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  • 執筆者の写真松田学

日本にもう一度、「もはや戦後ではない」を~戦前と戦後を繋ぐ歴史観の再生こそが次なる日本への道を拓く~


確かに、北朝鮮や中国は日韓両国にとって重大な脅威であり、三か国の連携がこれら脅威に対する抑止力になるとの印象を与えることは事実でしょう。ただ、米国がウクライナ戦争で手一杯である中で、これら脅威に対して日韓の役割強化は米国の国益です。


その前提としての日韓関係の改善も、バイデン大統領からの指示だったことをバイデン氏自身が演説で明言しています。これ自体、尹新大統領の下で「徴用工問題」の解決が進展した韓国との間には依然として日本として許し難い問題を抱えており、一国の外交関係を米国に指示されるなど、果たして日本は独立国なのかという議論があるでしょう。


それを横に置いても、さらに問題なのは、この三か国の連携そのものがバイデン側の対ウクライナ支援という思惑の下になされていることです。ジャーナリストの山口敬之氏によると、バイデン氏は岸田総理に防衛費43兆円を決めさせたのは自分であり、それはウクライナ戦争の支援のためだったと支持者の前で演説して拍手喝采だったそうですが、そのバイデン氏が目指しているのが、日本が憲法上、戦争状態にあるウクライナへの支援に限界がある中で、韓国を通じて支援させるスキームの構築であるとのこと。


前号のコラムで私が指摘した通り、ウクライナ戦争そのものが軍事的にはロシアの勝利で終わることが見通されている中で、NATO各国の大きな関心事はすでに戦後処理に移っています。敗戦国の復興には莫大なカネがかかりますが、それを10兆円単位で日本に出させるのがバイデンの狙い。先般の日韓通貨スワップの再開も、韓国ウォンでは国際通貨では役立たない中を、日本に韓国による支援をバックアップさせる意図があるそうです。


グローバリズム勢力が自らの利権のために引き起こさせたウクライナ戦争の後始末にまで、日本はATMとして使われるのか。まさに日本の米国植民地化が岸田政権の下で進められている構図がここにも見られます。


その米国が今後も超大国として世界の頂点に君臨するのであれば、日本が自らの主体的な判断として米国への依存を戦略的に続ける道もあるかもしれません。しかし、前号でも指摘したように、岸田総理がそのお先棒を担ぐまでに従属しているG7秩序そのものが「泥船」であるとすれば…。この点については参政党で東北ブロック衆院選候補に公認された山中泉氏も次のように指摘しています。それはG7のマイノリティー化です。


すなわち、バイデン政権の戦略的大失敗が加速しているのが世界秩序の変動。ウ戦争が起きてから米国はドルを武器化し、SWIFT決済システムからロシアをシャットアウト、これでロシア経済は機能しないだろうと欧米は読んだわけですが、事実は全く逆になりました。


中国やインドは原油を人民元やルーブルで取引し、天然ガスなどをロシアから相場より安く買えるようになっています。欧州も建前ではロシアの資源は使わないと言っていても、後ろからロシアの天然ガスを買わざるを得ず、それで冬を乗り切りました。中国やインドから買ったわけです。ロシアの貿易額は逆に増えました。


モスクワではスーパーでは食料品がいっぱい並んでおり、NYのほうが物価は高い。この現実は日本では報道されていません。山中氏のロシア人の友人は「全然困っていないし、街は平和だし」と。未だにプーチンの支持率は約80%で、バイデンは30%台。岸田総理も似たようなもので、はるかに国民から信頼されています。息の根をとめるために制裁をしたところ、抜け道はいくらでもあった。プーチンは読んでいた。準備をしてきたから…。


そしてさらに問題は「非ダラーリゼーション」にあるようです。人口が世界の4割を占めるインドや中国を含めたBRICs諸国5か国を合わせるとG7の経済規模を上回っており、世界は急激に動いています。ドルのシェアもウ戦争前の54%から46~7%まで落ちている。南アにBRICsが集まり、アフリカ諸国、イランなどの反米の国も…。そこで、ゴールドに裏打ちされた固定相場制の新通貨をブロックチェーンで発行することが協議…。


こうしてスパーデジタル通貨が誕生すると、世界では中国中心のブロックチェーンの世界が動き出し、日本まで巻き込まれるかもしれません。資源国ロシアにサウジまで入ってきており、インドや中国は金の備蓄を増やしており、食料はロシアが…ここをバックにしたバスケット制の新通貨は間違いなく強くなるでしょう。米ドル基軸通貨体制自体が大きく後退し、ロシアを干上がらせようとしたバイデン側が逆の状況になっていく…。


