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  • 執筆者の写真松田学

日本にも「鉄の女」が必要になった~次の総理総裁にはコロナ局面転換へ断固たる決断で開き直れる人を~

策士、策に溺れる…どうも、こんな終わり方になったのは残念です。官房長官時代に、気に食わぬ官僚を人事で制裁していた、あの頃の権謀術数がまた…?敵になりそうな人を恫喝し、次の総裁がすべき役員人事を強行しようとし、総裁選前の衆院解散まで…。政治がいくら権力闘争の場であるとはいえ、やはり、信なくば立たず…権力を乱用しようとしたN大臣の行為もそうでしたが、最終的には国民の信を失います。それだけですでに、菅総理のもとでは総選挙は闘えない状態にますます自らを追い込んでしまったような…。


私にとっては、かつて横浜で政治活動をしていたときから何かとご縁があり、衆議院議員として内閣委員会で最も質疑をした相手でもあった方でもあり、決して陰ながら応援していなかったわけではなかったのですが、また、あくまで報道ベースの情報なので今回の真相はわかりませんが、そんな印象があるのは事実。


たぶん、コロナとの闘いを一生懸命やってきたのでしょうが、本当は東京五輪の前までにやるべきだった新型コロナ対策の科学的基準の再設定とモードチェンジを政治決断できなかった。コロナの局面転換を決断したジョンソン首相の英国よりも、日本はもっと決断できる状態にあるのに、マスコミ世論を超越した断固たる決断に一国の宰相として踏み込めなかった、それを国民に語る自らの言葉がなかった…。


このことがずるずると政権を追い込んでいったとみてよいでしょう。官邸の要路は、私が発信しているコロナの真相について認識を共有しているのに、残念なことです。総裁選に名乗りをあげる方が次々と…そのなかで唯一、新型コロナの真相を詳しく知ることになったのが、高市早苗氏です。今回は、次の総理総裁に問われる資質について考えてみます。


●総裁選候補たちのなかで宰相への適格者は…?

河野氏?パワハラ疑惑が報道されていますが、同氏を知る人たちからみれば、身から出た錆か。選挙で苦労した経験のある人なら、二世三世でなければ、元々国会議員に当選できるキャラとは思いにくいでしょう。総理総裁として必要なのは人徳。ワクチンでは科学的な異論までデマと決めつけた危険人物。女系天皇容認や反原発でも国益を損う懸念あり。


岸田さん?人柄がよく、一時、安倍前総理が後継と考えた人ですが、コロナ対策では世論を押し切ってモードチェンジを決断できる人なのか…。派閥の親分らしき大物ぶりは感じられず、あまりに長銀のサラリーマン。ただ、昨年の総裁選の頼りない印象から打って変わって二階降ろしなど決然たる姿勢が評価されているように、この一年で結構変わったという見方もあります。この国難の折に一国を率いることができるかどうか。


石破さん?会って話せば良い人なのに、大事な話になると人を睨みつけるようなあの目がどうも、総理としては…。聞くところでは、安倍前総理は彼を無能と評しているとか…。


その安倍氏が今回は高市早苗氏を支持するようです。確かに、思想堅牢な保守であり、安倍総理の成し遂げられなかったことを引き継いで実現させる上で最も適格といえます。加えて、ここは、政策を自分の言葉でバンバン語り、これで行く!!と断言できる総理総裁が必要な局面。こうなると、誰が次にふさわしい方かは、かなりはっきりするように思います。女性だからこそ、誰が何を言おうと断固として決断できる面がある。


昔、「鉄の女」と言われた宰相が一国を再生させたことがありました。安倍氏は、この際、閣僚にも多数の女性を起用すべきとしているとか…。確かに、総選挙対策になる。日本はもともと、世界の中でも最も女性が実質的に強い国。高市さんにはつい先日、お会いして色々とコロナのお話をいたしましたが、結構、女性らしい愛嬌のある方でもあります。


●『お天道様がみているよ」、これが日本人のモラルを形成した

ここで以下、そもそも現在の日本にはどんな指導者像が望まれるのか、日本にこれ以上「国史」に詳しい啓蒙家はいないのではないかと思われる小名木善行氏の見方をご紹介したいと思います。日本の歴史を振り返ってみると、そこには意外な事実が…。


