• 松田学

米国が戦略ミスを繰り返さぬための対中政策の基本は東京裁判史観の見直し~コロナ脳から立ち上がれ日本~

日本はコロナの緊急事態からいったん明けましたが、中国をめぐる国際情勢のほうは緊急事態かもしれません。先日のアラスカでのブリンケン国務長官と中国の外交トップの楊 潔篪氏との会談では激しく火花が散りましたが、就任後長らく、存在感の薄かったバイデン大統領も先週、就任後初の記者会見で、中国が「最強国家」になることはない、米国はその地位を譲らないと述べました。この点はトランプ路線が継承されているようです。


あの中国ズブズブと言われていたバイデン民主党政権のもとでも対中強硬策が強まっている状況は、米国に相当な危機感があるからでしょう。いまや米国自身の国防力増強すら中国のサプライチェーンに依存するまでになっているようです。ただ、中国をここまで増長させたのは、米国の長年にわたる戦略ミスの繰り返しによる面が大きく、これは対日政策に関しても強く言えること。米中ともに戦略性が必ずしも強い国とは言えないようです。


依然として続く「コロナ脳」のもとで、日本の緊急事態とは、何が本当の緊急事態なのかが国民に共有されていないことかもしれません。新型コロナで「二重の神風」に恵まれた日本こそ、国際社会の中で強力な戦略性を発揮することが強く望まれているはずです。


●存在感の薄い?バイデン大統領

日頃から米政権の動向を追っている批評家の西村幸祐氏は、こう述べています。


「バイデン政権はすごく不思議な政権だ。史上かつてなかった。政権が誕生して1月20日に就任式。そのあと、大統領個人の記者会見が一度も行われていない。声明を読み上げるだけ。ホワイトハウスの広報担当官のサキが毎日やっているだけ。彼女はオバマ政権の時の人。オバマ政権が復活したとのイメージになる。国務省の広報官だった。スライドしてこっちに来ているだけ。バイデンという人が不在になってしまう。不在のホワイトハウス。」


これは3月26日の就任後2か月以上経ってからの初の記者会見の前のご発言です。


「普通なら就任後、一か月後までには一般教書演説をする。日本なら施政方針演説。この政権は何をやるのかを世に問う重要スピーチ。いつになるのかの観測すら漏れてこない。」


「バイデン大統領とは、民主党が彼を大統領にしようとして選挙したのではなく、トランプを引き下ろす手段の一つだった。バイデンが無限に薄められ、民主党やその背後の力の単なるパペット、操り人形になっている。誰がホワイトハウスを仕切っているのか。本当にバイデンが仕切っているなら、もっと存在感が出るはず。では、ハリス副大統領か。ハリスを操っているのは誰か、そこでオバマが出てくる。限りなくオバマ。」


「バイデン政権は国際協調を立て直して中国に対峙し、先端技術について中国に対して壁を作ろうとしていると報道されているが、国際協調路線はトランプとの違いであっても、それ以外のITサプライチェーンの分断などは、既に法律で決まったこと。トランプ政権で決まった遺産を言っているだけ。新しいことはない。ウイグルなども全てトランプ政権が行ったこと。2019年12月に可決されたウイグル人権法案は、制裁も含めた法体系だ。」


国務長官や国防長官といった閣僚たちは中国バッシングで頼もしさをみせているものの、西村氏は、いまの米国は仮想現実の様相で、かなりの不安があるとしています。そのような米国に日本はもはや頼れない。対米依存の戦後パラダイムは転換を求められている…。


●中国が世界一の超大国となる国際社会を人類は迎えることになる

かたや中国ですが、3月の全人代で、自国を主要国のなかで唯一、コロナ禍のもとで経済成長を遂げている国だと自賛しました。2028年にはGDPで米国を追い抜くという、英シンクタンクの見方も出ています。世界一の超大国が米国ではなく中国…!これは、いま地球上に存在しているほとんどの人々が体験したことのない世界秩序です。少しイメージしてみるだけでも、近く、私たちが全く違う世界に置かれることになると気付くでしょう。


しかも、現在はマーケットこそが世界秩序を決める時代。世界最大の市場で示される嗜好や考え方に合わせて世界中が財やサービスの生産をする。これは世界中の人々が「中国脳」から何らかの影響を受けながら生きていく姿でもあります。20世紀は米国でした。アメリカ人モデルの大衆消費社会が世界中を席巻したのが20世紀でした。今度は中国…。


いまや日本が世界で勝っている主要産業分野は自動車だけだとも言われるなかで、この分野でも中国は早速、EVの世界的なメッカになろうとしています。米欧日の産業界が中国を巡って熾烈なる競争を展開。まるで中国詣。日米欧は朝貢国?やはり「中華」秩序…?


