• 松田学

歴史的背景から捉えたウクライナ紛争とネオナチ~戦局によって決まる日本のリスク~

停戦交渉が遅々として進んでいませんが、かつてソ連が対独戦に勝利した5月9日の「対ドイツ戦勝記念日」までがロシア側のゴール?のようです。これがどのような決着をみるかが、その後の国際秩序や世界の安全保障を大きく左右するでしょう。ならば、プーチンにとって戦争の終わりは遠いのかもしれません。長期戦との見方も強まっています。


ウクライナかわいそう、ウクライナ頑張れ…例によってプロパガンダ戦に弱い日本では、そう言っていないと非国民扱いされる雰囲気まで出来上がっています。確かに、ロシアに領土を割譲するかたちでの停戦となれば、中国による台湾侵攻のリスクが高まるので、ウクライナ頑張れには理があるのですが、ウクライナが頑張るとは、すなわち、欧米による武器供与で戦争が長引き、ウクライナ人の犠牲も増えることも意味します。最近では、攻撃用の武器である戦車を供与する話まで…。


ただ、元々ロシアもウクライナも、世界の中で決してほめられた国ではなく、いわばヤクザどうしの喧嘩…。両国とも腐敗度では世界有数の国であり、決して民主主義が機能しているとはいえず、ウクライナはネオナチ勢力が一部の国民を弾圧してきた国。オデッサでの虐殺事件は、その証拠が動画で残されています。本来、どっちもどっちなのですが…。


欧州では、あの名指揮者のゲルギエフがプーチンと親しいロシア人であるだけで「人間の屑」扱い、演奏会からの降板や解雇の憂き目に…あの世界のオペラ界を代表するネトレプコも、ロシア出身ということで同じ目に…。ちょっと行き過ぎのロシア人差別ですが、これは欧米とロシアの戦争なので、戦争当事国が相手国を徹底的に非難するのは、かつての日本の「鬼畜米英」もそうでした。ただ、当事国でない日本はどうなのでしょうか?


日本政府はキエフがロシア語だからとウクライナ語の「キーウ」に、チェルノブイリも、これは未だに私は憶えられないのですが、「チョルノービリ」に呼称を変えることを決めました。ただ、「キエフ公国」、ムソルグスキー展覧会の絵の「キエフの大門」など、キエフという呼称それ自体にメルヘン的な情緒を感じてきた私にとっては、違和感があります。


ドイツではイタリアのミラノはmilanoではなく、Mailand(マイランド)、米国人はドイツのミュンヘン(München、ドイツではミュンヒェン)をmunich(ミューニック)と呼んでいるなど、外国の地名を自国で通用してきた呼称で呼ぶのは当たり前。私たちが北京をペイチンと呼ばないのは、中国が非友好国だから…?慣れ親しんだ呼称はやはり大事です。


外国に忖度する日本…そういえば、JR東京駅で流れる中国語のアナウンスには、ここは上海空港かと思わせるものがありますし、地下鉄で表示される案内がハングル文字や、日本語では間違った漢字表記の中国語表記になる瞬間があります。急いで案内を知りたい日本人にとっては腹立たしい瞬間…。コロナで中国人も韓国人も観光客はいないのに…。


私たちも馴染んでいる国際公用語の英語ならわかりますが、私が行き来しているオーストリアでは、こうした日常生活の世界では案内は英語もなく、ドイツ語だけです。自分たちの国に来るなら、最低限のドイツ語ぐらい勉強して来てくださいと言わんばかりに。


今回は、少し歴史を遡って、ウクライナ紛争の背景にあるものについて述べたあと、今回の紛争が日本の安全保障にとっていかなる意味があるのかにつき自民党の松川るい・参議院議員と交わした議論をご紹介し、最後に、日本として提唱すべき独自の価値観に関して、武田邦彦先生からの提案に触れてみたいと思います。


●外国勢力と結託して外国勢力との争いを続けてきた自由な民、コサックの歴史

歴史は繰り返すのか、民族の血は争えないのか…ウクライナ紛争を理解する上で、歴史を振り返ると色々なものが見えてきます。電撃戦で征圧してNATOに入らない政権に替える、これがなぜ、ウクライナ側の抵抗でプーチンはここまで手こずっているのか…確かにウクライナとロシアの始まりは同じですが…。以下、世界史の先生である茂木誠氏によると…、


