今や豪州全体で中国の浸透工作への警戒心が高まり、最近では問題となる事例は激減しているということでした。日本においても、この問題をもっと政治レベルで取り上げ、国民意識を更に高める必要があると痛感したところです。


なお、シドニーで現地の方々との交流で得られた感触として、現下の中東情勢もあって、ここ豪州でも脱炭素原理主義が後退気味であることは追記しておきたいと思います。

 

…以上、NZと豪州について述べましたが、世界は戦後体制とは異なる国際秩序へと急激に変化しようとしており、その中で、国政政党として日本で唯一、参政党が拠って立つ反グローバリズムが、政治の大きな潮流として台頭しています。


そのような中にあって、日本はどのような独自の世界観や価値観をもって国際社会をリードする存在になるのかといった国家路線の問題こそを国会では議論すべきではないか、両国の本来の国会のあり方ともいえる活発な議論の場である議会の姿を目の当たりにして、その思いを一層強めました。


補正予算の審議がない分、今臨時国会こそが、本当はそうした場にならねばなりません。AIの発達も急激に人類社会の様相を変化させます。これは人類始まって以来の大変化であり、そのリスクにどう向き合うのかだけでなく、いずれAIが超知能(トランプ大統領が言うSI)へと進化したとき、労働から解放される人間はどのような生き方をしていくのか、そのための経済社会の仕組みをどう構築するのか、哲学的な考察も含め、議論の必要性は待ったなしです。


消費減税や定数削減よりも、今国会がこうした本質的な議論の場になることを願うものです。

 
 
 

コメント


  • Facebookの社会的なアイコン
  • Twitterの社会のアイコン
  • YouTubeの
  • Instagramの社会のアイコン
bottom of page