そろそろ日本は自分の足で立つ道を早急に歩み出さねばなりません。そのためにこそ私は独自の国産ブロックチェーン基盤に立脚した「松田プラン」を提唱していますが、理念の面でも対米従属路線の「戦後」を終わらせなければならない…今回は以下、この点について私との対談で深い洞察を示してくれた西村幸祐氏が語ってくれた内容をご紹介します。


●「もはや戦後ではない」で高揚した日本人と、今でも「戦後」の日本人

冒頭で、「近く『安倍晋三黙示録』を出版する。黙示録は世界の終末を描いている」と述べた西村氏との今回の対談は、「戦後」という概念を論じることから始まりました。西村氏によると…「普通、世界どの国でも『戦後』という言葉を使うのは、戦争が終わったあとの期間だ。戦後の混乱が終わったあとは戦後ではなくなる。なのに、日本の場合は8月15日になると、「戦後何年」と言い続けられている。」


「それ自体に色々な意味がある。日本人の一般感情としても『戦後何年』。公式見解では昭和31年に『もはや戦後ではない』。その経済白書を書いた経済企画庁のような、そういう国家戦略を打ち出す機関が今はない。当時は下村治がリードしていた。独立国家として立ち上がった頃であり、この言葉は違和感なく受け止められたし、高揚感もあった。」


「なぜなら、当時は誰もが戦前戦中を知っていたからだ。大東亜戦争を戦った生き残りの人たちが全員、官僚や企業経営者、働き手、学生たちとして、戦争を知っている人たちだった。だから、リアリティをもって『戦後は終わった』との言葉が脚光を浴びた。」


「その後、昭和34年に5年後の東京五輪が決まった。当時の大人たちのことを想えば、その前に昭和15年の紀元2600年に、アジア初の五輪が東京で開催されることが決まったということがあった。当時は、日本の国力がピークだった。それが、シナ事変に続き、欧米との関係が怪しくなったことで中止になった。欧州では第二次世界大戦、ナチスのポーランド侵攻も始まっていたという危急の事態で返上した。


「当時のプロジェクトで日本国有鉄道が『弾丸列車構想』を進めていた。新丹奈トンネルを昭和10年代に造っていた。新幹線プロジェクトがあった。玄界灘をくぐって朝鮮半島に行って満鉄につながり、欧州まで弾丸列車で行ける構想だった。戦争がなければそうなっていただろう。昭和15年当時の日本は、そういう大きな国家プロジェクトに自らを重ね合わせて生きていた人が多かった。それも戦争で中断された。」


「戦後、『もはや戦後でない』との言葉のあとに五輪の誘致が決まった。東京五輪の年には新幹線が開通。当時の日本人が何を考えてひたすら復興と経済成長に励んだか。それは戦争には敗けたけれど、我々は今度は経済では負けないぞ、と。戦争で亡くなった人たちがみんな身近な人たちだった。その人たちと共通体験を持っている人たちが敗戦後、必死に日本を立て直した。そういうものが歴史である。」


●「戦後何年」それ自体が戦後レジーム…同じ戦後19年でも濃密さが全く違う今の19年

「本当の歴史はあり得ない。その時を体験していないと歴史を知ることはできない。全て二次情報になってしまう。その時点での解釈で過去を見ざるを得ない。クローチェが『あらゆる歴史は現代史である』とした通りだ。当時の人たちにとって19年前に終わった戦争は身近なものだった。2023年の我々が19年前を考えると、決して長くない。」


「戦前を生きていた人たち、戦後復興をした日本人たちが行った営為や存在そのものの濃密さと比べると、今の我々は軽すぎる。19年前とは2004年だが、北朝鮮が拉致を認めて謝罪し、5人を返したのが2002年、あれから21年だ。濃密な時間をずっと生きていた人たちと比べると、北朝鮮による拉致がわかって21年の間、何も変わっていない。失われた30年と言うが、30年も失うと何もなくなってしまう。そういう局面に日本は立たされている。」


「安倍晋三の死は、そういう日本の状況を身をもって我々に残してくれた。日本の終末論でもあるし、予言の書でもある。安倍の黙示録になってしまう。普通の国なら、経済白書が戦後でないと言ったとたんに戦後ではなくなる。しかし日本では、なぜか終わらない。それが戦後レジームだ。戦後何年とメディアが言うこと自体が戦後レジーム。いずれ戦後100年、200年になるのか。」


「敗戦のあと、日本はいつになると立ち直れるのか?という質問が出たとき、昭和天皇が百年はかかるだろうとおっしゃったらしい。78年をみると、それが当たりそうだ。軍事占領と同じ状態が今も続いている。」


●戦前と戦後は違うと思うこと自体がプロパガンダ~戦後レジームに回帰する岸田政権~

「先日の埼玉県知事選挙にはあきれた。知事に大野氏が再選されたが、投票率20%強で、民主主義が機能しておらず、大野氏は自民と立民の支援を受けていた。それなら投票率が5%になってもよかった。意味のない選挙で、今の岸田政権を見ているとそれもありか。」


