top of page
  • 執筆者の写真松田学

[年頭ご挨拶]新しきものが育つ令和4年を決断の年に~国際情勢、日本の道、DX、松田プラン

あけましておめでとうございます。


令和4年を迎え、年頭に当たり、現下の世界情勢や経済を含めた日本のこれからの道について述べつつ、私の今年の行動につきまして抱負を申し上げたいと思います。


まず、世界情勢についてですが、当面はコロナ情勢が大きく影響するでしょう。人類社会がオミクロン株をどう認識するかにその全てがかかっています。新型コロナが変異を遂げ、ついに日本人にとっては子どもの頃から罹ってきた普通のコロナ風邪になってくれた。こうした正しい認識ができるだけ早く人類社会で共有され、これまでの騒動や社会的犠牲が収束に向かうよう、引き続き俯瞰的な科学知識に基づいて発信に努めていく所存です。


コロナ問題はさておき、国際社会や日本の状況を全体的に俯瞰してみれば、昨年はすでに色々な意味で始まっていた大きな変化が見え始めた年だったといえるでしょう。今年の干支である壬寅には、「新しく立ち上がる」、「生まれたものが成長する」という意味があるそうです。今年は昨年までに見え始めた変化に対して具体的な対応を始める年になる年であり、私自身、実際にそうなるようにしていく決意です。


●米国の撤退と国際的な「戦後レジーム」の崩壊~日本の国防力の位置づけの変化~

まず、大きく国際秩序の動きをみると、昨年は米国の撤退が顕著になった年であり、それを象徴するのがアフガンからの完全撤収でした。これは21世紀が米国を中心とする覇権的な秩序が崩壊し、次なる秩序へ移行する世紀であることを改めて明確化した事件でした。


このことも関連しますが、同時に昨年は、日本の立ち位置や安全保障のあり方が変化したことも明確になった年でした。4月の菅-バイデン両首脳の会談では、共同声明にも台湾海峡が明記され、日本は防衛力の強化を約束しましたが、重要なことは、これからは米国だけでなく、日本もインド太平洋の安全保障において主体的な役割を果たすべき国になったことです。これは「戦後レジーム」が国際社会も含めて、いよいよ崩壊に向かっていることを意味するものだと考えます。


昨年は軍事技術の領域でも、ハイテク兵器が次々と姿を現し始めました。宇宙、サイバー、電磁波の「うさでん」に加え、ドローンなどの無人兵器、そして中国や北朝鮮界隈からは「極超音速」兵器も…。核も含めた極東地域における米中の軍事バランスが崩れるなか、米国や台湾筋からは中国が数年以内に台湾侵攻を開始するとの予測も出始めました。台湾侵攻の上で中国にとって不可欠な要衝が尖閣諸島。台湾有事はすなわち日本の有事だというのが、多くの識者の共通認識です。


かつて米ソ冷戦時代には、ソ連が欧州を照準に配備した中距離核ミサイルSS20に対抗すべく、中距離弾道ミサイル・パーシングⅡが米国のイニシアチブで配備された西ドイツが「ヨーロッパ最前線」とされていました。「米中冷戦」時代のいまや、当時の西ドイツと同じ状況に置かれたのが日本です。日本はいま、「アジア最前線」。しかし、中国の核の現実的な脅威が増す中にあっても、この事態を多くの日本国民が認識していません。


昨年は、「自由で開かれたインド太平洋」に、英国、フランス、ドイツといった主要欧州諸国が加わってきました。ジャンヌダルク、クィーンエリザベス、バイエルン…と。これは、この地域が西側諸国の価値観同盟のプラットフォームになったことを示すものです。そこにおける中核国であるはずの日本が核に対して脆弱な状況は、西側全体にとって迷惑だとすら認識される状況になっています。


米国の撤退と言いましたが、トランプ大統領の四年間は、米国が中国に対して米国一国だけでは軍事的に太刀打ちできない状況が明確に認識された四年間でもありました。米国が軍事増強をしようとしても、重要な装備品が中国からのサプライチェーンに依存しなければならない…。結果として、他の同盟諸国と一体となって安全保障を構築していかねばならない…これは昨年着任したバイデン大統領にとっては、他に選択肢がない状況でした。


