• 松田学

集団免疫の日本では「感染」は拡大していない~PCRをめぐる誤謬とメディア報道~

昨日は「山の日」、この祝日をどう過ごされたでしょうか。今年の夏はコロナで帰省もできず、郷里の山に子どもを連れていくこともなかった…。そもそも「山の日」の趣旨を意識された方も少なかったと思います。本来の趣旨が不明確なのは、あのPCR検査も…?


8月3日にテレ朝のモーニングショーに、中国からの「謎の種」へのコメントで私が少しだけ音声出演しましたが、この番組はほぼ毎朝、仕事をしながら見ております。理由は、新型コロナに関して、いつものコメンテーターたちや、何とかの女王が国民をますます「コロナ脳」へと震え上がらせる連日の発言、今日は何を言うかをみるためです。


このままいくと秋には毎日1,000人が新規感染、緊急事態宣言の再発動を!世田谷区長は全員検査を言い出しました。このところの感染者数の増加で、メディアは再びPCR検査拡大の大合唱になっています。ただ、本コラムで何度かご紹介してきた「日本は既に集団免疫」との「上久保-高橋説」を知る立場として、世の中全体が変な方向に進まないか心配になります。もう少し冷静に頭を冷やして日本で起こっている事態を考えてみると…。


「山の日」が国民の祝日と法律で定められたのは、私が衆議院議員の時で、当時、私たちは反対の論陣を張っていました。山岳地方を選挙区とする自民党議員たちが熱心でしたが、そもそも何のために?海の日があるなら山の日も?それなら、いずれ「空の日」も制定するのか…?多くの国民にとって山の日は意味不明の単なる休日に過ぎないと思いますが、本来、たとえば建国記念日がそうであるように、祝日とは、国民が国家全体の何らかの意味あることに思いを致す特別な日だからこその休日なのではないでしょうか。


欧州では宗教的な意味のある祝日も多いようですが、実は日本は、主要国のなかで最も休日(祝日)が多い国。平成の30年間、最も経済成長ができず、他国に比べて一人当たり生産性の低い国が、これ以上休む?学術論文の数でも、昨年は一位となった中国に比して圧倒的な劣位にあるのが日本。もっと頑張らねばならない国民なのに…。実際に、長期休暇以外の休日がやたら多くて、仕事がなかなか進まないと感じている人は多いようです。


その上、最近では「働き方改革」。本当は、やる気と意欲ある人がもっと活動できる国にすることが優先課題のはず。最近では、こうした人々の活動を新型コロナもが停滞させています。緊急事態が明けても、たまった仕事の処理もままならないと嘆く方々が多数です。


●そもそもPCRは無症状者に広く行うべき検査ではない理由

本来の趣旨を忘れているのは、話題のPCR検査もそうかもしれません。そもそも、人類と共存共栄してきたウイルスによる感染症は、集団免疫になって人間と共存関係になるまで拡大するもの。インフルエンザの収束もそうです。ウイルスの根絶ではないし、免疫作用に伴う症状を緩和できても、根治させる薬はないとされます。一般に、100%の精度が期待できない検査というものは、発症した患者を診断する判断材料の一つとして行われるもので、発症していない人まで幅広く検査するものではないようです。酸性かどうかを瞬時に判定するリトマス試験紙のようなものだと誤解している人が多いようですが…。


症状がない人々にも検査をして社会全体を閉鎖するのは、自然の摂理に反するのでは…?新型コロナで欧米が陥った事態も、ウイルス変異の自然の摂理からの遮断が原因なのかもしれません。上久保-高橋説によれば、欧米には、2月初頭の中国からの全面渡航禁止で、新型コロナの弱毒の先祖型であるS型の次のK型が入らず、他方で日本(や武漢以外の中国や周辺国)はK型が大量に入って集団免疫が達成、それによるT細胞免疫が恐ろしい武漢G型、欧米G型を撃退しました。そして、G型も死者が少ないまま集団免疫が成立したのですが、逆に、S型だけが入っていた欧米ではADEという感染増強がG型の流入で起こり、多数の死者が発生。…ただ、それもそう遠くない時期に収まるとのことです。


