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異例の総選挙に突入!その背景と行方、国を守る決め手は投票率~議員視察で訪れた欧州と世界秩序の大変動~

  • 執筆者の写真: 松田学
    松田学
  • 13 時間前
  • 読了時間: 15分

更新日:22 分前

先週1月23日の通常国会開会の日に衆議院は「万歳三唱」で解散、明日27日公示、2月8日を投開票日として総選挙が行われることになりました。働いて、働いて…まずは政策を優先するはずだった高市総理が、来年度予算の年度内成立を犠牲にしてまでどうして…色々な憶測が飛び交っていますが、少なくとも昨年の大みそかまでは総理はこんな早期の衆院解散は考えていなかったそうです。一説によると、年明け1月2~3日に何かがあった。


まず、年明けの1月2日、トランプ大統領側からの要請で日米首脳電話会談が行われました。ここで高市氏はトランプ氏から何を告げられたか…。そして、翌1月3日、米国はベネズエラに対し軍事作戦を実行、マドゥーロ大統領夫妻を拘束し連行するという実力行使に出ました。これは昨年12月にトランプ政権が発表した新しい国家安全保障戦略(NSS)を有言実行で実施したものでした。そのNSSは「ドンロー・ドクトリン」とも呼ばれ、米国は西半球には軍事介入するが、東半球には介入しないことを示唆するものでした。


いま関係が極度に悪化している日中関係の中で日本にとって気になるのは中国の台湾侵攻ですが、トランプ大統領は自分の在任中はそれはないと明言しています。ということは、来たるべき日本の有事は3年後…、それまでに日本は、米国の助けを借りずとも有事に対応できるだけの自主防衛力を整えねばならない。日本の政権には相当な覚悟が問われる。


ここで自らの政権基盤を安定させておかねばならない。奇しくも高市政権に対する内閣支持率は記録的な高さ。年明けに出てきた自民党の極秘の情勢調査でも勝てるという結果が出ている。今しかない…。以上はジャーナリストの山口敬之氏の見方です。


ただ、そこには計算違いもあったようです。それは1月9日深夜の読売電子版「高市首相が衆院解散を検討」との報道でした。後で述べる欧州出張を前に私は、その報道に接して、まさか…と思ったものです。なぜなら、1月23日に通常国会の召集日が既に決まっており、予算の年度内成立のことを考えれば、もし通常国会冒頭解散をするならもっと1月の早い時期に召集するはずだからです。なので、このような憶測報道をもって出張を中止する理由はないということで、1月11日に参議院議員団は予定通り欧州へと旅立ちました。


しかし、私たちがローマとウィーンに滞在する間に事態はどんどん進み、冒頭解散は既成事実化。さらに予想外だったのが公明と立民の合流による「中道改革連合」の結成でした。同行していた立民の水岡・参議院会長(その後、参議院に残った立民の代表に就任)にウィーンで尋ねたところ、全く予想もしていなかったとのこと。どうも、政権交代を最大の使命とする野田代表が水面下で画策し、背後では小沢一郎氏が動いていたようです。


問題は、まだ解散まで日数があるのに、なぜ1月9日の時点で読売報道がなされたのか。そこには、自民党内でかつて立民との大連立まで想定していた反高市派の動きがあった…こうして総選挙までに新党結成をするだけの時間的余裕を生んだ…。結局、高市氏の保守路線を潰そうとするリベラル派の画策が奏功したようです。これは媚中勢力の結集でもあり、中道との新党名も「中国への道」と揶揄する向きもありますが、これで高市総理が目論んだ自民圧勝、保守安定政権の樹立が危なくなったのは計算外の事態でしょう。


これまで多くの議員が公明党による選挙協力で当選してきた自民党にとって、公明の連立離脱までは覚悟の上だったでしょうが、それが一人の候補者しか当選しない小選挙区ではライバルの立民候補の票になってダブルで効いてくる。選挙分析では定評のある朝日新聞の試算では、自民党がそこそこ勝てるためには、公明票の5割が従来通り自民候補に投票しなければならないそうです。それだけではありません。今回は前回の総選挙までは考える必要がなかった参政党の候補が各選挙区で自民党の票を割ることになります。


昨年の参院選で大躍進を遂げ、その後の支持率も堅調な参政党は今回、小選挙区に180人程度の公認候補者を立てる予定であり、現実に、自民党は参政党を強く恐れています。今回の総選挙は「日本の国柄を守る」派と「売国派」の闘いとも言われますが、後者が小選挙区で労組と創価学会という組織票でまとまり、前者は分裂(一応、高市自民を後者だとして)ということになると、せっかく日本が高市総理のもとで真っ当な路線を歩み出したと考える保守層にとっては悪夢の結果になりかねません。


