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  • 執筆者の写真松田学

国家の新しい役割は自由社会を守ること~コロナパンデミックと動画削除が示す全体主義への危険な兆候~

本日から緊急事態宣言がようやく明けました。振り返ると、これにどんな意味があったのか。感染者数を政権支持率と連動させるようしたのも国民に蔓延した「コロナ脳」。感染者数は緊急事態宣言とは無関係に増減するものですが、政権としては、この数字と政府の対策とを関係づけることで、支持率低迷を打破する以外に道はないのかもしれません。


今回の宣言終結もその流れに即するものといえますが、いずれ4か月もすれば再び「山」になる可能性があります。東京五輪の頃…!?いつまで続く?こうしているうちに危惧されるのが、もう一つ別のもっと恐ろしいコロナ脳の蔓延ではないかと懸念します。


それはすでに始まっています。皆さまにご愛顧をいただいている松田政策研究所チャンネルでコロナ関係の番組が2度目の強制削除を受けました。その詳細と今後の対応については本メルマガで告知していますが、当チャンネルにまでこうした「弾圧」がされたとなれば、日本の言論の自由に対する重大な侵害が着々と進行していると考えざるを得ません。


今回のコロナパンデミックで、これから求められる国家の機能としての「自由社会を守る」ことが浮かび上がったようです。これは従来の多くの日本人の感覚とは逆かもしれません。しかし、世界で起こっているのは、私たちにこうしたパラダイムシフトを強いる深刻な事態です。ここからどうやって日本を守るのか、ことは急ぎます。


●緊急事態宣言を振り返ると…懸念される人々の心性への潜在的な影響

一人で入ったレストランでコース料理を注文したところ、最初に出てきた食前酒を飲むためにマスクを外したら、店員からマスクを外すなと注意された、理由は、当店は食事の時以外はマスク着用をお願いしている、食前酒は食事の前に出すものなので、まだ食事は始まっていないと…これはある高名な有識者がご自身のFBにアップしていた内容です。長引く緊急事態宣言のなかで日本人の常識が狂っているようです。最近では、細かいことにも極端な非寛容さが目立つ風潮が日本社会で強まっているという声も聞かれます。


今回の事態で世界的に起こっていると懸念されるのは、国家が国民生活の一つ一つの所作にまで介入する「統制」ということが日常化し、それに慣れてしまうことで人々の心性に潜在意識のレベルで微妙な変化が生じている可能性があることです。


これから人類社会も日本も色々な意味での危機管理が問われてくるので、今回は練習だという見方もあるかもしれません。ただ、その際に大事なのは、きちんとした論理による科学的な根拠であり、それに基づく国民への明確な説明と納得感の形成です。こと日本についていえば、ファクトに基づかない非科学的な対策が国民の納得感を伴わず、その状態での理不尽な統制が国民の健全な判断力まで萎えさせているのではないか…。


前回の本欄でも指摘しましたが、昨日まで続いた緊急事態宣言を振り返ると、これは菅総理が判断を誤ったことによる失政だった可能性が高いといえます。安倍前総理のブレーンとして現在も政権中枢に日常的に進言を続けているO氏は、昨年のGotoトラベルの中止こそが、内閣支持率が大幅に低下し、菅総理を危機に追い込んだ元凶だったとしています。


これも前回の本欄で述べたことですが、この一年のデータを丹念にみてみれば、緊急事態宣言や外出抑制などは感染者数の増減にはほぼ無関係。感染抑制には効果がなく、いったんここまで新型コロナウイルスが蔓延した以上、人間の行動如何でどうなるものでもないようです。そのなかで、菅総理が推進していたGotoトラベルは、感染拡大の要因となっているエビデンスがないことは、菅総理ご自身が明言していたことでした。


●Gotoトラベル中止が転落のきっかけ…なぜ感染が年末に増えたのか

これはO氏が一年も前から述べてきたことですが、安倍前総理も加藤官房長官も、本欄で何度かご紹介した上久保靖彦先生からレクを受けており、私が本欄で何度もお伝えしてきた新型コロナの真相についての認識とほぼ同じ認識を共有しています。これは菅総理もそうだということ。また、医療の臨床現場の医療人たちからは、松田政策研究所チャンネルで新型コロナについて発信してきた内容について、「全くその通り、しかし立場上言えない」との声が次々と寄せられ、いつも動画の配信を楽しみにしている方も多いようです。


