• 松田学

参院選で問われる内政のパラダイムチェンジと松田プラン~方向感なき岸田政権と参政党台頭が意味するもの~

参院選が近づいてきましたが、「ぬえ」のようで何をやりたいのか不透明が続いているのに、なぜか支持率だけは高い岸田政権。珍しくマスメディアが叩いていません。この構図がなぜ続くのかといえば、岸田氏を叩くと「安倍再登板論になるから」だという見方があります。いま、実質的に自民党政治をリードしているのは安倍氏ですが、再登板になるとメディアがまた叩くし、既にいまも叩いている…。


平和安全法制のときもそうでしたが、とにかく、日本という国は、国家が強くなろうとするたびに、左側からのプロパガンダで、それが妨げられることが続いてきた国です。対立構造とは政府対国民なのだという古いパラダイムから自由主義圏が脱却できないでいるうちに、中国など全体主義のパワーが著しく増大してしまいました。内政における安全保障へとパラダイムシフトをしないと、本当に日本は危機といえるでしょう。


いまや対立軸は「政府対国民」にはなく、グローバリズム全体主義に対して国民の自由をどう守るかにある。何をやるかのビジョンが見えない中で世論に合わせる政治を続けていると、日本は沈む。私が親しくしている小川榮太郎さんが語る危機感は、そのまま、私が唱えてきたことであり、参政党の立場です。今回は同氏との対談についてご紹介しますが、そこでは、「松田プラン」の意味を私から簡潔に明らかにしている部分もあります。


ここは安倍さんが手を付けられなかった部分、世界の大きな流れを先取りして内政のパラダイムチェンジを…多くの有権者に届けて、新しい風を政治に吹き込んでほしい…これが小川さんから私への、そして、国民へのメッセージとなりました。


●方向感が見えない岸田総理が叩かれないのは安倍再登板論を封じるため…?

岸田政権は不透明で方向性のわからない状況が続いていますが、支持率だけが極度に高い…。小川氏によると、「岸田総理とはよく話をする。同氏のスタイルは支持率をみて発言し、政策を決める、当面はその方向でしょう。ただ、それはあくまで何を目指しているかというゴールが見える中であるべきもの。ゴールが明確でない中で支持率だけ見ていると、どこかで国益を損ねますよ、ゴール設定を総理の言葉として出した上で世論を見るべきだと繰り返し申し上げている。しかし、そうなっていない。」


「現在でも、安倍元総理が政治報道でも軸になって報道されている。事実上は、安倍さんの再登板論を封じるためには岸田さんを叩くわけにはいかない、永田町や霞が関のトップクラスと話していると、それが本音。これだけ叩かれない政権は珍しい。」


「新しい資本主義と言うが、財界は困っている。成長戦略路線なのか、増税に行くのか、再分配論にまた行くのか、はっきりしない。普通なら追及されてしかるべきだが、岸田批判の矛先は鈍い。叩いた結果は、安倍再登板論になるからだ。これは、岸田さんを曖昧に出すことと連動している。岸田さんがダメなら、保守層からもう一度、安倍を、の大合唱になる。安倍さんが出てくると、困る。辞めた後ももりかけで追っかけられている状況だ。」


「保守層は岸田政権には不満だ。参院選までは世論調査重視という目論見。では、選挙が終わったあとは…本当に目指す政治は?なかなかみえない。憲法、新しい資本主義、外交、クアッドと言ってはいるが、実際にどんな政治なのかは描かれていない。」


「ただ、ウクライナがあって、岸田政権であることのメリットは、自民党も宏池会も国防を最優先課題にするという決断を、世論的にせざるを得ないこと。安倍さんなら当然だが、宏池会政権でも、安倍さんが提唱してきたことや改憲路線も、とらざるを得ない。『戦後レジームからの脱却』には、海外の危機がプラスになった。軸がもう動いている。政治の正常化の方向に…外交安保については、左右を超えて8割がた、意識のチェンジが起こっている、そこまでは合意ができた。」