選挙結果によっては中道改革連合を軸とする左翼政権へと政権交代か、そこまでいかずとも高市総理が責任をとって辞職して自民党内でまたリベラル路線が復活か…。


選挙期間はちょうど、雪国では大雪の季節。投票率が大きく下がる時期です。これも2月投開票の総選挙が36年間も行われてこなかった理由です。高市氏を勝たせ参政党を伸ばすことで国まもり保守路線を守り切るためには、組織票を打ち砕くまでに投票率が高くなることが必須です。両者とも無党派層や若年層からの支持が高いわけですから。決め手は投票率。2月8日の好天を祈るということになるのでしょうか。


いずれにせよ、明日27日の公示日以降、私も参政党の参議院議員として党の公認候補者の応援のためあちこちを回る日々に突入することになります。


ただ、今回の総選挙、与野党とも消費減税を掲げ、早速、過激な積極財政を懸念するマーケットでは金利上昇と円安が起きていますが、この度の選挙で問われるべきなのは、高市氏が解散を決断した背景とされる国際情勢の大激変の中での日本の国家路線の選択のほうでしょう。正月に配信した本メルマガでの私のコラムでも述べたように、今年は反グローバリズムと大国による「力による秩序」がいよいよ本格化する年です。


私が今回、参議院副議長が率いる7人の参議院議員団の一人として訪問した欧州でも、こうした世界秩序の変動を実感いたしました。今回は以下、その模様を1月11日~17日の約一週間に及んだ私の「欧州紀行」の形でご紹介したいと思います。


●参政党に近い政党が与党のイタリアも直面する中国の脅威と自主防衛の必要性

欧州訪問の初日ローマでは、シナイ半島駐留多国籍部隊監視団の事務局長を訪れたあと、イタリア議会下院を見学、およそ日本の国会の建物とは造りが異なり、天井が非常に高い劇場型で美術品の宝庫でもあります。その後、伊日議連のイタリア国会議員の方々と会食、メローニ政権与党「イタリアの同胞」の議員に、自分が属する参政党は日本における「イタリアの同胞」だとお伝えし、一帯一路から脱して中国の影響力排除に努める伊国の状況など有益な意見交換をしました。


過去に何度も訪れたイタリアですが、国会議事堂にせよ、ローマの街並みにせよ、伊国は自国の歴史と尊厳と風格を大事にする国だと改めて感じた次第です。


私たち一行は伊国防省にクロセット国防大臣を訪ね、私から、トランプ政権が12月に発表した安全保障戦略では米国は欧州から距離を置くこととなったが、そのもとでの貴国の国防戦略をどう構築するのかと質しました。国防力の強化は自由と民主主義のために必要だとする同大臣からは、これからは、最後は米国の役割に期待はしつつも、自国の守りは自国として自立しなければならないとして、中国が脅威だとしつつ、インド太平洋の枠組みの重要性を強調する内容のお答えでした。


これは日本も同じでしょう。伊は次期戦闘機の共同開発など日本と緊密な防衛協力関係を深化させようとしている国で、多くの点で共通認識を確認できました。


●国際秩序の大激変の中で表明された和と調和を旨とする日本的価値観の重要性

ローマでの2日目、我々一行はイタリア下院に下院副議長を訪ね、色々なテーマで意見交換、私からは日本の政治情勢ということで反グローバリズムの新興勢力として参政党が台頭したが、似たような主張のイタリアの同胞やフォルツァイタリアの連立政権が誕生した貴国の経験からアドバイスはないか?と質問。フォルツァイタリア出身の副議長からは、ポピュリズムという言葉が出てきて、そこからの脱却の重要性を指摘していました。


なお、これは私からの質問ではなく、日本でやろうとしている衆院の定数削減について、副議長から出てきた見方は、イタリアでは議会の定数の大幅削減をしたが、有権者の声が届きにくくなり、経費も別のところで増えるなど、身を切る改革は全くノーだということでした。大いに参考にすべきでしょう。


下院のあとは、私たち一行のカウンターパートでもあるイタリア上院を訪ねました。故ベルルスコーニ元首相に近かったとされるロンズッリ上院副議長(女性)や外交委員長など議員の皆さんと安全保障など様々な観点から議論を交わす中で、先方から、これから新たな国際秩序が模索されていく中で、和と調和を旨とする日本が重要だとの素晴らしい意見が出ました。