●反日思想で日韓関係の分断を招いたのも戦後の米国

ブリンケン国務長官とオースティン国防長官の来日による「2+2」は、バイデン政権初の主要閣僚の海外とのリアル会談先を日本としたもので、中国抑止の上で日米同盟を最重視している姿勢が示されました。その後、両閣僚は韓国を訪れ、限りなく中国を指向する文在寅政権にくさびを打ち、日米韓の同盟を改めて確認しようとしたようです。しかし、日本と韓国の関係は現在、歴史認識を巡って最悪。以下、再び西村氏の発言ですが…、


「慰安婦問題は一向に終わらない。終わっているものが蒸し返されている。ドイツでもベルリン慰安婦像。アリゾナでも慰安婦像の話が進んでいる。実は、日韓関係も日朝関係も、日米関係の変数である。大戦後ずっとそうだ。日本が大東亜戦争で失った領土領海が不法占拠され、失った場所として北方領土もあるが、竹島も北方領土と同じ。日本の主権回復直前に李承晩が勝手に占領した。日本の主権の問題と関わってくる。」


「米国への向き合い方が日韓、日朝関係を決めているというのは、日本が米国から自立していない証拠。そこに行き着く。まず、日本が自立しなければ韓国に向き合いようもない。米国が日本を占領したあと、朝鮮半島を独立させるときに、どういう独立のさせた方をしたのか。なぜ李承晩が出たのか。もし初代大統領が日本の士官学校を出た人だったら違っていたはず。李承晩を大統領にした米国の策略が残っている。」


「それは英国と似ている。独立させるときに自分たちの占領していたところに火種を巻いたまま独立させる。中東、インド、パキスタン。ロヒンギャ問題なども仏教国であるビルマに異教徒を無理やり送り込んだもの。米国は大日本帝国を打ち負かしたときに、こなごなにしたかった。そのために朝鮮半島と日本は分断してもらったほうがよく、米国に亡命していた李承晩を大統領にした。」


「南は米国の支配下、北はソ連の傀儡に。朝鮮戦争が始まったのは米国から出たアチソンラインのせいだった。戦勝国の都合。これが76年間の世界の混乱のもとに…。混乱を起こさせることで統治し、世界秩序を保っていこう。その中に日本がいるという認識を根底に持つべき。日本を二度と戦争をできない国にする米国の戦略がずっと尾をひいている。」


「韓国の歴史教育はめちゃくちゃだから、朝鮮の近代化を奪ったのは日本だと、事実と真逆のことを教えている。竹島も嘘八百で自分たちの領土だと。韓国人にとって不幸なこと。小学生の頃から竹島の絵を描かせるような教育をする。朝鮮半島と日本との分断の中に反日教育がある。李承晩はそれをアイデンティティにしようとした。」


つまり、韓国をして、反日をアイデンティティとしなければならない国にしたのは、もとはといえば米国であり、米国主導の東京裁判史観もこれに寄与したといえるでしょう。


いまとなっては、これが対中橋頭保づくりを妨げる要因に…。考えてみれば、米国は対極東、対日政策で地政学上の戦略ミスを繰り返してきた国でもあります。


●繰り返されてきた米国の戦略的失敗~対日政策編~

ソ連崩壊後、仮想敵国を失った米国は、1990年代に今度は著しく経済力を高めていた日本を仮想敵国とするが如く、日本バッシングを本格化させました。それは第二の経済占領とも言われるもので、戦後の占領政策のうち、財閥解体→株式持ち合いの解消、農地解放→強引なまでの市場開放、そして日本で最も強い分野とされた官僚機構については内務省解体→大蔵省解体というかたちで占領政策が復活、強化されました。その後、平成の30年間、日本は主要国のなかで最も経済成長をしなかった国となりました。


