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  • 執筆者の写真松田学

安倍総理に問われる「専門家会議レジームからの脱却」~PCRの誤謬からも脱却を~

欧米とは新型コロナの様相が明らかに異なるのが日本。最近では、武漢ウィルスや欧州ウィルスとは異種のコロナとの理解も広がってきました。他方で、官邸が迷走したり、メディアが一方的な報道を続けたり・・・、国民も直感的に、なんか変だと気付き始めているようです。緊急事態延長となってまだ2日目に、政府は14日にも解除に向けた決定?との報道も流れましたが、だからと言って安心して良いわけではありません。前回は、フェーズ別ポジティブ/ネガティブリスト方式についての私の提案をご紹介しました。

それにしても、政府が場当たり的にみえるのはなぜ…?どうも、あの専門家会議が・・・?安倍総理も事態が分かってきているそうで、近く、専門家会議を超えた決断が・・・?集団免疫に関する信頼出来る論文が日本でも出てきたことに加え、既に6割近くが抗体を保有しているとの研究結果も・・・こうなると日本はほとんど集団免疫に近い状態?そもそも実態把握を狂わせているPCR検査を増やそうとしていることにも大きな陥穽がありそうです。 ●専門家会議の「専門家」たちとは? わが耳を疑う話ですが、立場上お名前は言えない安倍総理に近い某著名人からの話では、厚生労働省は新型コロナに関して、総理官邸にも数字を出さない、数字を改ざんする・・・とのこと。そうだとすると、財務省のあの事件の比ではない、国家的犯罪のようなものです。

安倍総理も接触率8割減のような科学的根拠のない専門家?からのふりつけで動いてしまったようですが、あの専門家会議も、日本の「専門家」とは細かい縦割りの専門家たちのことであって、大事な判断ができる会議にはなっていないそうです。この問題が高度に専門的な領域であるがゆえに、安倍総理は専門家会議に判断を任せる体制をとったようですが、どうもそれが安倍官邸の迷走につながっていないか…。そんな指摘が出てきました。

やはり大事な判断は一国の宰相が政治的なレベルで行うべきもの、ご自身が物理学者のメルケルが正にやってのけたことですが、狭い分野での自らの責任のほうを重視する専門家とは、そうした高度な判断のもとに初めて機能できる存在と捉えたほうがよさそうです。

前述の某氏によれば、集団免疫については日本でも京大のK教授が精密な論文をまとめたそうで、安倍総理もだいぶ事態を把握しているとのこと。また、東京の某大学の先生が日本では抗体保有者が58%に達しているとの研究成果を出し、前述の某氏はこれを加藤厚生労働大臣に持ち込むとも。ならば、日本はすでに集団免疫にほぼ近い状態にあることになりますが・・・。では、専門家会議は何をやっているのか?安倍総理も決断に向かうのか。

厚労省の問題とは医系技官たちのこと?加藤大臣は相当、苦労しているのでは?それにしても何を目的に?前述の某氏によると、東京都からの数字が出てこないケースが多いとか・・・。コロナの脅威が強調されるような材料や報道で喜ぶのは誰かといえば・・・。

●日本ではこれからもPCR検査は増えない! さて、メディア報道に煽られるかのように、政府はPCR検査を増やす対策を発表しました。ただ、国がいくら増やそうとしても、日本では実際にPCR検査は増えないそうです。以下は、本コラムに何度も登場してきた某国立大学病院臨床医のA氏の言。コロナ騒ぎの真相がかなり見えてきます。まず、ドイツであれだけ検査が多いのに、日本ではなぜ?

「コロナ『禍』がドイツでは本当に深刻な被害をもたらしているからです。日本とでは明らかに被害の質・量ともに異なるでしょう。陽性と検出される人の重症度・死亡率も全く異なります。(日本は中国とも欧米とも流行している主要ウイルス種が異なると考えるのが自然です。)そこで、日本の現場医師には『そこまでして軽症のウイルス感染を調べに行かねばならないのか?』というベクトルが働いています。」

「さらに言うと、現在の日本でのPCRが本当に怖い武漢型や欧米型コロナだけを検出している訳ではなさそうなので真面目にやる気がしない、というのもあると思います。怖いコロナの正診率は30~70%と、かなりひどい検査でしかありません。国会やテレビや山中先生までもが『もっとPCRを!』と言っても、現場がいろんな意味で『あんな検査に振り回されたくない』という『無言の無視』で抵抗しているという構図が一番近く感じます。検査体制が拡充されても今後も実施数は増えないだろうと読む理由はここにあります。」

「『A型』、『B型』をすぐ教えてくれるインフルの迅速抗原検査や妊娠検査キットのように、『武漢型』、『欧米型』、『日本土着型』が10分後に浮き上がる線ですぐ判明するような簡便で正診率が高い検査でしたら、皆がやるでしょう。」