PCR検査拡大の声が日本ではかまびすしいですが、その判断の前提はあくまで、PCR検査が正しいこと。それが実は危ういということには、いくつかの理由があります。


一つは精度の問題。ある医師がYouTubeで語っていますが、これは医師国家試験に出題される基本問題だそうで、国民の罹患率が0.1%という極端に低いケースでは、感度90%、特異度80%の検査をすると、陽性と出た人が実際に罹患している確率は0.45%に過ぎないとのこと。私の友人の生物学者はPCRの専門家ですが、彼によるとPCR検査はプライマーの設定によって結果はいくらでも変わる大変あざとい検査。相当な熟練を要するにも関わらず、公開された画一的な設定基準が日本には存在していないそうです。


医師の判断で疑わしき者に限って検査をするという日本での運用は、こうした検査の常識を踏まえたもの。これも私の友人で東大医学部卒の某国立大学病院臨床内科の名医A氏は、検査するなら肺CTだとしています。日本は肺CTの普及が世界一の国。やはり日本の医師は優秀ということなのでしょう。また、A氏はかねてから、遺伝子構造が未解明の日本に土着のコロナ亜種の問題を指摘しています。PCR検査での陽性とは、そのほとんど(特に現在の集中検査では99%)が、新型コロナではなく、これら、ただの風邪の原因である亜種に交差反応しているとの見方に100%の自信があると言っています。


上久保先生によれば、PCR検査は拾ったウイルスを培養して検出する検査なので、机の上に無数に存在するウイルスのなかに新型コロナウイルスが多少ともいれば、机も感染者になる…。どうも、事態を正しく捉えている検査ではなさそうです。日本の新型コロナの死者の43%は院内感染で、PCR陰性者が実は感染者だったことによる面が大きいというのが上久保先生の見方。PCR検査がかえって死者を増やしていることになります。


感度、特異度がいずれも100%となる統一されたプライマー設定のもとでないと、PCRは政策判断の基礎にならないのかもしれません。上久保先生は、G型への感染でできるB細胞免疫と、K型への感染でできるT細胞免疫の抗体を検査するキットを開発中とのことで、これが実用化されるまでは緊急事態再宣言などの政策判断は避けたほうがよい…?


●陽性とは「感染」にあらず~むしろウイルスに身をさらすことが身を守る…

もう一つの問題は、検査の目的。現在、新型コロナは指定感染症の法律のもとで、陽性反応者には入院や何らかの隔離措置が求められていますが、闇雲に検査を増やして陽性者が大量に出た場合に、施設や体制はどうなるのか。世田谷区長のように全員検査への拡大を目指すなら、この点の詰めが前提になるはずです。また、コロナは、今日は陰性でも明日は陽性かもしれません。究極的には国民に毎日のように検査させる…?不可能です。


さらにもう一つの問題は、「感染」の意味。上久保-高橋説の集団免疫論では、日本人の90%が免疫状態にある以上、その人々の体内に新型コロナウイルスが入っても(再曝露)、決して「重症化」しません。ウイルスが細胞のなかに入って増殖を始めれば、それは厳密にいえば「感染」であり、その状態(微熱が一日ぐらい続くことがある)のもとでは人にうつすこともあり得ますが、免疫がウイルスを撃退しますので重症化せず、うつされた側も免疫があるわけですから同じく重症化しません。PCR検査は、免疫が殺して断片や死骸になったウイルスにまで陽性反応することがあるそうです。


こうなると、PCR検査の陽性者の数を、あたかも重症化の可能性があるかのようなニュアンスもある「感染者」という言葉で発表するのは妥当ではなく、正しくPCR検査の「陽性者数」という用語で発表すべきでしょう。そうでないと、国民の誤解を深めます。