「江戸時代までの日本人は、刑法を法律にしなかった、それでは法に書いていないことは何でもやっていいということになってしまう、『お天道様がみているよ」、これが日本人のモラルを形成した。だから、法律に謝れとは書いていないことでも、野党やメディアの追及で、企業トップも閣僚も総理も官僚も、みんな『ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした』と謝ってしまう。これは、権限を持つ者には、それにふさわしい責任が権限と一体だというモラル意識に基づくもの。部下の不始末も、それなりの権限を与えられた上司の責任になるし、江戸時代にはお奉行さんは管轄地域で重大犯罪が起こると切腹していた。」


「しかし、明治維新以降、日本よりも遅れていた西洋文化が入り、体制側にはこの感覚が残っていても、追及する側には追及することに伴う責任という概念がなくなってしまった。そこに大きなギャップがあることが、様々な齟齬を生んでいる。」


…緊急事態宣言を発するたびに総理が国民に謝っている姿に、私はかねてから違和感を覚えてきました。コロナに限らず、近年の日本では、似たような姿勢がこうした齟齬を拡大し、謝ることでいたずらに責任追及を誘発して国益を損ねる結果になってきたのではないか…。そんな視点から見れば、日本にはどんなリーダーが求められるべきなのか…。


●日本的な「責任と権限」のバランスへの認識が崩れていることが国益を損ねている

小名木氏曰く、「例えば、捜査権限をもっている警察がきちんとした捜査をしなかったのなら、お詫びするのは当然。しかし、結果を出せなかったことで署長さんがお詫びしているが、それは日本人の感覚。法律には捜査することは書いてあるが、お詫びすることは書いていない。遺族の悲しみが分からない?遺族の悲しみが分かるから捜査しているんだろ。他方で、根拠不明のことで責任追及したときに、『遠島を申し付ける』というのはない。」


「江戸時代では、町奉行には悲惨な事故を起こさないようにありとある権限を与えているのだから、加害者の処罰は当然だが、奉行も自ら腹を斬る、となった。そうすれば、子孫が後を継ぐことになり、お家は安泰。お上から言われて腹を斬ることになると、それは、お上の手を煩わせたということで、お家取り潰し。」


「部下が万引きして上司が謝らねばならない法はないが、監督責任として、部下がそういうふうにならないように気を引き締めていくべし。それは法律ではなくモラル。他方で、責任追及をする野党側には、そういう概念がない。一切責任をとろうとしたことがない。足を引っ張ったことについて謝らない。」


「日本は中国から律令制度を採り入れたが、大宝律令をみると、決してそのまま採り入れたものではない。律令の『令』は民法であり、現在と同様、完成度が高かったが、『律』=刑法のほうはほとんど定めがなかった。ハンムラビ法典のような『目には目を』は、日本にはできなかった。それは、法律に書いてあるからやってはいけない、となると、みつからなければ何をやってもいいとなってしまうからである。」


「欺罔、騙す、騙される、どういう状態か、具体的に例を挙げて論理的に証明せよとなると、実際には難しい。それよりも、本人の自覚で、自分の胸に手を当てて考えよ。そういう社会が日本には出来上がってきた。『お天道様がみているからちゃんと雑巾がけを』と子どもは教えられる。それで社会全体で、責任と権限がイーブンになる。」


「国民からみて分が悪いのは、いつも政権側。『大臣、それどうなっているんですか』大臣は権力に伴う責任を感じて謝るが、追及する側は責任もなく…。野党に国会での質問権があるなら、それとイーブンの責任を定めねばならない。根拠のないことで閣僚の名誉を汚すのはダメ、閣僚はそんな議員には退場を命じられる、議員資格を剥奪する。お天道様の意識を自ら持てないなら、強制で持たせるしかない。それだけの厳しさが日本社会にあるということになれば、少しは政治も良くなる。」


「緊急事態宣言を出すときに総理が何を謝るのか。きわめて日本人的な精神。国民の生命財産を守るという自覚のもとに謝罪するという行為が行われているものであって、そういうことで謝っている、追及する側にも追及する責任はある、ということを知らしめなければならない。感染拡大には国民も責任があるんだよ、と言えるキャスターがいなければならない。野党は謝ることで責任が生れていると考えてしまう。謝ることが誤解を生んでいる。日本人の美徳として謝っていることについて、そういう意識を持っていない人が、謝っているなら責任とれ、となっている。堂々と主張すべき。日本人における責任とは何かが、多くの人々のハートに届かねばならない。」


●この人が総理なら何を言ってもダメだ…いまの日本で総理に問われる資質

では、国の指導者としての資質は…「この人が総理なら何を言ってもダメだというぐらいのキャラが出ないと、日本を変えられない。野党が言ったら逆に投げ返す、そういうしたたかさ。それを可能にするように制度を改めてしまう。国会での審議拒否は、会社では勤務拒否であり、解雇理由になる。審議拒否をしたら、ありがとうございます、補欠選挙やります…。もっといい人が国会に入ってくるだろう。少数意見に振り回されているのが今の国会。多数決の世界が民主主義。原点を見直していくべき。」


