• 松田学

PCR検査と普通の風邪~経済社会のメルトダウンを防ぐために~

パンデミック宣言に世界的な株価下落…、モノとヒトの流れが止まり、いよいよカネ回りも止まれば、資金繰り難から倒産、失業、社会機能の破壊、そして多数の自殺者…。新型コロナの犠牲者が感染者以外にも及び始めようとしています。もはや、感染症に対する危機管理を超えて、経済や社会を含めた総合的な視点から人類社会のメルトダウンを防ぐための危機対応が必要な局面か…。そこで必要なのは優先順位を踏まえた分野横断的なバランスですが、恐ろしき未知のウィルスを前に、そうした決断は容易ではなさそうです。


先週3月14日に安倍総理は二度目の会見を行いましたが、現在の自粛(委縮)モードは、やはり終わりが見えないようです。答は、どこまで広がるかわからないウィルスと人類社会が共存する道なのかもしれません。前回のコラムで少し触れましたが、その判断の上で貴重な材料を与えてくれる声が医療現場の臨床医師から届いています。感染拡大と言っても、実は、そのかなりの部分が普通の風邪のコロナウィルス…?その後、他の専門家も加わって、様々な議論をいたしました。


緊急事態宣言を可能にする法律も国会で成立しましたが、この問題に詳しい長尾敬・自民党衆議院議員によれば、どうも、実際には、宣言は発動されないようです。理由は、発動の要件とされている致死率2%(スペイン風邪の数字)を判定する分母の感染者数を、今回のウィルスについては把握しようもないこと。ただ、実際問題として、PCR検査で陽性と出ても、その多くがただの風邪だったとしたら…緊急事態どころか、あんなに騒いでいたのはおバカだったと人々が気付くときが来るかもしれない…。


●ただの風邪でも「感染者が拡大」?…臨床専門医の現場からの声

私は専門家ではありませんので、断定的なことを責任をもって述べるものではなく、あくまでご参考として、こうした現場専門家からの声があることは多くの人に知っておいていただければという思いで、ご紹介しているものです。前回のコラムでも触れた東大医学部卒の私の大学時代の友人(以下、「A氏」)は、毎日、臨床の現場を駆け回っている専門家ですが、その後も何度も私とメールのやり取りをしています。それによると…、


「PCRは遺伝子の一部分(正確には2か所)だけ同じなら検出されてしまう。武漢型コロナと同じ遺伝子構造を保持するコロナは病原性の強弱とは無関係に全部陽性に出る」

「クラスターなんて言葉でだまされてますが、人が集まるところに行けば風邪を貰いやすいのは当たり前。なのに、みんな完全に盲目状態になっています。『コロナは新たな感染様式の新次元に突入した』なんて分析はおバカもよいところで、隣近所での風邪が流行っているだけです。」


では、なぜ、真実を知る現場の専門家たちは口をつぐんでいるのか?A氏の返事は…、


「自己保身が最大のベクトルだと思います。今、『やたらとPCR検査なんかすべきではない』とか『交差検出の可能性が高い』なんて公共の場で言える勇気ある専門家は居ない。」

「自分の見方には100%の自信を持っています。これは私の臨床研究医としての自信でもありますし、頭でっかちな学者よりも街の人や受診患者さんの率直な感触の方が真実に近い事が往々にしてある…という職種を問わず感知すべき事項と思います。私の意見は『国立大学病院現役内科系教授』の意見として転載して頂いて構いません。」


この見方によると、日本でも、感染者が拡大している海外の国でも、普通の風邪のウィルスで大騒ぎしていることになります。確かに、PCR検査を大規模に行った韓国やイタリアで感染拡大が目立ちましたし、医療体制が不十分な場合ですと、風邪なのに「感染者」と判定された人々への対応で、本来は手厚い対応が必要な患者に手が回らず、多数の重篤者や死者が出てしまうことになります。これが武漢やイタリアで起こった悲惨な事態の正体なのか…。ならば、過剰反応でパニックを起こさないことが必要になるが、どうすれば良いのか…。A氏は、政策発信者としての私に期待して、次を提案してきました。


「熱くなっちゃった人でも受容可能で実現可能性と実効性が高そうな提言としては、

1)感染者数を(累積陽性者数だけではなく)、現在の要治療者数でも表わす。

…累積で語れば、永遠に『感染拡大が止まらないコロナ』との報道になります。

2)PCR陽性者だけでなく、常に分母にPCR受検者数をつけて表わす。

…たくさん検査すれば、陽性者が増えるのは当たり前。その陽性者のほとんどは各地方土着ウイルスだと思っています。

3)『コロナ増加』のグラフと並べて、例年のインフルエンザの累積罹患者数、死亡者数の推移を常に表示する。縦軸は同じスケールにして欲しいですね。

4)『専門家はPCRがどこまで正確に武漢ウイルスだけを検出しているか?を再検討すべき!』と問題提起する。


PCRは絶対などと盲信しているところから間違いが始まっています。恐怖を煽る時だけはPCR盲信者になっている人が世論をミスリードしています。」


●待たれるのはむしろ、騒ぎの自然消滅?