当時の焦点は、ロックセンタービルまで買収するに至った日本の金融力でした。日本経済の司令塔は「ノトーリアスMITI」(悪名高き通産省)ではない、実は、その背後にいる財政金融の総本山のMOF(大蔵省)だった!世界の貯蓄を自らマネージする金融世界帝国を戦略としていた米国のウォール街にとって、日本の金融資本市場にナショナルフラッグを立てる当時の大蔵省は邪魔ものでした。そこで、さまざまな不祥事を日本のメディアなどとも連携するが如く煽り立て、財政金融分離による大蔵省解体へと至りました。


省名も財務省と、あたかも米国財務省の支店のような名称に。この改名にウォール街は拍手した?という噂もあります。1,400年も続いたという意味でも世界稀有な、しかも唯一のやまと言葉でもあった国家機構の名前を、かくも軽々しく変えてしまうことの愚に、メディアに乗せられた国民のほとんどが気付かなかったようです。そんな国は他にはないでしょう。米国ですら建国時の「国務省」を、いまでも外務省と称さずに維持しています。


日本国最後の砦だった官僚機構の総本山を失った日本の政策は、米国の「ワシントンコンセンサス」にのっとって進められるようになりました。それが「改革」だと、永田町も霞が関も大誤解。それが間違いだったことは、平成の30年間の経済パフォーマンスが立証しています。原理主義的な金融ビッグバンも相まって、当時、世界の株式時価総額上位に並んでいた日本の金融機関はランクから姿を消し、いまやIT以外は中国の金融機関が…。


かつて累積債務国を支えていた邦銀に代わり、現在は一帯一路で債務トラップを仕掛ける中国マネーが世界を席巻しています。日本が提案したAMF(アジア通貨基金)構想も、米国は叩き潰しました。当時の米国はこのことが自国の国益だと、官民学界を挙げて本気で信じていたそうです。結果として何が起こったか。中国主導で一帯一路を進めるために世界中のマネーを取り込もうとするAIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立でした。ADB(アジア開発銀行)は、未だ日本が総裁ポストを維持しています。私の大蔵省の同期の浅川総裁には、AIIBと妥協的にならないよう頑張ってもらわねばなりません。


米国は市場開放では、MOSS協議(Market-Oriented, Sector-Selective)、構造問題協議などと称して競争力の強い日本の産業分野を狙い撃ちしましたが、そのなかで「産業のコメ」とされる半導体は徹底的に潰されました。結果として、現在、日米とも半導体生産は台湾に頼る構造に…。その台湾こそが、これから中国が最も早く有事を起こす対象。


中国とて、いきなり熱い戦争はしないでしょう。ロシアがクリミア半島を併合したときと同じように、サイバー戦を始めとする情報戦、心理戦からじわじわと…。「超限戦」はいまや中国のお家芸。Silent Invasionは豪州のみならず、米国でもバイデンを勝たせ、メディアに偏向報道をさせ、SNSプラットフォーマーには強制削除による言論弾圧をさせ…。


●対中政策における米国の戦略的失敗

日本バッシングの次に米国が特に今世紀に入ってから強く推し進めたのが、中国に対するエンゲージメント政策。弱体化した日本はバッシングからパッシングの対象に。中国を市場経済へと包摂すれば民主化するだろう…中国のWTO加盟(市場経済移行に向けたそのときの約束を中国は未だに履行していないようですが)が象徴するように、中国は自由で開かれた世界の経済秩序をものの見事に活用して、かつての英国に代わる「世界の工場」となり、いまや「世界の市場」にまで成長しました。


米国はウォール街の利権に応えるかたちで対中投資を増やし、生産拠点は次々と中国に移行、いまや中国とのサプライチェーンなしには経済活動も営めないまでに米国はどっぷりと、中国に取り込まれてしまいました。そこまでやっても、中国は民主主義化どころか、習近平体制のもとで全体主義を強化し、自由主義圏にとってますます異質の存在に…。


中国がこうした動きを強めるきっかけになったのは、リーマンショック後の4兆元(当時のレートで57兆円)の経済対策で中国が世界経済を救うかたちになったことでした。行き過ぎた米国金融が主導する膨張する資本主義の失敗を契機に、以降、世界の中国化が進みます。米国には中国依存への警戒感が不足していたといえるでしょう。