強烈なリーダーシップで知られる田中角栄は…「中国問題と、米国が危ない橋を渡っていたとき、ドルと金の交換をなくしたニクソンショックが起こった。このときに米国に堂々とモノを言うのは米国にとっては困る。タイミングが悪かった。あのときにニクソンとともにがっぷりとやると言えばよかった。何はともあれ、米国とはちゃんとやっていくこと。」


「ディープステート論も、糸をたどっていくと中国共産党に行き着く。デジタル人民元をやろうとしている。これで国際通貨は潰れる。中国に支配される。戦わねばならないときに、米国も買収されて中共の片棒を担がされて、陰謀論だと言われている。彼らをいいように使っているのは全部、根っこが同じ。ここで日本がしっかりと西側諸国の一員として頑張っていくことが大事。」


「総理になれる人は、ここのところの国家観がしっかりしている人。そして開き直れる人。断固たる決断ができる政治家が見えてこない。追及する野党と追及される与党とで、権限と責任の考え方が違う。それでは同じ土俵にならない。もし野党に合わせるなら、与党も、法律に書いていないことは責任を取らないということぐらいのことをすべき。」


…小名木氏のお話からは、やはり、コロナ対策のモードチェンジという現下の最大課題を達するに足る政治リーダーとは、正しいと信じることで断固、開き直れる人であるということになります。それができずにズルズルと支持率を低下させてきた菅総理は、正しい感染症の知識を国民に啓発することで開き直るということができなかった。いま、日本の政局は、本物のリーダーシップが最も政治に問われるという意味で正念場に入っています。


●恐るべきは洗脳…強烈な情報が入った大脳皮質はなかなか変えにくい

一国のリーダ―たるもの、たとえ世論が反対しても、断固たる決断をして現実を動かしていけば、国民世論はいずれ、それについていくものだと思います。東京五輪もそうでした。実際にやってみて、選手たちが活躍する姿に、開催反対論の声は衰えていきました。


しかし、この一年半もの間、世界中を席巻し続けてきたパンデミックの恐怖のなかで培われてきた「コロナ脳」から国民世論が脱却するのは、そう容易なことではありません。


科学者である武田邦彦先生のお話を伺うと、私たち人間がいかに洗脳でできた固定観念に縛られている存在であるかがよく見えてきます。最近では、恣意的につくられた予測に人間の脳が支配されることがわかってきた。その事例が地球環境問題であり、コロナ…。


以下、この武田先生の見方をご紹介しますと…「言論の自由が大切な権利と言われるが、実際に言論できる人は限られている。言論の受け手である人間たちの頭脳に何が入るかが問題。ヒットラーが入れると人間の頭に入る。人類の700万年に及ぶ進歩の過程で、長らく人間の頭は本能を圧迫するまでは発達していなかったが、200万年前にそこまで達した。これは、本能的にはイヤなことであるはずの火を使うようになった時。同時に、男性の性欲が大脳皮質で押さえられ、女性が仕掛けなければ男性は女性に興味を持たなくなり、女性はお化粧をするようになった。男性は誘導型性欲になった。人間は動物から離れた。発情期もなくなった。一連の変化で、本能を抑制した生活になった。」


…ここで大事なのは、人間が本能ではなく、大脳皮質で行動する存在であること。しかし、その大脳皮質には、真実を正しく認識できないバイアスが色々と入り込むようです。


「大脳皮質は生まれたときは空っぽだから、知識を入れていかないとならない。25歳までの間に自分が生きていく上で必要なものをため込む。それが洗脳。25歳の時点で自分で大事なものを自分で決められるようになるが、その時に、それ以上のものは入りにくくなる。25歳までに入ったか、その後、強烈に入った知識に強力に縛られることになる。先に入ったものに縛られる。そこに入ったのがヒットラー。戦後賠償のなかで苦しむドイツはどうしたらいいか、バシッと模範を示して、それが人々の頭に入った。」


「言論の自由とともに、受け取る側の頭の自由も大切。洗脳するな…。洗脳する側は、その方法をよく知っている。例えば、自虐史観、日本は悪かった。そもそもアジアを支配していたのは欧州であり、日本はそれを追っ払った。米国はその事実を変えて、日本は侵略した、原爆は犯罪ではないとした。日本人は戦後、ずっとそれに洗脳されたままである。」


