• 松田学

戦後独立したことのない日本と核の傘のウソ~本当のことが言える政党が国民の明確な選択肢になるために~

ついに寺田総務相の辞任で岸田内閣も辞任ドミノ…?最新のテレビ朝日11月世論調査では、岸田内閣の支持率は30・5%と、政権危機ラインの30%を割り込みそうな情勢です。どうも今後、岸田氏には支持率を上げる要素もなく、世論調査の支持率を最も気にして世論追随型の政権運営をしてきた同政権にとっては、皮肉な現実が突きつけられています。


いずれにしても、次は茂木氏か河野氏か…人材がいない、来年には5~6月以降、いつ衆院解散があってもおかしくない…そんな噂が飛び交う昨今ですが、確かに、自民党以外の野党がここまで弱いと、党の顔を変えてでも、心機一転に向けて解散のタイミングを探る状況になっていてもおかしくないでしょう。やはり「黄金の三年間」ではなくなった…。


では、本当に自民党以外に選択肢はないのか。毎日新聞の11月19~20日実施世論調査での政党支持率をみると、自民が29%、立民や維新が12%ですが、参政党が前回の2%から増えて3%と、同調査での公明党や共産党(前回の5%から3%に低下)と同じ水準になっています。大手新聞社の調査なので、実際はもっと高いのではないかという声も…。


この11月20日投票の地方選挙では、参政党が立てた3人の市議選候補が3人とも当選を果たしました(松戸市会議員選挙2人、桑名市会議員選挙1人)。これで参政党は地方選では7連勝となり、同党への支持が参院選時の一過性のものではなく、全国にくまなく張り巡らされた地方組織と10万人に近い党員党友などの方々の熱量に支えられて、着実に支持を伸ばしている政党であることが示されたといえます。この勢いを発展させて来春の統一地方選では500人の擁立を目指していますが、これが来たる衆院選に結実すれば、もう一つの新たな選択肢が有権者の視野に明確に入ってくるのではないかと思います。


選挙といえば、先般の米国中間選挙の余波についての報道が色々と続いていますが、私が注目し、今回の地方選でも街頭で訴えたのは、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)の勝利。初挑戦の前回2018年の知事選では民主党候補にわずか0.4ポイント差という薄氷の勝利でしたが、今回は約20ポイントの大差で再選を果たし、2年後の大統領選での最有力候補の1人と目されるに至っています。


では、この1期目の4年間、同知事は何をしたのか。「世界が狂気に走った時、フロリダは正気の避難所だった」…コロナ禍においてデサンティス氏は経済活動の制限を最小限かつ最短期間にとどめ、「ステイホーム」指示を出さず、学校での対面授業も早期に復活させ、マスク着用の強要やワクチン接種の義務化も受け入れず、ワクチン接種証明の提示を雇用継続や入場許可の条件にしてはならないとする措置もとりました。こうして自由の制限に走る姿勢を拒否したことで、フロリダは経済の落ち込みが相対的に小さくて済みました。


また、中国共産党政権によるスパイ行為を防ぐため、フロリダに本拠地を置く諸大学が中国人の研究者や中国の大学と行う共同プロジェクトに制限を課す州法の制定を議会に促しただけでなく、教育分野でも、米国が建国以来、構造的な人種差別の上に成り立っているとする「批判的人種理論」を公立学校で教えてはならないとの立場をとりました。これは、子供たちが自国を憎んだり、白人と黒人の児童の間に不和の種を蒔いたりする行為に税金が使われることは許されないとの考えからです。


さらに、エネルギー分野でも脱炭素原理主義者と闘い、フロリダ州内のいくつかの市が、電源は再生可能エネルギーのみ認めるとの方針を打ち出したのに対し、州内自治体はいかなる電源も禁止、制限してはならないとの州法を議会保守派と協力して成立させました。


