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  • 執筆者の写真松田学

コロナはこれからが本当の戦い、現場からの総理声明案~安倍総理は任期延長か~

人類社会をストップさせた新型コロナ問題も次の局面に入り始めました。日本はもう集団免疫が達成されていると言っても良い状態なのに、安倍総理が政治決断できない構造的な問題がある!!もちろん油断は禁物です。局面が移行するからこそ、これからが難しい。世界では混乱は継続、経済回復まで数年の覚悟が必要かもしれません。日本には国家路線の修正も含め、新たな課題が突き付けられたようです。安倍総理の四選も必要な状況か・・・。


新型コロナを巡っても毎日のように、安倍総理や加藤厚労大臣と連絡を取り合っているのが総理のブレーンとしても知られる文芸評論家の小川榮太郎さん。松田政策研究所チャンネルの対談で、彼から「やはり」と思わせる話を聴くことができました。こんな議論を紹介すると、これまで、規範文化とメディア報道に染まった人たちから私も叩かれたりもしたものですが、ここ3カ月、色々な分野の方々と議論を重ねて得られていた私の感触を、もはや、安倍総理や加藤大臣も共有している可能性がありそうです。今回は、小川さんの語ったことを敷衍して、これまで日本で何が起こっていたのか述べてみたいと思います。


こんなときに、日本ではそもそも層の薄い「専門家」の会議に国の命運を委ねているわけにはいかなくなりました。現場の心ある本当の臨床の専門家から、自分が総理大臣だったら、いま、こんな声明を国民に発出する・・・!!代わって私がお届けします。


●「専門家会議」で示された日本の構造的な欠陥

新型コロナでこれまでとは全く異なる新しい大課題が生じた結果、来年9月で店じまいを考えていた安倍総理も、そうはいかなくなっているようです。次のテーマに向けて国民の信を問う解散総選挙の可能性も否定できない・・・。そう述べる小川榮太郎氏は、今回の自粛緩和に向けた判断につき、安倍総理や加藤大臣にも進言するところが多かったようです。


一連の対応について、安倍総理が判断を委ねてきたのが「専門家会議」でしたが、そもそも感染症の専門家が疫学的にどう数字を読むかという点において、その層が日本では非常に手薄だったようです。危機管理の観点からの厳しい判断であれば、専門家よりも政治家が先に断を下せます。安倍総理による2月末の全国一斉休校要請などがそうでした。これは専門家会議に先駆けての政治判断で、正しかったといえます。


しかし、4月中旬以降は、もう感染拡大は終わっており、10日過ぎから感染爆発の可能性は100%近くなかった。だとすれば、これには収束の政治決断が必要でした。


しかし、専門家の判断抜きに、政治家の独断ではできない問題でもありました。専門家の層が手薄だと、セカンドオピニョンが取れません。現に、専門家会議には批判があまり出てきませんでしたが、これは他の専門家が遠慮しているからでもなかったようです。そろそろおかしい・・・との声は出ていましたが、専門外からの声が多かったのは事実。科学的な専門家は所属研究所との関係などもあって言いにくいということもあるようです。


新型コロナが元々は普通の風邪のウイルスであるところが厄介です。「武漢株」、「欧米株」…後者も米国と欧州では異なります。ものすごく変異をしているようです。日本では未解明の土着亜種コロナでの陽性反応の問題もある・・・。真のゲノム解析が必要です。


いずれにしても、従来、日本では感染症は克服している前提でした。今回の教訓は、それはまだ生きた問題だということ。米国CDCのように、多くの国々では専門家は政治的にも統制がとれており、米国も韓国も台湾も政治責任をドクターたちも負う体制ができていますが、日本にはかなり根本的な制度欠陥があったようです。


●一種の集団免疫的な状況への判断ができなかった背景

今回、はっきりしていることの一つが、日本の人口当たり死者数が欧米の数百分の1に過ぎないこと。これには、よく言われるような衛生状態とか国民皆保険制度、島国、さらには国民のご協力で外出自粛によって抑え込んだなどといった要因では説明できない、何か疫学的な理由があるとしか考えられません。(欧米はもっと厳しいロックダウンでした・・・)どうも、日本で起こっている現象は「世界の謎」とされているようです。