●地球温暖化も新型コロナも、いくらでも変わる予測によって社会が振り回されている

「ヒットラーの手法を使ったのはGHQだった。日本人が米国に反抗しないということに成功した。それが近年では、ヒットラーとは異なる洗脳の方法が出てきた。それは、予測報道による煽動である。70年代にNHKがやったのは、石油が無くなるという煽動だった。環境ホルモン、ダイオキシン、SDGs…全部予測に過ぎない。かつては過去の事実に基づいた煽動だったのが、今は予測による煽動だ。最近では、2010年に、あと40年で石油はなくなる、に変えた。」


「それでわかったのは、予測で洗脳されること。しかし、石油の寿命は、無くなる、無くならないということが見当もつかないぐらい遠い。70年代に両論併記して出していたら、我々はそういう頭ではなかったはず。ゴミを減らすべき?豊かになればごみは増える。なぜ、ごみがなくならねばならないか、誰もわからない。いまはものすごい性能の焼却炉がある。しかし、ごみは溢れるという予測だけが頭に残る。」


「地球温暖化もそうである。温暖化するということだけが頭に残る。かつては、1950年代に比べて1988年から1.5度上がるという試算をIPCCは出した。次に、1880年を起点にして、今から100年後に4.5度上がると言い出した。誰もが、これが単なる予測だとは思わない。現在では、産業革命を起点に21世紀の終わりに1.5度…言い方が変わっている。基準をずらしている。環境問題で事実であったことは何もない。そして、予測は頻繁に改定されている。期間を変えたりして…。環境問題がもしないとすると、全部変わってくる。」


「コロナや病気も予測で言っているのか、結果で言っているのか、我々はきちんと見極めるべし。言った人は予測の間違いを認めたくたくないので、判定基準を変えてくる。」


…確かに、新型コロナで日本人は42万人が死ぬ、この西浦氏の予測が頭に入ってしまった国民は、昨年春の緊急事態宣言を何の疑いもなく受け容れましたが、感染のピークは宣言の前に終わっており、これが効いて感染が減ったものではないことは、尾身氏ですら認める事実。この事実こそが大事なのに、国民はそこから自立思考で判断しようとしません。西浦氏の試算がドイツの数値をそのまま使った単線的な推計でしかなかったにも関わらず。


●開き直りも国家観も十分な高市氏…コロナ局面転換に必要な世論形成面からのサポート

武田先生は続けます…「米国ではトランプ大統領もポンペオ国務長官も発信力があった。何を政権が目指しているかが分かった。日本の政治家には、こうしたメッセージ性がない。国民には言葉で言ってくれないと。岸田さんが何をするかわからない。広島だから、賄賂政治を強調する?河野さんは、デマだとして高圧的。その立場にいるなら、もう少し丁寧に説明する姿勢が必要であるはず。西村さんも、金融機関からいじめるぞ、ああいうことを言われると、この人たちは政治家なのか?国民は見ている。」


「その点、高市さんは女性ではっきりしていて、いいかもしれない。しかし、自分の所掌の政策のことしか言っていない。もう少し日本全体のこと、安倍さんのように、憲法とか日中関係、日米関係どうするかを言わないと…。」


…ただ、この点は心配ないでしょう。国家路線については安倍氏の明確な継承者。安倍政権は長期政権の割には、目指された目標の未達があまりに多かった。2%インフレ目標達成に向けたアベノミクス路線、憲法改正のみならず、新たな日米同盟の姿としての「自由で開かれたインド太平洋」を継承していくとすれば、小名木氏が総理の条件として挙げているような、日米協調の基軸のもとでの国家観は明確。


先日、テレビで靖国参拝を明言していましたが、これなど中国韓国からの批判をものともせずに国家観を貫く断固たる決意。もう一つの条件、「開き直り」も十分に期待できます。


コロナ政策については、いくら総理が断固たる決断を示しても国民がついてこないということがないよう、私たちとしても、「コロナ脳」へと「洗脳」された日本国民への啓発活動をもって、次なる政権をサポートしていかなければならないと考えています。


現在、9月28日(火)13時~16時半に永田町の議員会館の裏にある星稜会館大ホールにて、井上正康先生、小川榮太郎氏、吉野敏明先生などにもご登壇いただき、専門家・有識者グループの方々からの賛同を得る形で策定する提言を発出することを趣旨とするシンポジウム「新政権に対し新型コロナ対策のモードチェンジを求める!」に向けて、準備を進めているところです。詳細が決まる都度、本メルマガでも告知してまいりますので、ご予定いただければ幸いです。

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