これらデサンティス知事が実施した政策はいずれも、参政党の立場、政策と全く同じです。これが住民から圧倒的な支持を受けたことは、参政党の主張がこれから日本でも有権者からの支持を拡大していくことを示唆しているといえるでしょう。現在は陰謀論者だとかカルトなどと、新興勢力の台頭を恐れる既存勢力からフェイクによって叩かれている同党ですが、グローバリズム全体主義に対抗して自由社会を守る国民国家を打ち出す政治的立場は一過性のローカルなものではなく、世界の趨勢であることが示されたと思います。


このフロリダ州知事選の結果について、エルドリッジ氏は、同州では公正な選挙が行われたことで住民の意思が正確に結果に反映されたものだとコメントしています。同氏によると、米国民主党はもはや、不正選挙によってしか勝てなくなっているとのこと。バイデンを支持するグローバリストが支配しているとされるのが米国主要メディア。


そこからのプロパガンダ情報しか報道しない日本のマスコミの偏向報道によって、私たちには民主党善戦というイメージが定着していますが、共和党が敗けたとされる上院選でも、今回の改選議員については共和党が多数をとっていることや、トランプ系の候補の落選が大きく報じられるなかでも、実はトランプ系の当選者が共和党では圧倒的多数であることは意外と知られていません。そして早速、共和党支持者の間からは、今回の民主党による不正選挙への批判が高まっており、米国はますます分断の様相を強めているようです。


永久凍結されていたトランプ氏のアカウントも、ツイッター社を買収したイーロン・マスク氏によって復活されたようですが、コロナやGAFAによる言論弾圧などを通じて支配力を強化しているグローバリズム勢力に対して、ナショナリズム勢力がどこまで戦えるか、その結果として米国がこのまま分断に向かうのか、今後の米国政治の動向は日本にも大きな影響を与えることになると思います。


そのようななかで、先日、米国在住の国際政治アナリストの伊藤貫のほうから、米国からの一時帰国中に私に会いたいからと、アポをとってきたことで松田政策研究所CHでの同氏との対談が実現しました。同氏によると、米国の分断はかなり深刻であり、「日本は米国の言いなりになっていると滅びます」…。日本の安全保障や日米関係や巡る「戦後のウソ」について、本当のことを言えるのは参政党だけだから会いに来ました、とのこと。


今回は、以下、この伊藤貫氏が対談で語った内容をご紹介いたします。


●日本を独立国にしない運命は80年前から決まっていた…これは今も米国の本音

日本は過去77年間一度も独立していない。日本を独立国にしないことが米国の占領目的だった。最初にそれが出たのが1941年のルーズベルトとチャーチルの会談。その時に既に日本を対米戦争に追い込んで、日本を叩きのめしたあとは二度と自主防衛力を持たないようにしようと話し合った。1942年にはルーズベルトはソ連のモロトフ外相と会談して、日本を叩きのめして日本を軍を持たせないようにするとモロトフに約束。


このように、80年前に日本の運命は決められていた。第二次大戦に勝った後にどうするかを1942年のときに考えていた。日本を独立国にしない、と。オリジナルなアイデアは42年にできていた。


では、日本はこの77年間、何をやってきたのか。米国のアジア担当官たちと話すと、独立国にしない、と、本音を言う。国務省、CIA、ペンタゴンの次官補や部長たち。我々の本音は、日本を二度と独立させないことだ、と。日本自らが本当の決断はできないシステムになっている。決断できない国にしたのは米国。外交でも安保でも経済政策でも、自ら政策を決断できる国家になったらいやがるのは国務省だ。ケビン・メアは「決断できない国」だと日本をからかっているが、決断できる日本になったら国務省が困る。


●こびへつらいの吉田茂首相のときから日本の対米従属は自民党政権のもとで構造化

日本の戦後の路線を決定した首相は吉田茂氏だが、ジョン・タガミ氏と飲んだ時、自分の親はマッカーサー直属の通訳官をしていたとして、当時の真相を話してくれた。マッカーサーと一緒に日本に来て、全部通訳、吉田茂とマッカーサーとの通訳もした。