「あれこそ戦後レジームだ。第一次安倍政権のとき安倍氏は戦後レジームからの脱却を掲げたが、それにものすごい反発と攻撃があった。戦後レジームを終わらせたくない勢力からの反発だった。それは結局、今の自公政権と立民(と社民党)、それが戦後レジームをつくっていた。戦後体制そのものを支えていたのが55年体制であり、自民党と社会党という対立軸がお互いにもたれあい、今のままで続けていこう。それを崩そうとする政治勢力は潰される。安倍元総理もそうだった。新しく歴史を進めようとする人たちが消される。」


「それが現状だということを私たちは確認しなければならない。8月15日をどうとらえるか。60歳以下の人たちは戦前と戦後は違うと思っている。それも戦後レジームであり、米国のプロパガンダだ。戦前は民主主義が出来なかったと。米国が日本の悪い部分を取り除いて民主国家にしたと。『戦後』という空間から脱するということを想像すらできず、思考停止している。それが日本永久占領だ。」


「未だに米国の基地があるが、『原爆を二回も落とされて、その軍隊をよく駐留させてますね』とインドの人から言われた。それをなんとも思わない空気が醸成されてきた。これが前提となっていて抜けられないのが永久占領だ。」


「ここから、米国に反発されないようにうまく抜け出そうとしていたのが安倍氏だったが、今の岸田政権は全く逆で、対米従属をどんどん深めている。防衛三文書の改訂、国防費二倍、スローガンは良いが、実際はよくない。二倍と言っても、5年後のことで、他の予算も入っていて、上げ底だ。それに気づいた人が結構いて、自民党から離れている。参政党という注目されねばならない日本の政治勢力の代表として、一番よくわかると思う。」


「私は自民党員ですが、参政党を支持しますという人たちはまともな人たちだ。岸田氏は戦後レジームに引き戻す人であり、やっていることは立民や日本共産党と同じだ。LGBT法が極め付きだった。日本が創る必要のない法律を作ったのは何なのか。」


●本当にそうなってしまった、三島由紀夫が喝破した「無機的でからっぽな」国に

「9月に出る本の帯に三島由紀夫の言葉を載せた。1975年7月7日に産経に寄稿したエッセイ。『このままいったら日本はなくなって、その代わりに無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない経済大国が極東の一角に残るだけだろう。』、『それでもいいと思っている人と私は口をきく気にもなれない』と。」


「安倍さんはそういうものから脱却して、もう一度日本人が世界の一員として世界に貢献できる国家、そういうことを国民が自覚する国を目指した。三島はやはり天才でわかっていた。ある経済的大国が極東の一角にとしていたが、それすら今はない。日本人は8月15日をめぐって、この78年間、何をしてきたのかに思いをはせるべきだろう。」


「戦後復興と東京五輪を成功させた人たちは、戦争を戦ったことと同じ時空でつながっていたからできた。しかし、プロパガンダで戦前と戦後の日本は違うと思っている人たちにはわからないことだ。明治維新から敗戦まで77年、そこから去年までが77年。敗戦の前の77年に日本人が行った行動や思索と、その後の77年を見るとあまりに劣化。戦後プロパガンダに流された人たちは、戦前の77年の日本がいかにすごかったかがわからない。」


「第一次大戦後のパリ講和会議で人種差別撤廃を日本が世界で初めて提唱したことを言うと、びっくりする人たちが多い。日本がやったことが全部削除されている。これは知識として持たないと、永久占領は千年続くだろう。」


「エマニュエル大使が杉原千畝について、ユダヤ人を救ったとその偉業をたたえたが、間違いだ。それで世界から称賛された唯一の日本人だとしたからだ。ゴールデンブックにも載っている樋口季一郎中将は少将時代に、関東軍で杉原千畝がビザを発行する二年前に、多くのユダヤ人を救っていることが欠落。」


「それを支えたのは総理になる前の東条英機だった。東京はドイツとの関係で微妙なのに、東条はやらせた。その東条を戦犯として処刑したのは米国だ。当時の日本軍人が普通に考えることをやっただけ。満州国自体が五族共和の理念で創られた。」


●プロパガンダだらけのNHK番組をおかしいと思わなければ「戦後」は終わらない

「NHKもプロパガンダだらけだ。クローズアップ現代で、女子のワールドカップでLGBTを持ち上げて…。NHKという組織そのものが、占領中にその前からあった日本放送協会を新たに作り直したもので、これは日本へのプロパガンダの為の占領政策だった。昭和21年の年末から始めた番組では、仏印への進駐は間違いだとか、シナ事変では残虐なことが行われたとか、米国の歴史観、あの戦争の真相はこうだと。」