キエフルーシ(公国)。元々はここがロシアでした。東ローマ帝国からギリシャ正教を受け容れ、文化が栄えましたが、モンゴルに殴り殺された歴史があります。日本は頑張って元寇を防ぎましたが、ウクライナは平野なので騎馬軍団が来てしまう。その後、キプチャク汗国、200年間のモンゴル支配に。大名レベルは生き残り、モンゴルは彼らを活かして税金を取りました。いわば守護大名たちがハーンに貢いでいたわけです。


その北にモスクワがあり、日本では仙台の伊達のような存在。彼らはうまく立ち回り、モンゴルが弱ると独立し、モスクワ大公国に。キエフルーシの本体はモンゴルに破壊され、なくなりました。モンゴル人に抵抗する組織が武装集団になり、日本の武士団のようなもので、これをコサックと言います。モンゴル人と戦うためにモンゴルの騎馬戦法をとりいれました。彼らは辮髪で、選挙でリーダーを選び、このころから民主主義で、モスクワは独裁でした。ウクライナは、だから自由…。欠点は、それゆえにまとまらないこと。コサックのグルーブ同士で争い、外国とつながるグループも…今の状況と似ています。


その後、モンゴルに代わってポーランドが入ってきました。コサックはいったんポーランドの支配下に入ります。しかし、ポーランドはカトリックで、ウクライナはギリシャ正教であり、合いません。そこで独立運動となり、力をつけたモスクワと組んでポーランドをやっつけようという勢力が出てきました。それも現在と似ています。国が西側とロシア側に分かれています。そして、モスクワが膨張してポーランド領のウクライナを削り取っていきます。お前たちの自由を認めるから戦えと傭兵に…。そしてコサックはシベリアにまで行き、いまのロシアを創ったのはコサックだとされています。


しかし、自由を求める彼らはモスクワに反乱します。ウクライナがモスクワから独立するチャンスが到来したのがロシア革命。ポーランドにはユダヤ人が多数。ポーランドもモンゴルにやられて人口が減ったため、ポーランドの王様が外から移民を入れ、ヨーロッパで迫害されていたユダヤ人を歓迎、ポーランドはユダヤ人の避難所になっていました。


しかし、ポーランドの王様とユダヤ人の金貸しが結託してウクライナ人の農民から税をとり、そこでポーランド出ていけとなり、そのときに、ユダヤ人やっつけろ…多数のユダヤ人が犠牲になり、ロシア帝国はそれを煽りました。反ロシア感情がユダヤ人に行けばよいと。そこで米国に大量のユダヤ人が逃げて、米国で地位を得ます。ヌードルマン、縫い物師、それがヌーランドに少し名前を変え、その子孫が現在の国務次官のヌーランドさん。ブリンケン国務長官の先祖もここから逃げたユダヤ人で、今のバイデン政権はユダヤ人が多く、その一部はウクライナ系です、今の戦争とは、彼らにとっては自分たちのこと。


ロシア革命でウクライナは独立しましたが、結局はソビエト連邦に編入され、またロシアに飲み込まれました。西側に助けてくれということで、英仏が援軍を送りましたが、途中で撤退、見捨てられました、今回のように、いつもウクライナは見捨てられる…。


ロシア共産党としては、ウクライナは裏切った…お仕置きで、スターリンのときに食料の強制徴発、それで飢饉になり、これをホロドモールと言います。翌年に撒く種を持って行くので、餓死する…。ヒトラーのアウシュビッツを国全体で…。それで人口が激減したところにロシア人が入りました。日本の学校ではナチの犯罪は教えても、スターリンの犯罪は教えません。ソ連時代は、これはなかったことにされました。


ウクライナ議会は、これをジェノサイドと言っており、今更、兄弟と言われても、ふざけるな…。スターリンの後継者のフルシチョフがスターリン批判をしましたが、彼は東部ウクライナ出身で、そのお詫びをかねて、クリミア半島をウクライナに渡したものです。


ネオナチとウクライナとの密接な関係はこうしてできた

さて、ウクライナにおけるネオナチの存在までロシアのプロパガンダだとして否定する(というより、知らない)方々がいますが…、歴史的にみてみると、ウクライナとネオナチとのつながりはヒットラー以来の根が深いものであることがわかります。


ネオナチと西側ユダヤ系資本、自由主義陣営と、ウクライナとの密接な関係ができてきました。それにしても、ネオコン勢にそそのかされて、プーチンはなんということをしてしまったのか…。そのネオコンとは何かといえば、ロシア革命後に米国に逃げ、「世界革命」の中身を共産主義から米国式自由主義へと切り替えた、かつてのトロツキストたち…。