政権も現場も分かっている。分かっていないのは、メディアの煽り報道しか情報源のない一般国民。だからこそ、私は当チャンネルなど、さまざまな機会に新型コロナに関する発信を社会的使命と心得て継続してきました。


菅総理がGotoを推進した背景には、コロナの真相がある程度分かっているということがあります。やはり政治家は時の政治力学やメディア世論に敗けて信念を曲げてしまっては、かえって後でツケが大きくなるということでしょうか。Goto中止の決断を受けて、安倍前総理は、なぜあんな判断をしてしまったのだろうかと述懐していたそうです。


旅館を始めとする施設が徹底消毒され、旅行者も気を付けながら時間を過ごすことになるGotoトラベルの中止と、政府や自治体からの年末年始ステイホームの要請で、何が起こったか。家庭内での感染爆発です。自宅では誰もが警戒を解いてしまいます。感染が広がる→家にいろとなる→結果として外で広がったウイルスを家に持ち込んで長時間の濃密な接触を通じて家庭内感染が発生する。そして、予定が急遽、中止となって時間を持て余した人々が、自宅そばの駅前繁華街などにどっと繰り出しました。


東京都などでは感染は年末にピークに達し、年明けの1月5日ごろに陽性者数はピークに。そこで医療崩壊の懸念が叫ばれ、これも昨年の春の時と同じく、陽性者数がピークアウトしたあとで、1月7日から緊急事態再発令となりました。いったん始めると、なかなかやめる決断というものはできないものです。東京都知事たちの政治的パフォーマンスに振り回され、結局、昨日まで続いてしまいました。それによる経済的、社会的、精神的な各般にわたる国民損失に触れる必要はないでしょう。


総理自身の看板政策であるGotoが撤廃に追い込まれたことが、菅政権の勢いを決定的にそぐことになったのは、ある意味、当然の出来事でした。メディアは政権批判を強め、野党が便乗し、文春砲の炸裂とスキャンダルで、その後、国会もかつての「もりかけ桜」状態になっているのはご存知のとおりです。


ではなぜ、菅総理はそのような判断をしてしまったのか。O氏によれば、安倍前総理の場合、耳の痛い直言をする側近やブレーンに恵まれ、時には口論になっても周囲の発言に耳を傾ける姿勢が安倍氏ご自身にあったのに対し、菅総理の場合、そうしたブレーンに恵まれない孤独さがあるのではないかとのこと。民間有識者から意見は聞いても、心を許して菅総理をサポートする体制はできていないという指摘です。確かに、官房長官時に、気に食わない官僚は人事で制裁してきた菅氏には、異論を言いにくいすごみがあるのは事実。


では、どうすればよかったのか。家庭内感染を別にすれば、感染源のなかで圧倒的なのが高齢者施設と病院です。飲食店は他の感染源と五十歩百歩。しかも、空気感染というよりは排便であり、物理的付着です。ファクトに基づいた真に効果的な対策とは、国民の外出制限や過剰なまでのマスク着用(特に子どもや高齢者の脳に悪影響)ではなく、施設や病院に対策や予算配分を重点化し、トイレの徹底消毒と正しい知識に基づいた予防対策の国民啓発をすることでした。


●具体的な理由の開示なき強制削除が招くのは言論の自由の抑圧

こうした真実を国民に伝えることで、命と健康と日本の経済社会を守り、科学の発展にも寄与することを社会的使命と心得て、新型コロナ関係の動画を次々と配信してきた松田政策研究所YouTubeチャンネル(以下、MPIチャンネル)なのですが、3月18日(金)の夜、このMPIチャンネルにて昨年12月に公開された新型コロナを題材とする動画がYouTubeのコミュニティガイドライン違反とのことで強制削除されました。YouTube側からの削除理由は「誤った医療情報」との通知があるのみです。