●新型コロナよりも土着コロナに陽性反応しているとみる理由 ・・・ここで少し解説を加えますと、コロナウィルスには、遺伝子構造が解明されている何種類かのほかに、日本の場合、遺伝子構造が未解明の土着のものが無数に存在し、これも普通の風邪の原因となってきたそうです。PCR検査は遺伝子構造に二カ所同じものがあると交叉反応する可能性があるとのこと。解明済みのコロナウィルスについては、遺伝子構造が分かっているので、これに交叉反応してしないPCR検査の手法が確立されているのだろうと想像されますが、遺伝子構造の分からないケースだと、それで交叉反応していないと立証すること自体、不可能だということになります。

私のような専門外の素人が考えても、未知のものが作用していないということは、それが未知なものであるがゆえに排除できない、その論理は否定できないと思います。なぜ未知のものなのかといえば、武漢コロナが変異をくり返しているように、土着亜種も変異をくり返しているから。かく言うA氏は日本を代表する東大医学部を出ただけでなく、何十年も、これも日本を代表する某国立病院で内科の診療医の名医として活躍し、今も臨床の最前線で闘っている人物。そのA氏が100%の自信をもって断言しているというのは、経験知も含めた、否定しようもない何かをつかんでいることを意味しているものと思います。

・・・この点について、さらにA氏に語らせれば・・・、

「日本で『コロナPCR陽性』とされている例の多くは、昔から日本にいる土着コロナ亜種が、武漢型や欧米型とPCR上、見分けがつかず交差反応的に『陽性』とされているものです。『北海道や福岡での散発的発生』、『軽症の風邪が多い』、『千葉の障害者施設でほぼ全員が陽性』、『芸能人・スポーツ選手・アナウンサー・脚本家等で陽性者頻発』、『PCRは元々、そうした危険(交差反応)をはらんだ検査法』、『コロナは亜種が多い』等…が当初そう睨んだ理由ですし、今もそう思っています。」

「勿論、武漢型や欧米型も一部は入っていて重症者や院内感染を起こしていますが、これはかなり水際作戦と地の利(島国・衛生環境)で防げていると読んでいます。この2種を広げない~新たに入れないは超重要です。」

「最近、慶応病院が『一般来院者(全く無症状で疑いすらない人)の6%でコロナPCRが陽性だった』と発表したり、神戸では『この騒ぎの前の一般受診者の3%の血清にコロナ抗体が検出された』と発表したり、PCRにしても抗体検査にしても、武漢や欧米渡来でない土着コロナが元々、日本に常在していることを改めて裏付けているデータとしか読めません。最近になって、『コロナは変異しやすい。今、日本で陽性検出されているウイルスは武漢渡来型とは実は少し異なっている事も判ってきた。どうやら、変異した欧米型が流行していると考えた方が良さそうだ』などと言う意見が専門家から出てきています。」

「そんな屁理屈を言うなら、昔から日本に変異した土着コロナが居たから、という方がよほど理屈が通っていますし、慶応や神戸のデータもうなずけます。3月頃から入ってきた欧米ウイルスで、3月の神戸人口の3%が感染していた、なんてあろう筈がありません。」

「ところで、実際、志村さんと岡江さん以外に、誰か本当の意味での知り合いが罹りましたか?武漢や欧米ではカミュの『ペスト』の世界に少し近いのかもしれませんが、日本ではまだ例年のインフルより1~1.5桁位少ない感染者~死亡者数です。最も多い東京ですら、3,000人に1人位。申し訳ないけど、志村さんも岡江さんも十分なハイリスク者でした。」

●医療現場で医師たちはどう考えているのか ・・・では、現場の医師がPCR検査をやらないのは、皆がA氏のように考えているからなのか?との私からの問いに対するA氏の答は・・・

「いろんな医者がいて、考え方は百人百様、皆が同じ見方をしているわけではありませんが、PCRの問題点や慶應や神戸の観察を的確に説明できる医師にも会ったことがありません。ただ、有象無象の医師の考え方の多次元ベクトルの和(のやる/やらない軸)の値が最終的に「やらない」値になっている…が今の答なのも確かです。

つまり、①信念をもって余り沢山はやらない(A氏はここ)、②面倒臭いのでなるべくやりたくない(少なくない)、③特にやれといわれないのでやってない(多い「何か検査も変だし・・・」)、④金かかるのでやれない、⑤発熱患者は診ない、⑥咳する患者は診ない、⑦バンバンやるべきだ、⑧患者を救う為に必要・・・と分類され、Σ①~⑥-(⑦+⑧)>>0」

「『専門家会議』メンバーの主体は感染症学会員だと思いますが、その感染症学会自身が『風邪症状にPCRはすべきではない』と言っています。④~⑥も結構多いです。近隣の開業医の殆どは『咳・熱の患者は診ません』です。信じられないと思いますが、診ない=診療拒否=うちには来ないでくれ!…です。咳?あ~、駄目、駄目、うちは診ないから〇〇大学病院に行って…という感じです。もっと酷い症状を訴えたら医院を閉めてしまいそうな勢い…では、何を診るんでしょうね。」

・・・ちなみに、全自動PCR検査機器が出るそうですが、その精度について、A氏は?