その中で日本に主体的な役割分担が求められ、しかも「最前線」…昨年は、私たち日本人がそのような状況に置かれていることが明確化した年でした。日本は米国の軍事的な傘のもとに置かれている…これが日本の戦後レジームの基本にあり、この状況を許す環境それ自体が国際的な戦後レジームだったといえますが、昨年はこれが崩壊し始めました。


●中国の浸透工作や核に対するリアリズムに立った危機意識の醸成と自主憲法の制定を

経済安全保障も昨年は大きな話題になりましたが、中国による浸透工作は着々と進展しています。このままだと、日本はいずれ中国の属領に…。かつては米国の属国化が懸念された日本では、90年代には「第二の経済占領」とも言われる事態が起こりましたが、今度は中国が日本を飲み込んでいくことが着々と進行しています。日本国民にその危機感がほとんどないことこそが、もっと大きな危機かもしれません。


日本が核の国内配備をすべきかどうかはさておいても、少なくとも日本が何らかの核戦略をもたなければ国際秩序が保たれないことは、好むと好まざるとに関わらず、客観的なリアリズムに基づいて認識されなければならない現実です。


これにも関係しますが、今年大きな課題になりそうなのが憲法改正です。昨年からの国会情勢に鑑みると、今年は国会もいよいよ動き出すか…。安倍政権が7年8か月をかけても改憲に向けて一歩も動けなかった政治がようやく動き出すことになりそうです。


しかし、その基本のところにある主権の問題(憲法9条2項が規定する交戦権の否認は、国家主権の根幹にある自衛権を自ら否定するものであり、主権の放棄でもある)についてまで国民合意をとれるのか、容易ならざることです。今年は、国民に日本の危機を十分に理解していただきながら、私たち日本をどう守っていくのが良いのか、自主憲法の制定に向けて国民運動を始める年にしなければならないかもしれません。


●皇位継承は皇統の男系維持へ…問われる決断

もう一つ、今年大きな課題になりそうなのが、日本国家のアイデンティティの根本にある天皇の皇位継承問題です。昨年は眞子さんのことが大きな話題になりましたが、昨年末の12月22日に、安定的な皇位継承策等を議論する政府の有識者会議が最終報告書をまとめ、岸田総理に提出しました。そこでは、皇族数を確保する基本的な方策として次の二案が示されました。第一は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案。但し、この案については女性宮家の語を避け、女系天皇につながることのないよう、子には皇位継承権を与えない方法や、男性の配偶者及びその子には皇族の身分を与えない方法が示されました。


第二が、男系の皇統維持のため、戦後、皇籍を離脱した旧 11 宮家の男系男子孫を皇族の養子として迎える案。この有識者会議が行ったヒヤリングでも、ほとんどの方が第二案の方向を支持したそうです。その意味で画期的でした。


これで有識者会議は男系皇統維持の立場になったわけですが、これから国会でどのように審議されていくか、日本の国家アイデンティティの観点から重要な局面に入っていくなかで、岸田総理の決断が問われるでしょう。


●「グローバル全体主義」への対抗軸としての「自由社会を守る国民国家」

同時に、昨年は松田政策研究所チャンネルも言論弾圧の大きな難題に直面しましたが、いまや世界の大きな対立構造が何になっているかといえば、それは、こうした弾圧にもつながった「グローバル全体主義」にどう対抗していくかであり、これへの対立軸としての「自由社会を守る国民国家」という概念の形成が、政治の重要課題になってきています。


一昨年の米大統領選挙のときも、トランプ大統領のSNSアカウントの閉鎖という、グローバル企業が国家主権をも超えた大事件がありましたが、昨年は、コロナパンデミックのもとでグローバル全体主義の恐ろしき力を感じた人が多かった一年だったと思います。


「世界同時革命」は決して空想的な話ではなく、マルクス主義の変異株ともいえるポリコレやキャンセルカルチャーなどの破壊的原理主義の動きが世界を席巻しています。


こうしたなかで我々の常識で築かれた健全な社会を自由な社会としてどう守り抜いていくのか。民主主義、法の支配、人権を守ることも、当然、このなかに入ってきます。


●正しい歴史認識の形成と戦後政治のアウフヘーベン

加えて、日本に大きく問われているのは、そろそろ歴史認識の正常化に本格的に取り組むことではないでしょうか。これは上記のグローバル全体主義に対する有効な対立軸を組み立てる上でも不可欠な課題になっていると思います。