これは、以前、本欄で取り上げた2月の強制削除に続く2回目の措置であり、今後3か月の間に3回目の強制削除が起こると、このMPIチャンネル自体を閉鎖するというのが、YouTubeのルールであると通告されています。前回の削除は、当チャンネルで新型コロナの真実についてわかりやすく冷静に語っていただいている井上正康・大阪市立大学名誉教授が、視聴者からの質問に丁寧に答えている人気番組でした。


YouTube側が削除理由を、具体的にこの発言についてこういう理由でというかたちで全く示していないため、前回も今回も、何が「誤った医療情報」と判断されたのか不明です。

問題は、こうした発信局の存亡にも関わる重大な措置を講じておきながら、その理由を明確に開示しないこと。国であれ自治体であれ、国民の自由を制約することになるものである行政処分を行う場合には、必ず、事前に警告と聴聞の機会を設けるのが現代民主国家としての基本常識です。少なくとも、この番組のこの部分がこのような理由でガイドラインに反しているとの警告を出し、一定時間内に対応しない場合には削除するとし、削除となった場合でも、示された理由について合理的な反論が発信側からなされれば元に戻すなどの余地を与えるべきでしょう。


新型コロナに関して世界中の学術論文を読みこなし、そうした根拠に基づいて最先端の見識を専門家である井上先生が話している以上、専門外の発信局の立場としては、何がガイドライン違反なのかを判断することなどそもそも不可能です。理由の開示がなければ何も対応できません。こうした漠然姓が何を引き起こすかといえば、言論の封殺です。


●困難化する知的資産の共有~言論の自由と公益は守らねばならない(MPIの対応)~

局自体を閉鎖のリスクにさらすわけにはいきません。当MPIチャンネルは、新型コロナのプロパガンダを目的とした局ではありません。経済社会全般にわたる本質的な諸課題や政治、情報技術などの知識から文化まで、幅広く国民に知の共有を促すという公益目的で活動している政策発信局として、登録者数19万人を超える、すでに多くの国民から高い評価と期待をいただいている言論の舞台です。これを守るという社会的使命に鑑み、新型コロナを主たるテーマとする動画番組54本を、直ちに非公開とせざるを得ませんでした。


自画自賛するわけではありませんが、これら番組は、国民の健康や命、医学や科学の発展の上で日本にとって重要な知的資産とも位置付けられています。さっそく、あまりにもったいない、残念だ、いつも当MPIチャンネルのコロナ番組を繰り返し見ている、多くの知人とも共有し、希望を感じてきたのに…といったお声から、プラットフォーマーの横暴だ、言論の自由への弾圧に断固として立ち上がろう…といった憤怒の声まで、色々な反応が次々と出ている状況です。


医学は経験によって進歩する分野。何が正しいかは日進月歩で変化していきます。だからこそ、さまざまな見解が出されることで研究が深化し、これが人類を守り、科学を進歩させていくことになるはずです。これに反する事態を招く措置を講ずるYouTubeは、人類の福利や科学の進歩を阻害しても、何か特定の立場や利権を優先する立場なのかと疑われても仕方ないかもしれません。


すでに番組削除や発信局閉鎖の措置を受けてきた発信局は、日本でも多数にのぼります。それらの理由はわかりませんが、上記の姿勢でリアリズムと科学的根拠に基づきながら真面目な発信を続けている当MPIチャンネルにまで弾圧の手が伸びるということは、今後、他の分野についてもどこまで何を言えば大丈夫なのかという問題になっていきます。言論全体を委縮させることになるでしょう。


松田政策研究所としての対応については本メルマガでも告知しているとおりです。世界的なSNSプラットフォームとしての公共的な機能に期待していた側としては誠に残念ですが、YouTubeがそれとは異なる方針である可能性がみえてきた以上、日本の言論の自由を守るために、今後、他の分野でも公益のために大事な内容を擁する番組については、日本独自の会員制チャンネルで発信せざるを得ないかもしれません。しかし、その拡散力はYouTubeより大きく劣っており、この事態は国民的な損失にもつながりかねないと思います。