こうして、米国の雇用が奪われたとするトランプ大統領が誕生し、中国の経済力のみならず軍事力の源泉となっている人民元マネーを生み出している中国の貿易黒字削減へと米中貿易戦争が勃発します。中国は2015年に安全保障戦略を武力からハイテク知財を軸とするものに転換すべく、「中国製造2025」で「軍民融合」路線を打ち出します。特に情報ハイテク技術は中央集権全体主義と親和的。これが米国にとって脅威と認識され、ファーウェイの排除といった米中デカップリング策とともに、ペンス演説やポンペオ演説で、中国共産党独裁体制を米国は名指しで批判するに至り、長年にわたるエンゲージメント政策が逆転、対中強硬策は現在のバイデン政権をも拘束する米国外交政策の基本に据えられました。


軍事面でも、トランプ大統領は、オバマ政権時に軍事費が減らされて弱体化した米軍事力を立て直すべく、軍事費拡大策を採りました。しかし、現実には、米国は軍事力を増強できないでいます。なぜなら、気が付いてみると、軍事装備に必要な部品などが中国に依存していた…。排除しようにも、米国内で生産されていないから排除できない、米国が軍事力を強めれば、それは中国の影響を受けた軍事力になってしまう…。これは米国が無警戒にグローバルサプライチェーンに依存し続けたことの帰結といえます。


このように長年にわたる戦略上のミスで、いざというときに同盟国に頼らねば中国抑止政策も十分にできなくなっているのが米国。しかも、なかでも最も頼りになるはずの日本の国力を弱体化させてきたのも米国。中国に対する中距離弾道ミサイルの整備に米国は追い込まれていますが、いまや対中包囲網では地政学的に最も重要となった日本がネックになるでしょう。それも、日本を戦争犯罪者とする東京裁判史観のもと、憲法で日本の軍事力を決定的に縛り付けてきた米国の極東戦略によるものです。


「極超兵器」を次々と開発しているとされる中国に対峙できるか不安になるまでに、米国の軍事力が弱体化するなかで、同盟国の日本に一定の役割を果たしてほしくても、戦後の占領政策の軛が決定的な制約になっています。


●長期的には中国が衰退する理由

ただ、中国にも弱みがないわけではありません。戦略家のルトワック氏が指摘しているように、中国は自らの暴走で周囲の国々に海洋同盟の結成を促してしまっています。安倍前総理が世界の地政学を数十年ぶりに変えたとされる「自由で開かれたインド太平洋」には、中国の横暴で覚醒した欧州まで加わり始めました。


この日米豪印の「クアッド」を核とする海洋同盟的な経済圏は、中国のGDPをはるかに上回るものです。中国は自ら、強敵を育てる愚をおかしてしまいました。中国は伝統的に戦略性を欠いた国、これはルトワック氏の弁です。


どうも、全体主義独裁体制の権化である習近平も、長続きしないという噂があります。上記の戦略上のミスに気が付かないほど中国は愚かではない。長老たちの力は意外と強く、習近平を終身主席の座から引き下ろす動きが出ていると耳にします。


さはさりながら、14億人の人口を擁する中国が、日本の経済界にとっては捨てられない国であるという現実があります。世界最大のGDPに向けて成長を続ける中国経済は、当面、世界に対する求心力を維持拡大していくでしょう。しかし、デカップリングによって、この中国と分断される自由主義圏には、日本のチャンスがあります。これまで日本の産業はおしなべて、中国との価格競争で痛めつけられてきましたが、そこと分断されるということは、日本が生み出す付加価値にふさわしい価格付けでマーケットを広げる商機をもたらすことにもなります。サプライチェーンの分断を日本の活路とする必要があるでしょう。


ただ、長期的に見れば、この14億人の超大国も決して安泰ではありません。出生数が激減しています。2020年の出生数は1,000万人そこそこ、前年の1,400万人台に比べて、たった1年間で3割もの激減です。急激な人口減少傾向が現れ始めました。


文明法則史学によれば、21世紀は西洋から東洋へと文明の中心が大きく転換する世紀。そのなかにあって、当初はトンデモない国が覇権を拡大するが、やがて衰退するというのも歴史の法則。それが成り立つのかもしれません。これからの地球文明を主導するのは中国ではなく、日本でなければならない…。私が「日本新秩序」を訴えてきたとおりです。