「当時、投書が殺到し、ふざけるなということでやめた。別のやんわりした番組に変えた。視聴者はみんな当事者だった。そういう体質のNHKだ。今は誰も知らないから平気でプロパガンダをやる。NHKスペシャルでは学術会議で拒否された歴史学者が解説していた。」


「ドイツがいよいよ包囲、占領され、負ける最後の頃、NHKテレビ番組で昭和天皇役をしていた役者が非常にショックを受けるシーンを演じていた。ナレーションの解説では、日本もこれで敗戦すると占領される、それで天皇制がどうなるかわからないから震え上がったと。ひどすぎる。」


「天皇が侍従の前で吐しゃしたという事実はあるが、その理由は、普通に考えれば2600年占領を受けてこなかった国が占領されて多くの国民が犠牲になることの責任を自分で甘受するということだった。玉音放送にも書いてあった通り、『過去の天皇にどれだけ詫びたらいいのか』と。そうした歴史事実を無視して、おかしな解釈を平気で流す。それが今のNHKであり、それを見ておかしいと思わない日本人が多いとすれば、戦後は終わらない。」


●戦後レジームから脱しなければいよいよ日本がなくなる局面に

「これでは、崩壊する米国の属国になるだけだ。民主主義は米国にはなくなっている。日本の敗戦で米国は民主主義を教えたなど冗談じゃない。中国共産党がいちばん喜んでいる。米国の民主主義は独りよがりだ、我々の民主主義を認めろと。そういう局面に米国がなっている。トランプは立候補できなくなるかもしれない。」


「エルドリッジ氏が『下手したら何年かのうちに米国は内戦になる』と。米国籍を持つ人がそう言っている。その状況が日本に全く伝わってこない。トランプが起訴された、不正選挙は根拠がないと日本のメディアはそれしか書かない。バイデンが勝てるわけがなかった選挙だった。今度も大統領に当選しないはずのバイデンが立候補。」


「支持率ではケネディ、一位が彼、二位がトランプ、ずっと下がバイデン。失政、失策のオンバードだから当然だ。そもそも民主党は不正でしか勝てないとエルドリッジ氏が言っていた。メディアの情報操作が多い。普通なら政権はひっくり返るはずだが…。」


「そういう米国の状況のもと、日本は独立国家としてどうするかを考えるべき時期だ。ずっと頼ってきた米国が民主国家ではなく、中国が巨大に。日本は自分で自分のことを考えねばならないはずだ。米国の親日家は、それを最も心配している。かつては日本の武力強化は米国のためでもあると考えていたが、最近は本当に日本のことを心配している。」


「自分たちを自分たちで守れるための武力と国民のコンセンサスがなくなると、日本はなくなると、本気で心配している。それに手を貸しているのがまさに岸田政権だ。」


「戦後レジームから脱しないと本当に日本はダメになる。ぎりぎりのところに来ている。日本発の世界観が本当に問われている。『世界史的立場と日本』、京都学派の識者たちの座談会を、いま振り返るべきだ。参政党でも勉強会をしてほしい。そういう自覚を促す参政党は時代の要請である。」


「自民党の役割はとうに終わっていたが、最後に立て直そうとしたのが安倍氏だった。岸信介が祖父だからできた。彼も安保改定で少しでも自立に近づけようとした。そういう日本がますますなくなる。安倍氏が亡くなったことをもう一度、歴史の中に位置づけることが日本人に問われている。世界中の人たちはわかっている。」


「ポンペイオ元国務長官の回顧録では安倍さんへの言及だらけだ。自由で開かれたインド太平洋は今や世界の常識だ。歴史を捉えなおし、78年前は何だったかを考え、そこから初めて本当の反省が生まれることになる。」


西村氏が言うように、私たちの身の回りも私たちの意識自体も「戦後」だらけかもしれません。70年以上にわたり米国主導の世界秩序が機能していた時代には「戦後」のままでも日本は平和と繁栄を享受できていましたが、経済面でも安全保障面でも、それが通用しない世界へと移行していることが明らかになってきたこんにち、このままでは確実に日本が沈むことを、米国の有識者たちまでが本気で心配していることをどう考えるのか。


日本国民が歴史を正しく捉えなおし、戦前以前から一貫してつながる国家としての日本を自覚したとき、初めて「もはや戦後ではない」への次なる日本の道が拓かれるのだと思います。日本国民の中でも参政党を支持して頂いている方々は気づいておられると思いますが、こうした世界観と自覚を来る国政選挙に向けてどれだけ多くの一般国民に広げていけるかが、今後の日本の命運を決める。そんな覚悟で政治活動や言論活動に取り組んでまいりたいと思います。

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