●コロナが国民に与えた気付き

「それにしても、参政党はSNSで拝見しても、勢いがすごい。野党をゴボウ抜き。動員せずにはあんなには集まらないものなのに、集まってくる。他の政党だと、普通は、スタッフ以外は、さくらを入れても数人。それが500人とか1,000人単位。松田がストライクゾーンをやった。」


…ここには、一連のコロナ騒ぎで「何かヘンだ」という国民の気付きもあると思います。


「『安倍とともに去りぬ』の自分と違い、松田はコロナで孤軍奮闘を続けている。菅政権は五輪開催が大前提で、それでコロナ対策がゆがめられ、緊急事態を乱発しないと開催する資格なしと言われることを恐れて、自縄自縛に陥った。菅さん自身は常識的な感覚の持ち主であり、五輪がなければ、あんなことにはならなかった。ネットで情報を得ている人たちも、メディアだけでなく政治もおかしい、他の政党も何も言わない…そのようななかで、怖い者知らずの松田だけが言い続けた。」


「岸田さんに思い切ったことをやりなさいと言った。欧州もマスクをしていない。ハワイで誰一人マスクしていない、マスクをしていると、『日本はそんなにまだ流行っているのか』、『流行っていないのに、クレージー』…などと言われる。」


「このことを3月に岸田さんに話した。恥ずかしいことだ、と。世論やメディアを黙らせるには、欧米基準を総理が言って、そちらに合わせていくと言わなければならない。岸田さんは、その線で行く、そう自分は思っている、3月中に対応を変えると言った。でも、翌日、現状でマスクを外せないという判断になった。菅さんは五輪、岸田さんはまだ怖がっている高齢者に対応するのが世論上ラク。それが続くと参政党のチャンスだ。」


「安倍さんに手堅い支持があったのは、正論に落とそうとする感覚があったからだ。そうであれば、不満があってもついていく。正論に持って行こうとする意思があまりにもないと、どこかで雪崩が起きる。参政党は、おかしいことはおかしい、正しいことは正しいと言うことが一番できる政党だ。」


「日本の政治は、外交安保については共通する足並みがあるが、内政が見えない。政治家のビジョンがみえない。松田の場合は松田プランがある。」…


●日本の内政に新たな可能性を拓く「松田プラン」のポイントとは…

以下は、対談で求められて私が簡単に説明した「松田プラン」のポイントです。


…安倍さんは先般、「積極財政ができる、日銀があれだけ国債を持っていれば…」と言っておられたが、そこから二歩も三歩も踏み込んでいったのが「松田プラン」。日銀が持っている国債はちゃんと償還するが、通貨発行権のある政府が法定通貨の一種としてデジタル円を発行して返していけばよい。日銀がそれを銀行を通じて顧客に売却する。


それで、国債はお金に変わる。これが、積極財政に転換できる理屈になる。財務省は国債が多いから、国債の利払いで大変なことになるという立場だ。その論拠が崩れる。


およそ出口がない政策は実現しない。MMT(現代貨幣理論)も良いが、問題は出口がないこと。金利が上がる問題を考慮していない。銀行の財務も金利が上がったら大変なことになる。国債の利払い費が増えて、そのための国債増発という事態にもなる。


理論的にどうあれ、財務省と日銀が出口がないと判断すれば、積極財政は現実には動かない。財務官僚だった私は実務家でもあったので、そのことが見えている。


中央銀行も国民経済に対する政府との一体性が前提。独立性とはインフレ時代の話。今は、その大義名分が薄れている。財政金融政策のパラダイムチェンジができていない。


千兆円にのぼる政府の借金は、現状ではその半分が日銀の資産。国債は国民の資産だと言う人がいるが、それは国債を持っている人だけの話。国債を持っていないほとんどの一般国民から税金で国債を返済すると、逆の所得分配になる。現在の仕組みはそうなっている。多額の国債の存在はいろんな問題を生じさせることになる。それをみんなのお金にして、みんなの資産にするのが松田プランだ。仕組みを変えねば積極財政はできない。


