• 松田学

新型ウィルスが促す中国のレジーム崩壊~文明交替期の大激動と「日本新秩序」~

2020/02/10

中国という大国をいったいどのように扱うのか。かつて、これが21世紀の国際社会最大のテーマになると言われたものです。グローバリゼーションの流れに乗って世界をチャイナ一色に染め始めていた中国が、今度はウィルスで世界中をパンデミックで染めるのか。歴史を振り返ると、中国発の疫病が欧州や日本の歴史を変えてきたとも言われます。これは中国の政体もそう。中国での王朝交代もすべて、疫病による民の疲弊や流民化が原因との説も…。いま、日本でもトップニュースであり続けている新型コロナウィルスで、中国では何が起こっているのか?習近平政権自体が、かなり危ないようです。


どうも、国内での患者や死者の数など、実態は公表をはるかに上回り、本当のことはまだ隠しているとされる中国。情報統制と国民監視で「チャイナチ」という言葉すら香港筋から飛び出した全体主義的強権国家も、さすがに今回の新型ウィルスにはかなわないようです。評論家の宮崎正弘氏によれば、習政権が最初に採った隠蔽策が今度は悪い方に出た…。口コミで広がった国民世論が抑えられなくなっているとのこと。


すでに、昨年拡大した香港デモを受け、中国社会でも底辺で香港支持の動きが広がり、習主席も事態を放置できない状態になっていたところに、このウィルス。これまで国民監視を強める習主席を中国の庶民の多くが支持してきたのも、これで治安が改善し暴動も減ったからですが、さすがに自分たちの命が脅かされるとなれば、そうはいかない。


歴史は繰り返すかもしれません。現に、中央政治局常務委員会のなかに習の味方はおらず、権力機構のトップがガタガタしていることが末端にも伝わり、現場はサボタージュ。これも中国国内の今回の混乱に拍車をかけてきたようです。李克強首相が武漢を訪れたのは完全なパフォーマンスとのことですが、これで人気を高めた李首相は大喝采で、SNSでは4,000万回もの記録的なビュー、これは、「習、辞めろ」の声なのだそうです。


かつてチェルノブイリのあと、ゴルバチョフのグラスノスチ(情報公開)を経て、数年後にソ連は崩壊しました。これと同じことが起こる…。このことを習もわかっているようで、いよいよやばい、しかし、どうしたら良いのかわからない。人民解放軍も習主席の号令一下で動くような状態ではないとのこと。宮崎氏はいまの中国を、かつて清朝に対して革命軍が起こした共和革命である辛亥革命の前夜のような状態だとしています。


経済も心配です。いよいよチャイナリスクが現実のものに?そもそも中国の債務総額は3,700兆円との一昨年のBIS(国際決済銀行)の数字は最低の見積もり。中国サイドからの6,700兆との数字もあれば、ゴールドマンサックスは9,000兆としており、毎年の利払い費だけで127兆円…。この自転車操業を回す片方のペダルは対米貿易黒字、もう片方のペダルは海外からの直接投資でしたが、両方とも激減状態。3.1兆ドルの外貨準備は借入枠に過ぎず、単なる見せ金。最近はドル建て債務の返済に窮し、海外資産の投げ売りに出ていた中国は、香港でのドル建て社債が破裂、株の新規上場によるドル資金集めもトランプが中国企業の上場ストップ措置。中国は金融面でも行き詰まりつつあるようです。


いつ起こるかと言われ続けてきた中国のバブル崩壊が未だ起きてこなかったのも、自由主義経済では考えられない強権発動をマーケットに対して行い得る政治体制によるものでした。それが前述のように、習政権は今年の北戴河会議までか?とも言われる政権弱化状態と上記のような経済情勢のもとでは、今回のウィルスによる経済活動のストップ状態がリーマンを上回る世界恐慌のトリガーを動かす可能性が十分にあるとみるべきでしょう。


かつて2002年に広東省で発生したSARSの頃は中国の世界経済に占めるウェイトは4%でしたが、現在は16%と4倍です。しかし、現在の中国経済のインパクトは4倍をはるかに上回るでしょう。リーマン後に世界経済の成長に最も貢献してきた国は中国であり、「中国がくしゃみをすれば世界が風邪をひく」と言えるほど、各国経済が中国との相互依存に組み込まれてしまったからです。それは新型コロナウィルス以上の伝播力かもしれません。とりわけ中国から抜けられないでいる日本は、中国ドカーンで麻痺状態に…?


さて、東洋思想に詳しい林英臣氏によると、文明法則史学というマクロの文明論に基づけば、世界文明は東西文明に分かれ、それは800年ごとに入れ替わるそうです。21世紀は西から東へと大きく文明が入れ替わる、その時期を迎えようとしているとのこと。入れ替わりの時期は混乱期だそうで、米中新冷戦も移行期における「文明の衝突」なのでしょう。


しかし、これからの800年が東の文明、アジアの時代だとしても、いまの中国がこれからのアジアの文明になるわけにはいきません。それは膨張する資本主義を欧米から受け継いだものに過ぎないからです。中国にはもともと、公明正大なる儒教の伝統と、多民族を支配するために必要な「ウソつき」文化の両面があり、現在は、後者が全体主義ファシズムと結びついているようにみえます。林氏は、米国の力をもって本来の中国に戻ってもらうことを願うとしていますが、望み薄でしょう。


むしろ、新たなる文明の地平を切り拓く役割を担うのは日本であるというのが、私の従来からの考え方です。私が10年来、唱えてきた「日本新秩序」が、「政党DIY」が創ろうとしている新しい政党の基本方針にも採り入れられることになりました。


いずれにしても、日本は中国とは一線を画した国であることを明確にし、日本ならではの独自の価値創造の道を歩まねばならないはず。いまの中国を背負う習近平が国賓待遇で来日し、天皇陛下と並ぶ姿は、日本が中国と並ぶウィルス汚染国として国際社会から排除される事態と同じような悪夢をもたらすというのは、考えすぎでしょうか?


今回は免疫力を低下させるエイズウィルスのタンパク質が挿入された生物兵器だとの噂も…。それはさておき、中国が歴史的に世界の疫病の発生地であり続けてきた原因は、伝統的な衛生観念の欠如だとされています。常に人口過剰の中国では、感染症で死者が出ても、感染しなかった者が免疫力を高めて生き残っていく…?これが中国式のサバイバルの道…?日本は公衆衛生も医療も中国よりもはるかに水準の高い国なのですから、そのような国にふさわしいウィルス終息策で、中国との圧倒的な差を見せつけてほしいもの。


「今年は世界の景色が変わり始める年」…私は年初からそう述べてまいりましたが、どうも、意外なところから世界が激震を始める年になりそうです。

195回の閲覧
  • Facebookの社会的なアイコン
  • Twitterの社会のアイコン
  • YouTubeの
  • Instagramの社会のアイコン
This site was designed with the
.com
website builder. Create your website today.
Start Now