「今回の騒ぎの中でPCRによる診断精度を下げる要素は色々なレベルで発生していて、ぱっと思い付く(経験的に思い当たる)だけで、①プライマー設定に起因、②検体採取手技に起因、③検査技師の熟練度に起因、④増幅条件に起因、⑤機器の精度に起因、⑥判定レベルの設定に起因、⑦その他・・・ぐらいあります。これらを合算して正診率30~70%(西日本新聞)のような酷い数字が相場な訳です。全自動は⑤(と③と④の一部)の向上には寄与し得ますが、あとは無関係なので、殆ど期待できません。」

・・・現場の医師が闘っているのは重症者のケース。新型コロナで重症化している可能性の有無の判定は、PCRよりも肺のCT検査のほうがベターのようです。A氏によれば・・・、

「平素、学生や研修医達に『何でもかんでもすぐCTを撮ろうとする医者になっては駄目だよ。鑑別診断を良~く考えてから、やっぱり必要!って時に撮るんだぞ!』と教えている口からするとやや変節なのですが、ここは肺CTに一足飛びに行くのが賢明な便法と考えて良いと思います。①肺CT陰性&コロナPCR陰性→無罪放免、②肺CT陽性&コロナPCR陽性→コロナ肺炎濃厚=入院&厳重管理開始、③肺CT陰性&コロナPCR陽性→コロナ保菌者=観察で十分(今の基準だとホテル送り?)、④肺CT陽性&コロナPCR陰性→偽陰性?他の肺炎?他の肺疾患?=通院治療か入院治療か・・・こうした判断の中で肺CTの占めるウェイトが高いのが判るでしょう。」

●排すべきはコロナの政治利用 ・・・A氏は、こう続けています。

「東京も陽性者が40人/日とかに減ってきたので、宝くじで2等1000万円~3等100万円位の幸運でもないと、コロナには当たれません。毎日欠かさず通勤で『越境』している眼で観ると、この数日で人心がコロナ恐怖から離れつつあるのが良く判ります。

あと1週間で大分変わるかも知れませんが、悪と闘う希望の党首(元)様からすると、もう少しコロナ星人にはヨウセイで居て欲しいワ~…とマスクの下で星に願いをかけているかもしれません。」

ここまでお読みいただいて、どうお感じになったでしょうか。「専門家」ではない私には責任ある断言はできませんが、A氏の見方の正しさについて、その蓋然性は指摘できます。経済崩壊で増える自殺者数がコロナ死者数とは桁違いになる可能性は否定できません。


「専門家」やメディアと組んで、「正しく」ではなく異常に国民を恐怖に陥れ、財源が豊かな自治体だけができる潤沢な補償を税金でバラ撒いて有権者に感謝させ・・・かくも壮大なる選挙活動が本当に行われているとしたら…決して考えたくないこと。そうでないことを祈りつつ、いずれ「コロナ騒ぎ」の真相が明らかになる日が来ることを期待しています。

このGW中に松田政策研究所チャンネルでzoom対談をした元アクセンチュア社長の海野恵一さんが、番組でこんな皮肉を言っておられました。

「アベノマスクには安倍さんの気持ちが現われている。マスクなんて本当は要らない。でも、専門家が色々言うから、スカスカの小さなマスクを配布した。私の気持ちを分かって欲しい・・・と。安倍さんはトランプやブラジルのボルソナロ大統領なのだ。」

新興国で感染爆発が勢いを増しています。水際措置はがっちりと固め続けねばなりません。その意味でも、コロナ対策は長引くと予想されるなかで、中国(+北朝鮮?)が、これもコロナの政治利用か、欧米の間隙を突く動きを強めています。武漢とも欧米とも状況が圧倒的に異なる日本には、独自にできることがあるような気がしないではありません。

もし、前記のマスクの皮肉がただの皮肉ではなく、本当だとすれば、安倍総理はトランプやボルソナロとも異なる、歴史に残る賢人政治家になることでしょう。ただし、専門家会議の軛から脱して、その賢人ぶりを政治決断で発揮するときが来れば・・・ですが。その日は意外と遠くないかもしれません。

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