正しいかどうかは別として、こうしたA氏の見方から論理的に推論を進めれば、「こんなことが言えることになるが、そう思ってよいか」と、私からA氏に質したのが次です。


「 ィ)一般に、風邪がそうであるように、新型であれ従来の土着のものであれコロナウィ

    ルス感染→重篤化の因果関係の間には、ウィルスそのものとは異なる要因(持病、

    低免疫力など)がある。

  ロ)それらの要因を活発化させる環境条件(医療体制の不備、パニックで病院が重い症

    状の人に十分に対応できない等)によって、死亡率等が決まる。

  ハ)武漢で発生した新型コロナについては、感染力が他のウィルスよりも強いため、病

    院に人が押し寄せてパニックが起こったことで、上記ロ)の環境条件を悪化させ

    た。そうした現象が発生している地域では、多数の死者等が発生しているものであ

    る。(つまり、社会的要因が大きい)

  ニ)PCR検査は、武漢由来の新型コロナとは異なる、通常の風邪の原因となっている

    ウィルスまで検出してしまっているため、その検査に基づいて判断していると、上

    記ハ)の問題を悪化させ、あるいは長引かせることになる。」


A氏からは、「そう言って良い。そもそも人間が無数のウィルスと共存していることをよく理解してほしい」という返事でした。


そのA氏も、武漢ウイルスそのものは怖いウイルスである可能性が高いとしています。ただ、「日本では水際対策が奏効して、まぁ止まっている…という読みです。でも、日本で散発的に見つかっているもののほとんどは、日本土着ウイルスが交差検出されているだけ」と判断しているとのこと。そして、「PCRの武漢ウイルス特異度が100%ならば、疑われる場合はドンドン検査して分別して欲しいですが(但し特効薬があるわけではないので、意義は今ひとつですが)、現状だと、散発的に少数発生している軽症者を怖がらせ、国を萎縮させるだけの検査になっています。」としています。


ちなみに、A氏の病院全体がそういう雰囲気だそうで、A氏一人の見方ではないとのこと。「当院はエボラだって入れないといけない第1種指定病院です。ごく一部に感染しているかも、と来院される方もおられるようですが、検査を強く希望もされませんし、こちらも特に勧めてもいません。普通に治っているようです。病院が騒げば患者さんも落ち着いてはいられないでしょうが、うちに来られた方は皆さん、『なんだぁ、安心した~』って帰って行きます。」


では、このまま長引くと経済社会を崩壊させかねない自粛措置はどうすれば良いのか?

a)土着ウィルスとの区別がつかなくても武漢由来である可能性があるなら、武漢由来であ

  ることを想定しての対応をして、万が一に備えるべきなのか?

b)そうだとしても、感染の広がりがピークを過ぎたと判断されれば、少なくとも武漢由来

  は抑えられたと考えて、自粛を解除し、あとは、感染しても、武漢由来以外のコロナで

  ある可能性が高いので、それほど心配せず、通常の活動は再開して、感染者については

  手厚く対処する、ということに切り替える、ということで良いのか?


これらのいずれなのかとの私からの問いに対するA氏の答は、

「これまでa)でやって来て過剰自粛になっているので(真性武漢が流行ってないのは水際で止めたからであって、自粛策の奏効ではない)、個人的本音はb)に近いです。ただ、それを政策的に発信してしまうのは、危険かなぁ…と思います。」


「皆が『検査陽性者って本当に武漢渡来型?違うって言ってる意見をネットで見たけど、その方が断然頷ける~』、『拡大なんて全然実感ないし~』と感じ、騒ぎがアホらしくて飽きてもきて、自然収束する…しかないというのが私の読みです。」

A氏の立場は、騒ぎ自体の自然消滅を待つしかない、早くそうなってほしい…です。


●PCR検査を生物学との学際協力で検証してみると…

このやり取りに途中から加わったのが、これも私の大学時代の同級生で、医師ではありませんが、生物学を専攻し、現在は某大学教授でPCRの専門家でもあるB氏。彼はA氏の見方に同調しつつ、こんなことをメールで送ってきました。


「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウィルスゲノムの一部だけをプライマーという短い塩基配列で挟み込んで温度条件を変えて増幅して視覚化しようとするものですが、プライマー設定を適切なものにしませんと、何を見ているのか全くわからなくなります。それこそA君の言うように、新型コロナでなく、その辺の常在ウィルスを検出している可能性も十分あります。日本のコロナ検査はどうも閉鎖的空間で行われているようで、プライマーの設定をどのように行った?どのような温度条件で行っているの?など、専門家に対する情報の開示がありませんと、検査体制のデタラメを疑わざるを得ません。」