戦後に出来た国連(連合国)秩序は、現在のように全体主義と自由主義の対立が明確になっている時代の国際秩序のあり方とは全く矛盾するものになっています。これを時代に合わせて見直していく上での大きなネックが東京裁判史観であり、日本が戦争犯罪国であるという歴史観です。これを正しい事実に基づいた歴史認識にしていく。


この動きは他国でも起こってきていますが、まず私たち日本人自身が私たちの日本国について正しい歴史の認識をきちんと持つことがいよいよ問われてきています。


戦後の政治は、ある意味で、この連合国国連秩序のもとで、日本の半独立状態を続ける形で営まれてきました。これを担ってきた自民党政治のレジームを超える政治を創っていく。その上に立って、正しい歴史認識を国際社会で共有しつつ、私たち西側諸国の価値観を発展させていく。その動きを興していくことが日本の政界の使命ではないかと思います。


●温暖化対策は原発への切り替えを…スタグフレーション回避へ問われる政治決断

経済に目を転じると、短期的には、昨年秋ごろからのインフレが世界経済の懸念材料となってきました。欧州では天然ガス、世界的には石油も含めた化石燃料の値上がりといった、現在の「供給インフレ」をもたらしているのは脱炭素です。問題は、このインフレが持続するかどうかであり、その見極めが今年早々に問われてくるでしょう。


いまのインフレ傾向を長引かせるものがあるとすれば、それは再エネへの急激なシフトです。これが続くとインフレ期待が経済に定着することになり、世界中をスタグフレーションに陥れる可能性があります。ポストコロナをスタグフレーションの時代にしないよう、現実的な温暖化対策に転換することが喫緊の課題です。


そのなかで、現行の技術水準のもとでは、原発という選択肢が避けて通れません。これは「反原発」といった価値観の問題ではなく、理想的なエネルギー体系ができるまでの間は、現実的に二酸化炭素を排出しない安定的なエネルギー源である原発の比率を高めるしかありません。世界的にもフランスのように原発推進に舵を切り戻す動きが出ています。


日本は、その仕組み上安全な技術である次世代原発、小型原発の技術で優位性をもっている国ですが、福島3・11のトラウマから、いつまでも切り替えができないでいます。


これに必要な大きな政治的決断と国民への説得が岸田政権にはできるのか。再エネに頼るカーボンニュートラルは、毎年、GDP比で5%の国民負担につながり、これも継続的なインフレ要因になります。それによるスタグフレーションの懸念のもとで、国民生活を守るためにどうするか、日本の政治全体に、その鼎の軽重が問われます。


●人口減少問題とAI・ロボット・ブロックチェーン革命

次に、長期的な日本の問題は人口減少問題ですが、2100年には、現在の1億2,600万人の日本の人口が6000万人にまで半減します。これは避けられない未来であり、これにどう向き合っていくのか。移民に安易に頼ってはいけません。保守系の多くの人々が心配していると思いますが、移民政策がもたらす混乱は多くの先進国が経験してきたことです。


そうではなく、日本は人工知能やロボット、ブロックチェーンといったハイテクの装備で一人当たりの生産性を上げていくしかありません。いまから20年ぐらいは社会の超高齢化の局面が続きますから、高齢世代の社会保障を賄っていくために現役世代がますます生産性を上げていかないと、経済社会は持続不可能になります。


これは待ったなしの課題ですが、日本の生産性が低い大きな原因は、一人当たりの資本装備率の伸びが主要国のなかで最も低く、IT化が米中に比べても全く遅れていること。米国ではIT化が雇用問題につながり、中間層の崩壊をもたらしましたが、日本の場合は、人口がこれだけ大きく減少する国です。社会的摩擦の少ない形でAI・ロボット革命を実現できるチャンスが日本にはあります。これも「危機をチャンスに転じる」です。


例えば、介護はロボットが担うことで、介護の現場では人間は人間にしかできないことに特化する。精神的な面は人間がケアし、物理的な面は介護ロボットが担うという役割分担を考えていくべきでしょう。これは介護以外の経済全体についてもいえることです。