彼らがプーチンの民族主義とは真っ向から対立し、ロシアをグローバリストに解放すべく、着々とプーチンに罠を仕掛けた。それが今回のウクライナ紛争をもたらした要素の一つ。もう一つは、やはり、平均寿命の短いロシアでは死を意識する年齢になったプーチンが、最後に見果てぬ夢をみてしまったことなのか…だからまんまと罠にかかった…。


以下、ウクライナ史を続けますと…そもそもウクライナは、ほとんど独立していない悲惨な歴史の国です。ロシア革命の次の独立のチャンスが第二次世界大戦でした。ポーランド領になったウクライナのウクライナ人たちがポーランド出ていけ運動をしましたが、その中心人物が英雄バンデーラ。しかし、なかなか出ていかなかったところに、ヒトラーが出てきてポーランドに攻め込みました。そこでウクライナ西部の人たちは「ヒトラーが味方だ」。プーチンが「あいつらはナチスだ」と言っている淵源がここにあります。ポーランド憎しで、ポーランドのユダヤ人もウクライナ人は大量に殺したことは前述の通りです。


そしてドイツ軍が攻め込み、独ソ戦になりましたが、ウクライナの民族派はドイツ軍と一緒になって、ソ連出ていけをやりました。ドイツ軍はびっくり、我々を歓迎…。ウクライナ人たちにとっては、ホロドモールの恨みがあります。ヒトラーはウクライナ人にとってまともにみえたようです。しかし、ヒトラーは決してそうでなく、対立関係になります。


独ソ戦でソ連が勝利して、またロシアが入ってくる。バンデーラはつかまったが、ドイツに逃げ、その仲間がゲリラとなり、ロシアに対する武装闘争になりました。彼らはナチス崩壊後も西部ウクライナに立てこもって、1950年代までソ連に抵抗します。


そのネオナチグループに武器を提供したのは米国でした。このときから米国のネオナチへの支援が始まりました。バンデーラは英雄視され、それをロシア側はネオナチと言っています。元はといえばロシアが悪いのですが…。


●世界同時グローバル革命のトロツキストとプーチンとの闘い

ウクライナ独立の三つ目のチャンスがソ連崩壊でした。ソ連が経済破綻し、米国(ウォール街)がロシアを助けてあげる…。その代わり、統制経済をやめて市場開放へ、民営化しろということになり、国営企業民営化の過程で力を伸ばしたのが新興財閥でした。


それは、元の共産党官僚につながる人たちだったり、ユダヤ系だったりで、利にさとい人々。彼らがオリガルヒ、少数の支配者という意味です。そこで、小泉改革の極端なことをやって、資本家に富が集まり、貧富の差が拡大しました。それではダメだ、ロシアの天然資源を外国資本に委ねてはダメだということで登場したのがプーチンでした。


彼は共産主義者ではなく、民族派であり、外資を締め出し、ユダヤ系財閥を追い出して、資源を再国有化します。他方で、ウクライナでは強力な指導者が出ず、オリガルヒが残りました。西側からみると、ウクライナは理想的であり、その自由主義をロシアに広げる、プーチンを倒しての再民営化を指向することになります。


ロシアのオリガルヒはプーチンが潰しました。自由が正しいとするジョージ・ソロスは、独裁政権を倒す民間に資金援助し、アラブの春の黒幕となり、ジョージアもそうでした。


米国のネオコンとは、元々はトロツキストです。彼らは世界革命を目指す…。スターリンに敗けて米国に渡り、共産主義から宗旨替えし、米国式の自由主義を世界に広げる勢力になりました。ネオナチの流れをくむウクライナの民族派が民間の武装集団であり、それがロシア系住民を虐殺したアゾフ連隊です。


ヤヌコビッチ大統領は親ロシア派。親欧米派はEUに入ろうとなり、それに反対して暴動が起こり、そのバックにヌーランドがいたことが電話の盗聴でばれています。当時はオバマ政権の国務次官補でした。そして、大統領選挙でポロシェンコになり、彼はEU、NATO加盟で突っ走っただけでなく、ロシア語教育まで禁止しました。


ウクライナの人口の半分は親ロ派でなくても、ロシア語を使っています。ロシア語ダメとするポロシェンコ路線には、それはおかしいという声が起こり、東ウクライナのドンバスで独立運動、そしてオデッサ事件という展開になっていきます。


クリミアでは住民投票が行われ、プーチンが承認してロシアに併合されます。それまでは一緒に住んでいたのが、2014年から亀裂が起こり、その後、ドンパス戦争はずっと続いてきました。それで緊張が高まり、今回、ロシア軍が攻め込んできたものです。