吉田は外務省のキャリアで元駐英大使なのに、マッカーサーが、吉田は英語をしゃべれないとビックリしたそうだ。全く英語で議論する能力無し。本当なら外務省には芦田、幣原など優秀な人材がいた。吉田は中国でドサ回り。その吉田がマッカーサーに徹底的にこびへつらって、ごますり、お世辞、本気でマッカーサーの言いなり。占領軍としても吉田は使いやすい。彼にはたとえば重光葵のような言い返す能力もない。


吉田は、外務省ではうだつがあがらなかったのに、いきなり総理大臣に引き立ててもらった。悪人ではない。頭は悪かったが、人から好かれる性格。今の日本の誰かに似ている。なぜ敗戦国だからと、ここまで?とジョンの父は驚いたそうだ。


マッカーサーはいやな奴、エゴそのものの人物だった。ナルシスティックで格好つけ、俺ほどすごい奴はいないんだとお芝居する。マッカーサーが思い付きのように憲法9条を押し付けてきても、吉田は言うことをきく。ここまで日本の総理はディグニティがないのか、と、ジョンの父はあきれたそうだ。


日本の新聞では、吉田はマッカーサーと堂々と渡り合い、日本の主張を米国に伝えたという記事になっていた。現実とは逆の報道。それが占領軍にとってはとてもよい。日本人の敗戦国としてのプライドを慰撫してくれるからだ。これもプロパガンダ。占領軍のほうが役が上手。吉田を持ち上げると吉田も気持ちいい。その後の岸も佐藤も中曽根もそういうお芝居。ロンヤスもお芝居。このように、戦後外交のあり方が構造化されていた。


日本はファーストネームで呼び合う仲をなぜか重視するが、対等な立場で?これは国務省にとっても都合がよい。イコールパートナーシップとして…実際には完全に依存、服従。


●米国による「核の傘」はウソであり、ウソを信じさせているのが自民党政権と保守論壇

日米同盟の本質は「二重封じ込め」、ダブルコンテインメント。日本人を抑えつけるために米軍は駐留。しかし、そこに米軍を置いて思いやり予算を出させて日本から税金をつぎ込ませて、ソ連を封じ込める。日本を封じ込めて、ソ連やチャイナを封じ込める。これがある限り、中国や韓国がどれだけ核ミサイルを持っても、日本だけはバルニラブル(脆弱な)状態に置かれる。パワーバランスは日本にとって不利にいっているが、日本だけには核をもたせない。


では、米国による「核の傘」は?それは全くのインチキ。「拡大抑止」を最初に言ったのはジョンソン政権。核戦略理論としてカウンターフォースセオリー。これがウソだった。


核ミサイルの打ち合いをしたら、米国は何千万人も死んでしまう。そんなことはあり得ない。当時のマクナマラ国防長官がそれを言い出したのは、日独に核を持たせたくなかったから。そのためにはウソでも空想でも、大丈夫だと思い込ませねばならない。


しかし、実際には報復しない。まともな人たちは、同盟国を守るために米ソで核ミサイルの打ち合いするのは幻想だと言っていた。いま米中で打ち合いをしたら、最初の30分で5~6千万人が死ぬ。やるはずがない。米国大統領はたった一発でも、ソ連から核ミサイルが来るリスクを考えたら絶対にその選択をしないだろうと言われていた。キッシンジャーも、エッセイで「核の傘などあるわけない、欧州で打ち合いをしたら米国の終わりだ」、と。


日本ではいまでも左翼だけでなく親米保守と言われる人たちがみんな、核の傘を信じているふりをしている。核の傘は無いと言ったら大問題になるからだ。読売や産経も米国にケチつけるなとなる。保守派どうしで足の引っ張り合い。我々が核の傘はウソだと言うと、親米保守からすごい攻撃を受ける。米国にさからうのか、それで日本は生きていけるのか、と。それが自民党であり、保守の雑誌。


