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不祥事が核心的なテーマ?となった日本~受け手側にも問われる情報モラル~

  • 執筆者の写真: 松田学
    松田学
  • 2020年1月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:2020年2月8日

2020/01/21

通常国会が昨日招集されましたが、2大臣の辞任と桜に続くIR疑惑などで勢いを得た野党が、一連の不祥事を材料に政権を攻める国会になるそうです。河井前法相夫妻にも検察の捜査が入りましたが、国会議員の違法行為には厳正な摘発や制裁は当然のこと。ただ、ここであえてメディア報道や司直の捜査につき、以下、少し別の視点からみてみますと…。

もちろん、本人たちの弁を全面的に信用するわけにはいきませんが、秘書が葬式に香典を持参した、法令で許される限度を超える報酬がウグイス嬢に支払われていた、事務所が関係者から現金を受け取った、等々を議員本人がもし本当に知らなかったとすれば…。たとえ法令違反の行為だとしても、現実の要請を前に広く慣例的に行われていた行為が、何らかの思惑でその議員だけ狙い撃ちされたものだったとすれば…。

例えば、私の選挙のときの経験でも、規定以内の報酬では良いウグイス嬢は確保できないので、限度を超える分は時期をあけて裏から支払うのが通例だと、よく耳にしました。清貧?な選挙活動だった私の場合、十分な資金も利権も組織もない手作り選挙でしたので、規定以内で集めたウグイスは地元の素人の方々、やはり不慣れで、それを見ていられなかった私の家族が途中から交代したほどでした。それが原因ではないですが、結果は落選…。

政界事情通の作家、大下英治氏によれば、政治家の不祥事はすべてと言ってよいほど、現場を知る秘書からのタレこみ。文春はほかにも多くの不祥事を握っていて、これから次々と出てくる…。だとすると、何らかの思惑で、普通は摘発されず、本人に何ら不正をした認識がない場合でも、政治家は連座制でいつ犯罪者になるかわからない存在だといえます。一種の恐怖政治…?公職にある者、通常人以上の結果責任は当然だとしても、そこには特定の党派や利権あるいは外国勢?の思惑に対する民主政治の脆弱性がないか、心配です。

八幡和郎氏が松田政策研究所チャンネルで、ゴーン被告の国外逃亡について、こんな指摘をしていました。…中国で「反スパイ法」で拘束された日本人が十数人、これも中国の国内法制に従って逮捕されたものだが、その一人が逃亡して日本に逃げ帰ってきた場合、日本国民はその人を糾弾するだろうか?よく帰ってきた、となるのではないか…。

もちろん、日本としてはゴーン被告による主権侵害を強く非難すべき立場ですが、国際世論戦の舞台では話は別。日本が人権について中国と同類項扱いされてはたまりません。

国際世論戦といえば、習近平が国賓待遇での来日で天皇陛下と一緒に写真に収まることになりますが、それが国際社会にどんな印象を与えるかを心配する専門家もいます。全体主義と人権弾圧の権化である中国のトップと日本の天皇陛下が親しげに並んでいる、やはり日本はファシズムの国…私たちは全く意識していませんが、日本の戦争犯罪を糾弾する勢力が跋扈している国際社会でのプロパガンダの現実はそうだとのこと。

このほど欧州中央銀行(ECB)の総裁に就任したラガルド氏は、仏財務相時の職権乱用の疑惑で家宅捜査を受けてもIMF専務理事の要職を続け、昨年末には有罪判決まで出ましたが、それでもECBの総裁。八幡氏によると、近代国家では、殺人、強盗などは別として、最終判決までは「推定無罪」が原則。逮捕されれば、あるいは、その前に報道されただけでも、公的な地位を失う日本とは、少し様相が異なるようです。

仮に公職者なら仕方ないとしても、問題は、善良な民間人も、日本ではいつ社会的な制裁の対象となるかわからないことにあります。先日、知人の事業の提携先である某社の社長が、詐欺事件の当事者としてネットで流れていることを理由に、某上場企業から取引できないとされ、事業が滞るという事態が生じたそうです。事実無根の記事だそうですが、そもそもネットなど、誰がどんな思惑でフェイクを流しているかわからない、信頼性が低いもの。それでも、上場企業のコンプライアンスには引っかかるようです。記事を否定する声明を出せ ば、かえって炎上したり、無用な注目を受けるなど、風評被害を受けた側は対処のしようがない場合も多く、いったんネットで流れた記事は永久に消えません。

これなど、社会的信用を大事にするつもりの上場企業が、フェイクを意図的に流す反社会的行為の思惑実現に協力して、自ら反社勢力の立場に立つかたちになっているといえるかもしれません。事業の成功にリスクをとることより、何か言われたときの責任をとることを回避する、こうした無責任なサラリーマン根性が、日本経済から成長の機会を奪うだけでなく、人権侵害まで起こしているようにみえます。

私も議員在職中に、万やむを得ず解雇した秘書からのタレこみで、真面目な国会質問があたかも収賄であるかのような誤報が週刊誌で大々的になされましたし、最近でも、私が関知しない投資勧誘に関して私が詐欺の当事者であるかのような誤報がネットや新聞で流され、さんざんな風評被害を受けてきました。これは有名税?で片付けられない人権侵害。

某週刊誌の記者の話では、最初から興味本位のストーリーありきで、取材をしても、それと反する内容は記事に採り入れられないそうです。私が親しくしている、真面目を絵に描いたような某現職国会議員も、最近、連日のようにマスコミで不祥事報道がなされましたが、完全な事実無根である旨をきちんと記者会見しても、全く無視されたそうです。

風評被害から人権を守るための公正な仕組みや機関をなんとか創設できないものか…。玉石も正誤も混淆でさまざまな情報が氾濫するこんにち、何よりも大事なのは、私たち国民一人一人の自立的な判断力。インターネット教育も、プログラミング教育よりも、ネットに向き合うモラルこそを教育すべきだとの声が国際的にも高まっています。

ましてや、日本は未だに続く東西冷戦の最前線。批評家の西村幸祐氏は松田政策研究所チャンネルで、そこには「東京の壁」があり、その壁の東側には反日勢力とメディアがいる…と述べていました。国を誤らず、メディアファシズムから人権を守り、新たな挑戦者が存分に活躍できる社会を築くために必要なのは、マスコミやネットといった発信側のモラルだけでなく、そこで流れる情報の受け手である一般国民の側のモラルかもしれません。

 
 
 

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