そもそもMPIチャンネルはYouTubeのガイドラインに反する発信をする意図は当初より全くありません。2回目での削除の対象となった番組は、もう3か月も前の配信なので、私も忘れていたぐらいで、過去にさかのぼって削除されると、大量の番組を発信している側としては、ガイドラインを守ろうにも対処のしようがありません。ましてや理由も不明でしたので、お手上げ。そのようななかでおぼろげながら見えてきたのは、ワクチンの問題です。その番組には、井上先生によるワクチンに関する発言が概要欄に出ていました。概要欄は特にチェックされやすいとも耳にします。その記述内容は後述のとおりです。


もしワクチンが問題なのだとすれば、当MPIチャンネルはワクチン関係の発言は副次的に出たものに過ぎず、きちんと理由を開示すれば、自ら削除するなり、今後は触れないなどの対応はしたはずです。理由が不明なため、もっと大事な言いたいことまでが発信できなくなることが問題だと考えています。


●井上正康先生のコメント~やはり利権があるからなのか…?

以下はワクチンに関する井上先生のコメントですが、論はこのあとさらに続きますので、お時間の無い方は、本節は読み飛ばしていただいて結構です。


井上先生は常々、変異が激しいRNAウイルスについては、ワクチン接種が(何か月以上経ってから)変異株によるADE(免疫依存性感染増強)によるサイトカインストームを起こす可能性があることが、17年前のSarsの経験でわかっており、以後、RNAウイルス(今回の新型コロナもそう)についてはワクチンの開発は禁止されてきたというのが、世界的な医療界のコンセンサスであると述べておられます。


今回の事態を受けて井上先生からは次のメールが届いています。「医学的には多くの医師仲間からよく言ってくれたとの賞賛こそあれ、全て医学論文を基に発信しており、これまで医師仲間から内容の不備を指摘された事はありません。ワクチンは大変大きな利権が絡む分野であり、利害関係者が狙うことも充分あり得ます。表現が過激な方の場合は消されることもあるかと思っていました。しかし、まさか我々の様に感情的表現を抑えて極めて論理的に説明している物がターゲットになるとは思いもしませんでした。」


概要欄に出ていた井上先生のコメントは次のとおりです。


「今回のワクチンは摂取したウイルスの遺伝子により体内でスパイク蛋白を作らせ、それに対する免疫反応を誘導するという全く新しい方法です。ウイルス遺伝子をヒトの細胞内に注入するワクチンは人類初の試みであり、副反応(副作用)に関しては不明です。ウイルスの遺伝子がヒトの遺伝子に組み込まれる可能性(→これが『遺伝子改変』に相当するものです)もあり、その影響に関してはやってみなければ分かりません。既に集団免疫状態を獲得している大半の日本人には、インフルエンザよりリスクの少ないコロナに対して副反応不明の遺伝子ワクチンを慌てて摂取する必要は無く、海外の状況を見ながら、必要な医療現場や国境を越える際などで限定的に利用すべきです。」


次は、アストラゼネカ製のワクチンで海外で副作用の問題が出ていることについて、井上先生が私にメールで送ってきた内容です。


「私も今回のワクチンで血栓症や循環系の副反応が出ていることに注目していました。これまでは『ACE2を介して血管内皮細胞に感染したウイルスが細胞を障害することにより血栓が形成され、それが血栓症、サイトカインストーム、その他の症状を誘起している』と考えていました。今回のワクチンは『体内で合成されたスパイク蛋白が免疫系を活性化するものであり、当然ACE2受容体にも作用して血液凝固系や循環系にも作用しうる』と考えるのが自然です。今回の遺伝子ワクチンの副反応が『頭痛、悪寒、発熱、筋肉痛』など、風邪の症状に酷似しており、『体内で合成されたスパイク蛋白がACE2受容体と結合することにより、この様な症状を誘発している可能性』が考えられます。これは『風邪の症状のメカニズムを分子レベルで説明できる分水嶺的情報かもしれない』と思っています。」


「しかし、実験データが無いので、今後の副反応の推移を見守る必要があると考えています。それにしてもEUの多くの国々でアストラジェネカ社製ワクチンの接種が一時中断され続けており、『これほど安全性が不明確なワクチンをWHOや政府が世界的に推奨していること』は医学常識を無視したものであり、正気の沙汰とは思えませんね‼︎ やはり、これは何か大きな背景で動いているかとしか思えませんね。」