「世界に大調和を生む」を理念とする参政党の私からは、米国一極構造が崩れ、今後、大国間でそれぞれの国の生存が優先される時代に入る中にあって、21世紀の新たな世界秩序を構築していかねばならないが、長い歴史と文化から和と調和の精神を生み出した日本と、これも長い歴史と文化を誇るイタリアとの協力関係を、こうした文化的価値観のレベルでも発展させることの意義は大きいと申し上げました。


●オーストリアでも参政党に近い自由党が第一党…多党化時代の政党政治の在り方

このあと、私たちはローマをあとにウィーンに入り、まず、オーストリア下院を訪れ、墺日友好議連の国会議員の皆さんと対話をいたしました。オーストリアでは一昨年の下院議員選挙で、参政党に近い立場の自由党が第一党に躍進しましたが、ドイツと同様、自由党に政権を取らせまいと、保守の国民党と社民党及びNEOSといったリベラル3党による連立政権となっています。ここでも、そこまでして「右派ポピュリスト」と称して愛国国民主義の政党を排除するのか。


私はここでも思わず、参政党の立場から論点をぶつけました。日本では反グローバリズムの参政党が躍進しているが、貴国では有権者が投票で示した民意を無視して、しかも保守とリベラルが組んで連立政権というのは、有権者に対していかなる政治の対立軸を示そうとしているのか?と。これは議員の皆さんにとって答えにくい質問だったようです。


自由党の副党首であるハラルト・シュテファン下院議員も他党の議員を前に明確には答えにくそうでしたが、私とお互いに通じるものがあると感じたようです。他の連立与党の議員からは、たとえ党としての立場は違っても、目的が同じであれば、違いを乗り超えて組んでいるのだ、との発言。欧州諸国では、多党化の中で連立を組む国が多いですが、これはいずれ、同じく多党化が進む日本の政界の在り方としても考えるべき点でしょう。


ちなみに、当方団長の福山参議院副議長からは、近く行われる衆院選でさらなる躍進が注目されているのが参政党です、と紹介、会談終了後、同副議長から私には、これで参政党と自由党との関係が築けたではないですか、と。各国の反グローバリズム愛国国民主義勢力と参政党との連携をさらに進めてまいりたいと思います。


●グローバル国際機関の限界とウクライナ支援の意味…移民対策は決め手なし

ウィーン2日目、我々一行は色々と各機関を訪ねましたが、ザルツブルグ州出身のシェルホルン・オーストリア外務副大臣との会談では、同副大臣が日本との関係の柱にクラシック音楽を挙げていたので、私から、チェロを弾く自分もそうだが、音楽仲間の多くが毎年のザルツブルグ音楽祭を楽しみにしており、自分も引退した際にはザルツブルグの近くの湖畔に住みたい、ただ、25年にわたりウィーンを拠点に音楽活動をしている家族によると、近年では外国人に対する滞在許可が厳しくなっており、日本では外国人が急に増えたことを背景に、貴国の自由党と立場の近い参政党が躍進した、外国人に対する政策をどうしているのか?と質しました。


答は、オーストリアはもう40年にわたり国是として移民難民を受け入れてきて、社会的統合に努めてきたが、なかなか解決が困難だ、でした。色々な工夫をしていても、移民を入れてしまうと、やはり…。


その後、福島処理水について日本側に立って頑張っているIAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長や、OSCE(欧州安全保障協力機構)の事務局長、さらには、このほかウィーンには数多くの国連機関があり、そこで頑張る多数の日本人の方々との面談、在オーストリアの日本人の方々との会食などもいたしました。


IAEAは核査察で有名ですが、最近ではウクライナのザポリージャ原発の安全性確保が最大の課題。国際機関は基本的にロシア=悪、のグローバリズム側に立っていますが、軍事専門家が皆さんそろって主張しているように、実態はロシア側が圧倒的に強く、ウクライナは国家崩壊状態。その真実に気付いていても、彼らは建前を崩さないそうです。


OSCEは米国やロシアをも参加国とする欧州の安全保障対話のマルチの機関で、日本でも「アジア版OSCE」を提案している政党もあります。武力ではなく対話と外交と情報共有こそが安全保障には不可欠としていますが、ではなぜ、ロシアも入っているのにウクライナ戦争を防げなかったのか、ウクライナ和平などに向けてどこまで現実に寄与できているのか、世界は残念ながら「力による秩序」、つまり、超大国間のパワーゲームが全てを決める時代に入ってしまっているのではないかと思います。こうしたマルチの国際機関の存在意義も問われているものが多いと私自身は感じました。