「10年以上前ですが、私はほぼ1年中PCRをやっていたので、その技術の有用性だけでなく、狡さも知っているつもりです。検査を主導しているのは、誰なんでしょうか。医師免許を持った官僚なのか?日本には若くて優秀な分子生物学者がたくさんいるので、そのような人達に依頼すれば、ウィルスの正体などあっという間にわかるはずです。」


「今直ぐに役に立つ話ではありませんが、大学同僚の基礎医学の先生とは、細胞生物学や遺伝学などの基礎科目教育、また、PCRを含めた遺伝子検出技術教育を徹底しようということで一致しています。私は肺炎の治療という面では立ち入ることはできませんが、しっかりとした検査体制を早急に確立して、早くこの混乱から抜け出して欲しいものだと思います。」


では、そうした問題の背景は?B氏からは次の答でした。

「それは明白です。いわゆる検査技士と言われている人たちは、生物学の基本的な教育を受けてないわけだから、上からマニュアル通りやれと言われても、急激な対応は無理です。ここは、分子生物オタクの猛者に任せれば、感染の全ての経緯が明らかになりますよ。まず、ウィルスからゲノム単離してシークエンスを。変な検査するよりも、遠回りですが、よっぽど真実に近づける。」


そして、A氏とB氏との間では、次のやり取りが交わされました。

・A氏→B氏「確認しますが、新型コロナPCR陽性となるのは、次の場合がありますね。(例1)武漢ウイルスによる重症肺炎、(例2)土着コロナでの風邪、(例3)土着コロナを保菌、(例4)(未知の病原体やインフルを含む)コロナ以外の病原体による肺炎だが土着コロナも保菌、(例5)主因は細菌性肺炎だが土着コロナも保菌。これらのうち、真の陽性は例1のみで、あとの2~5は偽陽性です。例2は『軽いコロナの例もあるんだ~』で済み、まだ罪が軽いですが(でも、騒ぎの元は作っている)、4や5は『コロナで重症肺炎になった』という誤解につながりますよね。PCRは『微量であっても存在するDNAを検出する』方法であって、『ウイルスを疫学的に検出する』方法ではないでしょう。人類世界が初体験しているのは『コロナウイルスの脅威』ではなく、『PCRを大規模に疫学調査に使う怖さ』です。」


・B氏→A氏「その通りです。複数のウィルスに感染している場合、コロナ陽性であっても病態はコロナが原因でないことも十分考えられます。A君が指摘するように、PCRだけでなく抗体を用いた検査などを併用して初めて確定的な診断ができると思います。」


・A氏→B氏「変に鋭敏過ぎる検査は感度を上げても特異度は下がるし、古今東西(そして未来永劫)、1つの検査で、満足できる特異度の検査はあり得ないので、複数&多角的視点からの検査で精度(特異度)をあげる事が必須ですよね。」


●大事なのは各所各人の常識による自主的判断

両氏のような専門家ではない文科系人間の私には、以上を100%正しいと押し付ける資格などありません。これを読まれてどう考えるかは、人それぞれだと思います。もちろん、新型コロナに対する警戒を怠ってはいけないでしょう。これまでも多くの風邪の原因になってきたのがコロナウィルス。風邪には特効薬がなく、「風邪は万病のもと」と言われています。感染して重篤化すれば命に関わるのは、新型コロナも同じなのですから。


しかし、自粛モードによる経済不振で自殺者が出たら、それも新型コロナウィルスの犠牲者であることも考えるべきでしょう。そのバランスをどうとるか。


大阪府は13日に、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため自粛してきた府主催のイベントについて、換気を励行するなど府が定めた「三原則」を守ることを条件に、21日から順次再開する方針を決めたようです。吉村洋文知事は「コロナの特徴を踏まえた上で、社会活動を取り戻していく重要な時期だ」と強調したと報道されています。


さすがは地方の自立を標榜する維新。人々がそれぞれの状況に応じて、自ら常識的で節度ある判断をしていくことしか、人類社会のメルトダウンを回避する方法はないのかもしれません。土曜日の夜、あるイベントを決行していたA氏がその帰路で、こんなメールを私に送ってきました。


「帰途の東横線内はちょっと新しい光景でした。乗車率は60%位で、自分の前に座ってた全員がノーマスクだったんです。毎日自分が通勤に使う有楽町線や西武池袋線のマスク率は80~90%ですから、ちょっと新鮮でした。賢い人達はもう馬鹿らしさに気がついて行動に出始めた…のではないですか?沖縄も大阪も自主行動に出始めているように。」


この日、A氏とB氏は直接会って、検査方法について良法で一致したそうで、私にも披露するとのこと。A氏からの次のメールを楽しみにしているところです。

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