●日米で戦後史観の抜本見直しを…対中抑止政策の基本がここにある

この世界秩序の激変期において問われているのは、戦後秩序の組み換えだと思います。それは第二次大戦の戦勝国の思惑でできた秩序を根本から立て直すこと。その中核が「自由で開かれたインド太平洋」であり、日本はこれを舞台に新たな秩序を主導できる唯一の国です。これが米国なら、米中いずれかの旗色を鮮明にできないインドや東南アジアの一部の国々がついてこれません。経済面では、日本は「TPP11」の盟主として、これから英国まで引き入れようとする立場にあるだけでなく、日米貿易協定、日・EU経済連携協定、そしてRCEPと、世界のメガ経済圏のいずれにも属する世界唯一の国になっています。


しかし、インド太平洋構想で日本にとって重要な位置づけにあるインドネシアは、日本がともに独立戦争を戦い、それが19世紀の白人による植民地支配構造から、戦後、世界を解放した日本の営みの象徴にもなった国です。「大東亜」という言葉は戦争犯罪のシンボルのようになっていますが、もともとの意味は、平等な世界秩序づくりでした。戦争は日本が仕掛けたものではなく、米国に追い込まれた自衛のための戦争だったことは、戦後、マッカーサーや東京裁判の判事たちなどが証言してきたことですが、近年では、そうした歴史の事実がヴェノナ文書や、米政府の機密文書の公開などで明らかになってきています。


インド太平洋に進出する中国による分断工作は、上記のインドネシアにも及んでいます。同国は前記の歴史的経緯から親日的な国ですが、最近では、日本が戦争犯罪国であるとの東京裁判史観を中国が同国に仕掛け、親日感情も安泰ではなくなりつつあると耳にします。


近く、菅総理が訪米してバイデン大統領と会談する予定ですが、私が総理大臣なら、中国や朝鮮半島に根付く反日史観こそが米国の中国抑止を妨げる強い力であるとして、新しい世界秩序の構築と併せて、東京裁判史観をともに見直すことを提起すると思います。


●早くコロナ脳から脱却して、次なる文明建設への日本の使命を果たそう

21世紀の文明建設は中国ではなく日本が担う。新型コロナで日本に吹いてくれた「二重の神風」(東アジア特有の自然免疫と弱毒性ウイルスに順に感染したことによって形成された獲得免疫)は、このことを暗示しているのではないでしょうか。自然とは、人間が対峙して克服すべきもの、黒白を明確にして悪は徹底退治する…こうしたゼロコロナ思想の西洋文明の行き詰まりを象徴しているのが、欧米における、日本とは桁違いのコロナパンデミックだとすれば、ウイルスとの共生で免疫を達するしか収束への道はないという意味でのウイズコロナの状態を世界でいち早く達成した日本は、自然との共生の行き方をもって地球文明のあり方を示す国になっていると捉えることもできるでしょう。


多くの日本人はすでに気付いています。3月27日に都内で開催されたWeRiseでは、私も論者として登壇しましたが、多数の人々の熱気あふれる満員御礼の会場は全員がノーマスク。新型コロナについて科学に基づいた正しい知識の普及でモードチェンジを図るのも、政治の重要な目的ではないか、そんなコンセンサスも生まれました。


このコラムを執筆している日の朝、モーニングショーで、いつもテレビによく出てくる専門家?が、日本の感染者数や死者数が欧米より少ない原因はまだわかっていないが、マスクがワクチンの役割を果たしているのかもしれない、と、コメント。また、わが耳を疑いました。原因は科学的にとっくに解明されていますし、いまは欧米も皆さん、マスクしてますよ…。これだけ非科学的な発言がマスメディアで横行しているのに、松田政策研究所チャンネルでの科学的な発言が強制削除を受ける。本当に何かがおかしいです。


日本国民が一日も早くコロナ脳から脱却し、このコラムで述べた日本のチャンスを活かして、世界から求められている日本の使命を果たすべく、活動再開へと立ち上がっていただきたいものです。そのためにまず必要なのは、新型コロナの正しい知識の共有。これからも、その取り組みに全力を挙げていく所存です。

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