ただ、国際機関で働く日本人からの声で興味深かったのは、ウクライナ支援です。参政党の支持者の多くがウクライナに出すカネがあるならまず日本国民へ、という立場であり、私もそうだと思いますが、現実には国際社会の日本の技術に対する期待は大きく、こうした機関が日本の産業にマーケットを生み出していること、義手義足を始め医療や人道に関わる分野で日本の貢献が大きい面もあることには一応留意すべきでしょう。日本は決してATMになってはいけませんが、日本の国益に資する案件や人道分野については別扱いか。


●ウィーンでの反グローバリズムをめぐる議論…音楽という共通価値

ウィーン最後の夜は日本大使公邸にて、前連邦参議院議長始め、先般、日墺友好議連で来日時に日本の参議院議員会館にてお迎えした(その際は私も出席していました)オーストリアの国会議員6人ほどとの夕食会でした。


その場には参政党と近い立場で前回の選挙で第一党となったものの政権入りは阻まれた「自由党」の議員もおられたので、私から、トランプがアメリカファーストを掲げ、日本では日本人ファーストを掲げる参政党が反グローバリズムで躍進したが、貴国で自由党が最も多くの国民から支持された背景には世界共通の潮流があると考えているか?と質しました。


自由党の議員は納得していましたが、他党の議員からは、私に突っ込んだ質問があり、反グローバリズムという概念自体に否定的な雰囲気がありました。やはり、と思いましたが、私からは、昨今、国民生活が困窮している中で諸悪の根源はグローバリズムにあるとする国民が米欧で増えているという現象が実際にある。そこに現実的な解決を出していくことが政治家の使命なのではないかと申し上げたところ、自由党の議員は更に大きく頷いていました。


前述のように、オーストリアでは国民から選挙で最も支持を受けた自由党が排除され、他の3党が野合?の如く連立政権を組んでいますが、ここからも、もはや世界の政治の対立軸がグローバリズムを巡るものになっていることを実感します。


ウィーン最終日はまず、壮麗なるオーストリア国会議事堂を視察。かつてのオーストリアハンガリー帝国らしき威厳を感じさせるものがあります。建築の様式美と美術品の宝庫。日本の国会議事堂も建設されたのは大日本帝国の頃でしたが、一部、ここから取り入れたかもしれません、


議事堂見学の後、各州を代表する上院(連邦議会)の議長(半年毎の輪番制だそうで、現在はチロル地方を地盤とする若い議員)、そして下院(国民議会)の議長と、それぞれ面談。参政党に立場が近い自由党は政権に入るのは阻止されても、先の選挙で第一党でしたので、下院の議長(写真の白髪の方)は自由党です。


ただ、この議長と私とはもう一つ、音楽という共通項があり、議長はウィーン国立音楽大学の出身で、学科は違いますが、同じく同大学の声楽科を大学院まで卒業した私の長女の大先輩に当たります。福山副議長から面談の最後に私からその話を、と振られましたところ、議長はとても嬉しそうでした。


「自由と民主主義と法の支配という同じ価値観を共有する国どうし」と、外交の場で決まり文句のように言われますが、音楽という文化的なレベルでの共鳴を共有することこそ、国どうしで組んでいくための、本物の価値観の共有ではないか。


議員外交という仕事の場ですから、単に親睦を深めるだけでなく、こういう結びでなくてはと思い、このように述べました。


●参政党が世界の同志政党とつながるために

今回の参議院議員団は7名でしたが、いずれも各党の参議院の要職にある重鎮。ちなみに福山哲郎副議長以外のメンバーは、自民党からは松山政司・参議院会長、立憲民主党からは水岡俊一・参議院会長、国民民主党からは川合孝典・参議院幹事長、公明党からは谷合正明・参議院会長、維新からは金子道仁・参院政審会長、そして参政党からは参議院会長である私でありました。


私はかつて衆議院議員だったときも欧州に議員視察で出張いたしましたが、今回、参議院議員になって初めての海外出張が、いずれもが独自の歴史文化伝統に加え、国家の誇りを重視する政治勢力が第一党になっている国であるイタリアとオーストリアがその訪問先国だったのは、政治的に近い立場の参政党の議員として幸いなことでした。


訪問団の各党の中ではまだ議席数が最も少ない党であるため7人の中で私は末席ではありましたが、訪問先がそのような国々でもあることから、私としては参政党の存在をアピールすべく、どの場でも意識して積極的な発言に努めた次第です。


国内政局のみならず、国際情勢も複雑の度を増すこんにち、任期の長い参議院議員がこうして人間関係に基づく息の長い議員外交を担うことの重要性を肌で感じることができた欧州視察でありました。まずは総選挙ですが、今回の訪欧の成果を今後の国会活動や国政の場に活かしていく所存です。 

 
 
 

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