●3つの戦争目的とプーチンの失敗

これは侵略ではなく、ドンバスの殺し合いをやめさせる軍事作戦…ならば、そこでとめて、戦争を終らせて独立承認のはずだったのが、それが、ベラルーシからキエフを攻めたことをみると、プーチンには、ドンバスの平和維持以外の目的があったことになります。


プーチンの動機は、①東部を取る、②大ロシア主義(キエフ出身の家族が3つに分かれたのを再統合、プーチンは自分が侵略しているとは思っておらず、グレた弟を正気に戻しているぐらいの意識かもしれません)、③グローバリストに対抗するナショナリスト。


ネオコンやDSと戦っている正義の味方というより、歴史に名を残したい、大ロシアの復活がある。プーチンはロシア人の平均寿命を超えており、死ぬ前に歴史に名を残したい…。どんな戦争も色々な目的があります。大東亜戦争も、石油をとめられて自存自衛、共産主義と戦う、植民地のアジアを解放…色々なレベルがありました。


ただ、今回、プーチンは下手を打ったといえます。逆に、ウクライナ人の民族主義に火をつけ、ゼレンスキーがヒーローになりました。プーチンは悪の権化、プーチンをやっつけてロシアを解放ということに、いちばん手を貸したのはプーチン自身です。なぜこんなことになったのか、側近のなかに正確な情報を上げていない者がいるのか…。それがネオコンとつながって、偽情報で行ってしまおうとやったのか…。


かたや、中国におけるオリガルヒが上海閥グループであり、それと戦っているのが習近平です。習近平は中華帝国主義であり、今回、習近平はウクライナをじっとみている…。


●中国の日本にとっての脅威の度合いはウクライナ紛争の戦局如何

やはり、プーチンを戦争に引き込んだのは米国を拠点とする勢力であり、ネオナチにも根深い歴史的な実態がありそうです。国際情勢を分かっている人間からみれば、今回のウクライナ紛争の原因がNATOの東方拡大や米国側にあったというのは、ほぼ定説でしょう。以下は、自民党の松川るい・参議院議員(当チャンネル出演3回目)と交わした論点です。


停戦交渉が行われてはいますが、これがどう決着するかは戦局次第。それが、軍事侵攻はペイしないという結果になれば、中国も簡単には台湾には手出しできなくなる。しかし、何らかの領土変更という結果になれば、日本にとっては最悪。軍事力によって現状を変更するということの悪い事例が生まれてしまいます。戦局がどうなっても、プーチンは恐らく、こうした成果を得るまであきらめないだろうから、ウクライナ戦争は長引く…。


「2008年がターニングポイントだった。東方拡大にプーチンは一貫して懸念。当時は米国はネオコン政権。NATO加盟を認めた格好の文章でジョージアとウクライナを入れた。その後にロシアはジョージアに侵攻し、新政権になり、ジョージアはNATOに入れなくなった。ウクライナでは親ロ派と新EU派の政権が交互に…親ロ派のヤヌコビッチ政権の直後にロシアはクリミアに侵攻。東方拡大はやはり、NATO側が自制すべきだった。」


「ただ、ウクライナが加盟しようとしたのはロシアが怖いからだ。2014年に領土を取られてますますロシアは脅威になった。加盟したいというのは当然の路線。」


「今回決着が外交的につくフェーズにきたときは、ロシアとの国境線上に敵国がいてほしくないということへの配慮が解決案の中に入っていないと紛争の種になる。ウクライナとロシアの両方の安全保障が確保されないと、維持できなくなる。」


「ただ、交渉決着は戦局次第だ。双方がどれぐらい優勢で終わらせられるかの一点にかかっている。そこを打開しようしてロシアが大量破壊兵器の使用に踏み切ることが心配。」


「戦争が長引いているのは、ウクライナ側の予想以上の頑張りによるもので、国民の士気が高いのが大きいが、現代戦は気持ちだけでは戦えない。そこには西側の支援があり、クリミア侵攻以降、米軍による訓練が相当なされていた。2014年のウクライナ軍とは能力が違う。プーチン次第で戦争は長引く。ベトナム戦争まではいかないが…。バイデンは軍事的な関与をしないとあまりに早く明言し、そう思わせた。バイデンは軍事的に来ないな、ということで、プーチンに誤解を与えた。色々な誤算がプーチンにはあった。」