重要なのは、こうした免疫状態の維持のためにはウイルスへの曝露を続ける必要があるということです。緊急事態宣言とは逆の結論になります。重症化しないのであれば、ウイルスに暴露しても放っておけばよいという判断が妥当。暴露していないと免疫が廃れるのは、クルマを何か月も使わずに放置しておくとバッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなるのと同じです。大いに活動し、移動し、人々と接触することで暴露を繰り返すことで免疫を維持することが、秋の「第二波」を防ぐ上で不可欠であり、政策転換はいまならまだ間に合うというのが、上久保先生の見解です。


●検証の定説化も「査読」もできない日本の学会と数字を曲げる?日本の行政

さらに大きな問題は、こうしたデータ検証の結果を定説化できるだけの「査読」ができる人材が、パンデミックの分野には不足していること。上久保-高橋説を定説化できるだけの能力が少なくとも日本にはない。だから政策として実現が難しい。かつて、広島や長崎に投下された原爆の被爆者が、科学的知識のない国民の間で差別されたことがありましたが、現在も「東京から帰省するな」など、同様の現象が起こっているともいえます。


結局、児玉龍彦・東大名誉教授の「日本も二週間後にはニューヨークのようになる」との予想が実際にはそうならなかったといった、現実の事象の積み重ねで、国民が気が付いていくのを待つしかないのかもしれません。上久保先生を私に紹介した小川榮太郎さんが、こんな記事をFBに出しています。…青木理氏「児玉龍彦さんっていう東大の教授がね、先月の中旬くらいに『このまま行ったら来週はとんでもないことになる。来月は目も当てられないことになりますよ』とおっしゃっていた通りのことが今起きている。(8月2日サンデーモーニング)→起きてない…


現実の数字ということでいえば、30人台程度に収まっていた重症者の数がこのところ再び増えていますが、重症といっても、肺炎球菌、ブドウ球菌など重症の原因はさまざまであり、たまたまその時に新型コロナが体内に入っていたという場合がいくらでもある。陽性でもコロナが原因の症状とは限らないようです。味覚がなくなるなど、いままで経験したこともないコロナ特有の症状が…と言われますが、ほかの細菌やウイルスでも同じような症状は起こり得るのであって、これも原因はコロナとは限らないとのこと。


しかも、国民を真実から遠ざける政策まで採られています。6月18日に厚労省から都道府県宛に、なぜか「厳密な死因は問わない」旨のお達しが発出。これは、何らかの病気などで入院させたときにPCR検査をして、それが陽性であれば、他の病気で重症化したり亡くなったときも「新型コロナが原因で」とカウントすることになったことを意味します。現在は、こうした統計の取り方だけで重症者が増えている面があります。ちなみに英国では、交通事故で亡くなった人も陽性なら、新型コロナで亡くなったとされていたそうで、英国政府は、さすがにそれはいけないとしたようです。


日本の感染者は集団検査を始めてから増えています。陽性と出て、そこで何か重症のことがあると、新型コロナ重症者とカウントされてしまいます。本当の症状に基づいて検査しているのではないことが、こうした現象を招いています。現状では、1~3月頃に感染して免疫をもっているものの、近くの誰かの唾のなかにウイルスがいて、それで二回目の感染をしているケースが多く、それは実質的には感染ではなく、再曝露であって、感染が成立しないような感染であり、それが陽性に出ているケースが多いようです。


「コロナ脳」で大騒ぎしている世間に対して、それを反証するようなエビデンスが出てきたときに、これに世論や政府がきちんと向き合う心構えや体制をつくる。私が現在、上久保-高橋説を発信している理由がここにあります。そうすることで、早く必要な政策転換を実現できるよう、あえて専門外の私が集団免疫説を紹介しております。上久保先生の最大の要望は、自分たちの説を早く検証してほしいということ。


●このコロナ騒動はバカ騒ぎ?それとも何かの思惑?