小川氏によれば、京大の上久保教授が詳細な集団免疫説を出したそうで、それによると、日本は早期に、武漢の初期型の段階で集団免疫を達成していたとのこと。それが収束しかかっていたときに第二波が欧米から来た。確かに、武漢で爆発する直前まで、日本は世界で最も中国との行き来が多い国で、3か月で300万人もの中国人が来ていました。感染爆発が起こるなら、2月中旬に起こっていたはずだ、3月上旬まで日本の国境は緩かった、欧米からも止めたのは3月末、集団免疫ができていなかったら爆発していたはず・・・。


ただ、この欄でもこれまでご紹介してきた某国立大学病院の現場臨床の名医A氏によれば、そんなに短い期間に集団免疫ができるはずはないとのこと。日本には以前から弱毒性ウイルスが中国から入り、これが免疫力を高めていたとの説を始め、何らかの固有の免疫保有状態の可能性は否定できないとしつつも、A氏はやはり、遺伝子構造未解明で変異を繰り返している日本土着のコロナウイルスにPCR検査が陽性反応しているケースが多く、武漢も欧米も水際で一応、抑えられているという見解です。(詳細は後記ブログ記事に記載)。


いずれにせよ、この一種の集団免疫的な?状況が日本で現実に生じていたにも関わらず、「クラスター追跡」がうまく行っているという話に議論がずれていたのは事実。感染症への体制が不十分な日本では、これに頼るしかない、クラスター班の頑張りはスゴイ、とされた状況が逆に、それでは間に合わない状況に至ると、「日本は大変だ・・・」に行ってしまう原因にもなったようです。接触率8割減を専門家会議の了解もなく総理に吹き込んだとされる北大の西浦教授が二者択一的な発想で考えたのが、4月の迷走につながった・・・。


行動制限と外出を控えなさいということは、本来、異なる話です。生真面目な日本人は、とにかく外に出られない、となりました。そこで(選挙への思惑で英雄気取りをしたい?)首長の判断が出ました。飲食店は8時まで・・・?これはほとんど飲食店いびりのようなもので、銀座などで高齢者にうつるのは仕方ないでしょう。志村さんは六本木だった?女性たちがはべる夜の「クラブ活動」は濃厚接触の「三密」そのもの。しかし、飲食を8時締めというのは科学的根拠があるのか?距離さえ空ければよいのであり、それでやってくれ、で良かったはず。「自粛警察」のような空気まで生まれ、国民はますます委縮状態に・・・。


やはり、データはちゃんと出たのか、8割接触減は合理的なのか、専門家会議として熟議の上で政府に上がっていたのか。単発的に上がっていたのなら、これは制度上の問題になります。けじめが必要でしょう。閣議も与党も関わっていませんでした。


●外交も国内体制も新しい課題が噴出、安倍総理は辞められない・・・

あの評判の必ずしもよくない「緊急経済対策」も小川氏によれば、感染の状況の読みが毎日変わってくるなかで、ギリギリの判断が遅れたようです。政権の「幕閣」たちは新聞の「首相官邸」欄をみても毎日同じメンバーが集まっているようですが、自民党の議論とのパイプ役があまり見えない、そこに判断ミスがあったとのこと。


これは安倍政権の強みと弱みに関わる問題でもあるようです。そもそも「霞が関全体と自民党を丸抱えして動かすことに強い政権ではない。外交はうまくいく。外交は自民党や外務省とやる話ではない。足回りを軽くしないと決断できないというのは外交では正しかったが、霞が関全体を動かすという発想は当初からなかった。ここまでの長期政権とは、当初は考えていなかった。一度挫折した政権。今度はそれを防ぐ、絶対に信用できる側近だけでやる。(官邸を動かしているとされる)今井、北村の両名のような人たちは、安倍政権に人生を託している。その意味では手堅いが、官邸と霞が関の間では目詰まりを起こす。」


新型コロナで安倍総理の政治日程がすっかり狂ったのは事実です。五輪ばかりか、憲法改正も目途が立たなくなりました。ここで出てきているのが、日本の国際的な外交ポジションをどうとっていくか。習近平の国賓待遇は無期延期かもしれません。これから7月に向け、世界中が習近平の政治責任に向けて動くでしょう。トランプは選挙の真最中、ぶっ叩きまくる時期です。世界中が中国にモノ申して、新しい秩序づくりを始めるでしょう。


中国も含めたグローバルな体制は見直すということがコンセンサスになってきます。日本は「中国にも配慮しながら」というバランスの見直しに入らざるを得ない・・・。外交路線だけでなく、これまでの判断を変更せざるを得ない新しい政治課題が多数出てきました。