米国様に文句をつけてはならない、核の傘を信じているふりをしなければならない。この構図は吉田がマッカーサーに屈服している構図と変わりない。

だから、本当のことを言う政党が必要だ。それが参政党だ。


●建国以来の二つの価値観を失った米国の悲劇…もう米国は取り戻せない

今の米国の国内混乱は根が深い。マスコミや大学教授たちは、トランプが混乱させていると言うが、それはウソ。米国人の価値判断の混乱は、60年代のベトナム反戦運動とか性の解放などから始まった。それが冷戦構造のタガが外れて、クリントン政権の時にますます混乱し、60年続いている。


最近ではキャンセルカルチャー。それは、お前には発言させない、議論させないというもの。議論のキャンセルであり、あんたには発言の機会は与えない。これは自由主義や民主主義の終わりを意味する。それこそ全体主義。キャンセルカルチャ―をやっている連中はフランス革命のときのジャコバンだとも言われる。


米国の悲劇とは、元々、二つの価値観によって建国された国なのに、それを失ったこと。二つの価値のうち一つが、清教徒、ピルグリムファーザーの精神、新しいキリスト教の道徳の国。もう一つは、アングロサクソン的なポリティカルカルチャー。制度的なインスティテューションを米国に持ち込んだ。両者がアイゼンハワーまではあった。


それが、60年代からのカウンターカルチャー運動でキリスト教の道徳が否定される。60年代の初めは白人人口が86%、アングロサクソン中心。それが、公民権の法案と移民法の大改正。改正後は移民の8割が発展途上国からの有色人種、白人は2割となった。白人の方が出生率が低い。生まれる半分が有色人種。新規労働力も半分がそう。それで、英国的な政治規範もなくなった。17世紀のキリスト教文化もなくなり、今は価値判断がアナーキー。これら2つを失うと取り返しがつかない。


●米国の言うなりだと日本は滅びる…「文明の衝突」の時代に日本を取り戻すために

トランプは破壊力が強いが、単なる道化師であり、思考力は浅いし、子どもっぽい。ただ、

トランプを支持している米国人は本当に危機感をもっている、古き良き米国が失われた、と。米国の田舎の人たちと議論すると、本気で米国がダメになると思っている。トランプがやってくれると…。自分はトランプを支持する45%の米国人には好意的だ。怒りと焦燥を感じるのはよくわかる。本当に米国が崩れてきている。


そういう連中を、大都市に住むインテリたちは見下げる。そこで庶民は怒る。敵対関係がここまで深くなると、元に戻らない。既に分断しているし、いずれ内戦状態になろう。


ハンティントンは偉かった。米国による一極世界などできないとした。次の時代は文明の衝突の時代だ、と。次の国際政治は米国のグローバリズム、ネオリベラルと資本主義が支配するボーダーレスエコノミーどころか、文明の衝突だと書いたら、叩かれた。「我々とは誰なのか?」と投げかけた。米国人がアイデンティティを失い、米国自らがバラバラになっていると。そして2030年代には内戦が起きるとした。


ハンティントンはそれで徹底的に叩かれたが、それでもめげなかった。30年後の国際政治も米国の国内政治も、彼の言う通りになっている。


日本が米国のようにならないためには、日本にもナショナリズムが大切。米国の言うなりのままにしていると、日本は滅びます。


…先般の参院選に向けて「参政党現象」が国民の間に起こったのは、米国一般庶民が米国国家の危機を感じてトランプを支持した上記の現象と通じるものがあります。全国津々浦々で参政党に参加した方々は、このままでは子どもたちのために日本の国を残せないと真剣な危機感を訴えて、私たちを支えてくれました。そのなかにはごく普通の主婦の方もたくさんいらっしゃいます。そして、参院選後も、これと同じ熱量が全国各地で維持されていることを、週末に各地でタウンミーティングをするたびに感じております。


この国民の動きを、トランプのような「子どもっぽい道化師」ではなく、カルトなどという批判の余地なき本格的な政策論をもって、リアルな政治へと組み立てていくことが私の役割だと思っております。

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