●「新しい資本主義」よりも「日本力資本主義」…トークンエコノミーと協働型コモンズ

こうした革命の前提は情報の電子化であり、デジタル革命ですが、これが生産性を上昇させると何が起こるか…。私たちが毎日、朝起きてから寝るまでの長い時間を取られているルーティンワークが大幅に消えることになります。これに取られてきた時間が浮き、それで生まれる時間やエネルギーを、人間にしかできないことに充てられるようになることが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質的な意義だと私は考えます。


ですから、DXとは人間らしい社会や人生を創ること。人間とはいかなる存在なのか、人間にしかできないことは何なのかがあらゆる面で問われる時代に入ることになります。


この時代を支えるのが、私が「みらいのお金」として提唱しているトークンエコノミーであり、これを基盤とする「協働型コモンズ」という、競争ではなく協働を中心とした社会です。こうした理念のコミュニティをたくさん作っていく上で、情報技術の急速な進歩を活用していく。ブロックチェーンの社会実装で多様なコミュニティが全国に展開する。これが日本の国民性に合った生産のあり方を創っていく。


岸田総理は「新しい資本主義」を打ち出していますが、その中身ははっきりしません。どうも、株主資本主義に代わってステークホルダー資本主義を目指すものになりそうですが、これはもともと、昭和時代の日本の経済体制です。しかし、戦後システムは「世界で最も成功した社会主義」。その日本に戻すわけにはいきません。


そうした政府介入路線ではなく、民間は民間で日本人の国民性に合った経済や社会の仕組みを創っていく。そのために参政党では徹底的に日本の歴史を勉強していますが、国民を挙げて、日本の力を発揮できる生産の仕組みとは何なのか、「日本力資本主義」をこそ組み立てていくべき局面だと考えています。


●究極の救国策「松田プラン」とデジタルアイデンティティ推進コンソーシアム

これと同時に、トークンエコノミーということでいえば、今年は「松田プラン」の実現に向けたステップを進めたいと思っています。


松田プランは、現在、1,000兆円を超えようとしている普通国債発行残高の半分にのぼる日銀保有分の国債をデジタル円に転換していく構想です。政府がマイナンバーと結びついたトークンを法定通貨として発行し、日銀が持つ国債を満期がくれば永久国債に乗り換えていきながら、このトークンへの民間需要に応じて、日銀保有の国債とスワップしていく。


これで日銀の持つ資産は、いったん、国債からトークンに変わりますが、日銀はこれを民間からの要望に応じつつ市中銀行を通じて売却し、これが国民のスマホに入ります。


私は昨年、デジタルアイデンティティ推進コンソーシアムを立ち上げましたが、これは私たちの技術が政府を動かして、来年度末までには皆さんのスマホにマイナンバーカードのアプリが入るようになったことを契機に、その民間でのユースケース拡大を目的として活動する社団法人です。これによって、日本ではスマホでの公的本人確認が確立します。


DXで形成されるデジタル社会の基本中の基本は認証機能です。その部分をこの社団が担い、その事業も今年は本格化します。これがプッシュ型行政サービスと結びつき、いずれ上述の政府発行のトークンと結びつくことになれば、松田プランの土台ができます。


松田プランのもとでは、政府が財政支出を拡大しても、その財源となる国債を日銀が現状のように買えば買うほど、その分、国債が将来、トークンに転換していくことになります。これは、国債がお金に変わる仕組みによって、積極財政を可能にしつつ、財政問題を一挙に解決させ、将来の国民負担を軽減させる究極の救国プランだと考えています。


●本年の参院選と政治家としての決断

今年は私もいよいよ政治家としての決断を実際に動かしていく年になります。


来たる7月には参議院選挙が実施されますが、私は昨年末に参政党の共同代表に就任するとともに、全国比例の公認候補予定者として発表され、このほど党の全国比例区第一支部長になりました。


参院選に向けた私の抱負などにつきましては、こちらから動画をご覧いただけます。

 ↓↓↓


その意味で、ここで以上申し上げたことを中心に、私の名刺に「未来社会プロデューサー」と明記されている通り、日本に希望のもてる未来社会を築くべく、実際のプロジェクトや実務を伴った未来社会の具体像を示していきながら、現実の政治を動かし、日本に新しい政治勢力を創っていく、今年をその第一歩の年にしたいと決意しております。


本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

閲覧数:421回
bottom of page