そもそも、ごく普通の常識的な判断をしてみれば、新型コロナは他の死因と比べても極めてリスクが小さく、これをもって社会全体を振り回すことには大きな疑問があります。


2018年の日本の死亡者は、交通事故3,532人(人口10万人当たり2.94人)、インフルエンザ3,323人(同2.77人)、肺炎94,654人(同78.88人)、自殺20,840人(同17.37人)に対し、2020年7月9日時点での新型コロナでの死者数(とカウントされた数字)は、981人(同0.82人)と、かなり少ないです。8月7日時点でも1,038人です。これは、お餅の窒息死1,300人(同1.08人)にようやく近づこうとしている程度の水準。


日本人の死因の1位~5位(がん、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎)による死者は2018年には約90万人でした。東京都の新型コロナ死亡者の平均年齢は79.3歳ですが、これは日本の男性の平均寿命79.64年とほとんど変わりません。世界の数字でみても、今年の2月~7月の死者数は約3,500万人、うち新型コロナは約60万人であり、例年の世界のインフルエンザ死者数は50万人~100万人です。特別な病気なのか?と考えさせる数字です。


それでもPCRの全員検査が必要だ、感染が怖いというのがいまの世論であり、それを前提にした対策が採られているのは、何か利権でもあるのか?と勘繰りたくなるような現象です。いまや「PCR利権」という言葉すらあるようですが…。


先週8月3日のモーニングショーに、私の音声が「元成田税関支署長」として少しだけ出ましたが、そのテーマのあとに、新型コロナ対策分科会メンバーで医師の釜萢敏氏が登場してPCR検査の限界を縷々述べておられました。ようやくテレビでも真っ当な発言が出てきたなと思わせる発言でしたが、例によってPCR信者?のコメンテーターは同氏をボコボコに。どうも日本の主要メディアには、大きな穴ボコが空いているのではないか…。


もしかしたら、すでに大手製薬会社が研究開発に巨費を投じているワクチン利権…?しかし、人々が頼みの綱としているワクチンそのものが、有効なものは開発されない可能性があるようです。実は、ワクチンを打った人が本当に発病しないことを示す治験が大変難しい。開発したとされるロシアはそういう治験をしていない。これまで感染症の根絶にワクチンが成功した事例は世界に一つしかないともいわれるぐらい難しいそうです。そういえば前述の名医A氏も、自分はインフルのワクチンすら打たないようにしているとのこと。


●一日も早い集団免疫説の検証と政策転換を

上久保-高橋説の集団免疫論を松田政策研究所チャンネルにアップしたのは7月19日でしたが、その後の三週間の間で62万視聴を超えています。インパクトが大きかったのか、当チャンネルには二週間の間に1,300件もの問い合わせが入りました。うち、「目からうろこ」、「よく言ってくれた」という論調が7割ほど、約2割は頭から批判、1割はよくわからないという反応の書き込みでした。そのなかから、「いいね」が多くついた質問・疑問を中心に抽出し、私からの質問事項も加えて、これらを上久保先生に直接ぶつける第二弾の番組(約1時間20分)も公開しています。こちらからご覧いただけます↓

https://www.youtube.com/watch?v=Mr05_0_OkD4


このときのやりとりにつきましては、私の下記のブログ記事にまとめました↓

https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12616783254.html


安倍総理が上久保先生から直接、話を聞いているのに、なぜ政策転換が起こらないのか…?「専門家会議の意見が大きい。自分は専門家会議のメンバーではない。その会議が言うことは無視できない。自分の意見は通りにくい。総理はお困りだったと思う。」そう上久保先生は述べていますが、政治家は専門家に丸投げではよくないでしょう。菅官房長官も加藤厚労大臣も、日本政府のトップたちがすでに知っている説です。


真摯な議論が国民に共有されない…日本のメディアや論壇の問題もありそうです。上久保先生の記者会見を小川榮太郎さんがセットしたときには、日本の大手メディアはほとんど出席しなかったとのこと。小川さんによると、そこでは日本の免疫学の最大のパイオニアであり権威である奥村康先生(順天堂大学)も会見され、「日本の現状は集団免疫を達成していると考えないと説明できない」と述べていたとのこと。奥村先生ご自身、日本がどう免疫を達成したかの論考を出されており、上久保説と同じ結論になっているそうです。


知的言論や本格的な政策論の空白が日本には生じています。松田政策研究所では、この穴を埋めるよう、国益に資すると信じる議論をさらに発信してまいります。

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