●異常な規制で人間性の否定が蔓延する人類社会

大事なのはここから先です。以下は、ドイツ在住の川口マーン恵美さんのコラムからの引用です。日本と同様、規則には従順に従うドイツ人たちも、国民が大変な目に…。


「ドイツでは、11月から続いているロックダウンが、何度も延期され、まだ解除されない。ドイツと同じぐらいの感染度の国で、これほど厳しいロックダウンをかけ続けている国は、ヨーロッパには、もうない。イタリアはドイツよりも新規感染者の比率は多いが、レストランはとっくの昔に開いている。(ドイツでは)州によっては、公園のベンチに座ることも、遊歩道の途中で立ち止まることも禁止という厳しさだ。先週末は春を思わせる暖かさで、多くの人が戸外に繰り出したが、ベンチに座って休憩している老夫婦や、ひだまりに座って談笑している若者たちを、見回りの警官や警備員が先に進むように促している光景がニュースで流れた。規則を破ると罰金も取られる。」


「ロックダウンの影響はすでに大きく、小売業、観光業、飲食業の多くが倒産寸前と言われている。また、友人や家族と会うことを禁止されている国民や、学校に行けない子どもたちも、もうすでに精神的に限界だ。基本的にロックダウンは3月28日まで継続される。実施される段階的な解除として、例えば2世帯の大人5人までが集まっても良いことになった(子供は5人の数には含まれない)。」


「しかし、これではまだ、3人兄弟が集まったり、姉妹二人で一人暮らしの親を訪ねたりはできない。子どもたちが家に閉じ込められている弊害の方を警告している教育関係者はすでに多い。一方で、4月までロックダウンを緩和すべきではないという意見の医学者もいる。ここまでロックダウンが長引いてしまったら、規制が緩和されても生活が正常に戻るまでには長い時間がかかるだろう。健康な人や子供たちをこれ以上家に閉じ込める理由は希薄だと感じる。せめて4月初めのイースターのお祭りまでには、子供たちがロックダウンから解放されていることを望んでやまない。」


お隣のフランスでは、ロックダウン命令をきかない国民が多数だとか。「食べるために働く」ラテン系の人々と、「働くために食べる」として食べ物のことをLebensmittel(直訳すると、生きる手段)と呼ぶドイツ人との国民性の差が出ていて興味深いものがあります。

ただ、親しい人たちと楽しく会話しながら食事をするためにこそ働いているのだというのが、人間の本性ではないでしょうか。「黙食」を強いられ、人間としての在り方まで否定されることを受け容れているうちに、私たちの精神までが何かに侵食されていかないか…。


●やはり世界ではグローバル勢力による何らかの力が働いている?

私はかねてから、陰謀論は排するという立場を貫いてきましたが、前述の井上先生のコメントにもあるように、残念ながら、今回の強制削除の事態には、このパンデミックにはやはり何かの力が働いていると思わざるを得なくするものがあります。だいぶ前に本欄でご紹介しましたが、某ドイツの専門家が著書で紹介している、ドイツ内務省からネットに流出して消去された次の文書が改めて想起されます。


「新型コロナで死ぬということを、ゆっくりと溺れ死ぬイメージで、詳細に記述することで、人々を恐れさせる。死を、緩慢な窒息死によってイメージすることは、極端な恐怖心を喚起する。子供たちが、死のウイルスを気づかずにまき散らし、親を殺す危険な感染症であると人々に告げる。新型コロナ感染の後遺症に関する注意喚起を拡散する。それが正式に証明されていなくても、人々を怖がらせることになる。」このことを国民が知るドイツでは100万人を超えるデモが起こった。著者によれば、こうしたプロパガンダが今回、世界的に展開され、各国政府やマスコミを動かしているとのこと。


米国でも、バイデンが大統領になりましたが、世論調査では、トランプ支持者の75%がバイデンが大統領選で正式に選出されたと信じていないだけでなく、バイデン支持者の33%もがバイデンが勝ったと思っていないそうです。トランプ敗北はコロナと、これに乗じた不正の陰謀が原因。多くの米国民がメディアやSNSの偏向に気づいているようです。