そんなときに安倍総理の後継者・・・?内政面では、強力な責任者を置いて感染に対処する体制構築が急務です。今回、現場ではデータの問題も出てきました。マスクのマッピングすら日本にはない。医療行政はIT時代になっていない、まさに「現場」だけ。今回は土着コロナか集団免疫のような「神風」が吹いたようですが、次は耐えられないでしょう。


三選で勘弁・・・、これが安倍総理の本音。ストーリーを閉じてバトンタッチできるところまではやったという思いがあったのに、コロナが出てしまった。客観的にみると続投しかないかもしれません。特に感染症の場合は、過去の例をみても2~3年かかり、3年目に総合的な収束が世界で図られるもの。今まで以上にG7vs中国で、どこまで足並みを揃えられるかを再構築する必要があります。習近平自身も国内でどうなるかわかりません。


小川氏は、いったん完成したストーリーが崩れた瞬間に、任期切れが差し掛かっているという面倒な話になっていると述べています。上記のような新しいテーマを掲げ、今年の秋ごろ?にもコロナが少し落ち着いた状況を見計らって、安倍総理が衆院解散の挙に出ることは十分に考えられます。四選の任期をフルにやらずとも、コロナの収束までだとして、10年の政権にはなる…。これは空前のことですが、総理の気力は充実、切れも衰えていないとのこと。必要なら1年でも政権は延期か。


●世界が立ち直る日は遠い・・・再構築へのチャレンジはいまからが正念場

さて、「専門家」については、もともと医学の世界には独特の縄張りがあるようです。通常、政権を担うのは文科系人間で、財務省や経産省が相手なら、どこをどう押せばどうなるという感触があるものですが、こと医学となると地図が分かりません。そこで、厚労省から推薦されたままの名簿になったようです。これから日本でCDCを作るとしても、例えば東大が強いならそれ以外の先生が意図的に排除されてしまう可能性があります。


この技官の世界の学閥という問題は、官僚機構の硬直性の原点のようなもの。平時ならそれでも済んだかもしれませんが、緊急事態には・・・。こんな問題をクリアーしながら強力な体制を創るには、政権が色々と学習しなければなりませんが、いまはその暇はない・・・。


自分が総理大臣だったら、いま、こんなメッセージを国民に出す。A氏が声明案を私に送ってきました。免疫や血清療法などに関してもA氏の見解を付記しています。本欄の最後に貼ったURLを開けて、ぜひ、お読みください。


海外からたゆまず情報収集をしている元アクセンチュア代表の海野恵一さんによれば、活動を再開したパリでは、レストランの客は半分。スペースが半分だからです。お客さん全員に検査をしないと元に戻せず、これでは店として営業を続けることは不可能でしょう。欧州ではロックダウンが終わっても、外に出る人、旅行に出かける人、レジャーを楽しむ人が激減しているようです。人々の心に大きな変化が生じています。


これは消費者マインドの停滞という経済にとっては最悪の事態。簡単には元に戻らない・・・。免疫に関する疫学的な証明?→諸説の学術的な立証と定説の確立が必要。国民全員検査の達成?→技術的な困難を乗り超えることが必要。特に日本ではPCR検査の信頼性の問題があります。抗体検査もどうなのか・・・。特効薬の開発?→既存薬の適用を超えた真の特効薬開発は容易ではなさそうです。国民全員ワクチン?→効かない人がいますし、かえって悪化する人も。それらの課題のいずれかが克服されるまで、経済は停滞を続けるのか。下手をすると3~5年かかるかもしれません。


リモートワークへの移行で都心に構えたオフィスの解約が進むのは、世界的な傾向。不動産市況が低迷すればどうなるか。特に日本の場合、不動産担保融資が未だに主流です。新たな資金循環の確立やデジタル化された担保価値の構築が、不況回避の上で急務です。


緊急事態を解除しても、まだ終わらないどころか、新しい課題が山積。国内の体制も外交路線も、抜本的な再構築が急がれます。39県以外は「巣籠り」我慢をまだ続けなければなりませんが、できるだけ早く動けるところから動いていかないと、日本は次を拓けないのではないか。問題は経済崩壊にとどまらないと思います。

「専門家/医師として緊急事態宣言解除に伴い発出が望まれた声明」こちらです↓

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