そのために、国産ブロックチェーンの共通基盤を国内で創る。中国がブロックチェーンの世界共通基盤を運営し始めた。日本国民にとって魅力的なブロックチェーン国内基盤を早く作らねばならない。マイナンバーアプリが来年3月に日本では装着されることになる。本人確認がスマホでワンタッチでできる時代が来る。これを実現させたのは情報セキュリティの第一人者たちである松田のグルーブであり、実務を松田の社団がやっていく。


次はブロックチェーン基盤だ。これによって、セキュリティや個人情報保護が強化されることにもなる。GAFAなどのグローバルプラットフォーマーから独立した国民本位の自律分散型の仕組みを整備する。その上に乗る形で、いろんなコミュニティが多様なトークンを発行する。この共通基盤の上に、国のデジタル円の仕組みも乗ってくる。


デジタル人民元は通貨主権や個人情報保護に反する。国産の技術で日本でコントロールできることが大事。いろんなサービスをプッシュ型でお知らせできる。今は自分で調べねばならない。ワンタッチで手続きと支払いがスマホでできてしまう。中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)だと、そういうサービスができない。政府がデジタル円を発行するなら、いろんなことができる。通貨の概念が変わっていく世界の動きを、日本が先取りする。


●グローバリスト全体主義に対抗するために、参政党が担う内政のパラダイムチェンジ

以上の私からの説明を受けて小川氏は…「世界中が情報や金融のグローバル化。日本の国家主権について、『国民対政府』という国内における対立軸が、長らく、世界の民主主義国家では続いてきた。政府が強権を握るな、国民を抑圧するなという論理だった。これが政治経済のイデオロギーだった。国内における『政府対人民』という構図が続いてきた。日本では、国にパワーを集約することは、国民を抑圧するということで潰されてきた。」


「こうしてデモクラシー国家が悩んでいる間に、全体主義国家がパワーを国家に集約して、そのもとで十分に経済活動させてやるとして、パワーを著しく強めてきた。いつまでもパワーを分散させていると、世界との闘いで国民が敗ける。安全保障は意識が上がってきたが、通貨や経済分野での安全保障の考え方が問われる時代になっている。優秀な政党が国内における経済安全保障を理論的に牽引してほしい。」


私からは、「財政も情報技術もバランスシートも俯瞰的にみてきた自分だから、松田プランに到達できた。これを党内で浸透させて、党員でも語れるように努めている、こんな政党はほかにない。」と申し上げました。


小川氏は…「安倍時代の最初から言っていたが、政権に返り咲く前、日本は風前の灯だった。10年前にそれを補修したのが安倍さんの業績だった。しかし、その先をやる前に、『もりかけ』になった。内政の安全保障が必要なのに、通貨や情報のグローバル化に何の方策もなかった。これまで、たとえば自民党が何か作っても、いつの間にか霞が関が換骨奪胎して、30年前から何も変わらないものになることが続いてきた。いつの間にか霞が関が…日本の白アリだ。資産を食いつぶしている。」


私からは、「本当の骨太の政策で仕組みそのものを変えていく、これを参政党が打ち出したい」と述べ、小川氏は「それをぜひ、多くの有権者に届けて、日本の政治に新しい風を起こしてほしい。」として対談を結びました。


いよいよ6月22日が参院選の公示日です。このチャンスを逃すと、その後、三年間は国政選挙がないかもしれません。日本がこのまま沈んでいくか、日本の国家を取り戻して再興への道を歩めるか…民主政治のあり方を国民参加型に変えるという意味でも、参政党の進出によって今度の参院選が歴史的な意味のある選挙となることを強く祈るものです。

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