歴史的にみれば、自由主義の権化にみえる米国も、かつては社会主義のメッカだったとか…。いずれバイデンに代わり政権を主導するとされるハリス副大統領は極左として著名。いまでも世界同時革命的な動きを見せる左翼勢力や、中国共産党の米国にまで及んでいる情報戦、世論戦などのSilent Invasion、そして中国の巨大な市場や膨大な情報にアクセスしたいGAFA…。これに国際金融資本が登場するディープステート論までは私にはわかりませんが、国家というよりも、何らかのグローバル勢力によって、世界が全体主義的な統制へと追い込まれているとする主張の状況証拠には、それを否定しきれないものがあります。


●保守主義が担うべき「自由社会を守る」という新たな国家の役割

トランプ大統領のSNSアカウントが閉鎖された際は、あのトランプ嫌いのメルケル首相までが、そうした言論統制に激怒し、規制は法に基づいて行うべきものと述べていました。法といえば、それを定めて執行するのは国家であり、民主主義によって選ばれた政府です。


特に日本人の場合、不幸な戦争の歴史のトラウマから、国家とは個人の自由を侵害し、対立する存在だという認識がことさら強く、それが他の先進国と比べても異常な左翼的な論壇と政治的影響力を生み出し、こんにちの国力衰退の大きな原因となりました。これに対する保守主義は、論壇においても政治勢力としても、戦後、極めて脆弱であり、まとまりに欠いていた状況を打破しようとしたのが安倍政権でしたが、道半ばに終わっています。


いま自民党内でも少数派となっている保守勢力の台頭こそが、国の安全保障の上でも真の経済再生の上でも日本の政治の喫緊の課題であり、私もそれに向けた活動に微力を投じているところです。


その主要なテーマが、グローバル勢力から自由と民主主義を守るという新たな国家の役割の提起なのではないか…。そもそも保守主義は国家を大事な価値とする立場です。これは、従来の右か左かという政治からのパラダイムチェンジであり、停滞した日本の政治に新風を吹き込むことになるのではないかと考えています。自由社会を守るための国家です。


●まずは日本独自の言論プラットフォームの構築から

まずは、国民の言論の自由を守るために、GAFAとは異なる日本独自の言論プラットフォームを早急に構築すべきではないでしょうか。そもそも日本が、その育成に失敗してきたことが大きな問題でした。前述のようにYouTubeに比すれば圧倒的な拡散力の差こそあれ、官民の協働によりこれを成し遂げる努力は始めたほうが良いと感じます。


ただ、聞くところによると、巨大なサーバーを運営しなければならないYouTubeは、Googleのなかでも赤字部門だそうです。だからこそ、背に腹は代えられずに広告主の意向に支配されがちな民間企業ではなく、国が一部出資して民間の資金を募る官民合同の中立的な形態が必要になるのかもしれません。たとえば、国は言論活動には介入しないことを原則に、公序良俗違反など特定のやむを得ない場合には、それこそ法に基づいた透明で公正な規制を行うルールを、私がこのコラムでお示ししたようなYouTubeの現行のやり方の弊害なども踏まえて構築するのが、一案ではないかと思います。


菅政権がポストコロナの重点政策としてデジタルとグリーンの二本柱を掲げていることは、来年度政府予算案などからも明らかですが、現在の国際社会の動きのなかで喫緊の課題になるのは、同じデジタルでもプラットフォームの構築でしょう。これは中国が近く、デジタル人民元の実用化で世界に新しい通貨プラットフォームを生み出し、それをもって覇権を完成させようとする動きを示していることに鑑みても、日本の国家戦略として一刻の猶予もならない課題だろうと思います。


通貨のプラットフォームについては、私は「松田プラン」を提唱しています。まだ詳細は明らかにできませんが、それをも視野に入れたデジタルアイデンティティ基盤の構築を事業として進めているところです。


もう一つ必要になったのが言論のプラットフォーム。これから政界要路にも提起してまいりたいと思います。

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