「中国の習近平にとっては、今回の趨勢がダイレクトに自分の問題になる。プーチンが孤立する中で、おおっぴらな支援は得策でないと思っているが、米国民主主義と対立するパートナーである大国が潰れてほしくない。ただ、危機はチャンス。リーマンショックのあとや、アジア通貨危機のあとのように、相対的にほかが潰れると自分が得をする。米国に感謝される立ち回りが、ロシアとの関係を痛めつけない形でできれば、関係改善に使える。下手するとまずいことになるが、うまくいくなら行こうということではないか。」


「台湾侵攻の判断は、ウクライナ侵略の決着次第。仮にウクライナ側がこれ以上戦争したくないとなれば、不利な形で合意することになる。クリミアはロシア支配下、2州は独立して良い、領土変更が何らかの形で軍事侵略によって成功…というのが、いちばんよくない。国境変更は国としての安全保障の問題だ。ただ、ロシアが軍事的にうまくいかず、ここでロシアをして戦争継続は得策でないと思わせたとしたら、領土変更を伴う決着はできない。しかし、プーチン個人はあきらめない。だから、合意もすぐにはできない。」


「プーチンが失脚、暗殺、ロシアが何も取れない、経済的に疲弊して国としてダメになることが赤裸々になり、国際的地位も経済も何もとれなかったとなると、中国は台湾についても相当考えざるをえなくなる。」…ただ、そうなるための代償も結構、大きいでしょう。


●日本こそが提唱すべきは「丸腰の人を撃ってはならない」

停戦合意の決め手となる戦局も、それによって決まる国際社会の構図も、日本がこれを左右できることは何もなく、私たちとしては、中国の台湾侵攻に対する備えや、核戦略も含めた防衛力の強化を進めるしか選択肢はないのでしょう。ただ、ポスト・ウクライナに向けて、日本独自の立場から世界に対して提唱できることがある…以下、武田邦彦氏が松田政策研究所CHで述べた内容を、同氏自身がまとめた要約のかたちで引用いたします。


「一万年前から人類にどうしても戦争が起こる。戦争をやめたいという人は多数いる一方で、したい人がいる。どうしても戦争をやめられないので、被害を最小にしようということに。軍隊は軍隊としか戦わないことに。その典型が関ヶ原の戦い、欧州ではワーテルローの戦い。全部、原っぱ。俺は軍隊だぞ、両方とも鉄砲を持っているから殺し合ってもいい。しかし、民間は丸腰。市民が立ち退く時間をとった。戦時法によって決まっている。」


「それがゲルニカから変わった。100年前。戦争に虐殺が入ってきた。ごまかしをやったのが米国。空襲や原爆、あきらかに犯罪。普通なら死刑。それを避けるためにやったのが東京裁判。『平和に対する罪』は今もない。だから、各国が軍隊を持っている。」


「【丸腰の人を撃ってはならない】それを日本は言うべき。そうなれば、核兵器はなくなる。ウクライナはそれを承知でNATO軍を入れようとした。完全な徴発。NATO軍を入れなければロシアは戦争などしない。NATO軍を入れると、ロシアは対抗するとなる。NATO軍を入れたらウクライナが戦場になることがわからないゼレンスキー大統領がおかしい。」


「今度のことで欧州勢は古い兵器をウクライナに渡した。軍事拡大で軍需産業はホクホク。戦争は仕方ないが、一般市民は殺さない、1937年以前に戻れと主張すべし。『戦争反対』では何の意味もない。第二次大戦で米国は虐殺して、それを正当化したから、パール判事は怒ってしまった。」


「日本はロシアにも風を送っておくべき。ウクライナは可哀そうでも、自業自得。ゼレンスキーがパールハーバーの演説をしたのなら、日本の国会に呼ぶべきではなかった。あれは戦闘員だけの攻撃だった。宣戦布告無しというのも戦争では普通。欧州人は約束は守らないという種族。パリ不戦条約は憲法9条とほとんど同じ。日本人は国際条約をきちんと守らねばと思っている。【虐殺をやめよう】これを国際社会に訴えるべき。ゼレンスキーの演説には、自国民が殺されるのはかわいそうだ、自分が戦争をとめようと思っているというのはなかった。」


…いずれにしても、私たち日本人としては、プーチンけしからん、ウクライナ頑張れ、の前に、まずは自らの安全保障をどうするか、そして、停戦後の国際秩序に向けていかなる価値を世界に提唱する国になるのか、そろそろ真剣に議論すべきではないでしょうか。「日本の国益を守り、世界に大調和を生む」を基本理念とする参政党の出番だと思います。

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